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Audioに関する能書き
音質改善したお話

 


 ★Audioは趣味の中でも特に主観の強い世界です。いろいろな楽しみ方があって当然だと思います。
   下記内容につきまして、原理原則の基本を抑えておりますが、私自身の独学と経験からくる
考察によるものです。・・・・・あくまでも参考程度に読んで下さい。



<能書き項目>
★ジャンプ読みされる場合は各項目の”■”をクリックしてして下さい。
<本編に記載>
【Audioにおける再生について】・・・別項に記載
【Digital Audio:Analog Audio(デジタルオーディオ:アナログオーディオ)】
【Analog Audio:アナログオーディオ】
【デジタルオーディオに進んだ理由】
【今までのデジタルオーディオ】
【デジタルの音】
【更に上を行くPCオーディオ】
【iPodの音質は超高級CDPを超える?】
【PCオーデイオの音質も超高級CDPを超える?】
【音源が良くなれば再生側も良くしたい?】
【スピーカーの改善について】
【アンプの改善について】
【ケーブルの改善について】
【スピーカーケーブルの材質や構造による変化について】
【お勧めのLINEケーブル(アナログ信号用RCAケーブル)について】
【お勧めのLINEケーブル(デジタル信号用RCA/光ケーブル)について】
【CDP&DACの改善について】
【デジタルチャンデバによるマルチアンプ駆動】・・・別項に記載
【YAMAHA業務用パワーアンプを低音部に活用】・・・別項に記載
【業務用中古アンプについて】・・・別項に記載

【BOSE 121とウーハーを使った再生帯域の改善】・・・別項に記載





Audioの能書き



【Digital Audio:Analog Audio(デジタルオーディオ:アナログオーディオ)】

◎既に実施されている方はご存知だと思いますが、Digital Audio(デジタルオーディオ)は間単に言いますと音源ソース〜音を出すスピーカー直前まで全てデジタルを用いた方式のことで、入り口から出口まですべてアナログ方式のFULL Analog Audio(アナログオーディオ)は、途中のどこの信号を拾っても音楽信号を認識する事ができる方式で音の良し悪しをチェックできるのに対して、デジタル方式では途中の信号を拾っても全く音楽として再生できないので各機器の処理状況の良し悪しの判断が難しく、原則、手を加える事すらできません。

◎スピーカーを除きデジタル化した方式はFULLデジタルサウンドと言ってよいと思います。どんなに、デジタル化が進んでも、今も今後も最後の音が出てくるスピーカーだけはアナログにするしか有りません。・・・でないと人間も自然界も、そもそもアナログですし”1””0”だけのデジタルの音は、全くは理解できない音になってしまうでしょうから・・・。
スピーカーは、今のところ、将来、材質(振動板やマグネット・コイル)や構造に多少の進歩があっても、基本は既に確立された構造で車のワイパーではありませんが、コスパ的に考えても、この先もたいして変わらないと思います。



【Analog Audio:アナログオーディオ】

◎昔(今から40年以上も前)は、音楽の音源はアナログ式の音源しかなく、レコード盤(略して:LP)かテープ(カセットテープデッキやオープンテープデッキ/FMのエアーチェックを含む)が音源ソースでした。カセットテープは今一、音質はレコード盤より劣り、それに比べ、オープンデッキタイプ(2トラ38と言われたテープ)はスタジオのマスターになるぐらいで音質は大変良いのですがコストが掛かり過ぎてとても一般的ではありませんでした。(デッキの本体も高いのですが、テープ自体がこれまた高価で場所をとります)

◎良い音を再生するソースで一番ポピュラーなのがレコード盤でした。只、レコード盤を再生するには、レコードの録音特性(RIAA規格)に合わせた「フォノイコライザー」と言う専用アンプが必要で且つ、レコード盤(LP)をいい音で鳴らそうと追求すると、レコード針(カートリッジ)・トーンアーム・フォノケーブル・ターンテーブル・間のケーブル類等の質による影響がとても大きかったのです。

◎プレーヤーだけをとっても音質に与える影響箇所が多々あり、水準器を使っての回転テーブルやアームの水平調整は当たり前ですがアーム部分の調整だけでも、水平調整・高さ調整・ラテラルバランス調整・インサイドフォースキャンセラー調整・オーバーハング調整・針圧調整そしてスタイラス(針)の定期的な清掃等、かなりの知識と手間が必要になりました。又、スペースも写真の様に大きく場所をとってしまいます。(中央部の茶色い円の部分だけでレコード盤(LP)と同じ(直径30cm)か、それ以上になります)
アナログの世界では、大きい・重たい・電気を沢山使う、が重要なファクターでした。

      
      ★レコードプレーヤー(ターンテーブル):No.1
        キャビネット     :2本アーム用/重量70kg(積層合板8枚で自作)
        ターンテーブル   :DENON DP-80(ACシンクロナスダイレクト駆動)
         トーンアーム    :FR-64S & AudioTechnica1501III
        MCカートリッジ   :FR-7f & DENON 103R
        フォノケーブル    :AudioTechnica
        昇圧トランス     :DENON AU-340 改(アーム切換式)
        Phonoイコライザー :Accuphase C300V Phono入力(MC/MM対応)

      
      ★レコードプレーヤー(ターンテーブル):No.2
        キャビネット     :1本アーム用/マイクロ純正
        ターンテーブル   :BL-91(ベルト駆動)
         トーンアーム    :FR-64fx
        MCカートリッジ   :AudioTechnica AT-3II & DENON 103LCII
        フォノケーブル    :FR-64fx純正
        ヘッドアンプ      :MUSES8920+電池式±15V(150Ω30倍増幅:自作)
        Phonoイコライザー :YAMAHA MV422 Phono入力(MM専用)

◎レコードを再生するには振動を電気に変換する発電装置部分とレコード針(スタイラス)から構成されたカートリッジ必要です。このカートリッジ一つ取り上げても針先や感知レバーの材質や形状、発電機構の違い等、多岐にわたります。又、レコードに記録される音楽信号は、低音域を小さ目、高音域を大き目にして記録されます。この記録方式規格を「RIAA」と言い、この規格にのっとって元の状態にもどす回路をイコライザー回路、又はイコライザー(EQ)と言います。

◎この元になる音源と「RIAA」規格の沿って復元された音源と比較して、誤差がどの程度ずれているかを現す事を「RIAA偏差」等と表記(単位:±db)し、この差がEQの復元性能を現しますが、あくまでも、復元性能であって音の良し悪しを現しているものではありません。

◎EQには、微弱な信号を扱いますので通常のアンプ以上のS/N比が要求されます。又、微弱な信号を通常の信号レベル(LINEレベル)まで増幅する必要がありますので、チョッとしたノイズも増幅してしまい性能差が顕著にでる部分です。

◎レコードに記録された音楽信号をピックアップするカートリッジには大きく分けて発電方式の違いによるMM式とMC式があります。中でもMC(ムービングコイル)方式は音質には大変優れておりますが、発電量が非常に小さい為、アンプに送る前に一旦電圧を上げる装置が必要です。

◎電圧を上げる方式に昇圧トランス式やアンプで増幅するMC専用ヘッドアンプ式等が必要になります。これらの装置一つ一つが音質に影響し、これもピンキリで存在していました。能動素子を使わないトランス式(コイル) はS/Nは有利ですがコイルとしての欠点があり周波数特性的にアンプ式より不利になります。(良くできたトランスは10Hz〜60kHzをカバーします )

◎アンプ式には、昇圧専用のヘッドアンプとEQ部で大幅に増幅するEQアンプがあります。通常は、MMカートリッジの発電電圧(約4mV程度)はLINEレベルまで増幅する様に作られています。小出力タイプ(約0.2mV程度)のカートリッジの場合は、微少信号過ぎて音が大きくなりません。これらの微少信号を通常のMMカートリッジ並みの信号レベルに増幅させるアンプが”ヘッドアンプ”です。このヘッドアンプのはRIAA補正する回路は存在しません。因みに0.1mV程度の微少信号まで対応できるEQアンプ、又はPhono入力は「MCカートリッジ対応」等と記載されています。

