竹内薫:ゼロから学ぶ超ひも理論

作成日:2024-03-15
最終更新日:

概要

「ぷろろーぐ」から引用する

本書は超ひも理論の副読本だ。

気楽な放談形式で、できるだけ超ひも理論のイメージが伝わるように書いてみた。狙いは「難しい教科書への橋渡し」である。それ以上でもそれ以下でもない。

感想

ひもと弦

超ひも理論には「ひも」という名前がついている。物理に「ひも」というのはかわいらしくて、Wikipedia では「超弦理論」である。さて、本書の p.8 から引用する。

ポイント ひも理論 = ひも + 特殊相対論 + 量子論

これはなんとなくわかる。特殊相対論はマクロな領域で、量子論はミクロな領域だから、両者を結びつけるものがほしい。それが「ひも」と考えればいい。ただ、この等式の左辺が 「超ひも理論」ではなくて「ひも理論」なのはなぜだろう。それから、右辺は特殊相対論である。一般相対論ではないのはなぜだろうか。 前者の疑問に関する説明はない。後者の疑問に関する説明も本書には見当たらないが、p.22 には次の記述がある。

実は、量子論と特殊相対性理論の統一は成功しているんです。これはディラック方程式といって、ポール・ディラックという人が方程式を書きました。(中略)

しかし、(重力理論である)一般相対性理論と量子論との統合は、長い間うまくいきませんでした。ところが、超ひも理論は、逆転の発想というか、重力理論のことは忘れてしまって、 とにかく量子論と特殊相対論とひも、っていう方向にいったら結果として重力がポーンと出てきてしまった。ひもという搦め手をつかったのです。

これだけ読んでみてもなぜ超ひも理論なのかがわからない。ディラック方程式でよし、としなかった理由がわからないからだ。いや、読みなおすと、超ひも理論では重力が出てきた。 重力は特殊相対論の領域ではなくて一般相対性理論の領域ではないだろうか。そこがわからない。まあいい。

自然単位系

第2章「アインシュタインなひも」では、式が出てくる。p.31 のローレンツ変換を引用する。

`t' = (t-vx)/sqrt(1-v^2)`

`x' = (x-vt)/sqrt(1-v^2)`

上記の式は自然単位系である。自然単位系とは、本書の p.33 に説明がある。

ゼロから学ぶシリーズ

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書名 ゼロから学ぶ超ひも理論
著者 竹内薫
発行日 2007 年 12 月 1 日(第1刷)
発行元 講談社
定価 2100 円(本体)
サイズ 164p 21cm
NDC 420
ISBN 4-06-154681-3
その他 草加市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi