築25年前後の建物ではアルミサッシの建具に木製の鴨居敷居、そして木製の戸袋・雨戸が多いと思います。木製故、定期的なお手入れが必要ですし、雨戸の出し入れもアルミ製一体型のものに比べると重く大変ですが、日本家屋らしい趣が私は好きです。
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施行前の状況です、南側面のガラリの戸袋になります。
羽の一枚一枚に剥がれが確認できます、全体像はマウスをかざしてご覧ください。 |
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ケレン完了後の画像です、死膜を除去し、ペーパーで下地を整えていきます。 |
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下塗り施行後の画像です。 |
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上塗り完了後の各画像です、このガラリの鏡板は刷毛で一枚一枚羽を丁寧に塗り込んでいきます。
塗り栄えがするので私の好きな塗り物のひとつでもあります。
余談ですがこのタイプのものは既製品がすでになく建具屋さんに発注すると誂え扱い(*1)となります、価格はアルミ製のものよりかなりお高いです。以前どうしてもこのタイプがいいというお客様のための仕事で経験しました。
(*1)誂え⇒あつらえ、特別注文、特注品ということです。 |
木製の雨戸も最近では珍しい部類かもしれません。私が先代の手伝いをし始めた頃、決まって毎度この木製雨戸から塗らされたものです。五分の小刷毛→先代はこれをマメと呼んでいました。15号の筋交い刷毛、そして寸胴と呼称された大型の平刷毛の3本で塗っていったものでした。
時は流れ、ローラーの時代となり寸胴を手にする事はほとんどなくなってしまいましたが、わたしにとってはいい思い出と当時からの思い入れの強い塗り物でもあります。
こちらは使い勝手は悪いかもしれませんが風などによるアルミ製雨戸の金属音を嫌われるお客様に根強いファンがいらっしゃることもひとつ付け加えておきます。 |
施行前、そしてペーパーで下地調整後の画像です、普段あまりお使いになられてないとのことで戸袋に比べてあまり傷んでない印象です。
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下塗り施行後の画像です、尚、下塗りは刷毛にて作業をすすめました。 |

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上塗り施工中です、昔は上塗りも寸胴でぬっていましたが、最近はベタ(平らな部分)はローラーにて行っています。
道具、工法が変わっても塗る順序は基本的に”寸胴時代”と変わりなく廻りから塗りこんでいきます。マウスをどうぞ。 |
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←破風板をペーパーでケレン作業中です。
下塗り施工後です。 |