◎アナログ再生は、入り口〜出口まで全てアナログであるがゆえに、チョッとした変化が音に影響を与え、又、音に影響を与える要因箇所が大変多く、音質のチューニングに終わりがないと言えます。アナログソースは、∞bit / ∞kHzのサンプリングな訳で自然環境では気温・湿度・気圧・磁場等があり、人的環境では室内環境・構造・材質・振動・電磁波・電源電圧・電流容量・サイクル波形(アナログ波形)等が、あらゆる物に影響を受けやすく、セッティングが悪かったり、どこかをチョコっトといじるだけでも以前と異なった音質になります。(「異なった音質」と表現しましたのは、その変化が良くなったのか、悪くなったのか判断できないからです)

◎アナログOnlyだと、ベストの状態を維持するのが日々大変でした。又、埃・汚れやノイズに極めて弱く、対策や手入れが悪いとノイズが増えたり音質の劣化を伴い音楽を聴いていて気になりました。(音楽を聴いている時間より、機器の掃除をしている時間の方が長くなる時もあります)良い音を維持するには、絶えず手入れが必要です。

◎この手間暇のめんどくささを苦労と思わず、逆に楽しみながら作業し、作業中は無心になれる方達を「オーディオマニアとかオーディオおたく」と称していました。(昔は、私もそうでしたから、納得してしまいます)

◎今でもアナログ一辺倒の方もいらっしゃいます。このメンドクサイ作業を絶えず、手間暇を掛け続けなければ決して良い音は出てきません。しかし「手間を掛けただけ音質もよくなる」も事実ですが・・・かと言うと、そうとも限らないのがオーディオなのです。

◎究極の音楽再生は、究極のデジタル方式より究極のアナログ方式の方が「上!」・・・は、私も同感できるところではあります。(なにしろサンプリングが∞bit/∞kHzなのですから・・・)しかし、究極のアナログを追求するには、お金と部屋と時間の余裕のある環境が伴っていないと、とてもとても・・・破産してしまいます。お金と労力を注ぎ込んでも又、何時も同じ最高の音が出せるかと言うと、日によって、季節によって、天気によって、これ又、変わってしまい絶えず微妙な調整とメンテナンスが必要になります。

◎オーディオで一番気をつけなければならない事が一つあります。それは、
全体のトータルバランスがとても重要だと言う事です。入り口から出口までの間にレベル(質)の低い又は異なる装置(スピーカーや機器)やケーブル(細過ぎの物やる鉄分を含んでいる針金みたいな物)等が介在しすると、バランスが崩れ、音質や低い機器のレベルになってしまいます。したがいまして、一点豪華主義で一箇所だけ良くしても、多少は変わりますが、他の物に引っ張られてその豪華さが発揮されず、逆に他のレベルの低さを露呈させてしまうか、又思ったほど大きくは改善されない等、期待に沿わない事の方が多いのです。

◎音に対してもそうですが、低域の出過ぎ・中域の出過ぎ・高域の出過ぎも良くありません。多少好みで変える事もありますが、原則はフラット感があり、全体にバランスのとれた音質にする事が重要です。基本を抑えた上で、そこから好みの音質に仕上げて行くのが原則です。

●最近、又 アナログ音源(LP)の音楽性の良さが見直され復活しておりますが、当時と比べ盤の材質など高度に進歩したせいなのか分かりませんがべら棒な価格で売られています。注意すべきは、LPにする前の音源(マスター音源)はおそらく、デジタル録音かと思います。
(最近のLPは、元になるマスターソース自体、デジタルで録音されたものです)




【デジタルオーディオに進んだ理由】

◎Digital Audioはアナログの弱点である環境に影響され易い性質やノイズの弱さ・取り回しのめどくささを無くし、録音時間(媒体の収録時間)も長く定常的に安定した音が出せます。又、音楽の製作サイドでも音楽データの質を落とさずに加工やアレンジもし易くコストが掛からない方式がデジタルなのです。その為、どんどんデジタル化が進み、デジタル音源の音楽(CD)が誕生しました。製作側が意図した音楽をそのまま意図した通りに何度ダビング(コピー)しても変化せずに全く同じ状態でリスナー側に届けてくれます。

◎保管においても、LPでは直径30cmと大きく・重たく、厚味もあり、録音も裏・表両方で45分ぐらいしか記録できず、無理しても60分程度が限界です。ダイナミックレンジも大きく取れません。CDは直径12.5cmと大変コンパクトで録音時間も片面(片面しかない)で約74分以上と長く、表から裏に切り替える作業もなく、好きなところからリモコン操作で座ったままで再生・停止等のコントロールできます。

◎そこそこの音質を維持するのに、LP(アナログ)程コストと手間が掛からない為、これで一気に世の中にCDが普及してしまいました。今あるLP(レコード盤)は、特別な高音質録音を駆使した特殊なLP(すっごく高価)以外、殆ど駆逐された状態になっちゃいました。(海外ではまだまだ沢山現存しているそうです。)

◎今は、レトロブームの影響もあり真空管アンプやLPが密かにブームとなり一部でLPの復活の兆しもありますが、音の再生におけるめんどくささは、昔と全く変わりません。ただ、昔と違うのは、LPの録音の技術が進歩してLP自体、格段に音質が向上している事だと思います。今の高音質LPは、最新のデジタル技術を駆使したハイレゾのデジタル技術で録音されたもので、録音時のデジタル処理自体、高ダイナミックレンジ・高帯域・高密度・高SN比で人の耳で聴く限りは、下手するとアナログ録音より優秀かもしれません。



【今までのデジタルオーディオ】

◎デジタルオーディオは、音源(ソース)になる元から、デジタル信号なので先ほども述べましたが、このデジタル技術は、録音時の質を落とさずに加工が容易で、原則、コピーを何度繰り返しても音質劣化が起きません。元になる音(録音時の音)が優秀であれば、皆さんの手元には優秀な状態のソースとして届きます。

◎再生も、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器(デジタルをアナログ変換するD/Aコンバーター:略してDAC:ダック)を通しアナログ再生されます。一昔前までは、このDACの優劣で、ある程度、音質が決まると言われ、安い物で数万円、超高い物で数百万円もしました。(今でもピンキリで存在しています)このピンキリの価格差には、それなりに理由があると思いますが、しょせんICチップのよせ集めなので高額なDACの大半は”ボリ過ぎ”だと思います。(高性能なパソコンでも¥50万以下です。(オフコンのスーパーコンピューターは規模も違い、億単位ですけど)

◎しかし中には相当な開発費を投入し、設計上の付加価値を金額にしたと思われるDACもあり難しいところです。CDの場合、CDの音源を読み取るCD Player(CDP)から、信号をリアルタイムで読取、即座にDAC(CDP内臓型DAC又は外付け型DACの2種類があります)を通し人の耳で理解できるアナログの音にしています。


      
     ★上:PHILIPS LHH-500と下::TEAC VRDS-10SEのDAC内臓のかなり古いCDP
       中央:旧TEAC D-T1外付けDAC7を用いた1bitDACです。  

      
     ★メインCDトランスポート:CEC TL51Xベルト駆動/DACは内臓していません。
      (外付けDACのTEAC UD-301改:OPAmp変更を経由)

◎CDPは、CDに書き込まれている音楽データをリアルタイムで再生しますが、このリアルタイム再生なるものが問題でして、高速で回転するCDから書き込まれている信号を読む訳ですから100%エラーなく読むのは理屈的に考えても不可能です。そこで、メーカーの技術陣は・・・エラーしたところの前後の信号と比べて適当(理論的な補正)に信号を加えてしまう信号補間を行います。どうしても補えない場合は、多少のエラーは無視して通過させてしまう様にしたのです。あまり、読取エラーがひどくい場合はCDPでエラーを表示したりエラーしないまでも、異常音を出したり、音飛びしたりします。

