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 2002年11月5日(火)サンメッセ交流会から、2003年3月28日(金)読者メールまで
 2003年4月〜2003年9月まではこっち、2003年10月〜2004年9月まではこっち、2004年10月〜2005年3月まではこっち、2005年4月〜2005年12月まではこっち、2006年1月〜2006年6月まではこっち、2006年7月〜2006年9月まではこっち

 2003年3月28日(金) 昨日読者からメールをいただいた、いろいろ考えさせられる内容だった。了解を得たのでその一部を転載する。

>讃岐のうどん食いは ただ美味い店で食いたいとだけ願って 
>いろんな店の情報を得ようとし 様々な雑誌やHPを基に食い
>に出かけることを楽しんでいる
>それが全てであって それ以上のことなど必要とは誰も思って
>なんかいないのだ
>
>何が言いたいかと言えば 別に県外からツァーで来ていただく
>ことなど全然望んでなんていないってことだ
>そのことに一体どういう意味とか価値があるんでしょ
>香川の知名度アップって県民の生活に幸福をもたらします?
>自分は そうは思わないですね
>美味しいうどん屋ってのは 大抵の場合辺鄙な場所にあったり
> 駐車場が狭かったり そういったツァーには不向きな店が多
>いのです
>今さら麺聖殿に対して言うのも失礼極まりないことですが そ
>もそも うどん屋なんて地域密着型で経営されているんです
>故に 当然の結果として少なからず「駐車違反」「交通渋滞」
>「エンジン音の迷惑」を招くでしょう
>もしかしたら「茹で時間の短縮」も有り得ますね
>そうやって 県外人が増えることによる「うどん環境の劣悪化
>」という弊害が発生するのは目に見えてます

 メールの主はペンネーム「かかか」というネットで活躍されている方である。
 かかかさんの言うとおり今のブームは、(恐るべき以前から)静かにうどんを食べていた人にとっては迷惑なだけである。うどんブームで香川県が元気になったのは事実である。うどんを利用しての県おこし、観光振興もいいが、その結果うどんがまずくなったり、遠くなったら何にもならない。うどんは決して香川県庁やその他の行政、マスメディア、一部の業者のものではない。うどんは我々うどん食いのものである。
 いつものようにいつものうどん屋に行き、いつものうどんを食べる幸せ。美味しくて安くて腹いっぱいになればいい。麺聖はこれからも発信していくつもりである、うどん好きの香川県民の幸福のためにも!


 2003年3月26日(水) 昨日讃岐うどん巡礼八十八カ所が始まった。今年は過去に選ばれたことのない店を選んでいる、当然ながらレベルは落ちる。讃岐のうどん店の多くは必ずしも全国的に自慢できる店ではない。そのことを理解し本当の魅力はどこにあるのかを探るためにも「いろんな店に行こう」と言っている麺聖の主張に、今回の八十八カ所は趣旨で合致する。ただ選定に不明瞭、不可解な点があるのが残念だ。もう少し選定基準が分かり易ければ手放しで賛辞を贈れるのだが。
 不明瞭な点は選定時にオープンしていない店が入っていること。どうやって味を確かめたのだろう?自分の舌で確かめるのをモットーにしている麺聖はこれに賛成できない。不可解な点はどんぶり・はし・醤油持参の製麺所を含んでいること。マイ味の素を振りかけさせるためにという訳ではないと思うが・・・。ご近所さんが製麺所で玉をもらいその場で食べるのはほほえましいことと思っている。でも味の素、キリンビールという大手食品メーカーのイベントとしては、食べ物の関連のルールは、たとえ違法でないとしても、グレーな領域にまで踏み込んで勧める必要はないと思う。玉を買った人にスタンプを押すで何故だめなのか?玉を買って家で食べる、これも讃岐のうどん文化である。遊びだからそんなにという声もあろうが 、巡礼が注目をあびている現在、今一度検討して下さい。


 2003年3月24日(月) 昨日の朝日の『満腹ニッポン』は「豪生まれ本場うどん」とオーストラリア人のうどん用小麦開発の努力を伝えた、いい記事だった。今までは朝日(2002/12/16付け、他に四国2000/11/6、日経2001/12/5)もそうだが、この努力の結果を伝えずに9割以上がオーストラリ産という事実を批判するような論調とその裏返しの開発過程の国(県)産への過大な賛辞が多かった。オーストラリアの小麦の輸出を独占するAWB社研究員の「かつて、我々は日本の小麦の品質に近づこうと研究した。今は日本が豪州をお手本にしている。おもしろいことだね」、これが現実、少なくても国産小麦では量はまかなえない。
 でも小規模経営だから高いはずの国産小麦が、何故品質がよく安定供給される安いはずの輸入小麦と競争できるの?経済の原則からは反している、このあたりのからくりどこかの新聞調べてくれないかなあ。


 2003年3月23日(日) お彼岸です、昨日東京へ墓参りに行きました。町を歩くとうどんののぼりが。昔より多くなった感じがします。関東はそば文化圏だとしたり顔で言う人がいます。江戸っ子がそうだったのは認めましょう。東京人もそうでしょうか?彼らのルーツはどこですか?何より背後の武蔵野、栃木、群馬は小麦の産地です、うどんを食べる習慣が根付いています。もっと美味しさを伝えられれば、薀蓄を語るだけのそばを再逆転する日も来るでしょう。


 2003年3月16日(日) 昨日の朝いつものように新聞を見ていた私はある広告で一気に目が覚めた。「日本全国で空前の大ブーム!さぬきうどんダイエットで20キロ15キロ14キロドカドカやせた腹がへこみ腰がくびれ大騒然」。『壮快』という健康雑誌の5月号だ。
 25ページにわたってさぬきうどんの紹介とやせる根拠、ダイエットに成功した8人も登場している。でもなぁ、巡礼の達成者パーティーではうどんを食べて太った人少なめに見積もっても88人は見つかるよなあ。昔、私自身も健康診断で「うどんばかり食べてるから太るんです」と注意されたよなあ。あっ、そうそう同じ時やせすぎていた友人は「うどんばかり食べているからやせるんです」と指導されていたっけ、うどんが原因でなく量とオプションじゃないかなぁ。
 記事の中では北川先生が理論的に、のどで食べる香川県人以外にとっては、さぬきうどんは噛みごたえがあり、「よく噛むことは、満腹中枢に働きかけるので、普通のうどんよりも、満腹感を得られるのでしょう」と、続けて「『さぬきうどんは腹もちがいい』という声を聞きますが、そのためです」と書いてます。「腹もちがいい」とダイエット成功者も何人かが体験談で。私は粒食のごはんの方が粉食のうどんより消化に時間がかかるため腹もちがいいと思ってるけど・・・。本当のところ科学的にはどうなんでしょうかねぇ?


