2001東京おもちゃショー

 

 毎年3月は、東京おもちゃショーが行われる。今年も、1月のホビーフェアでは発表されなかった、今後のラインナップが紹介されるであろう期待をもって、ビッグサイトに足を運ぶこととなる。

 

 まっすぐ向かうはトミーブース。例年、入場のための列が一番長くなるブースではなかろうかと思われるトミーブースは、今年はそんなに長い列はできていないように思われた。しかし、それはブースの構造が原因であった。毎年おもちゃショーの行われるビッグサイト西館の一番奥にブースを構えるトミーであるが、今年は、トミーブースの裏側に、休憩所が設けられたことから、ブースの裏側に入場のための列を作るスペースが確保されたのである。このため、ブースの表から見る限りでは、長い列は出来ていないように見えたのである。

 昨年の東証一部上場と併せて、「TOMY」のロゴを変更し、パーソナルカラーを赤から青へと変更させたトミーブースの入り口は、子供達にとって親しみやすい、というイメージから、重厚感あふれるイメージを醸し出していた。それまでの丸みを帯びた文字から、角のある文字への変化。しかし、少子化の中を生き抜くためには、おもちゃメーカーと言えども、ユーザーを子供だけにするわけに行かないことは既に周知の事実であり、より幅広い年齢層に納得してもらえるメーカーになって行かざるを得ない。つまり、一定の年齢以下の子供達のためだけのおもちゃを作るのではなく、より高い年齢層のためのホビー商品を開発していくことも必要となる。まして、トミーは東証一部上場をしていることで、子供達にとって親しみやすいだけのロゴではなく、より高い年齢層へ責任感を今まで以上に感じていることをアピール出来るロゴへ変更し、なおかつそれをイメージさせる入り口の作りになっているととらえるべきではなかろうか。

 

 さて、入り口を抜けると、ブース内はトミーのおもちゃであふれる夢空間である。さすがに入ってすぐにゾイドが展開されているわけではなく、まずあるのは、トミーの今年の一押しのディズニー。今年から、トミーがディズニー版権の窓口となったのである。

 そして、トミカ、プラレールとトミーの定番商品の並ぶコーナーを抜けたどり着くのがゾイドのコーナーである。

 コーナー入り口近くにあるのは、ゾイド歴史年表。ゾイドの商品がどのように展開されたかを並べたモノである。年表そのものは旧シリーズからスタートしているモノの、旧シリーズについてはさらっと流され、主に新シリーズの展開がどのようになされたかを示したモノになっていた。

 コーナーのメインは、プロジェクターとその前に並ぶ、ゾイド本体の新製品である。そして一押し重点商品は、ライガーゼロ。もちろんライガーゼロ自体は既に2月に発売済。ここでは、ライガーゼロが人気商品であり、なおかつ特徴である外装パーツを組み替えることで、簡単に改造遊びが出来ることが紹介され、パーツを組み替えたライガーゼロが並べられていた。その中でも、このおもちゃショーの後に発売される新しいパーツは、パンツァーユニット。ライガーゼロに重砲を装備する砲撃タイプのユニットである。

 

 今年のおもちゃショーでの一番の驚きは、400円でゼンマイを搭載しないポージング優先の1/72ゾイドが展開されることが紹介されていたことである。6月発売の2体はいずれも帝国軍の新型。おもちゃショーの時点では、まだコロコロコミックにも発表されていなかったため、おもちゃショーが最も早いお披露目であった。

 このほか、新しいゾイドの展開として、ゾイドコレクションシリーズ。今回のおもちゃショーでは、1/72ゾイドでのディオラマ展開が行われなかったが、このゾイドコレクションシリーズで、ミニディオラマが展開され、ホエールキング、ホバーカーゴに数々のゾイドを並べることで、新しいゾイドの遊び方をアピールしていた。

 今回のおもちゃショーで注目すべきは、旧シリーズ時のコマーシャルなど、他では見ることの出来ない映像の数々が流されていたことである。昨年のおもちゃショーと比較して、ディオラマ展開や改造ゾイドの展示がなかったなど、ゾイド本体がらみでは、少々パワーダウンは否めないが、イベント性としては、なかなか考えられた構成になっていたと思われる。

 

 ゾイドコレクションシリーズやカードゲーム、はたまた非稼動ゾイドの展開など、旧シリーズからであり、なおかつ動くことでゾイドに惹かれた人間には、複雑な気分にさせる商品展開が紹介されていた今回のおもちゃショー。しかし、トミーでは、サラマンダーの復刻をはじめ、今後も順次旧シリーズからの再販も織りまぜながら、動く本体の新製品の展開もしていくとのこと。動かないゾイド、本体以外のゾイドの展開の反動として、稼動ゾイドには今まで以上に複雑で、よりリアルな動きを見せてくれる機体が登場することを願わずにはいられない。

 

グッズ展開 

旧シリーズゾイド群

安全性を考える

 

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