◎高級なCDPはCD読み取り部のCDPとDACを別々の筐体におさめ、専門化させ、読み取り部のCDPには、読み取りエラーを極力無くす工夫を施しドライブユニットも外部振動対策に重量化させ読取エラーをおえる為に精密加工と高級化に拍車をかけ、補間技術でも制度をかなり高める工夫がされます。一方、DACもCDPから送られて来たデジタル信号をより精度を上げるべく高級なICを複数並列駆動させる等の回路技術を駆使し、受け取った信号を極力劣化させないようアナログ変換させています。(高額にならざるを得なくなる理屈・・・でも、高過ぎです)

◎これは、元の信号に「エラーが必ず有る」を考慮しているからで、高級CDP/DACになれば成る程、筐体や電源部等より高度な回路設計・より良質なな半導体素子が用いられています。そのため、価格はうなぎ昇りになってしまう訳です。筐体だけを高級にし、中身は数万円の装置を入れ数百万の価格を付けた海外製品もありますが、デジタルでの音楽は多少の違いや差はあるものの、出てくる音はそれほど極端に差が出にくい・・・と言う事を証明しているいい例です。




【デジタルの音】

◎CDのCD規格自体が古く音質で、LPに負けていたものと思います。当時、「やっぱりLPの方が音が良い」と言われていたのもそのせいだと思います。しかし、CD規格に不満のあった技術陣が新たにSACD規格を作り、SACDが出てから急激にデジタル技術が激変・進歩し、デジタルの音源自体がアナログ並みの音質とアナログ以上のSN比と歪み率で記録されています。又、この高品質・高音質なデジタル音源をダイレクトにアナログ変換し(ハイレゾでDA変換)再生する技術も出てきました。
◎SACD(スーパーオーディオコンパクトディスク)やDVDオーディオが出てきた為、それに伴い格段にIC素子やデジタル技術が進化しました。アップサンプリングやオーバーサンプリング技術も更に進化して、人の耳では聞き分けられないぐらい情報量が格段にUPしてきています。それらの進歩により、昔から在るCD再生技術自体も格段にレベルアップしCDでの音質もUPしLP並に聴ける、との事で耳の肥えたオーディオマニアの方にも受け入れられる様になりました。



【通常のデジタルオーディオの更に上を行く?PCオーディオ】

◎パソコン(PC)を使ったオーディオ環境は、デジタルオーディオの仲間です。昨今このPCの低価格化と性能の向上に伴いPCゲームも進化しました。それによって超リアルな画像とサウンドが出せる様になりました。この為、PCの性能も向上しましたが、PCと共に周辺機器のサウンドカードも高性能で且つ安い価格で手に入る様になりました。

◎インターネットが普及し更に高速伝送が可能になり今では、高音質な音源が提供される様になりました。音楽配信される音源はCDより音質が上回っている音源もあります。これらの音楽配信の影響もあって高音質で再生できるポータブルプレーヤーも出てきました。(そうです、あの・・・元祖Apple社のiPodです)

◎このiPodの出現で、さらなるデジタルオーディオが普及と進化を遂げたのです。iPodの音楽再生は、まさにPCによる音楽再生技術を使ったものなのです。今までのCDP等のリアルタイム再生のデジタル技術ではない方式で音源となるデジタル信号をPCのデータとして扱うところにあります。つまり音楽再生にリアルタイムで読取、補間などという作業を必要としません。音源はデータ化されメモリーやHDDに保存されデジタル信号をダイレクトにDACに送り込みアナログ変換して音楽として聴くわけです。(当然、PC規格上、読取エラー等は起きません・・・PCの世界ではデータのやり取りにエラーは許されません)

◎データ読み込みは、PC付属の安っぽいCDドライブで充分です。PCはデータのやりとりにおいて、転送元と転送先との間でデータの狂いや間違い、又、データ抜けがないかを監視し完全に一致するまでリトライ(再読取や再転送)を行い、もし転送エラーが在る場合には7回から15回もリトライし(データが元と送り先が正しく一致するまで何度もやり取りする事)送り側と受け側のデータが一致するまでチェックしています。

◎リトライを繰り返し行っても、エラーする場合は、転送元の故障か転送先の故障と判断し、エラー表示して止まります。エラーして止まるとそのデータは使えず、開きません。このデータ化とリトライすることによって元の音源に対して情報の欠落がない音源ができあがる訳です。(HDDやメモリー等にデータとして記憶されます)



【iPodの音質は超高級CDPを超える?】

◎iPodの音楽再生技術はPCの音楽再生そのものですが、高音質で聴くにはiPodに音楽データを保存するとき、非圧縮で行う必要があります。その音は、まさに情報欠落のない音質で聴けるわけです。iPodをCDPの代わりに使いiPodの音声出力をオーディオアンプに繋いで聴きますとCDPと比較して、ビックリするぐらいの高音質で音が出てきます。ただし、iPodに記憶させておく元のデータになる音源が高音質でなければ意味がありません。

◎読取エラーの無い音楽データを再生する訳ですから、超高級なCDPと同等かそれ以上の音質を信号レベルでは出していると思われます。これらの音源をピュアオーディオシステムで聴きますと、iPodのイヤホーンで聞くより遙かに次元の違う音質を堪能できると思っています。




【PCオーデイオの音質も超高級CDPを超える?】

◎PCオーデイオはiPodに音楽データを転送するための中継的な役目だったり、音楽データを保管しておくためだったりしてまましたが、これは旧PCでは性能が今一で、サウンドカード当時は優秀な物がなく、再生するにはイヤホーン端子か外部スピーカー端子から出力するしかありませんでした。近年のPCやサウンドカード及び周辺機器が優秀になり、このPCに保管されているデータを直接、DACやアンプ等に繋ぎオーディオ装置の一部として活用したのが、PCオーデイオです。

◎当然、元の音楽情報はiPodと同じ欠落のない音楽情報が記録されております。音楽も当然データとして扱いますので何度コピーしても劣化しません。(著作権の有る音源は許可なしにコピーしてはいけません)

◎PCのHDDに記憶させる場合、Windows系は”WAVE”フォーマット形式でApple系は”FIAA’形式の非圧縮フォーマット方式で完全データ化する必要があります。MP3等の音楽圧縮方式は、圧縮される時に情報を削って沢山の音楽を記録できる様にする技術ですので、イヤホーンで聴くレベルであればそれ気にならないのですが、ピュアオーディオシステムで聴くと音楽情報が欠落した分、音質劣化が判ってしまいます。
 
◎PCから音楽を高音質で再生させるにはPCの標準搭載の音声出力端子(マザーボードから出ているサウンド端子)を使ってはいけません。サウンド専用のカード又はユニットをPCに繋いでそれらのカードや機器からサウンド出力を取り出す必要があります。

      <参考例>
      
      ★内臓型サウンドカード

      
      ★外付型サウンドユニット(USBタイプ)

◎PCの使用するOSによっても仕組みの違いにより音質が異なります。MacOSのサウンドドライバーはとても優秀でMacを使うProのサウンドクリエーターが多いのは納得いくところです。Windowsも2000以降は良くなったのですが、サウンドドライバーはOSに依存しOS経由で信号が出力される為、今一優秀ではありません。

◎WinXPではXP用の無料外部ドライバーである”ASIO”ドライバーを使うことによりOS内臓のサウンドドライバーを使わずに出力できる為、かなり良質なサウンドが出せるようになりました。最近のWindows 7以降のサウンドドライバーはOSに依存することなく音楽信号を別経路で出力できWindowsもMac並みの良質なサウンドを出せる様になりました。

◎PCを活用したオーディオは、基本的に超高級CDPと比較しても情報の欠落がありません。アナログ化した音楽信号は、以降の再生装置の出来/不出来によって左右されるだけとなります。元(アナログに変換される直前情報)の音楽情報に欠落がある場合、どのような装置を導入しても二度と元の音源と同じにする事は出来ません。たとえ優秀な補間装置で疑似補間しても同じにはならないのです。消えた情報は決して元に戻らないのです。