 2003年3月15日(土) 昨日の四国に高松市長がうどんマップ作ると議会で言うたと載っとった。県庁に続いて高松市役所も思考停止してしもた。四国新聞社も販促用に配っとったけど、うどんマップなんか本屋に行ったらなんぼでも並んどるやないか。民間ができることは民間に任せる、県庁も市役所もそんなこと言うてなかったかのう?金があるなら、うどんに関する文献、資料(data)や言い伝えを集めたり県外客の意識を調査して次につなぐのが役所と違うんかのう。
 高松市内にマップに載せるほどの名店50軒もあったかのう?そもそも、讃岐うどんは名物やけど高松うどんは名物やないで、「戦後二大ネーミングといふものがある。サツポロ・ラーメンと讃岐うどんがそれで、あれがもし、北海道ラーメンと高松うどんだったら、今日のやうに天下を制圧することは不可能であつたらう。(中略)今の日本に八千軒あるといふ讃岐うどんの原点(といふ言葉をわたしは好まないが)を究めようとすれば、残念ながら高松市内のうどん屋へ行つたつて駄目である」(丸谷才一著『食通知つたかぶり』1975年文芸春秋刊)。「むかしから、さぬきうどんは西へいくほどうまくなるといわれているが、これはたしかにうなづけることである」(山田竹系著『随筆さぬきうどん』1972年四国郷土研究会発行)。よく読むと周辺エリアを含むか、それでも数が足らんわ。そや大事なこと忘れとった、高松市役所は帝国主義的領土拡大の野望を持っとったがな、讃岐うどんの聖地綾川流域も侵略するつもりやな。


 2003年3月9日(日) 昨日の朝日土曜版の『私の注目記事』で佐久間WOWOW会長が「独自ソフトで夢の実現を」とハウステンボスの再建への意見を述べている。まず破綻の原因を「東京ディズニーランドでは成功した『土地の値上がりが本業を助ける』という『神話』が通じなかった」と。本業が成功しなかった原因を「人をひきつけ何回も訪ねたくなる、魅力ある『何か』、すなわちソフトをつくれなかったことではないか」と考える。「独自性のあるソフトを継続的に提供できるのかが、今後、問われてくる」と続ける。
 昨日の夕方OHKテレビのムーブでは「讃岐うどん東京進出で大ブーム・新たな動き」とうどんブームを扱った。うどん好きの人たちにはつっこみどころのない番組だった、と思う。就職率75パーセントの高松高等技術学校のさぬきうどん科が紹介されていた。「県が行っている就職訓練約三十コースの就職率が50%前後の中でうどん修業の好成績は際立ち」(2/9読売)と香川県庁の数少ない成功事業とされる。修了生は続々と店を出した、腕は玉石混交。麺聖はプロは結果がすべてと考えるので、長い目で見守っていこうなんてここで主張しない、退場は自由である。うどん屋を目指す人が増え、才能ある人が見出されればいい。この点でこの事業は価値を持つ。今のブーム、あえなく潰えても、本物のうどん屋の寿命を一世代延ばしたことは遺産になる。にせもので力のある店、本物の才能が競い合うことにより、うどんテーマパークに絶えることなく新しいアトラクションが供給される。
 このときとばかり失敗した瀬戸大橋ブーム、常に持続させることを考えなければならない。ムーブキャスターの優等生タイプのまとめの言葉「ブームになっている今こそが香川をそして四国を売り出すチャンス」何かせないかんという強迫観念だけ発信して何になる。代わりに、麺聖が「ブームになっている今こそ何もせんで力を蓄えるチャンス」というありがたい御言葉を授けよう。


 2003年3月7日(金) 先日、「三大うどんとは、何ですか?稲庭、水沢、きしめん、讃岐、五島、いろいろな組み合わせがあるのですが?」とメールをいただいた。
 香川県でそんな言葉は聞いたことがなかった、「武者修行の旅」のとき現地でそんな言葉聞いた記憶もない。私が持っている柴田書店の『そば・うどん百味百題』(1996年6版)にはなかった。山田先生、加藤先生、小島先生他の本でもなかったような気がする。JTBの『TABIDAS'91』、食べるのそば・うどんにはそれぞれの説明があるだけで、三大うどんなる語はなかった。五島うどんは地獄炊きとして簡単な説明があるだけだった。どこかの自治体、観光団体、観光業者、うどん屋が村おこしかマーケッティングの一環で言い出した、あるいはテレビなんかの媒体が大げさに適当に用いた、と推測する。
 讃岐うどんがナンバーワンかつオンリーワンと信じている誇り高き香川県民が使うはずはない。でも、三名園に入ってないばかりに苦戦している栗林公園を見ると戦略としては考慮に値するのかとも思う。
 私が持っている本では最近出版された『稲庭うどん物語』(無明舎出版2000年)が「三○○年以上の歴史をもつ稲庭うどんは、今では四国の『讃岐うどん』、名古屋の『きしめん」とともに日本の代表的なうどんの三銘柄の一つにあげられています。」と触れていた。
 三大うどんについて、いつ、誰が、何で書いたかの原資料をご存知の方は教えて下さい。


 2003年3月1日(土) もうはや3月です、日差しが春ですねぇ、今日は雨でしたが、冷たさが違いました。2月はうどんネタが多く筆が進みました。的を「得る」くらいの内容にはなったと自負しております。時々は射たと思ってるんですが、その方面からのクレームは来てません。お答えしようと待ちかまえています。急所は公開討論の席にと、はずしてるつもりですが、致命傷になってしまったってことありませんよね。第三者が参入できるように、テレビ、雑誌よりは新聞をネタ元に多く使ってます。それとうどんグルメの旅はあくまでうどん食いのページです。政治、経済、行政、観光、まちおこしなどの話には、力及ばずお答えしかねることがあります。うどん以外では将棋、切手、日本の城と城下町ならお答えできると思いますが。
 いろんな考え方があるべきと思います、たかがうどんという方も多いでしょう。私は「人の行く裏に道あり花の山」をモットーにしてます。このごろを見てると言ってくれたのは、私から知らせた方々を除けば知人、そうでない人を含めて『さぬきうどん 食べ、歩き』のB府君しかいません。このページってそんなに見つけにくいのでしょうか?それともみんな根っからのうどん食いなんでしょうか?たびたび言っているただのうどん食いとは矛盾してますが、これが今うどんのためになると信じてます。


