若い頃はほとんど映画を観なかったのですが、30歳を超えてしばらく経った2004年頃、「これじゃいか〜ん」と思い立ち、以後は積極的に観るようにしています。現在は、テレビ鑑賞中心ですが、年間150本程度を観ています。 タイトルをクリックすると、評価コメントが表示されます。なお、評価および点数についてはあくまでも個人の主観によるものですので、参考程度に留めておいて下さい。 |
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ヤン・ヨンヒ監督のデビュー作となる私的ドキュメンタリー映画。朝鮮総連の元幹部であり、北朝鮮を信奉する父親の姿を、理不尽に思いつつも愛情を持って撮り続けた。監督の兄達3人は、帰国事業により栄光とともに北朝鮮へ旅立ち、そのまま帰ることは叶わなかった。監督と両親は何度か北朝鮮を訪れたが、この映画で批判的ともとれるように北朝鮮を描いたせいで、それも叶わなくなった。監督の壮絶な人生、在日韓国人と北朝鮮の関係など、あらためて知らされる事実も多く、そこに、父親の人間としてのなんともいえない愛くるしさが交わり、一言では言えない内容となっている。
2025年 6月
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サン・テグジュペリとも親交があったジャン・ルノワール監督作を一度見たいと思っていて、願いがようやく叶った。第一次世界大戦のさなか、ドイツ軍の捕虜となったフランス軍人、マレシャル中尉と貴族のド・ボアルデュー大尉。ドイツ軍人ラウフェンシュタイン大尉は紳士的に彼らを迎え、友情のようなものも芽生えるのだが、それでも祖国のために脱走を図る二人。戦争というやりきれない巨大悪と、個々の人間の存在の美しさを、地味ながら高らかにうたいあげた逸品。
2025年 6月
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サイレント時代の小品。チャップリンが仕事に行って帰る一日を描くだけだが、一階から投げられたレンガを二階で小気味よく受け取るシーン、エレベーターを使ったギャグなど、見どころたっぷりで楽しめる。レンガのシーンは逆回しらしいが、とてもスムーズでよく出来ている。
2025年 5月
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映画館でジャン=ポール・ベルモンド傑作選を観たうちの一本を再見。事故で友人を失った元レーサーがおちぶれ、犯罪に手を染める。運転手役からしだいに名を上げていき、高名な犯罪者に上り詰めるも、その先には暗い運命が待ち構えている。見やすい犯罪映画でありつつ、ヌーベルバーグの雰囲気も漂わせた逸品。
2025年 5月
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前に見た『ダ・ヴィンチ最後の真実』と同じく、レオナルド・ダ・ヴィンチの描いたとされる『サルバドール・ムンディ』が発見されてから高額で落札されるまでの成り行きを詳細に描く。本作では修復士の女性に焦点を当て、もしかしたら真作かもしれないという可能性も示すあたりが、『ダ・ヴィンチ最後の真実』との違いかもしれない。気になる方は、両作を観ることをお勧めする。
2025年 5月
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疲れた時は、以前に見て面白かった映画を再見する。本作は、『桐島、部活やめるってよ』で大ブレイクを果たした吉田大八監督が、その次に撮った作品。映像と演出がキレキレで、最初から最後まで心地よく見られる。平凡な主婦が横領に手を染める過程とその理由付けを見せていく手際もスムーズだ。吉田監督の本作以降の作品はちょっと停滞気味で、『桐島〜』と本作のレベルに達していない。
2025年 5月
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以前に見た時にかなり良かったのを思い出し、再見。タイムループものとして、矛盾をかなり目立たせなくしてうまく作ってある。ただ、こうした映画でいつも思うが、圧倒的に強い敵に対して、それでも主人公が勝利できる理由づけが弱いと思う。これをクリアするには、序盤から敵の弱点を提示しておき、最初はそれを克服できないが、途中で克服する方法が見つかる、という成り行きにする必要がある。そうでないと、なぜか知らないが敵が負けてくれた、みたいな展開になって、しらけてしまう。とはいえ、おおむね良い出来の映画で、やはりラストには胸躍らされる。
2025年 5月
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十年ぶりくらいに再見。物語の進行がややわかりづらいのだが、トム・クルーズ作品は一定レベルで楽しませてくれるので、安心して見られる。トム・クルーズの繰り出す格闘アクションは、キーシ・ファイティング・メソッドと呼ばれるもので、見ていて小気味よく気持ちいい。とてもトム・クルーズがかっこよく見えるし、ヒロイン役のロザムンド・パイクも地味ながら好演している。ただ、敵役、とくにラスボスが魅力と迫力に欠けるため、爽快感が今一つに終わるのが難点。
2025年 5月
