第16回次世代ワールドホビーフェア

 

 例年であれば、6月に行われていた、夏のホビーフェア。今年は、おもちゃショーが5月になったことも影響してであろう、夏休み直前の7月13・14日に、幕張メッセで開催された。

 いつも通りの幕張メッセと言っても、今回は開催される建物がいつもと異なっていた。いつもであれば、国際展示場第9〜11まである建物で開催されるのであるが、今年は、国際展示場第1〜8までつなげることが可能な巨大な建物の、第2・3での開催であった。写真の、ドーム状の建物は、「幕張イベントホール」であり、今回の先行限定商品販売会場となった場所である。ホビーフェアのイベント会場となる国際展示場の第2・3は、ちょうど「幕張イベントホール」向こう側辺りである。

 

 ホビーフェアでいつも感じることは、トミーのブースは、イベント会場入り口から近いところに設けられているなと言うこと。もちろん、過去には例外があったのではあるが、今回も、やはり入り口から近いところであった。

 

 イベント会場入口は、建物の2階の高さに設けられていた。このため、先行限定販売会場を通らない来場者は、入口入ってすぐに階段で1階まで降りることとなる。入り口に近いところにブースを構えたトミーは、探すまでもなく、入口入って目の高さ目の前にあるのが、トミーの四角いバルーンであり、ブースはその真下である。

 

 最短ルートでトミーブースに近づいていくと、そこがゾイドコーナーであり、かつ、ゾイドコーナーの中でも、ZOIDS BLOX体験コーナーにたどり着くこととなった。実際、最寄りの新製品はBLOXであり、次の販売もBLOXである。次世代ホビーフェアが、新製品紹介の場であるから、当然の帰結であるが、ゾイドコーナーは、BLOX一色とも言うべき様相をしめしていた。従来からのファンにとっては、メインシリーズ商品の無い奇妙なゾイドのイベント、という印象を受けたかも知れない。もちろん、一部のメインシリーズの商品の展示もあり、新しいゲームの紹介も行われていたが、それでも、過去のイベントとは、趣を事にするイベントであったといえる。

BLOX

チェンジマイズ

最新情報先取りステージ

チャレンジステージ

ZOIDS-VS

ゴジュラスGIGA

 

 今回のホビーフェアは、動くことが特徴のゾイドでありながら、動くことを特徴としないゾイド製品を主体とする、奇妙なイベントであった。また、ドクターTは、会場の様子を撮影するバックアップに回り、代わってステージは、コマンダーO中瀬さんに任せられるなど、あらゆる面で新しい試みを加味しようとしていたようである。

 このホビーフェア時点では、ブロックスが発売されてからおよそ1ヶ月ほど経っていた。トミーのスタッフの方の話によると、寄せられたユーザーの声から、ブロックスからゾイドファンになったという新たなユーザの獲得に成功したそうである。だが、同時に、こうしたブロックスからのユーザーの中には、1999年8月のRZ-001ゴジュラスからはじまる新シリーズのゾイドをよく知らないで、ブロックスに触れるユーザーがいたことにも驚いたそうである。つまり、それまでの機体とブロックスの間には、組立キットと組み換えおもちゃという大きな違いがあり、組立キットに手を出せない新たなユーザーの取り込みに成功したと言える。

 だが反面、ゾイド1999年のゾイド復活時小学生だったファンの半分は、中学生になってしまった時期でもある。彼らは、1999年から2002年までの間に、組み立てキットを改造して遊んできた中で、無いパーツは自分で作る(実際過去の改造コンテストには、プラ板を切り出したパーツをつけている小学生ファンの作品がいくつもあった)、と言う遊び方を覚え、中学生になって、より高い技術で改造できるようになり始める時期でもある。そのタイミングで発売されるのが、ブロックスというパーツがお膳立てされた商品の発売では、せっかくの改造意欲を削いでしまい、ファンを手放してしまっているのではないかという懸念も拭えない。

 ブロックスを発売してから、トミーのスタッフの方が一番驚き戸惑っていたユーザーの声は、「説明書はないのか」といった類の問い合わせだったそうである。要は、ブロックスの組み換え(チェンジマイズ)例の組み立て順を紹介した説明書が欲しい、というという問い合わせである。トミーとしては、これまでゾイドの改造遊びを推奨するために、改造パーツを販売し改造コンテストを行ってきたのであるが、ファンからは、雑誌で紹介されているような改造は出来ないのでもっと簡単にゾイドの改造が出来るようにならないだろうか、という声を反映させてのブロックスの開発のはずであった。ブロックなのだから、ユーザーが自由自在に組み換えて遊んで欲しいと思って売り出したはずなのに、説明書がなければ遊べないのでは、ブロックである意味が無くなってしまう。

 トミーは、今回のブロックスの発売で、思わぬユーザーの声に触れることが出来たようである。今後、これらのユーザーの声がどのように反映されてくるのか興味を持って期待したい。

 

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