◎更に、最近ではハイレゾ音源(CD規格より更に高音質な規格フォーマット方式)が出てきており、CD自体の規格をハオレゾ化する技術も進んでよりアナログに近い再生ができる様になりました。上記のTEAC UD-301は32bit/192Hz迄オーバーサンプリングも可能で価格の割りにビックリする音質になっています。



【音源が良くなれば再生側も良くしたい?】

◎音源が良くなれば、再生装置側も良くしたくなるのが人情です。又、逆に、再生装置が良くなれば高音質な音源を要求する様になります。デジタル化された音源を更に良くする事は素人ではではできませんが、再生側の音質向上は可能です。そこで、再生側の改善箇所は大きく分けて1)スピカー2)アンプ(プリアンプやパワーアンプ及びプリメイン)3)ケーブル類4)DAC(DAコンバーター)の4箇所を主にいじる事になります。一番変化が大きいのは音の出口になるスピーカーです。



【スピーカーの改善について】

★スピーカーを自作して楽しまれている方は、既にいろいろと改善や調整等をやられていると思いますので読み飛ばして下さい。ここでは、市販の普及クラスのスピーカー改善について述べたいと思います。

★但し、上級向けの高級スピーカーは変にイジラナイ方が良いと思います。なぜなら、メーカーが技術力を駆使しコスト度外視でユニットからエンクロージャー・ネットワークまでも作った製品は、素人が手を出すと特性的にも音質的にも悪くなる事はあっても良くはならないと思うからです。

★尚、高級スピーカーでもスピーカーユニットが単体で販売されている機種は、エンクロージャーの自作が可能なので、ネットワークを含め自分好みにする事が可能です。又、製品で高級スピーカーでもネットワークを使っている場合等は後に述べる、マルチアンプ駆動化にする事で更なる音質改善は望めると思います。

◎スピーカーにはスピーカーユニットを1本使用したシングルスピーカーとい2本以上を使うマルチスピーカーがあります。
シングルはフルレンジ(低域〜高域)をカバーできるユニット1本を使います。これでも普通に音楽を楽しむ事はできます。

◎シングルスピーカーの最大のメリットは、周波数分割する必要がくネットワークやチャンデバが不要です。パワーアンプから直接スピーカーユニットに音楽信号が供給されることです。質の良いフルレンジユニットを使ったスピーカーは、重厚な低音や伸びた高音等は構造上望めませんが、音楽の重要な80Hz〜16kHzの再生において大変バランスも良く低域や高域を気にしなければ充分満足できます。(ネットワーク等の音のチューニング時、モニターとして活躍します)

◎フルレンジユニットで口径の小さいユニットは高域よりで低域が弱く、口径の大きなユニットは低域よりで高域が弱い傾向にあります。バランスが良いとされる口径は16cm前後だと思います。これも収めるエンクロージャーの出来・不出来による影響で、大きく変わってきます。

◎シングルでは物足りないと感じる方は、マルチスピーカーをお勧めします。中低音域用のウーハーと中高音域用のツイーターを組合わせた2Wayスピーカーがあります。良くできた2Wayスピーカーはバランスも良くそれなりに満足できる音質を有しています。それでも、まだ物足りないと言う方は、低音専用ウーハーと中音専用スコーカーと高音専用ツイーターの3Way構成のスピーカーになります。(スコーカーはフルレンジを使う場合もあります)

◎3Way以上の4Wayや5Wayは、もうオーディオの中でも道楽の世界です。しかしどう言う訳か音をどんどん追求していくと4Way以上の世界に足を踏み込んでしまいます。(お金に余裕があれば・・・の話です)

◎3Wayで充分高音質な音で音楽を楽しめますが「ここに重低音が加われば・・・」とか「もっと高音域が伸びれば・・・」又、「もっと充実した中音が欲しい・・・」「締りの有る低域が欲しい」等など・・・不満を感じると2Wayや3Wayで頑張ろうとすると、高品質な高特性の高級ユニットを使った高級スピーカーに買い換えるしかありません。(結構高額ですョ)

◎一般的には、2Wayでも3Wayで上記不満を感じた場合、高域側にはスーパーツイーターを追加したり、低域側にはより低音の出るウーハー(スーパーウーハー)を追加する等で補う事になると思います。これは、シングルスピーカーも同様です。

◎市販スピーカー自体を改善する場合、市販スピーカーは商品化されるまで、実験と試行錯誤を何十回と行いますので、流石にメーカー製は、そのままでも万人受けする様にそこそこの音質を有しています。普及クラスのスピーカーは高級スピーカーと違い製造コストを抑える為、見えない箇所で随所に手を抜くと申しますか、安物(汎用品)を用いています。又、一般受けするように約70%の方が満足いけば良しとする傾向があり、当たり障りの無いチューニングがされます。

◎そのままの既製品スピーカーに先に記したスーパーツィーターを付加するだけでもかなり、改善されると思います。付加する場合はスピーカーとスーパーツィーターとの能率を合わせる為のレベル調整や下の周波数をカットするためのネットワーク又はコンデンサーが必要になります。極端に能率の差が無い場合は、15000Hzカットを目安に良質なフィルムコンデンサー1個で繋ぐのも良いかと思います。

◎一般の市販スピーカーには、スピーカーユニット1発式のフルレンジタイプと、小型市場で割と多い低音と高音用2発を使った2Wayタイプが主流ですが、中型クラスでは低音・中音・高音の3Wayタイプが多いです。1発式のフルレンジタイプを除き(1発式のフルレンジタイプでもBOSEの様にイコライザー回路が入っているスピーカーもあります) 必ず内部配線用ケーブルとマルチ式ではネットワークが必ず入っています。

◎この内部配線ケーブルやネットワークの部品にコスト削減の為とは言え、安物か汎用品が使われている事が大変多いのです。スピーカーの内部配線に使っているケーブルには別途、後から交換するオーディオ用スピーカーケーブルと同等のレベルの物に変更した方が良いです。

◎内蔵ネットワークのコイルとコンデンサーは、一般汎用部品や安物が使われていることが多々あります。この部品変更によって好みの傾向の音質を出せたりします。汎用タイプは、コンデンサーが無極性(+ -の方向が無い)の電解コンデンサーが使われていたり、コイルは、コア入り(特性がやや劣る)が使われている場合があります。

◎一般的に電解コンデンサーは信号を通過させるには電気的特性がフィルムコンデンサーより劣ります。フイルムコンデンサーは電気的特性が良く(高域特性が良い)、情報量の欠損が少ないと言われます。コイルも、コア入りより空芯タイプが統制的に優れ、材質もOFC(無酸素銅)以上の物が、歪む感もなく音質に優れています。

◎使用するコンデンサーの種類によっては帯域により、低音不足になる事もあります。低域用はコンデンサーの容量が大変大きくなるためフィルムコンデンサーの一般市販品ではなかなか見つかりません。中堅クラス以下のメーカー製スピーカーでは低域用は、あえて電解コンデンサーを用いている場合もあります。メーカー製の高級なスピーカーは、大容量のフイルムコンデンサーを専用に作り、搭載している物もあります。

◎電解コンデンサーは低域には強い(高域は弱い)傾向がある為、信号ラインに入れるには使う場所を吟味しなければなりません。又、どうしても使わざるを得ない場合、電解コンデンサーもオーディオ用と、称していてもピンキリで存在します。内部抵抗の低く質の高い物にする必要があります。インターネットで「スピーカー_ネットワーク_部品」等で検索しますと、どのような部品が自分好みの音に向いているか、交換する前にいろいろ検索して確認すると良いでしょう。

◎ネットワークの部品を交換する場合、耐圧や対W数は規定より高い分にはよいのですが、定数(μF)は同一定数値のオーディオ用(チョッと高価にはなります)にし、より特性の良い物に交換します。ただ、特性が良いから音も良いとも限りません。部品には固有音があり、好みの音質になるかどうかで判断しする様にします。何種類かの部品を用意してくと便利です。

◎ネットワークに使う部品の選択基準は、コンデンサーは「高耐圧(250V以上)のフイルムコンデンサー」をコイルはOFC線で巻かれた空芯コイルを使います。アッテネーターはトランス式か、固定抵抗のタップ式がベストです。VR方式は普通のVRとは構造が異なり、インピーダンスを一定に保つ様になっています。

