- 寒 修 行
- 激動の中世期。栄西、法然、道元、親鸞そして日蓮といった高僧が次々と輩出されました。それは世情が求めたのか? 自ずと現れたのか? 少なくとも人心の乱れや政治を正常化するため、つまり人々の生活を救済しようとの決意が最大の背景であったことは疑いのないところでしょう。また仏教思想を啓蒙した聖徳太子後の、最澄・空海等から見て取れる「福祉」の精神が「心を洗う」とする情操を更に広め、民に勇気を与え変革をもたらした日本人の輝かしい歴史でもありましょう。今を生きる私達は何処を目指し、何を求め、どうなれば満足するのでしょうか。
- 仏教の経典に基づく過酷な修行。そこに世の中の不条理を見つけ、苦しみからの離脱法を人々に説き続けた開祖等。その功労を私達は忘れてはなりません。そう思いながら寒修行と称し、今年も歩いています。唱える経文が目に見える白い吐息を頼りに歩いております。指先のしびれの先にあるちっぽけかもしれない幸せを信じ、私達は太鼓を叩いています。頂いた浄財を社会の為にと生活苦の家庭に届け続けて六七年。身勝手かもしれませんが、己を酷使して頂く尊い皆様の心こそが、社会不安を除去する手立てと考え、続けています。
- 祖師は言います。「因があるから果がある」 皆が悪いと謳う今生には何らかの原因があるのではないでしょうか。自己を戒める事に、もしかすると素敵な結果が見出せるのではないでしょうか。私達はそう信じます。
- 毎年のご協力ありがとうございました。 合掌
- 平成二十二年 正 月
- うきは市 鎮西身延山 本佛寺
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