寒 行 教 箋
- 先日私達寒修行団は、ある障害者施設へ訪問致しました。勿論皆様方からお預かりした寒行浄財を役立てて戴くためです。これは三十年程続けられていて、六十年の歴史を持つこの寒行の一部となります。不況と言われて随分時間が過ぎましたが、もしかすると最も痛みに耐えているのは全国に点在する福祉施設運営かもしれません。企業からの助成や地域団体の援助が削減され、厳しい状況を余儀なくされているようでした。社会福祉が軌道に乗り、すべてが行き届いているかに表向きは見えますが、実体はかなりかけ離れた事柄が存在しています。人間は欲望の塊のようなところがあるらしく、報酬があるものとないものとでは当然の如く前者に寄りつきます。福祉は後者に属する筈が、なかなか難しいようです。近藤勇の「義取りて生を捨つるは吾が尊ぶ所」とまでは行かなくても、心に義と誠を持って生きていきたいものです。私達は今年も寒風の中、信を堅持して声高くお題目を唱えております。ありがとうございました。 合掌
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