 2003年2月28日(金) 昨日の四国の一日一言うどんネタではない、でもうどん食いの麺聖はうどんで考えた。一日一言さんは二つのテーマパーク、更生法申請のハウステンボスと勝ち組筆頭と言われるディズニーランドを例に「にせ物は消え、本物は残る」という「古典的事実」を考えついた。この「事実」麺聖もよく使う、そうでないと悲しいから。でも幻想だ。
 ラーメン、すし、カレーなどなど、はやりの店を各地から集めた食べもんテーマパークは、勝ち組と言われる。本物だからか?デフレだからか?東京の讃岐うどんはブレークした。本物なのか?似せ物でやがてオランダよりも長崎よりも手軽に行ける、香川県に人が来るのか?来ないと讃岐うどんはにせ物になるのか? 
 麺聖がグルメの旅を始めてからでも、えーうどん屋がよーけつぶれた。「消え」たけどそれらの店を麺聖は今でも「本物」と思っている。悪貨は良貨をの法則どおり、バッタモンが生き残る例は多い。多くの伝統工芸品が競争力を失い、技術は途絶えることが多い、にせ物だったからか?生き残ったもんこそ本物という考えもあろうが現実を見ると怪しい。
 ハウステンボスの更正法申請のニュースが流れた同じ26日に、ドイツ証券が、客足の予想以上の悪さと来期の回復の厳しさから、オリエンタルランド(浦安のディズニーランドを運営する会社)の投資判断を引き下げた、という記事を読んだ。


 2003年2月27日(木) 昨日の朝日にシンポジウムの詳細?が掲載された、香川県知事はうどんうどんとばかり言っているのではなかった。もちろん「東京で起きている『うどんブーム』は心強い」と述べている。東京でブレークし全国的に広がる発端は昨年8月のめりけんや9月のはなまるの東京進出とされる。これ以後である、連日讃岐うどんネタが全国を飛び交い、業界へ企業の参入が相次ぎ、ツアーが組まれ、金比羅の観光業者はうどんを目玉にしようと企む。記者会見で知事がうどんとしゃべる回数も増えた。県庁の企画や予算、漏れなくうどんが付くようになった。で、この「ブーム」だが、本当は「にわかに」ではない。 
 金子知事や大平総理の讃岐うどん振興の歴史ははるか昔、香川県民は先人たちの苦労も忘れ、身近にありすぎるうどん、大好きだが県外人に勧める自信はなかった。どちらから言うと負の資源、一変させたのが93年春の『恐るべきさぬきうどん』の単行本化、これ以後県民に再認識される。
 村上春樹のうどんエッセイは98年春に単行本になった(旅は90年秋、初出はハイファッション91年3月号)。さとなおは96年秋から香川県にうどんを食べに来た、ネットを経て98年秋に『うまひゃひゃさぬきうどん』になった。99年5月17日付けの四国の追跡は「うどんツーリズム」として県外客のうどん屋巡りを取り上げた。遅くても県外人をも巻き込んだうどん巡礼が98年には確立していた。
 行政が気付いたのは昨年である。02年4月18日付け朝日は、香川・人気訪問地アンケート(香川県庁他が01年に観光客千人に調査)で「小豆島や瀬戸大橋を抑えて『うどん巡り』が6位にランクインした」と報じた。「県外から地図を片手に田舎の有名うどん店にやってきた、という人が予想外に多かった」と県庁観光振興課のコメントが載った。02年8月2日付け四国は観光が専門の学識経験者4人からなる観光香川21戦略会議の中間報告で猪爪座長(湯布院観光協会出身)が「うどんを食べに来る人も観光客と捉える視点が大切」と発言と報じた。
 この98年から02年が真鍋県政の1期目、うどんに関して無策だった。その揺り戻しが最近の現象である。
 そして、4月の香川県庁組織改編になる。この県庁の観光部局のトップ人事について香川経済レポート(2月15日号)は「県庁内のたらい回し人事では何の意味もない」と書いた。県民と接した経験がなく、政策失敗の責任はとらず、あわてて企画書にうどんの文字を入れる県庁の高級役人、適正がないことに激しく同意する。ただ、「民間からキャリアと見識がある人材を起用して欲しい」との御説、意中の候補者がいるのかな。うどんに冷淡だったのにあわてて参加したのは民間も同じ。ビジネスに生かしたのは加ト吉の会長、はなまるの社長、田尾団長だけ。マスツーリズムに毒された旅行業界や斜陽産業の銀行関係者は論外だ。めりけんやで成功したJR四国は現在本業の鉄道収入の建て直し中。あんまり大物やとどっちが県庁のトップか分からんようなるけん・・・、知事を選ぶんより難しかったりなんかして??


 2003年2月24日(月) 昨日の朝日、「知事、通り過ぎ防止『戦略』 うどんの魅力で停車!」と22日の高松道全通記念シンポジウムを報じた、内容も真鍋知事の「流行のうどん屋にはよく行く。本当においしい。讃岐うどんなど本物の魅力を・・・(略)」いくらつかみでもこれは。四国では「箱物を整備するのではなく、香川が誇る伝統や歴史に目を向けた取り組みを進めたい」となる、。そりゃそうやわ、団長じゃあるまいし「うどん、うどん」としゃべるだけのパネリストはおらんわな。今ごろ箱物の限界に気付いたんじゃ遅い気もするけど、サンポートのシンボルタワーも途中で止めるんかのぅ?箱物は資源を観光の対象として機能させたり支援するためのもんや。箱物を観光対象としたり、集客力を期待したらいかんわ。この定説に挑んでリピーター獲得に成功した箱物は、テーマパークのうちでも浦安のディズニーランドとうどんテーマパーク讃岐!くらいやからのぅ?
 先日(2/7)も書いたが、うどんへの思い入れが強い最近の朝日、その批判精神から知事のひとつ覚えのような「うどん」を揶揄している!のだと思うが。真鍋武紀知事が就任した4年半前、うどんは既にブームだった。なんで今ごろ?どして急に?部下は教えんかったん?現場を知らないかんのぅ!一流紙ならあと追いのうどんネタでなく、知事の変節の理由こそ探るべきと考える。シンポジウムの詳細は朝日の26日に掲載されるそうである。


