Walter Rudin : Functional Analysis

作成日:2015-10-17
最終更新日:

概要

ウォルター・ルーディンによる有名な教科書。 錯視の理論で著名な新井仁之氏が推奨する関数解析の本(researchmap.jp)である。 また宮島静雄:関数解析でも同書を参考文献に挙げている。 3部からなり、第1部は第1章から第5章までであり、一般論が述べられている。 第2部は第6章から第9章まであり、超関数とフーリエ変換が解説されている。 第3部はバナッハ環とスペクトル理論に当てられている。

  1. 線形位相空間
  2. 完備性
  3. 凸性
  4. バナッハ空間の双対性
  5. 応用
  6. テスト関数と超関数
  7. フーリエ変換
  8. 微分方程式への応用
  9. タウバー型理論
  10. バナッハ環
  11. 可換バナッハ環
  12. ヒルベルト空間上の有界作用素
  13. 非有界作用素

感想

これから読んでみたいが、Banach Algebra は「バナッハ代数」というよりはむしろ「バナッハ環」と言われることが多いことを知った。 こういう慣習なのだろう。

F-空間とは

この本のいたるところで F space という用語が出てくる。この F 空間とはどんな意味なのかがわからない。索引を見ると初出は p.9 である。 では p.9 にどのように書いてあるかを見る。

1.8 位相ベクトル空間 下記の定義で、`X` は位相 `tau` に関する位相ベクトル空間を表すものとする。(中略)
(e) `X` の位相 `tau` が完備不変計量 `d` により導かれたものであれば、 `X` は `f-` 空間である( 節 1.25. と比較せよ)。
(f) `X` が局所凸 `f-` 空間であれば、`X` はフレシェ空間である。
(中略)
(e) と (f) の用語はあまねく通用するものではない。すなわち、 他のテキストのなかには、局所凸性を省いてフレシェ空間とするものがある。 一方で、別のテキストでは、我々が呼ぶフレシェ空間に`f-` 空間の名前を当てているものもある。

数式の記述

数式表現は ASCIIMathML を、数式表現はMathJax を用いている。

関数解析の本

書 名Functional Analysis 2nd Edition
著 者Walter Rudin
発行日1991
発行元McGraw-Hill
定 価
サイズ
ISBN0-07-054236-8
NDC

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MARUYAMA Satosi