スリランカ料理トモカのレシピ―  


アンブルティヤル අඹුල් තියල්

アンブル・ティヤル
අඹුල් තියල්



スリランカ南部マータラ・鰆のアンブル・ティヤル。スリランカの料理店で提供するアンブルティヤルはこうしたアンブルティヤルまがいが多い。ゴラカの酸味はあるが、似て非なる汁だくの煮物だ。
どんな料理? 

 スリランカ南部に伝わる伝統の魚料理。マグロやその他の赤身の魚に酸味料としてゴラカを、芳香をつけるためにスパイスを加えて煮込んだ料理の総称。酸味を効かせて煮汁がなくなるまで煮込む。
 ゴラカの酸味を味合えるのがこの料理の特色で、酸味料が腐敗を防いで2、3ヶ月の保存が可能になる。
 
 アンブルとは「酸っぱい」、ティヤルとは「魚料理」のこと。
 日本でも梅干を酸味料にして作る魚の煮物料理がある。同様の料理は東南アジア、フィリッピンにも見られる。


アンブル・ティヤルanbul thiyalと言う料理名を聞いて喜ぶのはスリランカ南西部の海岸地方に住む人達で、他の地方に暮らす人達のなかにはこの料理を知らない人がいる。
 でも、例えば、チャンドラ・ディサーナーヤカの「ランカー・スーパ・サーストラヤ」という料理書を見ると、この料理の作り方が実に五通りにわたって紹介されているほどにヴァライェティに富んでいて、しかも、人々に深く愛されている名物料理なのです。料理屋に入って「アンブルティヤルはあるか?」と訊き、あるなら「何のアンブルティヤルだ?」と訊く時の快感。それに応える店の主の自慢振りな仕草。その振舞いを感じ取って、さて、この店はどれほどのアンブルティヤルを出すのかしらと期待に胸を躍らせる瞬間は、スリランカ西海岸を歩いていなければ味合えない。

●材料

マグロまたは赤身の魚
ゴラカ
唐辛子
ニンニク
薄切りの生姜
クローブ
胡椒
カラピンチャ
 

調理の手順

①魚のうろこを取り、よく水洗いしてから筒切りにします(私の場合はサイコロ大の大きさに揃えて切っています)。切り身はゴラカを浸した汁か、レモンの汁で洗います。
②切った魚を器に入れてスパイス、塩を絡め、材料にかぶるぐらいの水を加えます。ゴラカはミリス・ガラと呼ばれる石の磨り潰し器でようく圧して潰します。クローブ、胡椒、生姜、ニンニクは同じように潰して混ぜわせてもいいし、そのままで加えても構いません。
③これを土鍋に隙間なく並べて火にかけて静かに煮立てます。魚の身が崩れないように気を付けながら、出来れば上から赤く熱した炭を入れた器をかぶせ上と下からゆっくりとした火を加えます。土鍋の底が焦げないように時々鍋を揺すってください。漬け汁がなくなったら下からの火を消し、上にかぶせた火で乾くまで熱を加えます。
④カラカラに煮上がった魚の身は乾いたスプーンで掬ってください。


食し方


この料理は常温で一週間はもちます。ご飯と共に食べるのですが、右の指でご飯によく混ぜ合わせたら団子状にして口に頬張ります。



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