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映画会イベントで紹介されていたので、鑑賞。窪田正孝演じる谷口の人生が描かれるかと思いきや、彼の戸籍が偽物だと判明し、真の主人公・城戸(妻夫木聡)が登場する。戸籍を偽り、自分を偽ってきた谷口のことを、同じく自分を偽って生きてきた城戸は気になって見捨てられない。しっかり描かれる谷口の苦悩に対し、城戸の苦悩はあまり描かれないところが消化不良ではあるが、見てよかったと言える一本。
2025年 5月
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監督は『自転車泥棒』などを撮ったイタリアの名匠ヴィットリオ・デ・シーカだが、本作はまったく共感もできずキャラクターにも魅力を感じない、つまらないメロドラマだった。駅構内だけで話が進むのも、そういう舞台立てで面白い映画はあるが、ただ単調さを増しているだけ。ローマのテルミニ駅が映るからと思って見たのが失敗だった。
2025年 5月
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台湾旅行に備え、嘉義を舞台にした一作として名高い本作を妻とともに鑑賞。全体的に作りが粗く、ストーリーや感動の見せ方に難があるものの、日本統治時代の台湾の一端を見るには意義のある一作。
2025年 5月
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ヴァーホーベン監督が、御年80歳を超えてなお健在であることを示した。修道女ベネデッタは数々の奇跡を体験することにより、修道院での立場を強め、ついには修道院長にまで上り詰める。その軌跡を、単純に断罪するでもなくニュートラルに描くところが面白い。剣での闘いで体に斬り跡が刻まれるグロシーンや、道具まで登場するエロスは監督お得意のものだが、それらにもちゃんとした理由がある。権威におもねらず、自分の思いに素直に従うヴァーホーベン監督のことを、僕はいつも、本当にちゃんとした映画を撮る人だと思っている。
2025年 5月
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岡本喜八監督作は全部見ようと思っている。最近見た作品では、傑作とされる『江分利満氏の優雅な生活』もピンと来なかったし、『ダイナマイトどんどん』『暗黒街の顔役』『助太刀屋助六』『暗黒街の弾痕』『大誘拐 RAINBOW KIDS』『ジャズ大名』あたりも、今ひとつ評価できなかった。ところが本作は、まごうかたなき傑作! 仲代達矢と高橋悦史の出会いのシーンからして、画面の緊密さが際立ち、最後まで目を離せない。仲代達矢が珍しくとぼけた役をものの見事に演じ切り、彼の行動によりストーリーがぐわんぐわんと動いていく様は実にダイナミックで小気味よい。そしてもう一人の主役格、高橋悦史も三枚目のかき回し役として、これまた素晴らしい演技を披露している。他にも様々なキャラクターに筋書きを与え、魅力を浮かび上がらせている。114分の尺とは思えないほど内容がみっしり詰まっており、岡本喜八監督作の中でも、一、二を争う出来だろう。
2025年 5月
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これまた素晴らしい拾い物。原子力技術を開発していた博士が、兵器に悪用される現状を知る。彼は開発を中止しなければ新開発の爆弾をロンドン市内で爆発させると政府を脅す。彼の設定した期間は一週間。一週間で博士は見つけられるのかというタイムリミットサスペンスが繰り広げられる。捕まるか捕まらないかという単純なスリルだけではなく、その理由づけとして、現代にも通じる原子力の問題が大きく存在している。これは今見るべき映画の一本だろう。
2025年 4月
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インディ・ジョーンズの初期三部作の最後の作品。父親との確執から、やがて一緒に冒険する展開となり、シリーズ最終作にふさわしい内容だろう。これでやめておけばよかったのに。インディも父親も、完全な善人ではないところがよい。
2025年 4月
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夫の介護に人生を奪われていた83歳の女性が、一念発起して登山に挑戦する話。何かを始めるのに遅すぎることはない、というテーマは素晴らしいのだが、どこまで人に頼るのかという線引があいまいなので、若い青年との確執と交流というテーマとごちゃごちゃになり、あまり腑に落ちなかった。
2025年 4月
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ポール・バーホーベン監督の、オランダ時代の作品。もちろん一定レベルの見ごたえはあるものの、貧困の中で泥水を飲むように生きていくことの苛烈な様子が描かれ、見ていて辛くなるところも多い。そして、あいかわらずこの監督はエログロ満開で容赦がない。当時のオランダのトイレは、食事の途中にみんなの見ているそばで部屋の隅に掘られた穴の上にぺたんと座って用を足す、という感じだったと知って驚く。そして、ケティが慰みのため一人で影絵遊びをしていると、とんでもない影が現れて、という展開はもう、アホか、と笑うしかない。
2025年 4月
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デヴィッド・クローネンバーグ初期の監督作。ずっと見たいと思い続けた一本を、ようやく見た。人間の欲望を開放する寄生虫が開発され、マンションに被害が広がっていく。脚本、演出ともに荒削りだが、いかにもクローネンバーグらしい映画を見た気にはなる。
