続うどん屋探訪

 『恐るべきさぬきうどん』は今や良くも悪くも讃岐うどん評論のデファクトスタンダードだ。ここに続うどん屋探訪として『恐るべき〜』の非公式ガイドブックを作成した。


恐るべきさぬきうどんは『月刊タウン情報かがわ』に連載の「ゲリラうどん通ごっこ」を単行本にまとめたもの。
ゲリラうどん通ごっこ」は平成9年3月号が第98話。毎回必ず新しい店を紹介するわけではない。同じ店で2ヶ月引っ張ったり、紹介なしで終わったりもする。読者は正直で「おもしろかったコーナー」への葉書は店の紹介がなかった号に関しては確実に落ちる。ゲリラうどん通ごっこ軍団を略して麺通団、元来麺通団(というより田尾団長)の個人的好みを基本としたレポートである。
麺通団」は学者でも文化人でもない「腹減ったけんうまいうどん食いたいがー」という集まりが基本となっている。歴史とか文化、粉とか技術を語る集団ではもちろんない、団員は10人くらい。なお麺聖は麺通団の団員ではない。外郭団体なのである。麺通団との関係は田村顛末記に始まる。
うどん王グループ」4〜5人のメンバー。麺聖がどちらかといえば数を重視するのに対し、味、麺、だしにこだわり、名店を徹底的に試食する。まずいうどんを食べたら腹一杯でも口直しすると言われる。

恐るべきさぬきうどん第1巻 平成5年4月10日発行 香川県人だって大部分はこんな店知らなかった、だれも書かなかった製麺所付属の針の穴場を巡る探訪記、この本を片手にかなりの県民(他県から来た人もいた)が秘境のうどん屋巡りツアーをした、らしい
恐るべきさぬきうどん第2巻 平成6年3月10日発行 怪しい店のネタに困り何かと理屈を付けつつどちらかと言えば普通の店を紹介した本、この本でもディープすぎるという初心者には「恐るべきさぬきうどんデラックス」という副題で広告をいっぱい取ってカラーにした「さぬきうどん珠玉の大図鑑」が用意されている、一方、1巻の店にハマりすぎた人は紹介された一般店で食べ終わった後、ついどんぶりを持って行こうとする、店員が注文を取りにくることを新鮮に感じるともう後戻りができない
恐るべきさぬきうどん第3巻 平成8年9月1日発行 いよいよネタに尽き、麺通団、うどん王、麺聖みんな登場させて最後の禁じ手一番美味しい店を発表してしまう、うどん屋巡りの集大成、一番美味しい店それがS級指定店
恐るべきさぬきうどん第4巻 平成11年7月16日発行 誰も出ると思っていなかった第4巻、連載が続く限り続くのか。でも店の選定には苦労の後が見える、掲載店のレベルは、将棋で言えば大駒(S級)クラスがなく、桂馬(ちょっとひねりがある)かなあ。いっそ1,2,3巻を三部作で完結し、エピソード1にすれば、また三巻作れたのに。

4巻併せて4万部近くは売れていると思う。香川県人100万人として(4巻とも持っている人もいるから)ほぼ100人に1人持っている計算。なお、3巻で完結、4巻は誰も信じない冗談のはずだったが、今、団長は勢いで5巻も考えているらしい。

S級指定店」とは前述のように恐るべきさぬきうどん第3巻でプロの客が選んだ美味しい次の10軒のうどん屋。この選定に対して県民からもうどん屋からも行政機関からも私のところには反論や苦情は来ていない。


山越(綾上町) 山内(仲南町) 宮武(琴平町) 谷川(琴南町) あたりや(高松市)
『魔法の水から輝く麺』麺通団うどん王麺聖みんなが選んだ 『人の接近を拒むがごとく』元は瓦屋さん、山の水が飲める 『琴平の良心』あつあつ、ひやあつ、ひやひやとゲソ天 『讃岐うどんの原点を宿す秘境』おばーちゃんとおばちゃん 『驚愕のひやひや』パチンコ店の裏の駐車場
3玉270円(1玉90円) 特大350円(小200円) 特大500円(小230円) 醤油大200円(醤油小100円) 大300円(小200円)


長田(満濃町) 山下(善通寺市) 田村(綾南町) 彦江(坂出市) 蒲生(坂出市)
『満濃うどんトライアングルの老舗』今や聖域 『かみしめがあっておいしいです』外観は普通の店 『田村顛末記』を読んでみて、麺聖好みの店 『うどん粉のプロが保証する味』偶然にはたどり着けない 『目に焼きつく感動的なロケーション』いつまでも残したい
釜上げ大350円(釜上げ小250円) ぶっかけ大300円(かけ小200円) 大200円(小100円) 大220円(小130円) 大180円(小100円)