◎この可動式可変アッテネーター(VR式)は、可動接点部の接触不良が起き易く歪みが出易くなります。調整段階で使用するには便利ですが、調整完了(能率のレベル合わせ完了)後は、抵抗値を測定し固定抵抗などに置き換えるほうが望ましいと思います。

◎ケーブルの変更は、オーデイオ用スピーカーケーブルとして市販されている物は殆どがOFC線でできています。オーディオ用と言われているそこそこの定評のケーブルであればに交換しても失敗はしないと思います。あまり高級なケーブル等は、費用対効果が薄く期待を裏切る可能性が大きいので、一般的に切り売りされている市販品スピーカーケーブルでかまいません。

◎安物ケーブルが使われている場合は、これだけでも効果が上がると思います。上を見たらキリがありませんが、高くてもせいぜい、¥1000〜¥2000/m程度迄のもので充分です。線材による音質の差等は別途、項目【スピーカーケーブルの材質や構造による変化について】で記しております。

◎私のお薦めスピーカーケーブルは、ベルデン製の直流抵抗の低いケーブルでOFC線(PCOCCなら更に良い)且つ、切り売りで”¥700/m〜2,000/m”前後のケーブル(線径/太さによって価格が異ります)が価格対音質のバランスが良いと思います。因みに、私のメインスピーカーに約¥1000程度のOFCケーブルを使っていますが特に不満はありません





【アンプの改善について】

◎アンプ改善は、知識と技術を必要としますので市販品のアンプをご使用されている方は、いじらない方がよいかもしれません。下手に分解しますとメンテナンスの保証も無くなりますし、知識なくいじりますと安全上好ましくありません。自作されている方やKITを組んで使用されている方は、どこをどういじればよいか既にご存知だと思いますのでこれまた釈迦に説法になるといけませんから詳細な解説は止めておきます。

◎古いアンプであれば、能動素子では半導体のFETやTrの劣化、受動部品のコンデンサーの劣化や半田付け箇所の劣化が考えられますがこれらを新品に換える、半田しなおす、交換ついでにオーディオ用の部品に交換する・・・等が改善できる箇所です。ただ、これは本来アンプの持っている初期特性に戻すが基本です。(回路図や知識がないとオシャカになりかねませんのでご注意を・・・!)

◎あえて述べるとすれば、いじっても安全な箇所に留めておきますが、アンプは接続箇所が多数あります。この接続部のメンテナンス(清掃)にあります。この接点の汚れ等は音質に与える影響はバカにできません。アルコール等で定期的に清掃すると接触抵抗が減り、音が生き返ります。真空管アンプ等は高電圧/微弱電流動作ですので接触抵抗は顕著に現れ、特に球の足とソケット部の清掃は必修作業かと思います。

◎アンプを自作してみて感じたのですが、アンプの音質に影響を与える順番は、1番は回路設計の違い、2番目は電源部の充実度、3番目は終段素子の違い、4番目はコンデンサー類、5番目は内部配線材&配回し方、6番目は抵抗、7番目収納ケースの順にだと思います。これらの項目全て、SN比や歪率などの電気特性に影響をあたえますが、特性に出ない音質や音色と言ったものに対しては、1番〜4番までは差が感じられますが、但し、完成された物を多少イジッテもあまり期待しない方がよいかもしれません。特に5番目の抵抗以降は換えてもあまり関係が無いように思えました。

◎1番の回路設計と使用部品を吟味してから市場に出てくるプロが設計したアンプには、とてもとてもアマチュアレベルでは太刀打ちできません。アンプに限れば同じレベルの物を作ろうとすると数倍の費用がかると思います。「自分好みの音色を作り出す」と言う意味では、アンプの自作やアンプの改造はそれなりに有効だと思います。1番目の回路変更は無理でも2番目(電源部の充実)や4番目(コンデンサー)の変更までなら、多少知識と半田付けに自信がある方であればそれ程困難ではありません。改善の最終手段として好みの音に作り直すのも趣味の延長として良いかもしれません。又、部品の知識や回路技術の勉強にもなると思います。



【ケーブルの改善について】

◎ケーブルは大きく分けて、3種類に分けられます。
 1)スピーカーケーブル
 2)アンプ間を繋ぐアナログ信号を扱うLINEケーブル(RCAアナログピンケール)
 3)デジタル信号を扱うDigitlケーブル(RCAデジタルピンケーブル)と光ファイバーケーブルがあります。

◎簡単なのは、先にも述べましたスピーカーケーブルの変更です。価格もピンキリで存在します。(重複しますので解説は省きます)子供工作用の極端な安物で無い限り、物理特性や電気的特性は似たり寄ったりで余りケーブルの仕様を見ても音質に与える影響等は判りせん。オーディオシステムで微妙な差も出してくる装置ではそれなりのケーブルが必要だと思います。

◎次に簡単なのがLINEケーブルです。このLINEケーブル変更は意外と、音質や音色にに変化を与える部分です。LINEケーブルの価格もピンキリで存在します。現状のオーデイオシステムに音質や音色に不満がある場合には手っ取り早く行って見るには簡単に取り換えられ、又元に戻せる向箇所です。アンプやスピーカーの質が高い程(高級と言う意味ではありません)差が分かります。

◎RCAプラグ等、ミニコンポ等にオマケで付いてくるようなブリキ板をプレスしたピンジャックの物や見るからに貧弱な細いビニール被服等の安っぽいケーブル類は直流抵抗も高目(低域が弱い/締まらない等)で、周波数特性等、考慮していませんので浮遊容量も高く(高域特性の劣化/立ち上がりが悪い等)情報量が欠落し易くピュアオーディオ再生にはあまり向いていません。

◎。LINEケーブル(RCAケーブル)もスピーカーケーブルも選ぶ場合、最低でもOFC(純度4N)線材で作られている物を選び、且つある程度の太さ(直流抵抗の低減)と材質と構造(浮遊容量の低減)を有しているケーブルを選択するようにします。高価なケーブルでなくても上記内容を満たしていれば充分です。又、構造や材質が異なる場合、出てくる音質は、それぞれある程度、固有の音色を持っているものです。どれを選ぶかはは、「自分の好みの音色や音質傾向が出る」といった事を判断基準とした方が良いように思えます。TPC(タフピッチ銅)は規格で純度が3N(99.9%)しかなく不純物が多く含まれますのでオーディオ用にはあまりお薦めできませんが好みが有るので、良し悪しは、なんとも言い難いです。

◎音質の傾向とは、「低域〜高域までエネルギーバランスがフラットである」とか「やや低域が厚い」とか「中域が厚い」とか「高域が良く出る」とかです。このRCAケーブルやスピーカーケーブルの世界でも云万円/m 〜 云十万円/mもするオカルト的なケーブルが売られていますがこの様な見るからに作りに凝っていて高級な外観で高価を吊り上げているケーブルは要注意です。原則、高価なケーブル全く必要ありません。ピンケーブル(RCAケーブル)も外観や作りが凝っているだけの見かけだましのピンケーブルも多々あります。中をバラしてみると意外と、普通のシールドタイプとたいして変わらない物もありました。これも・・・高く売りつける為の手法でなの、外見だけの見てくれには注意が必要です。

◎安心してお薦めできるRCAケーブルやスピーカーケーブルはプロの世界で使われているケーブルです。プロが現場で使用しているケーブル類は、質実剛健の物が多く、見てくれより性能重視です。一般的にあまり宣伝もされないので知られていないのですが、耐久性や電気的特性も音質も大変良い物が使われ、実績抜群でありながら価格も意外と安く”業務用”等で探すと意外と簡単に見つけられます。



