尾瀬の花 コース案内054
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 渋沢温泉小屋分岐 起点 


054:渋沢温泉小屋分岐〜渋沢大滝分岐〜渋沢大滝

このコースの見所・撮影ポイントは、

尾瀬五大滝の1つ:渋沢大滝
天然ブナの森、特に10月の紅葉時
7月を中心としたエゾアジサイの大群落
 などです。

このコースには、
公衆トイレが渋沢温泉小屋近くに一ヶ所
水場は終点の渋沢温泉小屋の水道と、途中の沢水
ベンチは渋沢温泉小屋前のみです。


ウサギ田代(下の渋沢温泉小屋分岐)と、越後口と呼ばれる登山口:小沢平(こぞうだいら)、天神田代からの道が交差するのが、渋沢温泉小屋分岐で、標高は約1,110mです。

左:ウサギ田代へ2.4km、右:小沢平へ3.0km

分岐点からコースを進むと直ぐ先に渋沢温泉小屋の建物が見え、

渋沢温泉小屋

山小屋の前にはベンチがあり、直ぐ脇には尾瀬ではコバギボウシに比べて少ないオオバギボウシ、湿原でもないのに生えているのが不思議な感じのするオゼヌマアザミ、尾瀬では極めて珍しい黄色の花を咲かせるタマガワホトトギス、薬草のゲンノショウコ、尾瀬ではあまり見かけないヤブハギなどが咲いています。

渋沢温泉小屋は尾瀬沼沿岸・尾瀬ヶ原の山小屋と違って通る人が極端に少ないので、宿泊客以外を相手にした商売はされておられませんが、いつもそうなのかは自信がありません。

1回だけ至仏山荘・東電小屋・温泉小屋のように小屋先に水槽のような物を置いて、流水で缶ビール・飲料水などを冷やして販売されているのを買った経験はありますが、その後は何回通過しても水槽らしき物は撤去されていましたし、昼食をお願いした時には宿泊客以外の夕食・朝食しか出してないと言われたことがあります。

渋沢大滝への道:左は渋沢

渋沢大滝は渋沢温泉小屋裏を流れる渋沢(しぼさわ)の上流にあって、最初は左岸に沿って遡って行きますが、途中右手に露天風呂:せせらぎの湯があります。温度が低く、登山道脇にありますので、何回通っても入浴している人を見た経験はありません(^^♪

せせらぎの湯

やがて渋沢右岸に渡る橋に出ますが、暴れ川の異名を持つ渋沢は氾濫することが多く、行く度に流された橋を補修したのか、いつも姿が変わっていますが、丸太を針金で縛った橋という点ではいつも同じです。

丸太を針金で縛った橋

右岸には渋沢温泉小屋の女将が耕作している野菜畑があり、ダイコン・ネギ・ジャガイモ・インゲンマメ・アオジソなどが宿泊客に提供されているようです(^^♪

女将が耕作している野菜畑

野菜畑から先は急な登りとなってきて、渋沢温泉小屋への3本のルートでは珍しい木の階段が出てきて、登っていくと途中には幾つもの沢が流れていて、この辺りの水は全て飲めますから、私はいくとペットボトルに詰めております。

深い深いブナの原生林の中の道を登っていくと前方に渋沢大滝分岐が見えてきて、左右に標識が見えます。

左:天神田代、右:渋沢大滝

標識によると左は天神田代へのコースで1時間20分、渋沢大滝は右で20分とのことです。

この渋沢温泉小屋のご主人手作りの標識には珍しく時間も記載されていすが、ご主人は超健脚者なので、記載時間の1.5倍程度をみておいた方が一般ハイカーの所要時間に近いです(^^♪ 

ブナの大木に手作り標識

渋沢大滝までの道は、ますますブナ・トチ(栃)などの大木が生い茂る天然林となってきて、道も激しくアップダウンとなってきますが、

ここにも手作りの標識が

標識だけは完備されていますから、を除いて危険は少ないですね(^_^;)  

足元にも手作り標識があります

この辺りはトチ(栃)の木が多く、それも巨木ゆえ実も物凄い数をつけ、7月にここを通ると、トチの木が自分で摘果しているのでしょうがポトポトと音を立てて未熟な実が落ちてきて、初めてだとその音にびっくりします。

アジサイのせせらぎ

上を見上げるとブナの葉トチの葉ばかりですが、足元にはエゾアジサイが群落をいくつも形成していて、森のダムともいわれるブナ林ですから湧き水からのせせらぎも多く、命名好きな私はここでも勝手にアジサイのせせらぎと名付けた、見事なエゾアジサイの株の脇に、冷たい・清冽なせせらぎが流れています。

やがて前方に渋沢大滝が見えてきました!(^^)!  

渋沢大滝

渋沢大滝は落差50mの見事な滝で、渋沢温泉小屋のご主人も自慢気に「うちの滝は滝つぼまで行ける」と、おっしゃっているように、滝つぼまで行けますが、水が落下する時に作り出された風圧に乗った水飛沫で寒い位で、水飛沫がレンズに付着するので、ちょっと離れた所から撮影した方が賢明です。

渋沢大滝の全景

燧裏林道にある裏燧橋から見下ろす渋沢には殆ど水が流れていませんが、それは渋沢が燧ヶ岳の火山岩をためていて、水は流れてはいるのですが川底の火山岩の下を流れているので見えないだけなのです。

しかも燧裏林道の上の渋沢温泉小屋分岐天神田代にある渋沢を含む3本の大きな沢の水が全て、渋沢大滝の直ぐ上流で合流して渋沢大滝となって落下しているので、物凄い水量なのです。

滝口を見上げて 滝つぼ

渋沢大滝は、渋沢大滝自身が削り取った馬蹄形の岩肌の奥に位置していて、周囲の感じは伊豆修善寺の浄蓮の滝のような感じの岩肌をしています。

滝つぼに行くには渋沢の岩を使って左岸に渡る必要があり、年によっては川の中を歩く必要がありますが、左岸には小高い中州のようなものがあり、そこにはヤマブキショウマヨツバヒヨドリなどが群落を作っていて、土日でもまず人と出会わない静かな静かな時間を楽しめます。


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