寒 行

 

本佛寺の年間行事の中で最も自身の信仰を試される行事といえるでしょう。
檀信徒がそれを承知して参加し、僧俗ともに行に励む。
一日に歩く距離は約40H。三日間続けられる解放の修行です。

 

平成18年の記録
 

今年も多くの参加者を得、事故なく円成しました。

 
 

 

道中で配布した教箋
寒修行にあたり
 
 私達人間は「死」に直面すると自我や欲望が壊れて、悲しみや優しさが溢れてきます。ところが、何かを獲得しようと闘っている時は、獲得が生き甲斐となり自己実現が中心になってきます。最近の耐震強度疑惑などもそれでしょう。その時は悲しみや優しさに素直に共感出来ません。欲望とはそういうものです。
 私達も寒行をしながら「きつい……まだ終わらないのか……近道を歩こう……恥ずかしい。」など考えたりもします。しかし、本来の宗教観である『支え』『救い』を信じ鍛錬によって自己を痛めつけ、道端の小さな命などにも感動し、心の成長を見出そうとしているのです。その結界に於いて宗教への大きな畏敬が生じるのではないでしょうか。そしてこの寒行は自己ではなく、苦しみを分かち合う純粋な心の表現として六〇年以上続けております。そんな道中頂いた浄財は、すべて社会に還元し続けています。
 「可愛くば、五つ数えて三つ褒め、二つ叱って良き人となせ」

(二宮金次郎)

 景気が回復したとの情報によって、社会が自己主義に走る前に、このような心から滲み出る優しさや愛情がいかに必要であるかを考えながら、私達は今年も寒風の中太鼓を叩いています。御協力ありがとうございました。      
                          合 掌
 
平成十八年正月 

 

 

 

 

 

西身延本佛寺寒修行団

 

 

 
スナップ

 

早朝の祈り(安全と目的達成を祈願)

 

 

これから、三日間歩く修行僧達(今年は何人か現地集合)

 

 そして、例年と同じく、16ブロックに分かれて、托鉢を開始しました。
 
 
 

それぞれの集合場所では、焚き火をして参加者が揃うのを待ちます。

 
 
集合場所も様々です。

 

さあ!いよいよ出発!

 

長い一日の始まりです。

 

各家の玄関前にて読経し、ご供養の御菓子などを頂きます。

 

 

やはり、寒い道中、自然にお題目の声も大きくなります。

 

漸くお昼。民家に上がり参加者と頂く味噌汁は本当に美味しいです。

 

 

さあ、もう一頑張り!

 

道中で腰掛けて休んだり、車庫で暖をとったりします。結構信仰話に花が咲いたりします。

 

 

 

但行礼拝。玄関の中では読経を待つ家人の方が合掌します。

 

どのお宅でも、僧侶の読経を厳粛に聞いています。

 

 

 

 

三日目は雨となり、寒行の辛さが身にしみました。

 

それでも止めることなく、参加の信徒は懸命にお題目をお唱えします。

 

そして、恒例の最後の行列

 

力をふりしっぼって!

 

本仏寺の参道を題目行進!みんな誇り高く、歩きました。

 

参門を潜り、いよいよお寺の境内へと入りました。

 

それぞれの地域で回向をした僧侶達

この頃になると、全員喉がかれ、声が出にくくなっています。

 

二陳三陳と続けとばかりに信徒も声を出しました。

境内に入り、みんなで各御堂を廻ります。

 

 

約30分の境内順路を経て、恒例により円陣で、御前様の回向を承けました。

 

 

こうして今年も、事故無く、無事寒行を終えました。

御協力ありがとうございました。

またご覧頂きありがとうございました。

編集 前岳

 

皆さん、大切な物…、お金で買えない物をつかんだことでしょう。

 

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