安全性を考える

 

 今回のおもちゃショーでは、トミーブースの一角に、トミーの品質管理についてのパネル展示があった。

 ここでは、まず、それぞれのパネルにしっかり目を通してもらいたい。

トミーの品質活動

トミー独自のグローバル品質規定をベースに保証活動をグループ全社に活動をしています。

予見の研究

「ありえない」ことも「ある」という前提の設計。

安全設計の基本

トミーの商品はどうしてこんな厳しい体験をするのでしょうか

一貫した責任管理システム

9段階のテストをパスしても商品化されないこともあります。

 これらのパネルは、トミーブースの入り口と反対側の外壁にあり、ブース入場を待つ列の壁となってしまう位置にあった。このため、列に並んでいては後ろの人に迷惑がかかって、ゆっくり見ることもできず目を通す人が少なかったであろう事が想定されるのは残念な事である。(因みに、本撮影は、おもちゃショーの閉館30分前、トミーブースの列が後ろまで伸びなくなってから行いました。)2000年の株式の店頭公開を受けて、より多くの情報をディスクローズすることで責任感をもって会社の運営が行われていることをアピールすることが狙いとしてあったと思われるパネル展示であったであろう事を考えると、ブース内に展示してあってもおかしくない、とても大事なパネルではなかろうか。

 

 ゾイドは、おもちゃである。当たり前と言えば当たり前であるが、組立キットであるものの、トミーの「ホビー事業部」からの発売ではないため、安全基準は、プラモデルの安全基準ではなく、おもちゃの安全基準を適用して検査がされていると見なければならない。

 例えば、PL法施行前のおもちゃが再販された際に、対称年齢が15歳以上に設定される商品がいくつもあるであろう。つまり、昔であれば通過してきた安全基準が、現在の基準には当てはまっていないためで、現在の基準満たすための対策として、対称年齢の引き上げが行われているのである。トミーであれば、サバイバーショットやいくつかの合体ロボットの再販が行われたが、これらは、当初はおもちゃであったが、いずれも再販はトミーのホビー事業部からされている。つまり、おもちゃ基準からホビー基準にすることで、現在の基準をなんとか満たさせているもと考えられる。

 対するゾイドは、おもちゃ基準で販売されている。このため、旧シリーズからの再販組は、先端のとがっている部分に厚みが加えられるなど、金型の改修が行われている。また、材質も旧来のスチロールからABSに変更されているのも、こうした新しい安全基準からの配慮であろう。

 安全基準を満たすことから、旧シリーズを知るファンにとっては、シャープさの欠ける印象を持たされるのは仕方のないことである。しかし、組立キットでありながら、おもちゃとして発売されているというゾイドの特異性を意識しながら組み立てるのも、ゾイドのおもしろさを知るきっかけとなるであろう。

 

 

戻るback