2025年 4月
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パート1は何度も見ているので、気まぐれにパート2を見てみた。やはり、面白いポイントを数多く盛り込み、タイムパラドックスというそもそも矛盾に満ちたテーマをうまく納得できるように見せてくれる、王道の娯楽映画。
2025年 4月
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これはちょっといただけない。ある殺人事件において、それぞれ全く異なる環境で暮らす3人の容疑者の生活を描き出す。三者は交わることはなく、そのうちの誰が真犯人かを巡り、3つの異なる物語が進行していく。ラストの真相解明に向けてキャラクターが動かされているだけのように思えて、僕にはどうにもやりきれなかった。
2025年 4月
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フランス革命前夜の時代、〈黒いチューリップ〉と呼ばれる義賊が貴族から金品を盗み歩いていた。〈黒いチューリップ〉が誰なのか、憲兵隊長は必死の捜索を続ける。正体がばれるかばれないかのハラハラ感、アラン・ドロン扮する〈黒いチューリップ〉のアクションなど、見どころはしっかりある。また、途中で身代わりとなる弟との二役を演じる際、なかなか凝った合成が使われており、その点も面白い。
2025年 4月
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これも何度も見ている作品。とんでもない親父の人生を、とくに正当化するでも解明するでもなく描ききった傑作。しかも、人間なんてこんなもの、という突き放した視点でもないところが素晴らしい。
2025年 4月
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これは思わぬ拾い物の一品。ニューヨークの地下鉄を乗客ごと乗っ取り、身代金を要求する犯罪者軍団と警察との抗争を描く。公安部部長に扮するのが名優ウォルター・マッソーで、彼ならではのとぼけた味わいとシリアスな雰囲気がマッチして、映画の面白みをぐんと増している。
2025年 3月
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疲れ気味なので、心底楽しい映画をと思い、選択。これまでジャッキー・チェン作品はそれほど見てこなかったのだが、本作でのアクション、それからクリス・タッカーとのコンビ芸など、一定のレベルの娯楽をきちんと提供してくれることに満足。まさに、この状況で見せてほしいドンピシャの映画だった。
2025年 3月
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20年以上ぶりに再見。デヴィッド・フィンチャーは好きな監督ではないのだが、本作のシリアスなサスペンス、予定調和に陥らないラストなど、見どころはしっかりあった。ケヴィン・スペイシーもブラピもモーガン・フリーマンも、すべていい演技。
2025年 3月
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オーストラリアに暮らす一家が車で砂漠に出かける。冒頭でいきなり父親が車を燃やして自殺し、少女と弟が二人きりで砂漠に取り残される。必死で町へ帰る道を探すうち、アボリジニの少年と出会い、交流が生まれる。生活の違いに戸惑いながら、少女と少年は惹かれ合っていく、という話。実にじっくり見ごたえのある作品だが、あまり意図的に思えないヌード描写に、やや違和感を覚えた。
2025年 3月
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アメリカ統治下の沖縄を舞台にした、幻想譚。全部が沖縄の言葉なので字幕入りだ。僕は沖縄に思い入れがないので、そこまでのめり込んでは見なかったが、他の日本映画では見たことがなく、沖縄でしか表現しえない作品に仕上がっているのは確かだ。豚の化身である豊満な美女を、青山知可子が熱演している。
2025年 3月
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大好きなホラー映画の続編。一作目ほどのインパクトはないものの、助っ人として現れた女性とともに、次第に成長し悪意を表面化させていくダミアンがしっかりと描かれる。ショックシーンの出来も前作同様、優れている。
2025年 3月
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評判に違わぬ傑作。退屈な映画、という誤解もあるようだが、全てのシーンにおいて目が離せなかった。河合優実演じるカナの、周囲から見ると奇矯な言動にも、一定の理屈があることが見ているものにはわかる。もちろん、それはないだろうという振る舞いもあるけれど、だからこそ、それに寄り添おうとするハヤシの、一見ちゃらんぽらんながら心根の優しいところも見えてくるから、最後まで見ると、やはり人間讃歌の映画なのだと思う。
2025年 2月
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アガサ・クリスティ原作の映画化作品。前作にあたる『クリスタル殺人事件』があまりに地味すぎたせいか、再び『ナイル殺人事件』的な海洋を舞台にしたミステリーに路線変更したように思える。あまり世評は高くないが、一定のスケール感は出ており、謎解きの楽しみも味わえて、僕は悪くない作品だと思う。
