GOJULAS-GIGA
BLOX一色の、ゾイドコーナーの中にあって、期待される次期B/Oゾイドである、ゴジュラスGIGAは、ブロックス以外の既存のゾイドをまとめて展示したケースの中に、展示されていた。
ゴジュラスGIGAは、前傾姿勢である追撃モードの形態をして、専用台に腹部を支えられての展示になっていた。せっかくなので、ここで、B/O駆動しての展示を期待したいところであったが、この専用台は、全くのゴジュラスGIGA専用でなかったため、足が地面についてしまっていて、動かしての展示は行われていなかった。
ゴジュラスGIGAがおもちゃショーに登場してからおよそ2ヶ月。5月のおもちゃショーと静岡ホビーショーで展示されたゴジュラスGIGAは、まだまだ試作段階で、レジン製の機体に塗装した、ないしは、金型のテストショットに塗装した機体であった。しかし、本ホビーフェアで展示されていたゴジュラスGIGAは、商品と同じ成形色が多用されており、おそらくパッケージをはじめとする各種宣伝素材の写真となった機体ではないかと思われる。それを見分けるのは、装甲をイメージされる白いパーツである。おもちゃショー時点での白いパーツは、塗装と思われる白であった。対する、本ホビーフェアのゴジュラスGIGAの白いパーツは、内部に石のように細かな黒い斑点がある成形色そのままになっていた。
成形色が白いせいもあってか、口まわりのデザインは、どこと無く骸骨を思わせるような、生物ともメカとも言いがたい雰囲気を醸し出している。当初のゾイド(旧シリーズ極初期のゾイド)が、恐竜や動物というよりも、恐竜や動物の化石をモチーフにしたデザイン、であったことを思い出させられた。
ゴジュラスGIGAには、ゾイドの特徴であるゴムキャップが各所に用いられ、ゾイドらしさを表現する努力がされているようだが、腕以外のゴムキャップは、必ずしもその関節などの曲がる部分の軸になっているわけではないように感じられる。初期のゾイドでは、ゴムキャップは関節などの曲がる部分の軸位置に用いられ、ゴムキャップを止める位置のまわりは、ゴムキャップとパーツの親和性を考えられるようなデザインがなされていた。こうして、ゴムキャップは、部品の保持という機能と、外部露出に耐えうるデザインと、が同時に実現されていた。もちろん組立やすさも、であるが・・・・。この結果、ゴムキャップは、ゴムキャップを軸に回転するというイメージが作られ、仮にそこが固定されたパーツであっても、ゴムキャップが使われていることで、おもちゃとしては動かないけれど設定的にはこの位置で曲がるんだ、というイメージを作ることに成功していたと思われる。ユーザーは、このゾイドはこんなポーズを撮れるのかも知れない、という想像力をかきたてられていたことであろう。もちろん、旧シリーズにおいても、関節や曲がる部分とは関係なくゴムキャップを用いている事もあったが、使用頻度からすると、まず関節に用いられ、次におもちゃとしては曲がらないけれど設定的には曲がるという部分に用いられることが先に来ていたはずである。
ゴジュラスGIGAは、動くおもちゃとしてのゾイドらしさを追求し発展させるため、今までのゾイドにない派手な動きがあり、電飾や音声ギミック、腕を広げたデザインなど、新たな試みを盛り込まれていると言える。そして、ゾイドらしさを表現しようとゴムキャップを多用したのであるが、ゴムキャップの用いられている場所が、ゴムキャップをわざと多用しやすくするためだけにデザインされた場所にしか用いられていないように見えてしまうのが、とても残念な点である。(2002/7現在)