- 寒 修 行
- 昨年の国内観光利益をけん引したのは、若者が多く訪れた「パワースポット」だそうである。またパワーストーンや霊峰登詣、仏像崇拝などの信心の深めも盛んであった。こんな日本文化志向をある人が「愛国消費」と呼び、新マーケットに位置付けた。なんと若者の75%が日本の信仰の場や自然が好きと答えている。欧米を仰ぎ見、チャペルで結婚式を挙げたりしながら日本を造ってきた世代と物差しが違うのか、もともと潜在はしていたが仏教信仰を隠すことを美徳のようにしていた大人達の本心が若者をしてオープンになったのか。やや乱暴すぎるが、それは解らない。でも、ある意味喜ばしい動きといえるだろう。
- 私達の行っている寒行もまたそれに似て、本来の信心の上に立つ伝統と日本人らしさを求めている。福祉とは何か。共済とは何か。己を極限まで追い込むことによって頂く浄財とは何か。続けていくことの難しさや尊さを背景に、戦中戦後の混乱期を乗り越えた世の中を見続け70年、今年も歩いている。
- いつまでも変わらない精神で叩くこの太鼓の音を聞き、合掌される皆様のお姿に改めて感謝し、頭を垂れ、未来が一層明るくなることを「パワー太鼓」で願う次第である。
- 若者たちの愛国精神の中心には、ご両親、そしてご先祖様への謝意が勿論あることだろう。 合 掌
- 平成二十三年一月
- うきは市 鎮西身延山 本佛寺
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