「まえがき」から引用する
振動や波動という現象は、たいへん重要な問題であり、古くから研究されてきました。 この 2 つについては、いろいろな面白い現象があり、科学や技術の進歩につれて、新しく研究の対象となるものも出てきています。
(中略)さて、波動については第一に水の波をとりあげました。
(中略)
このほか、音波や電磁波についても数式が厄介な人は具体例だけでも読んでおいてください。 はじめは何のことがわからなくても、いつの間にか頓悟(とんご)するときがきます。
「頓悟」ということばがわからなかったので調べてみたら。仏教の用語で、ある瞬間に真理を悟ること、直ちに悟りの境地に達することをいうようだ。「頓悟」と対比して「漸悟」ということばがあり、 こちらは徐々に悟ることをいうようだ。ということは、急にわかることがあるのだろうか。
第8章は「水の波のしくみ」である。p.134から引用する。
かなり昔、松本零士の「宇宙戦艦ヤマト」が映画やテレビにブームを呼んだことがありました。そのとき、戦艦ヤマトの船首に突き出たコブがついているのを覚えていますか。
あのコブは整式にはバルバスバウ(球状船首)といって、東大工学部の乾教授や山縣教授を中心とするグループが世界に先駆けて開発した成果です。
乾教授とは乾崇夫を、山縣とは山縣昌夫を指すものと思われる。バルバス・バウ(Bulbous Bow)はすでに W.D. テイラーが考案していたが、 乾はこれを世界に先駆けて理論的に研究したことで知られる。山縣は乾より一時代前の船舶研究者であるが、私の調査ではバルバス・バウ研究に山縣が携わっていたかどうかはわからなかった。
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数式記述
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書誌情報
書名 ゼロから学ぶ振動と波動 著者 小暮陽三 発行日 2005 年 3 月 1 日(第1刷) 発行元 講談社 定価 2500 円(本体) サイズ 220p 21cm NDC 420 ISBN 4-06-154680-5 その他 草加市立図書館で借りて読む まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 小暮陽三:ゼロから学ぶ振動と波動
MARUYAMA Satosi