 2003年2月22日(土) 昨日高知へ行った。四国も広い、特急で3時間半ほどかかる。よく考えると香川県と高知県は接していない。県境を接する愛媛県、徳島県には併合、分離独立の歴史を持っている。土佐入野駅に着いた。
 話はひと月ほど前にさかのぼる、小泉武夫さんの『食に知恵あり』という文庫本(日経)を偶然手にした。小泉先生は全国のうどんを、当然稲庭も水沢もきしめんも東海道は立場の平うどんも讃岐も、食べたが高知県大方町で「究極のうどんに宿る真心」に出会ったという。
 詳しくは機会があったら書くが、個々の店のおいしさだけでは讃岐うどんブームは説明できない。おいしい店は全国にある。すぐ隣りに同レベルのあるいは違うタイプの店が無数に(大げさでした30軒くらい)ある、ここが大切。
 ところで先生が食べた「東海道は立場の平うどん」どこか分からず、ずっと気にかかっている。
 そうそう店の名、先生も書いてません、入野駅でうどん屋?と尋ねると国道へでて左へ、歩くと15分くらいと教えてくれました。


 2003年2月18日(火) 「『本物はこんなもんじゃない』と言いながら、能書きを言う」、昨日の四国の「月曜随想」は観音寺出身の白川文造さん(ビーエスフジ社長)の「がんばれ!讃岐うどん」、ほほえましい内容だった。みんな自慢したいんだろうなぁ、でも残念ながら讃岐うどんの優位性はダントツではない。値段を抜きにすれば、こんな自慢ができるのも50軒ほど。その他多数はまあ普通か、風情も除くと私はさか田やすみたよりおいしいとは断言できない。「全国的にナンボの物かを比較できるのは、県外を知らない県人よりも、県を知っている県外人かもしれない(白川さん)」そうそういつも麺聖が言ってるとおりでしょ、みんないろんなうどんを食べようね!と。
 白川さんは食品の産地偽装問題にも触れ、鹿児島黒豚の8割近くが他県産だった例を挙げ、讃岐うどんが似た道をたどらないか危惧している。ブームだろうとなかろうと彼の言うとおり「旨かもんは旨か」なら起きない話なんだろうが、現実にはブランドイメージのため、名前だけ使われるケースも多い。
 地名プラス食べ物の普通名詞は商標登録できにくい。されるとされたで困ることは困る。登録(中)は思いつくところでは氷見うどん、宇都宮餃子だったっけ。同様に外国の国名や地名を商品名にくっつけることも多い、インドカレーとかセイロンティーのように。16日の日経「エコノ探偵団」は松坂牛なぜ値上がり?の見出しでこのあたりを探っている。原産地表示の問題でなく知的財産保護の点から世界の潮流は「地名は財産」に向かいつつあるそうだ。
 「さすが、讃岐うどんは全国ブランドなんだなあ」、月曜日には毎日「支局長からの手紙」でも、榊原雅晴高松支局長の、ある讃岐うどん店を初めて訪れたときの感動が素直に表現されている。今度はまずい店に行ったときの感動を知らせて欲しい、きっと役に立つ。タイプ違いの店がたくさんあるのが讃岐うどんの強みである。はずれに当たる感動も分かるようになるともっと楽しみが広がる?? 
 「有名になろうとなるまいと、自分のやり方を守り続ける。そういう姿勢にちょっと胸を打たれた(榊原さん)」、一次(万博)二次(瀬戸大橋開通時)のうどんブームを経て店も客も学んだ。今度のブーム、舞い上がっているのは学習機能のない行政と節操のないマスメディアだけ、そんな気もする。「食べ物の力は偉大ですね(榊原さん)」、とにかくうどんを食べよう、食べてもらおう。「本物しか生き残れない(白川さん)」、そう、それ以外のこと、あんまり考えすぎない方がいい!


 2003年2月16日(日) 昨日の朝刊7紙は香川県庁の新年度(2003年4月〜2004年3月)予算案を一斉に報じている、公共事業抑制の緊縮型と。そらそうじゃわなぁ、場当たり的に建物よーけ建ててもいかんわな。やったら何で無駄の筆頭のサンポート止めんのや?とひとりつっこみながら読んだ。
 うどんの文字がちらほら「1400万円をかけて讃岐うどんをPRする(朝日)」、「観光関連の予算でも、『讃岐うどんを全面に打ち出した』(予算調整室)イメージ戦略推進事業に三千五百万円をかける(日経)」、「(主な新規事業)イメージ戦略推進事業(三千五百万円)=県を全国に売り込むイメージ戦略を構築。さぬきうどんブームを活用した情報発信など(産経)」、「入り込み客の誘致にはブームのさぬきうどんを全面に押し出す(四国)」(毎日、山陽にはうどんの文字を探しきれなかった)など。
 うどんグルメの旅を作って12年「香川県民が自慢できるものはうどんである」言い続けてきた。私だけでない、ある本には全国に通用する素材は空海と屋島と讃岐うどんしかないと皮肉たっぷりに書いてた。やっと香川県庁も追いついてきたのか、でも、この時の差が麺聖と凡人の違いやな。
 詳しく書いてある新聞があった、読売か、偉い、さすがテレビCM中!!と声をかけた。香川を売り込むイメージ作りの検討に400万『めん喰らう香川』のビデオ作成に1500万、関西向けテレビPR1600万、県外うどん店でのポスターに1400万。この記事に感謝した、危うく賛同するとこだった。
 使い道が悪い。何のことはない、土建屋向けの公共事業から広告、放送業界へ。マスメディアの公共事業批判で関連の放送局、広告会社にお金が??と穿ってみたくなる。邪推だろうが、県庁にはプロデューサー(立案、人事、予算の権限を持ち制作にあたる責任者)がおらんやろ、法的制約は創作活動では邪魔。丸投げも相手方が、同一パターンのうどん報道をしている放送局や制作会社なら能力的に無理(安物買いの・・・になる)。大手は、香川県の物価水準じゃボラれたと感じるくらい(いいものは高いのは当たり前であるが)高い。結局結果は、金をドブに捨てるようなもんか?
 足すと4900万円もの大切な税金、本当に香川県のこと考えろ!中国の故事にこんなんあったぞ!「隗より始めよ」、意訳すると、「まず麺聖を優遇する、そうしたら、真に讃岐うどんを考える賢者が後に続く!」まだ予算案、県議会に賢者がいることを祈る。


