燧ヶ岳には、長英新道、ナデックボ道、見晴新道、温泉小屋道、御池道の5本の登山道があり、難易度、標高差、見るべき花の有無、そして当然ですが出発地点と到着地点が違いますので、慎重にコースと日時を選定して下さい。
それほど知られてはいませんが燧ヶ岳は、東北・北海道の山々で一番高い山ですので、それなりの装備と体力が必要で、唯一、御池道の熊沢田代に1ヶ所設置されているベンチを除いて、ベンチ、トイレ、売店、山小屋、いつでも使える水場はありませんので、飲料水・食物・防寒防水服などを準備して登って下さい。
059_1:ナデックボ道(沼尻〜倒れた標識)
このコース案内は、尾瀬沼西岸:沼尻→俎グラ直下:ナデックボ分岐の登りコース説明で、俎グラ直下:ナデックボ分岐→沼尻の下り案内を兼用します。
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尾瀬沼越しの沼尻休憩所・沼尻平 |
ナデックボ道は事実上、尾瀬沼西岸にある沼尻休憩所からスタートし、沼尻平湿原の中を通っていきます。
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正面に燧ヶ岳 |
ナデックボとは、「雪崩の通る窪地」との意味ですから、急峻な沢で、遅くまで雪渓が残っていますから、ベテラン登山者向けの難しいコースです。
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ナデックボの雪渓 |
木道が通っている沼尻平は高層湿原ですから、様々な高層湿原植物が咲いていますが、中でも6月に大群生しているチングルマは壮観です。
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疎林入口からの沼尻休憩所 |
沼尻平を通り抜けると登山道は森に入り、
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森の中の木道 |
しばらく進むとネズコ(クロベ)が面白い形をしている個所を通ります。
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ネズコ(クロベ) |
コースはず〜っと森の中ばかりではなく、所々に草地もあり、オゼミズギク、アブラガヤ、ミヤマアキノキリンソウ、ワレモコウ、エゾリンドウなどを見かけます。
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オゼミズ菊、ワレモコウ等 |
暫くは木道が続きますが、やがて木道は終わって、
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木道も終わり |
丸くてすべすべとした大きな石が多くて滑りやすい登山道へと変わります。
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ミノブチ岳 |
急に明るい個所に出て、先にはミノブチ岳が聳えているのが見えます。やがて前方に登山道を塞ぐ形で大木が倒れ込んでいて、
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登山道を塞ぐ朽ちた大木 |
上を乗り越えるには高過ぎて、下を潜るには低過ぎて、苦労して背を屈めて通り過ぎますが、その周辺にはオオバタケシマランがあり、大きくな実がビッシリとついています。
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オオバタケシマラン |
倒れた大木の先の登山道は一面の笹原で、整備のために刈り取ってあることも多く、その場合は滑りやすく、慎重に進んで下さい。
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登山道は笹原の中 |
先に進むと「燧ヶ岳 沼尻」との文字が読める倒れた標識があり、
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倒れた標識 |
深い沢の中を通る登山道ゆえ、コースを見失って迷う可能性は低く、行き先だけではあまり意味のない標識ですね(^^♪
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