2025年 2月
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澤田幸弘監督作を見るのは、これで4作目くらい。当時、不良少女役で一世を風靡し、すでに20歳を越えていた夏純子が中学生役を演じるという、無謀な映画(笑)。高校生との乱交パーティをするしないでコメディが展開し、純血教育をうたう学校側のほうが腐敗しているという事実を暴いていく痛快青春もの。お色気要素は意外に少ない。女子中学生から頼りにされているとぼけたチンピラ役の岡崎二朗がいい味を出している。
映画の冒頭で、まだ無名だった頃の吉田拓郎の『青春の詩』がBGMとして流れるのも面白い。さらに、藤圭子の歌唱シーンが出てくるのも貴重。 2025年 2月
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体を小さくすることで省エネルギー化をはかり、人口増加に対処する未来を描いたSF。新しい世界への期待と不安、愛する者どうしでの考え方の違いなど、いろんなことを考えさせられるが、さらりと軽く見られるようにうまく作られている。
2025年 2月
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知人に勧められて鑑賞。ロシアを舞台に、第一次世界大戦とロシア革命という激動の時代を生き抜いた男女を描く大河ロマン。こうした映画はあまり見慣れなかったが、充分に堪能した。劇場で見ればさらにまた感動は増しただろう。
2025年 2月
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ジャン=ポール・ベルモンド主演作で、数年前に開催された第一回ベルモンド映画祭で唯一、見逃していた作品。ヒロイン役はセクシー女優のラクエル・ウェルチだ。ともに映画のスタントマンとして働くベルモンドとウェルチだが、結婚式の当日まで仕事を引き受けたベルモンドが事故で重傷を負い、あきれたウェルチが婚約を解消して去っていく。仕事も失い落ちぶれたベルモンドの元に、大きな仕事が舞い込み、起死回生を狙うのだが…、という内容。ドタバタコメディとしては一見の価値あり。
2025年 2月
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これまたジャン=ポール・ベルモンド主演作。ベルモンド演じる航空兵アドリアンがフィアンセの待つパリにやってくるが、殺人事件に巻き込まれ、フィアンセは何者かに拉致されてしまう。秘密を追ってアドリアンはリオデジャネイロへと向かう、という壮大なスケールの冒険譚。ベルモンドの痛快劇を見たい人にはお勧めの一本。
2025年 2月
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レイチェル・ワイズが弁護士に扮し、ホロコースト否定論者との抗争を描いた作品。ホロコーストがなかったとする意見との闘い、アメリカとイギリスの裁判の違い、事務弁護士と法廷弁護士の連立、ホロコースト犠牲者に証言させることの是非など、いろんなテーマが詰まっているのだが、ごちゃごちゃしていて何も伝わらなかった印象。
2025年 2月
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文明社会に背を向け、山野に分け入り暮らす青年をロバート・レッドフォードが好演。ベテランの山男に山で暮らす術を教えられ、果てはネイティブアメリカン同士の争いに巻き込まれていく。雄大な自然を背景に、そこでもやはり繰り広げる人間達の憎悪劇には、いずこも同じと教えられる。
2025年 2月
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ウディ・アレン監督は、常にいじわるな状況を作り、そこに人間の醜さを暴き立てることで、コメディにしたりサスペンスにしたりする職人だ。本作は、老夫婦の三人の娘が、ともに問題を抱えつつ暮らしており、夫婦も遂に別居し、夫は新しい若い妻を迎えようとする。どう見てもうまくいくとは思えない再婚に、妻も娘達もあきれるしかなく、最後までシニカルな風味に貫かれている。
2025年 2月
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石井聰亙(現・石井岳龍)監督が、自分の好きなように作った作品だ。荒廃した近未来社会での抗争劇という意味では、やはり『マッドマックス2』の影響は少なからずあると思う。ストーリー度外視で繰り広げられる暴力に、陣内孝則率いるロックバンドの音楽とが交錯し、なんともいえない高揚感、倒錯感が生まれる。
2025年 2月
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クレヨンしんちゃんシリーズでは大好きな原恵一監督だが、本作にはそれほど乗れなかった。河童のクゥが少年と出会い、交流を重ね、やがて大騒ぎとなる展開は、微笑ましくも予定調和に思えてしまう。
2025年 2月
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40年以上前、テレビで見てラストが退廃的だったことを覚えていた。どこかで再見できないかと思っていたら、閉店するTSUTAYAでDVDを安く購入できた。見始めてすぐに、これだこれ、と嬉しくなり、ラストもまた、ほぼ覚えている通りの展開だった。傑作というほどではないが、古き良きホラーの雰囲気と伝統を受け継ぎ、当時の空気感を思い出させる作品として、僕の記憶に新たに刻みつけられた。
