スウェーデン改造型
国防軍ジャケット制作記

     


●スウェーデン服について
 さて、ベース服を手に入れたので早速改造をしてみましょう。と、その前にスウェーデンジャケットについてのポイントをいくつか。
 購入編でもお話ししたとおり、スウェーデンジャケットにはいくつかのバージョンが存在します。今回初めてみたのは生地がウールじゃないやつ。これはこれでかなりびっくりしました。レアものかもしれませんが今回の使用用途には使えません。それから脇の下。2種存在して、脇の下までウール素材のものとムレ防止のためかここの部分だけ普通の布になっているものが存在します。ちょっと前までは脇の下までウール素材のものも出回っていましたが最近はあまりみられません。今回はこの脇だけ布地になっている方で改造していますが脇までウール製品があればそちらの方をおすすめします。実はウールの生地自体もこのタイプのほうがしっかりとしていていい感じです。ただし、この服はあとからでてくるバックポケットが存在しませんのでポケットの生地を調達しなければなりません。

−さっそく改造だっ!−


●ドイツ軍服との相違点
1.前側の下ポケットが服の内側に作られている。しかも後ろにもポケットがついている。
2.襟が詰め襟型ではなく開襟型。襟のボタンも中央についていない。
3.脇の下の布がムレ防止のためかウールではない。
4.実物は袖を開いて袖まくりを簡単にすることができる。これは袖にそういった加工がない。
5.国防軍(陸軍)のM43はボタンが6つ。

 4、5は服の構造上かなり改造が難しいのであきらめる。ボタンはしたに増やす方法もあるが今回は保留。袖はまくらなきゃいいんだしね。3は可能な限り改造する方針でいきたいと思う。今回はまず1と2について重点的に改造していこうと思う。


改造 1)オリジナル兵科章を取り外す
 ま、これは簡単ですね。ちょっと縫いつけてあるだけだし布地も薄いし、カッターでさくさくはずしちゃいましょう。

改造 2)バックポケットをとる
 この服は後ろにバックポケットがついている。ドイツ軍にはないポケットなのでこいつは取り外すことにする。ありがたいことにこのバックポケットも縫いつけてあるだけなのでカッターなどで慎重に糸をはずしてやれば簡単にとれる。はずしたポケットはこのまま前に移植する予定なので大切に取り外す。

改造 3)胸ポケットの改造
 今回、改造目標とするのはM43あたりのタイプのものを考えている。なぜかといえば、前回の東ドイツでM36のようなものを目標にしたので、今回はそれ以外のものを作ってみたかったのと移植する予定だったバックポケットにはポケット中央のプリーツがなかったのでプリーツのないM43を作った方がやっぱ楽だよねって考えである。
 で、ここで問題になってくるのが胸ポケット。スウェーデンの胸ポケットはプリーツが入っているのでこれをとらなければならない。胸ポケットに入っているのに下のポケットに入っていないんじゃ不自然ですからねぇ...

 で、まずは胸ポケットを慎重にカッターで解体する。バックポケットよりかなり強固である。

 プリーツ分解中。ミシンの糸などを慎重に切っているところ。

 解体終了。

 解体したポケットをスチームアイロンで入念に伸ばす。ウール地なんで丁寧にスチームアイロンをかけると完全に折り目をとることができた。