60,000記念:みゆきお姉ちゃんにかわいがられる準
 準は、いとこのみゆきお姉ちゃんと歩いています。
 「ここを通ると近道なのよ」
 みゆきお姉ちゃんは、板塀と板塀の間の隙間を指さしました。
 「えーっ。狭いし、暗いし…」
 「バカねえ、何怖がってるのよ、男の子でしょ」
 みゆきお姉ちゃんは、準の手を引っ張ると、”近道”に進入しました。
 …もう、女の子なのに。
 準は、その言葉は口にせず、みゆきお姉ちゃんのあとに続きました。
 子どもが身体を横にしてやっと通れる隙間を、あと少しで抜けるところで、準のズボンに何かが引っかかりました。
 …びりっ。
 「あっ…」
 「どうしたの、怖くておしっこもらしたの?」
 「ち、ちがうもん。ズボンに釘が引っかかったみたい」
 「ちょっと、見せなさい」
 反対側の通りに出たので、みゆきお姉ちゃんは準の肩に手をやって、くるっと後ろに向けました。
 「準ちゃん、おしりが割れてるわよ」
 「えーっ」
 「バカねえ、おしりははじめから割れてるわよ」
 「そ、それもそうだね。ははは」
 「大丈夫よ、ズボンが破れてるだけだから」
 「えーっ」
 準はあわてておしりに手をやりました。釘でひっかいたために、ズボンに大きな裂け目ができています。
 「これじゃパンツが見えて恥ずかしいよ…」
 「じゃあ、私が縫ってあげるわ」
 「お姉ちゃん、お裁縫できるの?」
 「バカねえ、これでもカリスマ裁縫師と呼ばれてるのよ」
 「?…よくわかんないけど、すごいねえ」
 「じゃあ、脱いで」
 「えっ?。ぬ、脱ぐの、ズボン」
 「脱がなきゃ縫えないでしょ。おしりに針が刺さってもいいんなら、そのままでいいわよ」
 「や、やだよ…ぼく、おしりに尖ったものは苦手なの。ドライバーとか」
 準は独り言を言いながら、サスペンダーを肩から外し、チャックを下げ、渋々ズボンを脱ぎました。
 「あんた、またパンツの前が黄色いわよ」
 「もう、見ないでよ。おかしいな、今朝はきれいなのにはき替えたのになあ…」
 準はズボンを脱ぐと、みゆきお姉ちゃんに渡しました。
 「そういえば、お裁縫道具がないわ。うちにいらっしゃい、縫ってあげるから」
 みゆきお姉ちゃんはそう言うと、準のズボンを持ったまま通りを駆け出しました。
 「ちょ、ちょっと。お姉ちゃん!」
 準はうろたえましたが、お姉ちゃんを追いかけるしかありません。
 「返してよー」
 「早くいらっしゃーい」
 結局、準はパンツ姿のまま、通行人に注目されながら、みゆきお姉ちゃんの家まで走るはめになりました。優しいみゆきお姉ちゃんに親切にされて、今日もとっても幸せな準くんなのでした…。  −おわり−


 みゆきお姉ちゃんとぼく  〜6万記念

 おかげさまで、遊来星図書室は、6月24日午後、60,000アクセスを達成しました(^^)。6月は準の月…誕生月とかではなく、Juneを略してJun.って書くでしょう。うちの代表メールアドレス"meteor@jun.email.ne.jp"の@の右側は、プロバイダの朝日ネットが、6月という意味で用意したものですが、うちの準のためみたいで、見つけたときはこれしかないと思いましたもの。6月に6万、うれしいです。
 キリ番は常連さんで相互リンク先「お江戸下町ごきげん通り」の管理人、Kuridonさんでした(^0^)。いつも応援していただいて、本当にありがとうございます。最近リンク先様も増えて、アクセス数も好調です。いつもいつもご覧いただいている皆様、本当にありがとうございます。これからも、ずっと仲良くしてくださいね、よろしくお願いします。

