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定理:導関数が常にゼロなら、もとの関数は定数。
 
f (x) が区間Iでつねに f ' (x) =0を満たすならばf (x)I上で定数である。 
この逆の証明は、定数の微分を見よ。

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(証明1) [吹田・新保『理工系の…p.45.]  
      区間上でつねに
f ' (x) =0とは、すなわち、 f ' (x) 0かつ f ' (x) 0 ということ。
      
平均値定理の系1
      「 
f(x)閉区間[a,b]微分可能とするとき、
       
[a,b]広義単調増加(減少)であるための必要十分条件は、
       
閉区間[a,b]f ' (x) 0 f ' (x) 0)となることである。」
     より、
     
f(x) は区間I上で、広義単調増加かつ広義単調減少、すなわち一定。

(証明2) [『高等学校微分積分』p. 75;]
   (仮定)
     区間Iでつねに f ' (x) =0 …(1)
   (本題)
     aIを定数、x1I ( a x1 )任意の数とする。
    
(i) ax1の場合
     @は、
f (x)は区間I連続かつ微分可能であるとの含意を含む。
     ゆえに、
閉区間[ a,x1 ]If (x)連続かつ微分可能
     
平均値の定理より、
     
     となる
cが存在する。
     
(1)より、
     

      ax1だから、
     
f (x1 ) f (a ) =0、 すなわち、 f (x1 )f (a )
      
x1は区間Iのうちaよりも大きい範囲にある任意の数だから、
      区間
Iのうちaよりも大きい範囲においては、f (x)は定数f (a )に常に等しいといえる。
    
(ii) x1aの場合
      同様にして、
      
x1は区間Iのうちaよりも小さい範囲にある任意の数だから、
      区間
Iのうちaよりも小さい範囲においては、f (x)は定数f (a )に常に等しいといえる。
   
(i)(ii)より、f (x) が区間Iでつねにf ' (x) =0を満たすならば、f (x)I上で定数であるといえる。

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