【スピーカーケーブルの材質や構造による変化について】

◎、ケーブルの材質(線材の金属の種類)によっては多少の音色が付加される傾向があります。使われる材質は、主に銅ですが、中には一部に銀や金等が使われている物もあります。銅では、タフピッチ銅(99.9%)や一般オーデイオ用の99.95%(4N銅)と99.99%純度のLC-OFCタイプから現在では99.9999%(6N銅)や99.99999%(7N銅)・99.999999%(8N銅)まで存在しています。含有金属(銅)の純度が上がるにつれ直流抵抗が下がる傾向に有りますが、価格は異常な程、高額になります。

◎導線に使われる銅には先ほどの銅自体の純度と言った表現以外に技術の進歩によりケーブルを構成する材質や構造を換えた物がが存在します。今現在は、オーディオ用はLC-OFC(無酸素銅)、略してOFCが一般的ですが更に線材の結晶構造を変え電子の流れに影響を極力なくしたPCOCC(単結晶状高純度無酸素銅/純度は5N銅に匹敵)等、音質に影響させない様工夫と開発がされた線材もあります。

◎材質その物による抵抗値で一番低いのが銀です。次に低いのが銅で金やアルミは3番目です。この3種の金属は磁性体ではないので磁気に影響されません。しかし金・銀は貴金属に属し超高価になってしまいす。金メッキ線や銀メッキ線などのように、メッキ線までで無垢で使われているケースはまれです。

◎材質による音質傾向は、どれも微妙な範囲ではありますが、LP用のレコードアームに無垢の金腺や銀線を使った事が有りますが、その時の音質は、金は若干マイルドな傾向にあり、銀は硬めで高域に煌びやかな音色が付加される傾向があります。銀はほっとくと黒く酸化しますが、金は酸化せず線自体も純度が高いほど柔らかくなりす。

◎銅は、一般的な導線に使われる線材ですがTPC(タフピッチ銅)は3N銅の99.9%です。4N銅はOFC(無酸素銅)でOFC1種が99.99%です。OFC2種で99.95%の純度と定められています。又、PCOCCは5N銅の99.999%に匹敵すると言われています。OFC(無酸素銅)やPCOCC(単結晶状高純度無酸素銅)規格では、様々な不純物を取り除いた値の規格表示なので表示自体を信頼できます。

◎6N銅以上の7N銅・8N銅では、表示的には純度が高いように見えますが、規格上特定の金属(あらゆる不純物ではなく特定の不純物のみが対象)の含有率で%を6Nや7N・8Nとして表示しています。この金銀の%表示は線材としての工業規格の資料を読む限り、実際の純度としては正直なところ、なんともいえない・・・が、正直なところです。

◎オーディオ用と言われる物は基本OFC(無酸素銅)以上の銅で作られており音質は、金や銀と比べますと一番自然な鳴り方をし基本的に色付けは感じられません。銅の純度が増すにつれ、線材自体が常温でも柔らかく、直流抵抗値自体も若干低くなります(微妙な差です)。純度が上がる事自体は、決して音質を悪くする事はないと思いますが、純度が増すにつれ商品としての販売価格は数十倍/数百倍に跳ね上がっている(暴利)ようです。費用対効果で考えるともったいない気もします。

◎音質は6N銅・7N銅・8N銅と純度が上がるにつれ、より情報量が増すと言われていますが、6N銅や7N銅のケーブルを実際に試してみると普通のOFCケーブルより、細かい描写等、なんとなく滑らかですがツルンペロンと言った感じです。思ったほどは、インパクトが感じられず格差の割には違いがなんとなく有るようで無いようで!・・・そんな気がする・・・”の、気のせい?”の領域です。通常の装置ではその差が判りにくいと感じました。(これも、微妙な差なので聴く人の感性しだいかもしれません・・・私には猫に小判です)

◎芯線材自体は同じ太さの6N・7N・8N銅は、直流抵抗値がやや低い程度です。ただ結晶境界面が基本的に無いので電子の移動がスムースになると言われています。又純度は4N・5Nクラスですが同様に結晶境界面を無くしたくしたPCOCCも存在し、OFCより良さそうですが、6N銅よりは安いですがOFCよりやや割高設定になっています。OFCとPCOCCをブラインドテスト等で比較試聴した限りでは、良く調整された優れたオーディオシステムを用い且つ、瞬時に線材の異なるケーブルを切り替えられるようにして聴き比べでもしない限り違いを判断するのは難しいかと思います。

◎高純度(6N・7N)銅のケーブルもテストに加えてブラインドテストをましたがなんとなく滑らかになった様な気もしますが、ブラインドテストだと、どれがどれだか殆どわかりません。ただ、微妙な変化は有りますが悪くなる様な傾向はありません。私的意見ですが、OFCと同等の価格であるならば、PCOCCや高純度の線材もありだと思いますが、高純度の6N銅や7N銅以上のケーブルは価格に見合った性能とはとても思えません。(高純度銅は、私には猫に小判でした)

<新情報>
PCOCCの線材自体は供給もとは日立電線?だったと思いますが、2013年3月で製造が終了し、市場にある物だけになってしまうような記事を見ました。(ガセかも?しれませんが、あまり需要がなかったのでは?・・・と勝手に判断してます)

◎次にケーブルの構造や被服の材質による音質変化についてですが、これは、一般的なオーディオ用スピーカーケーブルでは、音質の変化は微妙ですが存在します。音質の違いの大きさは、RCAケーブルも含め、線材自体の材質や純度の違いよりもケーブル全体の構造やシース(被服)の違いによる影響の方が遙かに強いように感じます。

◎国内規格の4N銅以上の線材で直流抵抗がほぼ同じであれば、導線を覆うシース(被服)や構造が音質に影響すると思います。@シースに絶縁性の高い物が使われている(浮遊容量の低減)、Aシールドが2重3重にされている(ノイズに強い)、B線材が撚ってある(外部ノイズからの遮断)、C中の線材が空気に触れにくい被服構造で線材が酸化しにくくなっている(線材の経時劣化防止)等々、これら構造の違いによる影響の方がもっとも大きいように感じています。

◎音質には人それぞれに好みもあって、これがいいです・・・とは言うのは、難しいですが、基本的な原則論で申し上げるとすれば、多少太目の線材(直流抵抗が低い物/太過ぎてもあまり効果は無い)、中の線材が撚ってある撚線(外部ノイズ防止)、シース(被服)はテフロン等の絶縁性が高い物が使われている(浮遊容量が低い物)、線材がOFC(無酸素銅)以上である・・・等です。先にも記しましたが、費用対効果を考慮してバランスの良い価格の物を選ぶ。私のオーディオ用ケーブルの選考基準は、価格帯は切り売りで¥700/m位〜高くても¥1500/m位と思っています。どんなに高くても¥2000/m迄だと考えています。(システムとのバランスに気を使うほうが重要です)

◎撚線の場合、撚り密度の問題もあります。ギュッと高密度で撚ってある線は、外来ノイズには強くなりますが撚り過ぎは導線自体の延べ線長が実際に使う長さより長くなり、直流抵抗値と浮遊容量値は増加しますので不利になります。その分等価的に太目の物が必要になります。(賞賛される方も多いケーブルでWEのスピーカーケーブルは撚りが強いので低域用にはワンサイズ上の太さの物が良いです。)

◎線材の材質やシースの材質つについていろいろ書きましたが、これらのケーブルがどれほどの音質向上に繋がるか?・・・と言うと、人によって感じ方がまちまちで・・・音質の差も微妙なので「これは良いです/悪いです」とは言い切れません。又、価格等を考えると・・価値観の違いもあり、なおさら難しいです。実際にテストしてみた私の個人的感想は、大なり小なり音質の変化は確かに存在します。ただ、それが良くなったのか、色付け的に変化しただけなのか、よく判らない・・・が実感です。(変化が好みに合えばそれがベストだと思います)

◎ただ、再三、記しますがスピーカーケーブルでも、云万円/m 〜 云十万円/mもするオカルト的なケーブルも売られていますがそのようなケーブルはハッキリ申し上げて、全く必要ありません。趣味とは、自己満足の世界ですから”どうしてもこれがいい!・・・欲しいんだ!”と、おっしゃる方には必要なアイテムだと思います。 何度も申し上げますが、微妙な違いや音色の違いは多少あるのは認めるところではありますが、それが、良いか悪いか、又、変わらないかは、聴く側の感じ方しだいだと思います。(お金に余裕があり所有しているオーディオシステムはこれ以上のアンプやスピーカーはない!と、言う方の自己満足の為のケーブルだと思います。)