 さて、これまで万単位の記念絵は、相方をくまちゃんがつとめてきましたが、今回はちょっと変えてみました。なんと、当サイト初の、女の子の登場です。
 準の絵物語で、隠れた人気を誇るキャラがいます。準のいとこ(母方の叔父さん叔母さんの娘)で、小学6年生の女の子、みゆきお姉ちゃんです。絵物語は、基本的に準しか描かないので、これまでお話に登場するだけでしたが、スペシャル企画ということで、今回特別にみゆきお姉ちゃんを描いてみたのです。
 …え、準の髪型が違うだけだって?。ははは(^^;。いやいや、いとこだから、似てるんですってば。本当は百人くらい描き分けられ…たらいいな(^^;。誰を描いても、準テイストになってしまうんです、下手だから。準の顔のパーツ(目、鼻、口)を少し小さめにして、目にはまつげを(1本だけ。見えますか?)、そして、髪を長くして、肌の色をちょっと白くしたら女の子になるかと思ったのですが、いかがでしょう?。手脚を太く描いたら、みゆきお姉ちゃんにはり倒されそうだったので、細めにしてみましたが、スカートから伸びる脚って難しいのに気づきました。なんか変ですが、目をつぶってください…。ブラウスに赤い吊りスカート…今時こんな格好してる子なんていませんけど(^^;。女の子の服のボタンは、男の子のシャツと逆に付いてるんですよね。昔から不思議だなあと思っていました。いつもの準のシャツと、比べてみてください。
 お話は…おバカな展開ですみません(^^;。絵物語にするほどの内容じゃなかったので、番外編でこちらに載せました。相変わらず、みゆきお姉ちゃんに翻弄される準くんです。世間では、準をいじめてると思われていますが、本当は準のことをかわいがってあげてるだけなんですよ。でも、愛情表現がちょっと過激なので、素直な準はいつも振り回されているのです。おせっかいな女の子に、いいようにもてあそばれて、泣いたり笑ったり、恥ずかしがったりする男の子が萌えなので、私自身みゆきお姉ちゃんと準ネタは大好きなのです。いつも、双方に感情移入して、かわいがったりかわいがられたりしてるのです。

 ショタサイトなので、お姉ちゃんよりお兄ちゃんの方がうけるのはわかっています。それでもなおお姉ちゃんなのは、モデルがいるからです。仮に”みゆきお姉ちゃん”にしておきますが、私の従姉で、小さい頃よくかわいがってもらったのです。いや、モデルなんて言ったら怒られますね、ほんとによく遊んでもらったので。私のランドセルと、”みゆきお姉ちゃん”の中学校の鞄を一緒に買いに行ったので、歳の差はちょっとありますが。ある時、私のためにアグネス・チャンの「草原の輝き」という歌を歌ってくれたので(古い。歳ばれる…って、ばれてるからいいか(^^;)、その歌を聴くたびに、あのときの光景と、優しかった”みゆきお姉ちゃん”を想い出します。もう結婚して、遠くで暮らしているので滅多に会えませんが、私の中ではいつまでも、あのころの”みゆきお姉ちゃん”と”ぼく”なのです…。


 そういうわけで、今回初めてみゆきお姉ちゃんを描きましたが、いかがだったでしょうか。え、もっと鬼畜な顔を想像してたって?。そんなこと言ってると、みゆきお姉ちゃんのけりが入りますよ(^^;。通常の絵物語では、絵は準一人しか描かないだろうし、これから一万ごとに、ネクタイ・シャツ…パンツ(!)と、一枚ずつ剥奪されていく、というのも嘘ですが、また気が向いたら、みゆきお姉ちゃんを描くかもしれません。これからも、準とみゆきお姉ちゃん、そして、遊来星図書室を、どうかよろしくお願いします。


※過去の作品で、みゆきお姉ちゃんがお話に出てくる作品を集めてみました。仲良しのみゆきお姉ちゃんと準くんをお楽しみください(このページへは、ブラウザの”戻る”ボタンで帰ってきてください)。

  第24話:おさがり
  第29話:お正月
  第36話:ひなまつり
  第54話:お泊まり
  第60話:プール
  第69話:準の逆襲
  第72話:潮干狩り
24話、36話を見て、「Meteorさんって、女装好きですよね?」と某氏に言われましたが、絶対違いますので誤解なさらぬように…。

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