 2003年2月15日(土) 四国新聞土曜日の「解説」、先週は「東京の讃岐うどんブーム」だった。下側の「あなたの『本音』聞かせてください Q讃岐うどんのどこが好き」、これって何と比較しての「好き」?あるいはうどんの構成物から好きな部品を答えるの?選択肢は、1こしのある麺、2だし、3トッピングの楽しさ、4早く食べられる手軽さ、5その他。
 他の食べ物?他の麺類?他の地域のうどん?他の食べ物なら答えは選択肢の3か4か、他の麺類なら3。他の地域のうどんなら1、2か。その他を安さにすればどれと比較しても回答になる。うどんの部品なら1、2、3あたりは可能だ。
 読者の回答発表は翌土曜日、本気で考えても分からない。そうしてるうちに、記事の小見出し「『ブランド』維持が大切」よく見りゃ変だ、犬が人を噛んだような内容である、昔、人が犬を噛むと記事になりますと教わった。うどんに限らず何にでも大切やわ、こんな書くのが恥ずかしげなことをしたり顔で見出しにできるあたりがキャリアを積んだ新聞記者の実力やなぁ。
 そんなこんなで1週間、一番多い回答は、1こしのある麺で65パーセントだった。とにかく讃岐うどんが好き、他の地域のうどんと比べると麺に特徴がある、その麺が好きということか。でもみんな讃岐うどん以外のうどんは食べたことないのかな?駅前食堂のうどんと山越じゃ比較がフェアじゃないよ!


 2003年2月13日(木) 内容は昨年末に発表されていたが、昨日の四国新聞に香川の定期観光バス復活のことが報じられている。うどん学校体験コースもあるブーム便乗組だが、これは歓迎したい。試験運行のようだが、東交バスさんがんばって下さい。路線バスは観光に役に立たず(もちろん通勤にもほとんど役に立ってはいないが)、定観もないのでは観光立県は名乗れないからね。
 麺聖は武者修行の旅で各地の公共交通機関を利用する、香川県と同じ田舎である宮崎でも福井でも酒田でも路線バスは充分機能していた。函館の観光循環バス(北都交通)は便利だった。空港、駅、旧函館区公会堂、五稜郭、トラピスチヌ修道院等を2時間弱で一周する。30分おきに運行され、乗り降り自由、ガイドまでついていた。
 高松駅、栗林公園、空港、山越、満濃、琴平、善通寺、飯山、坂出、府中、高松駅の循環バスなんかがあればと思う。同じような意見、確かどこかのサイトで読んだような・・・。観光向けと生活者向け、二兎を追うとたぶん駄目なんだろうな。私の住む善通寺市他にある福祉バスや路線バスを組み合わせるなどしての代替も無理かな?


 2003年2月9日(日) 昨日の四国新聞は四国の観光振興探る「新四国創造フォーラム」が7日にあったことを報じている。四国新聞の局長が「インターネットを使って讃岐うどんを全国発信している事業について紹介。さらに全国に広めるためには、『全国展開するうどん店と県内店舗が互いに情報を発信し合うことが重要』と訴えた」何をどう発信してどうなるかが記事から読めない、まさか「讃岐うどん遍路」を作ったと自慢したのでは、てことないよな?子供でもホームページ作れる時代やからな。
 うどんブームを反映して最近観光振興にうどんを使おうという主張や報道が目立つ、香川県庁は全国に知られていない「香川県」の知名度向上にうどんを利用しようと目論でいる。うどんがお役に立つならとも思うが、どこか引っかかるものがある。讃岐うどんがテレビにでてた、雑誌に取り上げられたと騒ぐ時期はもう過ぎた、量より質の段階に来ている、隠す戦略も必要だ、そんなことかなぁと考えていた。
 でもなんか違う、引っかかっていた、やっと分かった。彼らにとって、うどんは単なる道具なのだ、客寄せパンダだ。業者や行政の側だけの発想である。香川県の知名度が向上しても讃岐うどんがおいしくなるわけではない。私は他人の足を引っ張りたいのではない。隣のうどん屋の軽がベンツになれば共に喜ぼう、讃岐うどんの東京進出で、香川県にお金を稼いでくれる成功者たちには、感謝が必要である。我々が糺すべきことは、うどんを食べている我々の立場はまるで無視されている、この点だ。讃岐うどんの最大の財産は毎日うどんを食べている私たち多数の客である。
 例えばさぬきの夢2000が県産品だからって、何故無理遣り県庁に食べさせられるの、ASWに比べればまだまだ劣る粉でしょ。小麦の開発は他の県も行っている、香川県だけがやっているわけではない。「今までの県産小麦に比べればかなりよいできだが、残念ながらASWには及ばない、でも将来もっといい粉を作るためにも食べよう!」こんな記事なら賛同する人もいるだろう、当然賛同しない人への批判はだめだ。食べる側に情報提供し判断は委ねる、そのための材料を提供するのが、行政でありマスメディアである。
 うどん食いをもっと大事にせぇ!


 2003年2月7日(金) 昨日の朝日の香川版、紙面の3分の1くらいの大きさで「讃岐考現学」、うどんネタである。うどん文化は西高東低、ブームの今、東讃では格差是正に乗り出している、と海原雄山が聞いたら倒れそうな記事が載っていた。一流紙だと信念を持って作っている朝日の記事は奥が深い、どこまでが本気でどこからが冗談だか分からない。2度3度と読み返しキーワードが「マナベ」さんだと気づいた。
 小見出しが「知事のつぶやき」と「嗜好調査では…」とあるが2人のマナベさんが登場している。1人めは知事の真鍋さん「やっぱり食べ物の名物を作らないと。うどん、うどん」親しみを込めた表現かもしれないが、実は知事を小馬鹿にしていると読める。まあ田尾団長も「人が動かない素材の代表が食べ物だ」と富士宮市の対決でしゃべっていたけど。
 2人めがさぬきうどん研究会の真部会長、研究会の「うどん意識調査」で数字による説得性を持たせようとしたのかしれないが、「うどん大好き」、「うどんを毎日食べる」の割合が香川の他の地域に比べて東讃は低い、西高東低だから当たり前だわな。会長が、鶏が先か卵が先か程度の分析をしているように読んでしまった。
 何故マイナスの登場のさせ方をさせるの?誰が得をするの、二人の共通の敵は?そうか団長だ。知事は選挙の前に立候補の噂があった団長に「田尾さん本当はどうなの?」とすり寄ったらしい(富士宮市で団長が不特定多数の前で暴露していた)し、会長はうどん研究会を長年やっていて団長と讃岐うどんブームの功績を争っている。
 あっ、そうか。何年か前に団長が朝日に連載したことがあった。その時のお礼か?でも、かなり過激な内容だったので、「何でも書いていい」と度量の広さを見せようとしてた朝日も困って事前に内容を確認したがったそうだから、違うはなぁ。
 文章は発表されると解釈権は読者に移ります、たとえ推測の部分が真実と違っていても、読解力がないと私を責めるのは間違いです。でも何が言いたかったのだろう、単なる便乗記事ではないですよね!