◎とにかく最近のケーブルはべらぼうに高額過ぎます。宣伝文句に惑わされず、費用対効果をポイントにすべきでだと考えます。私自信は、心理的効果の方が強いように感じました。ブラインドテスト等で聴き比べをしますと大変よく判ります。再生装置にもよると思いますが、ある程度の電気的特性を満たし、オーディオ的資質(OFC等)を持ち合わせたケーブルであればそんなに違いは分かりません。少なくとも私の装置や蛇耳では判別できませんでした。

◎私の場合、メインスピーカーのスピーカーケーブルは平行2芯の約¥1100/m程度のPro用ベルデン製「STUDIO 718EX」OFCスピーカーケーブル(線径によって異なる)の昔のケーブルを使用しております(最近あまり見かけませんがあっても価格が上昇傾向にある様です)。又、サブスピーカーにはOFC1種ではありませんが細い¥25円/m程度(200m/1巻ロット買いした場合)の赤白2芯平行ケーブルを三つ網にして”+ ・ -” を3本/3本(計6本)で使用しております。


      
     ★メインスピーカー用:ベルデン”STUDIO 718EX”          ★サブ用:汎用の4N銅線(99.95%?)の三つ網ケーブル”
      STDIOシリーズは、見てくれは実にオーソドックスな          赤白2芯ケーブルを片側3本(計6本)で三つ編。
       ケーブルで太さに大・中・小の3種類が存在しました。


◎その後、欲が出まして、安くてもっと良いケーブルはないか、いろいろ実験してみました。その結果、安くて抜群の物が私の好みの音質の物が見つかりました。それは有線LANで使用するEtherNetケーブルです。LAN用ケーブルですので市販価格は、オーディオ用として売られていいない為、メチャクチャ安いです。


◎個人的な音質評価になりますが、結論から申し上げますと、実にこれが、「イイ〜ッ!!」のです。使った事のあるどのスピーカーケーブルよりも「スゲェー・・・・!」の一言です。今までのオーディオ用と証したスピーカーケーブルは何だったんだ!?」と言う評価になりました。(音質には好みが有りますので参考程度とお考え下さい)

◎具体的には(ベルデンのPro用ケーブルとの比較)、低域は充分出ていますがギュッと締まり中高域は解像度が増して楽器一つ一つがハッキリします。又、オーケストラではオケの人数分の演奏が見えます。高域はより澄んだ印象でピアノなど左手と右手の演奏がちゃんと分離して聴こえ伸びきった感じです。ダイナミックレンジも増した様に聴こえ静寂の中からドッカーンと音が出てくる感じになります。(上手く表現できませんで、すいません)

◎ベルデンのスピーカーケーブルもバランスが良くとても良いケーブルと思っていましたが、もう元には戻せません。

<LANケーブルによるスピーカーケーブルの作り方を簡単に説明いたします>
●LANケーブルの簡単な構造ですが、外皮を剥いてみますと2本対(ホットとコモン)で撚ってある線が4組あり計8本の芯線があります。この4組の線を4〜5cm程度ほぐし1本ずつの状態にします。ほぐした線は1本1本ポリエチレン(テフロンかと思っていたらポリエチレンのご指摘を頂き全てポリエチレンに訂正しました)で絶縁されており、この線を2cm程度剥いて銅線を出します。剥きだしになった、ホットのみ4本とコモンのみ4本をそれぞれ撚って束ねます。これで、+・-のケーブルができます。

●芯になっている銅線は、単線タイプとフレキシブルにするためより細い線で撚ってあるタイプがありますが、)どちらでも、かまわないと思います。因みに私の場合は、手持ちの都合で低域と中高域に単線タイプを、高域と超高域に撚り線タイプをあてがいました。(特に上記の音質評価通りで変化はありませんでした)

※同様の内容を”私のスピーカーの進化(変化)と経歴”の<■激安高音質スピーカーケーブルの製作>にも記載してあります。

●製作工程写真を簡単に掲載しておきます。

        
    ★LANケーブルの外皮を剥き芯線を出しまます。     ★ホットとコモンの線(単線)を其々束ねます。


       
    ★ホットとコモンを其々束ねたところです。         ★単線は曲げに弱いのでリード線を追加します。 


       
   ★リード線を半田付けし曲げの負荷防止をします。     ★LANケーブルによるスピーカーケーブルの完成


◎LANケーブルでも、端末が処理されたモジュラーコネクターが既に付いているタイプは価格が割高ですのでなるべく切り売りの物か思い切って100m巻きのロットで売られているケーブルを使うほうが安く上がりです。参考に上げますと、Amazonno通販でELECOM製CAT/5-100m巻き(ケーブルの色は5種あり)で¥4200前後で販売されておりました。メートル単価は¥42/1m前後で格安です。




【お勧めのLINEケーブル(アナログ信号用RCAケーブル)について】

◎好みと偏見と主観による評価になりますがご容赦下さい。

◎LINEケーブルは自作されることをお薦めします。既製品ピンケーブルは見てくれは良いのですが、同一材料で製作した時の2倍から3倍位します。製作の手間暇や人件費が付加されるのでしかなのでしょうが、かなり割高です。オーディオ用LINEケーブルで切り売りされているケーブルは基本的に性能の割りに単価(¥/m)が安くケーブルの構造や材質が良く判りますので安心して使えます。又、RCAプラグの種類も多くしっかり作られた物の中から好みの物を選べば良いと思います。概算ですが、既製品の約半分程度で済と思います。

◎お勧めのLINEケーブルは次ぎの2種類のプロ現場で使われる同軸ケーブルです。このケーブルは、切り売りされており、この2種類をスピーカーやアンプの音質傾向、聴くジャンルに合わせて使い分けると良いと思います。長さは、1m仕様にして使っていますが、5m〜6mの長さで使っている箇所もあります。ノイズもなく全く問題ありません。(購入時は1セットでL/R2本分のケーブルとRCAプラグは4個必要ですので、これらを考慮して購入するようにして下さい)

◎最初のお勧めケーブルは、「モガミ電線:ネグレックス2497」です。この「2497」は同軸1芯(撚り線)構造で色は黒色のやや太めのケーブルです。直流抵抗は芯線33mΩ/m・シールド部8mΩ/mで浮遊容量は67pFです。音質は低域〜高域まで大変フラットで情報量も多く、日本のスタジオ等の標準ケーブルと言われています。価格も¥1,100/m前後(店によって差があります)で、純正RCAプラグを使うと、1m長さの1組み分で約¥3800になる計算ですが、今のところ、私の知る限りベストのRCAケーブルだと思っています。¥2万クラス以上のケーブルに負けていません。

      
      ★モガミのネグレックス”2497”(外径約8mm)              ★モガミの純正RCAプラグ”7553B”

◎2497は外形が8mmと太目ですので、プラグを購入する時は、8mm〜9mmのケーブルが装着可能なRCAプラグを選んでください。私は、マルチアンプ駆動式メインスピーカーの入り口から、パワーアンプ迄のアナログ信号のLINEケーブルにネグレックス2497と純正プラグの7553B(8mm用)最近の価格で約¥800(LR2個セット)前後を使っています。(私が購入した当時はケーブルもプラグも今より2割程度は安かったです)探せば、RCAプラグは他社製でも安くて良い物が有ると思います。

◎音質は、低域から高域までとても情報量が多く、しかも癖が無くフラットな特性です。音質評価の基準にできる質を備えていると思いますので他のケーブル比較評価の参考になります。欠点は、ケーブル自体、地味で豪華さは有りません。しかも、やや硬めで太い部類に入りますので軽いアンプに使うとアンプが浮き上がってしまう可能性がありますので重石か何かでアンプを押さえた方が良いかもしれません。

