活元運動とは

野口整体 気・自然健康保持会

主宰 金井省蒼

《その3》

裡の要求

野口晴哉 『整体法の基礎』より

 人間は裡の要求によって行動しているのです。要求はすべて運動系の働きで果たしている。だから人間の体の中の要求を、どんどん運動系に出さなくてはならない。そして要求が素直に現われるようになれば、自然に健康なのです。その運動系と要求の問題を無視して、健康をつくるつもりで、いろいろと細工をしてみても、それは飽くまでも細工にすぎない。丁寧に噛むというのも頭でつくった食べ方です。お腹が空けばガツガツ食べる方がずっと正常です。何時になったから食べるなどというのも、こういう物は栄養があるからと言って食べるのも、頭での食べ方です。その時の自分に適う物を食べなくてはならない。

 体操も、もっと自分に適うようにやらなくてはならないのです。活元運動は、自分にだけ適う運動をやります。そういう面で活元運動は、既成の体操に比べて、自分の体の要求を果たすとか、自分の体の要求によって動くとか、自分の体力を積極的に発揮するとか、調節するとかいう目的にみんな適っている。だから健康のため、あるいは体の自然のための運動としてやるならば、まず活元運動を採るべきだ、と言い切っても言い過ぎとは思わないし、誰もが活元運動をやるべきと思うのです。