 2003年2月5日(水) うどんがブームとなり便乗組も次々と現れている。Udo'n Rock!!にUdo'nダンス!まで作られた。ロックの歌詞中の「あつひや」にはどうも違和感がある。普通宮武であつひやは注文せんからね。まあTHE BOOMの島唄も初めは歌詞が変とされたが、今では沖縄を代表する島唄だけど。
 ロックやダンスは流行れば、それはそれでいいだけだが、このダンス、香川県庁他が主催するスポレクなる祭りの開会式で幼稚園児に踊らせるそうだ。昨日教員の講習会があった、とのニュースを見た。何故子供を使うの?祭りだ、パレードだと、絵になるからって、大人の都合で、子供を酷使してません!子供たちのこと本当に考えました?仮に踊りは子供にプラスとしましょう、休日に無理矢理駆り出すことプラスですか?企画した県庁の人たち、子供で安上がりにってこと根底にありません?無邪気に参加してた先生方、教育者として教え子たちのこと真剣に思ってます?


 2003年2月1日(土) 香川県観光協会がうどん屋の地図を作ったという記事が新聞に載った。毎日、産経が1月21日、読売が22日、日経、朝日、四国は昨日だが、誰向けにかが、各紙で違った。産経は食べ歩きツアー、読売が観光客、四国も県外観光客、毎日、日経、朝日は記載なし。記者が「誰に」に無関心なはずがない、提供側の不備だろう。元ネタを探し、香川県庁のホームページから、1月14日の報道発表資料を発見した。「県外からの観光客向け」に配布し、場所は全国の旅行業者や観光案内所とちゃんと書いてある。お金をいっぱい使ってくれる観光客を対象にするのは当然だ。だとしたら、地方版で報道する必要があるのかという疑問が残る。
 内容はどう?現物を見てないので答えられない。1万5千部である、観光にお金を使わない、地図がなくてもうどんを食べるうどん通は手に入れるのを遠慮するのがマナーであろう。というより、分かり易い地図を作り案内するのは普通はサービスになるが、うどんツアーには、いらぬお節介。迷いながら探す!この楽しみを奪えば、喜びは半減する。
 ところで県庁が報道発表し、コメントし、問い合わせ先が県庁内、観光協会っていったい何?税金使ってるの?「探す楽しむを奪う」それでも観光振興か?新聞ってこんな点調べて読者に書くもんでしょう!


 2003年1月26日(日) 日本経済新聞という日刊紙がある。私は20年以上宅配で読んでいる、経済記事は日経平均の銘柄入れ替え失敗以来信頼していないが、文化欄は評価している。
 昨日の最終面に「食の方言」まだ健在、という記事があった。グルメ情報、番組が全盛だが、「食事文化の根底には、情報に左右されない傾向や地域差があるのではないか」とネットを利用して検証したそうだ。
 取り上げた例がてんぷらとおでんである。讃岐うどんのオプションの代表である。てんぷらに西日本ではソースをかける地域が多いが、「香川県だけはソース派が劣勢だった、『てんぷらといえばうどんにのせて食べるものだから、ソースもてんつゆも不要』との香川の事情が判明した」、言われてみれば、うどん屋以外でてんぷらや食べたことなんかないわ、それに取り皿がないうどん屋多いわなぁ。高級な天ざるにも、てんつゆは付かんし。
 全国的には、おでんに付けるのは辛子だが、香川は辛子味噌派だそうだ。確かに辛子だけのうどん屋ないことないけど少ないわ。
 最後の石毛直道先生のコメント「自分が知らない食べ物、食べ方を拒絶するのではなく許容することこそ、文化の豊かさにつながる」そうやわな、他のとこのうどん食べてみんで、讃岐讃岐ゆうてもいかんわなぁ。


 2003年1月20日(月) 駅で地図をもらっている人がいた。もらう方は当然のサービスと思っている。提供する方も必然のサービスと考えている。それは最善のサービスだろうか?無料の地図やパンフレット代は商品の価格や税金として支払っている。
 電車に乗って富士宮に着いた。やきそばを食べた。印象的な麺だった。しずおか未来づくりネットワーク交流会議in富士宮という地域づくりの催しが18日にあった。「恐るべき讃岐うどんVS底知れぬ富士宮やきそば」という企画があった。勝谷誠彦さんの仲立ちで、富士宮やきそば学会の渡辺会長と田尾団長とのどちらが笑いを多く取るかという対決だった。
 うどんを中心に観光立県を目指すという香川県からは報道関係者も観光業者も行政関係者の誰も来てなかった。IT全盛の今でも自分で触れることは大切だ。こんな企画があることすら知らなかった、そんなことはないですよね?
 富士宮のやきそばは喫茶店から居酒屋まで食べれる、朝から晩まで食べらる。昨日は朝の8時半すぎに駄菓子屋さんで食べた。富士山がきれいだった。


 2003年1月16日(木) 先週の今日、TVチャンピオン(テレビせとうち)で稲庭、加須、讃岐、五島の全国産地対抗!うどん職人選手権があった。ブームを反映し最近は讃岐うどんがよくテレビに登場する、昨年の11月にはどっちの料理ショー(西日本テレビ)の讃岐うどんvs札幌ラーメンもあった。
 その時も今回も番組内容への不満のメールをいただいた、うなずける点はあったが、山越の行列とうどんツアーのバス、団長のコメントで締める番組や味を忘れ、ただ人情話をするだけの番組よりはいい、何故だろうと考えているうちに時間がたった、少し考えをまとめたので、これで返事にかえたい。
 過去のうどんを扱った番組は、具をどう豪華にするか、麺をいかに加工するかに力がおかれていた。『どっち』が麺そのままで食べさせたことが大きな進歩である。
 『産地対抗』は売り上げ勝負だった、数なら讃岐うどんが勝っていた、その通りであろうが、高くても稲庭うどんを食べたい人が多かった、このことがより重要だろう。
 それよりうどん通を自任される皆さん!稲庭うどん、加須うどん、五島うどん、当然食べてますよね?


