- 寒修行
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- 合掌、 今年もいつも通り寒が酷しくなってくる頃の寒行となりました。毎年ご理解を頂きありがとうございます。科学が進歩しその恩恵により私達の日常生活も交通も大変便利になりました。とてもありがたいことです。寒い時は暖がすぐとれ、暑い時は涼がそこにあるといった具合に、文明の発達に豊かさを感じます。私達はそのような最中、この寒風と共に早朝から夕暮れまで歩いております。そして肌で冬を捉え『行』を遂行しています。
- 十三回忌となる阪神・淡路大震災被災犠牲者への追悼は関西地区のみならず全国各地で法要されております。私達もこの寒行中の十二年前、あの惨状を目のあたりにし、急いで皆様の寒行浄財を何かに役立てて頂こうと送った経緯があります。勿論、させて頂くという佛教本来の『布施』としてでありました。
- イノベーションという呼び方にも繁栄されるように、言葉や文化が変化していますが、私達は、日本の原点に立ち返り、「ひとりではない。何かに支えられている」という神仏の存在を尊重し、鍛錬によって自己を痛めつけ、心の成長を寒行で見出そうとしています。その結界に於いて宗教への本質的畏敬が生じるのではないでしょうか。この主旨を持って、自己のみでなく、苦しみを分かち合う純粋な心の表現として六十五年続けております。今年も頂戴した尊い浄財・浄米はすべて社会に還元します。
- 人類が懸命に生み出した傑作である科学進歩に相応して、私達も共存を掲げ、心も進化させてまいります。
- 末尾に生命の絶対尊重を唱える私達が責任を感じ、残酷な事件が相次ぐことへの反省をもって、遙かに合掌致します。 再 拝
平成十九年一月
西身延本佛寺寒修行団
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