◎次にお薦めなのはベルデン製の「88760」です。この「88760」は2芯同軸の3線式バランス構造で外形約4mmと細めですが、アンバランス式にも使えます。アンバランス(撚り線2芯式)で使う場合は、外部シールド線とグランドになる線(2芯の芯線の内白い方)を一緒に半田付けして使います。色は鮮やかな赤でやや細めで硬いのですが外側の被服、内心の被服、どちらもテフロン被服を贅沢にも使われておりシールドにアルミ箔で包まれ隙間をなくしノイズに大変強い構造をしています。

      
      ★ベルデン88760(赤)と                  ★左から”88760” ”2497” ”DENON-OFC”
              ネグレックス2497(黒)比較             ”TEAC-OFC AW28” ”6N銅ケーブル

◎テフロン被服は高級ケーブルに多く見受けられ音質的に、非常に良いとされています。音質は低域も充分に情報量もあるのですがバランス的にはより中高域の情報量が多く感じられ全体としては歯切れの良い明るく元気なサウンド傾向です。好みで使い分けるとよいと思います。

◎このベルデン製の「88760」ケーブルは、アメリカのスタジオ等で標準使用されているケーブルです。価格は¥500/m前後〜(店によって差があります)とモガミ2497より安いです。どちらも自作用にケーブルのみの切り売り販売されております。半田付けに自信のある方は是非お勧めです。マルチアンプ駆動式サブスピーカー用の入り口からパワーアンプ迄のアナログ信号LINEケーブルに使っています。

◎自作時は必ずケーブルだけでなく普及品(約¥500/1個程度)で充分ですからしっかりした6mm以下用のRCAプラグを用意して下さい。参考に私は、RCAプラグ6mm以下用の約¥300/1個の物(ノーブランド品)を使っています。上記同様に探せば、RCAプラグは他社製で安くて良い物が有ると思います。

◎所有の各種RCAケーブルの一部を比較用に掲載しておりますが、”2797””88760”以外は、どれも悪くはありませんが、凄く良いと言う感じもしなかった為、可もなく不可もなくです。特に思い入れのみで購入してしまった、私として超高級RCAケーブルに入る6N銅単線2芯式シールドで見てくれは妙に凝っていて2本1組/mで云万円もしました。音は、右から2番目のTEAC製OFCシールド線(切り売り約¥600/m)と聴き比べして差が判りませんでした。(凄くガッカリしたのを思い出します・・・それにしても、高い勉強代でした。)

◎ケーブルの切り売り価格は、扱っているショップによってマチマチですし、最近価格が高騰してきているようです。
(私が購入したショップはケーブル専門店の”オヤイデ電気”通販サイトからです)



【お勧めのLINEケーブル(デジタル信号用RCAケーブル/光ケーブル)について】

◎デジタル信号を扱うケーブルは、高い周波数の信号が通過しますので、反射の起きないVideo(画像)を扱えるレベルのケーブルであれば、基本どれでもよいかと思います。シールドがしっかりしていてノイズに強く、直流抵抗と浮遊容量がが低い物がベストです。ただし、コネクターのRCAプラグがしっかり食いつく物(価格ではなく作りの良い物)を選びます。これについてもそんなに高価な高級品は必要ありません。

◎RCAプラグ(ピンケーブル用)のしっかりした物とブリキの様な安物では流石に違いを感じ取れます。主に歪みッポイ聴こえ方がします。RCAプラグがそこそこしっかりしたケーブルであれば、いろいろ試してみましたが、RCAケーブルの違いは音色の違いとして多少現れてきますが、微妙な範囲ですので、メーカーの宣伝文句よりもご自分の好みで選択するのが良いと思います。。

◎RCAケーブルではなく、光伝送で行う場合は光用のファイバーケーブルの芯又は被服がどの様な材質かで多少の差はあると思います。尚、あまり長く引き回さなければ(1m未満で使う)特に芯材の種類を気にする必要はないでしょう。

◎使い方にも気をつけて頂いて余ったケーブルを小さく丸めたり、折曲げないようにしてゆったりとしたカーブで使うのがコツです。特に芯になっている材質が石英系(ガラス繊維)の物は光の伝送性能は良いのですが、曲げに弱いので気を付ける必要があります。(直線的に使うのがベストですが実際問題不可能ですので極力カーブは大きくとって下さい)



【CDP&DACの改善について】

◎DAC(DAコンバーター)で、PC用のサウンドボードやユニット(DAC内臓)及びCD Plsyer(DAC内臓)もコンポ型の外付けタイプも、又、安い製品で数万円〜数百万円もする物までありますが、ケースを開けてみますとデジタルからアナログ信号に変換する部品(半導体素子)は殆どがオペアンプというICを使っています。

◎オペアンプは意外と高級品のDACにもオーディオ用オペアンプと言われるICなのですが、中身はどれも似た型番の汎用タイプが使用されている事が多いです。

◎オペアンプは、IC規格(足が8本:8PIN/DIP型)が統一されており互換性の有るものが多く汎用タイプ・汎用オーディオタイプから高級オーディオ用・プロ用と各種市場で売られています。このオペアンプで音色や音質が左右され、オーディオ用汎用オペアンプが使用されている場合はランク上のオペアンプと交換すると好みの音質を出せる事ができます。

◎価格もタイプにより¥100〜¥4000と巾はあります。国産品のオペアンプも悪くはないのですが、総じて、海外製オペアンプの方が音が良いように感じますが、やや高価です。メーカーで言えばOPAの”バーブラウン”ADの”アナログデバイス”NEの”ナショナルセミコンダクタ”等です。OPAの”バーブラウン”は”テキサスインスツルメント”社に吸収合併されましたが、ブランド名はそのまま残っているはずです。インターネットで「オーディオ用オペアンプ」で検索しますと、種類と音質や特性を評価しているサイトを見つける事ができます。

◎価格が安い物であれば2、3種類程度用意し差し替えて気に入った音のするオペアンプを採用すればよいと思います。交換は、半田付け等の関連工具が必要ですが思っている程、難しくありません。交換するさいは、このオペアンプを容易に交換できるDIP-8PINソケットを取り付けておくと、トッカエヒッカエの交換作業が差し換えだけで済、簡単にできます。良いか悪いかは別にして実際に交換して試聴しますと音質の違いが分かります。

◎DACは、クロックと言う基準になるパルス信号を元に動作していますが、このクロックが揺らぎますと音にも影響が出てくると言われています。これをジッターと言いますが、クロック自体を精度の高い水晶発振子等に交換し揺らぎのないクロックにする事により安定した音楽情報の伝送が可能になり音質を改善方法もあります。高度な専門知識と技術を要求されますので一般的ではありません。残念ながら、もともとが、安定した回路設計されたCDPやDACでは、あまり音質の差は判りませんでした。お試しレベルで腕に自身のある方は挑戦してみてはいかがですか?。

実際に私も自分のCD Playerが精度の高くない発振子が使われていましたので、高精度な水晶発振子に交換してみました。気のせいレベルで申し訳ないのですが判りませんでした。それよりも、オペアンプの変更は劇的に変化し、ホール感やエコー感・帯域が上下に広がった感じでヴァイオリン等の弦の倍音等、情報量が若干増えた様に聴こえました。元々使われていたオペアンプは国産のオーディオ用オペアンプで一般的に多くのメーカーが採用している物なのですが、オーディオ用の中でも汎用オペアンプICに属し、これを高級オペアンプのバーブラウン製に交換しました。

◎PCオーディオを用い、ソース音源をPCにしてしまえば、CDPの改善は全く必要がなくなります。と言うより、使わなくなります。むしろ、優秀なDACが欲しくなります。最近のDACは、かなり優秀なものでも昔の1/5以下の価格になってきております。DACをカタログデータ(仕様)の比較や試聴した感覚としては、実質的性能では約¥15万〜¥25万クラスで昔の¥100万クラス以上の性能です。最近の機器の価格差は実質性能の差よりも、「高級感のあるケースやツマミ類で作られている」・・・又、「多機能な付加価値が付いている」等の外観や付加価値分の差が価格差として有る様に感じました。


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