 2003年1月14日(火) 昨日金比羅さんに行った、正月駐車料金あり、商店街のなかでクラクションを鳴らす車あり、33年に一度の遷座祭を来年に控え観光に力を入れるそうだがなかなかのものである。
 まあそんなことは麺聖には関係ないから、琴平のうどん屋で見たことを書く。ザルの注文があった、せいろにある玉を水でさばきザルに盛っていた、まあ茹がきたての麺ではあったが。手前では、てぼ(振りザル)から麺をとり釜の湯をかけた釜上げを作っていた。生の麺をてぼに入れ茹でたのか、せいろにあった玉をてぼに入れ温め直したのかは確認はしなかったが。
 普通の観光客はうどん屋を何軒も回らない、1軒の悪評で讃岐のうどん全体の評価は低下する。歴史は繰り返すと言うが、瀬戸大橋ブームの時、異常に高い素うどんで「観光香川」のイメージを傷つけた琴平、うどん屋発祥の地ならぬ、うどんブーム終焉の地になる?ならないことを祈る。


 2003年1月12日(日) 公的団体が観光に乗り出すのが流行らしい。昨日の朝日新聞には「観光誘致、正念場の関西」の見出しで大阪観光協会の取り組みを紹介している。
 同じく昨日の夕方のOHKのムーブという番組で「観光立県香川の元年」というのがあった。うどんが駆り出されたうどんネタなので麺聖の義務として一言述べる。うどんについてはブームの映像を流しただけでみるべき物はなかった。内容的には県庁の組織変更とこんなイベントを香川県庁がやります、他にはこんな予定があります、というお知らせにすぎなかった。知事はインタビューで「にぎわい」としゃべるだけで具体策を「彼の功績でないうどんブーム」と「世間から酷評されているサンポートのタワー」と「全国持ち回りのイベント」しか話さなかった。キャスターの「主役は県民です」のまとめは、県民諸君ちゃんとイベントに参加しろよという声に聞こえた。
 唯一、井原香大教授の意見は私の考えに近かった。私は昔から国民文化祭の開催のため玉藻城の石垣を壊して作った県民ホール、玉藻城の景観を台無しにして建てた歴史博物館。丸亀城の外堀を埋めたアメニティ事業の悪口を言っているが、彼の「行政はあくまでサポート」という言葉を行政が認識していればこんな事業はできなかったはずだ。
 観光はいかに官民が盛り上げようとソフトを充実しようとハードや資源がないところに存在できない。朝日に載ったJTB西日本営業本部広報課長の「今、本物を知っている人たちを満足させるハードを作るのは難しい。ドイツの『ロマンチック街道』は準備に50年もかけた」見習うべきである。


 2003年1月10日(金) 1月5日に「讃岐うどん 異業種続々」と「ハンバーガーや牛どんに対抗し、新たなファストフードに育とうとしている」とセルフうどんを取り上げた朝日新聞が昨日は「変身なるか巨人マック」とマクドナルドの危機を扱っている。
 学生の時マックのハンバーガーと吉野家の牛丼を腹いっぱい食べられる身分になりたいと願っていた私は複雑な気持ちで原因を考えてみた。安さで客をひきつけた。狂牛病に発した健康志向もあるだろう。でも何故セルフに行くのか?そんな風に考えると、セルフのうどん屋って、何でも食べられる、いろいろ選べる。誰が誰とでも安心して行ける、毎食行っても飽きない。それらが重要なのでは。もちろん食べたいものは好きなだけ自分の手で取ればいい、マックチョイスみたいにおじさんも店も困らないし、いろいろ手を出すから決して安くはないのにお徳感があり楽しい。
 この官軍状態、一番の理由とその効果は本物のうどんの魅力と価値をみんなが知ってしまったことにある、が盛者必衰の理に本家「勝てば官軍」も苦戦している、こころしましょう!


 2003年1月3日(金) あけましておめでとうございます。
 沖縄がブームです、てなわけで年越しそばは久米島のさんぼそば、麺始めは我部祖河本店のソーキそばでした。
 31日の朝日で「旅の足 早さより安さ」「のんびり感も人気」と青春18きっぷなどの人気を解説していますが、この記者さんにとっては目的地につくことが旅なんだ。私は特にのんびりしたくはないですが鈍行に乗ることが好きです。
 1日の朝日香川版の「讃岐の島のいまをみる」で椎名誠は「贅沢なうどんがすすれない」と書いてますが瀬戸大橋開通後もフェリーは残ってます。彼のように四国へ「自動車を運転しながら」来るなら「この海峡をうどんを食いつつ渡れ」はずです、今の状況は未確認ですが一昨年なら大丈夫だったはずです。またカヌーイストが「行っても悲しくなる」と言ってます、同感です。水についてはよく分かりませんが島の景観は破壊されています、時代に取り残されて朽ち果てつつあるのなら趣もあるのですが、離島振興の名のもとに、もっともこれは島だけに限りませんが。


 2002年12月29日(日) 昨日の日経土曜版の「はやり入門講座2002年末大点検」に讃岐うどん、来年もブームは残ると予想されていました。
 王様のブランチでは2002年問い合わせランキングベスト30の第3位がはなまるうどんでした。
 2003年度版ザガットサーベイ東京のレストランのWhat's Newで人気上昇中と讃岐うどんの動向が書かれておりました。ところでこの本、一般読者のコメントの選び方がうまい、さか田の最後のコメントには思わずうなずいてしまいました。
 こうしてみてくると、このブームの火付け役は「はなまるうどん」にならざるを得ないでしょう。香川県内ではただのセルフの店の一つですが(味についてです)、東京で食べたときは、(何故か)はっきりおいしいと感じました。
 ところでいい素材がなければブームはあり得ないと団長がよく言っています。素材の讃岐うどんを作った功労者は「どこどこの製麺屋」、「舌の肥えた香川県人」などの声がありますが、私は1970代の第一次讃岐うどんブームをはさんでご活躍されていた大平総理と金子知事だと思っております。
 今年も一年お世話になりました、「こんなことを書いておまえは何様のつもりだ」と思われた方もあるでしょう。知らない方のためお答えしときます「麺聖様です」私には書く義務があると信じています。2003年もよろしくお願いします。


 2002年12月27日(金) 24日の山陽放送のニュース、たまたまビデオに撮ってたので再生してたら香川県知事のこんな話があった「(うどんブームに)あやかって観光振興に活用したい」、おいおい真鍋(香川県知事の名前)さん「あんたそんな考えではいかんやろ」とつっこみたくなることばである。「あやかる前にうどんを支援しろよ」、お金(税金)をあまり使わないで方法でネ(お金をかけなくてできることいっぱいあるから)。
 ブームに便乗するつもりなら、どこが作ったか知らないので知事に責任をかぶせるべきか厳密には分からないが、大阪市内のJRの駅に張ってあった各県一枚四国四県で計四枚の観光ポスターは駄目でしょ、どう考えても讃岐うどんを取り上げるべきでしょ、香川分が「失敗しつつあるサンポート」(12月11日分参照)だなんて 。