2025年 1月
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実録安藤組シリーズ第三作。安藤昇が実名で登場する。さすがにだれてきた感じは否めず、何のために抗争をしているのか、また、何のためにこの映画を作ったのか、制作サイドもわからなくなっているのではないか。菅原文太が安っぽい役回りなのも気に入らない。
2025年 1月
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これまでジョン・ヒューズ監督作を僕は世評ほどにはまったく評価できない、と思っていたが、どうやらそれは監督作ではなかったようで、実は同監督作を見るのは初めてだった。放課後に残された生徒達がそれぞれの状況とキャラクターの中で互いに交錯する。コミュニケーションの難しさ、それでも現れる人間の尊さを描くという点でかなり成功していると思う。
2025年 1月
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2017年に引退宣言をしながら2023年に復帰した、アキ・カウリスマキ監督の最新作。労働者3部作に連なる4作目らしい。あいかわらず社会の底辺でぎりぎりの生活を送る男女が描かれる。出会い惹かれ合いながらも不器用な二人は、次に会う機会をなかなか見つけられず、ようやく一緒に食事をしたのに喧嘩別れとなる。二人の行く末にかすかな希望が見いだせるのかどうなのかはわからない。辛辣ではあるが、ヘルシンキにはこうした状況がまだまだ残っており、それを監督は表現せねばと思ったのだろう。
2025年 1月
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クリント・イーストウッド最新作なのに、U-NEXT配信で、なぜか見放題枠で見られた。非常にいじわるな状況に主人公を置き、その行動を見守るという、終始居心地の悪い思いをする。人間性とは何かが問われているのだろうが、さすがにそれは厳しすぎるのでは、と思ってしまう。とはいえ、サスペンス映画としては一級品だ。
2025年 1月
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バスター・キートンの映画にしては107分と長めで、しっかりしたストーリーがある。おなじみキートンの体を張ったギャグは健在で、人情味も加わり、実に見応えがある一本。
2025年 1月
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『サスペリア』等のホラーで有名なダリオ・アルジェント監督だが、じつはリアルなサスペンス映画も多く撮っており、本作は初期の一作。遺伝子研究所に何者かが侵入し、翌日、研究員が殺害される。盲目の男性がその手がかりを突き止めるものの、事件はさらなる被害者を生んでいく。実に手堅くサスペンスを演出している。
2025年 1月
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元小説家で今は小説を書かずライターとして生きる市川は、妻の浮気を知った際に自分が何も感じなかったことにショックを受ける。新進の小説家に振り回されたり、友人夫婦と付き合う中でも、強く感情を揺さぶられることもなく淡々と日々を過ごすのみ。彼は周囲との軋轢のなかで、恋愛や夫婦、なにかに夢中になるとは何か、などを見つめていく。
本作の伝えようとすることはわかる気もするし、主演の稲垣吾郎をはじめ演技に申し分はないのだが、どこか作り物めいた感じがして、今ひとつ乗り切れなかった。 2025年 1月
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昨年、話題となった一作だったので期待して見たが、僕はあまり乗れなかった。時間が行ったり来たりするのも騙し騙されのコンゲーム的展開も、わかりやすいとは言えず、面白いともあまり思えなかった。僕がいちばん感心したのは、二人vs集団の闘争シーン。素晴らしくわかりやすく面白いアクションの連続で、そこだけはしびれた。いっぽう、画期的だと評判だった水中アクションシーンは、そこまで面白いとは思えず。
2025年 1月
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日本でもヒットした『ナイル殺人事件』につづき、アガサ・クリスティ原作ものとして作られた。ただ、前作に比べ、あまりにも物語が小さく、拍子抜けする。子供の頃に劇場で見たときも、「え? これで終わり?」と思った記憶が残っている。同じ原作のドラマ版もあり、そちらのほうが見応えはあった。
2025年 1月
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これは大傑作。創立記念日にチェーホフの「櫻の園」を上演する女子高演劇部の、上演当日2時間を描いた作品。女子高校生のみずみずしさ、不可解さを、やや不思議なタッチで描く。冒頭からただごとではないものを見せられていることが伝わり、エンディングまで目を離せない。
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