 2002年12月25日(水) 今年もあとわずか、一年を振り返る特集が新聞、テレビでみられるが香川最大の話題は「うどんブーム」だろう。昨日の夕方の山陽放送テレビのニュースでも取り上げられていた。「讃岐うどんは地元密着の産業だったことで全国からみれば個性的な麺と店の形態になりました、それを逆手にとって起きた穴場ブーム」という内容の表現があった。信じてしまいそうな話だが、たぶん違うと思う。
 富士吉田のうどん、伊勢うどんは讃岐うどん以上に個性的な麺だ。朝からやってる宮崎の店はセルフだったし、飛騨高山の店は製麺所付属のセルフだった。民家の座敷で食べる店が富士吉田にあった。薪で茹でる店は東村山にあった。個性的な麺も店の形態は全国いたるところにある。うどんはその土地土地の風土にあわせ食べられてきた。もう少し深い分析が欲しかった。
 ビジネスとして讃岐うどんが発展するのはうれしいが、このブーム、他の地域の食文化を破壊することがないよう願いたい。


 2002年12月21日(土) 先週の今日うどん巡礼八十八箇所の達成者パーティーに行って来ました。そこで考えたこと。団長が言ったからおいしいとは限りません、市長が行くからおいしいとは限りません、知事が出るからりっぱな集まりとは限りません。そんな「権威」は意味がないと「ゲリラうどん通ごっこ軍団」が登場したはずです。ゲリラが正規軍になってはいけません、初心はお互い大切に!


 2002年12月11日(水) 昨日の日経新聞のMJ2002年ヒット商品番付で、東の前頭三枚目に讃岐うどんが載っていた。気まぐれコンセプト(ビッグコミックスピリッツ2003/1/8号)に「流行りの讃岐うどん食べよう。」というひとコマがあった。
 番付の詳細は日経MJ(12/10付け)にあるが、讃岐うどんは、はままるの写真付で解説がある。確かに『ひやあつ』が東京の半セルフ店のはなまる、めりけんや、ふるさとで通じるほどのブームである。もっともこれだけなら香川県にとって知名度があがるだけの話だったが。日銀高松支店長の話では「地元企業では冷凍食品のうどんやだし汁などの生産が増えている」(2002/12/3日経新聞四国経済こだま)そうである。
 ここまでなら香川県の未来には夢がある(田尾団長によると『未来』、『夢』は行政用語だそうである)が、何気なく裏返したMJには高松のウォーターフロント開発について成功しつつある民間の『北浜アリー』と対比して「バブル時代の発想や企画を引きずっているように見えます」と香川県庁主体の失敗しつつある『サンポート高松』が語られていた。


 2002年11月25日(月) 日曜に出石そばを食べてきた。そのことについては後日書くが、出石には鉄道がない、最寄の駅(三駅ある)からはバスになるが、ふと思った。香川県の公共交通機関は貧弱だ。少なくとも観光客には優しくない、知名度アップや合併だと騒ぐ前にもう少し本質を考えて欲しい。歩いて行ける距離でなく、公共交通機関でつながっていない自治体を合併させようというのはどこか間違ってない?20世紀にはお金に絶対の価値があったが、今は21世紀、「こころ」の時代ですよ。


 2002年11月18日(月) 土曜日の四国新聞一日一言は東京の讃岐うどんブームについて書いていた。それはそれでいいのだが最後の「でもね。本物はこんなもんじゃない。讃岐においで」多分こう言える店は讃岐のうどん屋800軒の一割くらいだろうなあ。


 2002年11月11日(月) 週末京都へ行ってきました。武者修業の旅の京うどん(後編)で気になることがあって。観光シーズンで京都市内に泊れず大津に泊りました。と言うわけで、湖東三山(滋賀県)へ行ってきました。色づき始めた紅葉と雪とできれいでした。寒暖の差が大きい今年は紅葉がきれいになりそうです、京都でよく行く真如堂は今年はJRのポスターに使われて人が多いそうです。モミジの永観堂の近くですが、少し小高くバスも横付けできないので紅葉の時期でもカメラマンのみが2、3人いる穴場でした。こんな場合は嘆かず私は時代を先取りしていたと自慢すべきでしょうか?


 2002年11月8日(金) 連絡船でのうどんの想い出が讃岐うどんの発展のひとつであることは間違いない。10月24日の日経「春秋」も同様の思いをつづるが何故か本四架橋の悪口になる。都会に出ると冷たいね思っていたところに、昨日は少数者に優しいはずの朝日が『「政治架橋」のツケが回る』と本四架橋に対する悪意に満ちた社説を載せた。政治以外に誰が橋を作れるの?ローマの昔から道を作るのは国家の重要な仕事だったはず、別に普通の道路でもよかったのだがあいにく海があって橋になっただけなのに。
 私の小学校の修学旅行は高知県へだった、紫雲丸事故という悲劇のため、四国島外に出ることが出来なかったから。天候に左右されずに安全に本州に渡りたい、そのための橋だった。今東京に住んでいる人たちにはこんな想い出はないの?素朴な気持ちに理解のない新聞って何のためにあるの、そう思いません? 


 2002年11月7日(木) さとなおがメモでノーベル賞の田中主任の話を書いていた、要旨は外国人が評価した後に日本人が評価するなんて恥ずかしいということだ。この話、田中主任を讃岐うどんに外国人を県外人、日本人を香川県民に置きかえると県外でブームになって始めて香川県人が讃岐うどんを自慢し始めるのとそっくりだ。


 2002年11月5日(火) 昨日サンメッセのさぬきうどん交流会へ行った。少し早く着いたので、技能グランプリ表彰式を見ていたが、若い職人さんが表彰を受けていた。彼ら(彼女らはいませんでした)の姿を見ていると、勲章をもらうまで引退しないという老害は別として、表彰制度も有用かなと少し思った。(もっとも私自身は表彰を受ける立場にはなりたくない。上のものから下のものに与えてやるといった制度が嫌いですから、ノーベル賞以外は辞退しています。)
 続いてのパネルディスカッション、敵を知り己を知ればという話があったが、会場で何気なく語られた、「朝からうどんを食べるのは香川県くらい」という話題。そう思いたいのはやまやまだが間違いです、少なくとも宮崎と飛騨高山では普通に朝うどんが食べられていましたから。
 スタンプラリー(キリンでなく香川県のやつ)の賞品がいつの間にか先着順から抽選に変わってました、今日中に回ろうと仕事をあけておいたのですが。

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