2010年3月 エバ・カバリエ(EVA CABALLE) どのようにして365日も満たずに MCS活動家になったか 情報源:Eva Caballe's Blog, NO FUN How to become an MCS activist in less than 365 days Author: Eva Caballe, No Fun, March 2010 http://nofun-eva.blogspot.com/2010/03/become-mcs-activist-in-365-days.html 訳:安間 武 Translated by Takeshi Yasuma, March 23, 2010 掲載日:2010年3月24日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/ngo/March_2010_MCS_activist.html
多くの皆さんがご存知のように、昨年の6月に私は、『多種化学物質過敏症についての裸の真実』(訳注1)という記事を書きましたが、それはマスク以外は何も身につけない裸の2枚の写真と共に、ウェブ上のカルチャー・マガジン ”Delirio”に掲載されました。この記事はThe Canary Reportのスージー・コリンズとCSN−化学物質過敏症ネットワークのシルビア・ミューラーのおかげで、異なる9カ国の言語に翻訳されました。それ以来私は、MCSに焦点を当てた記事、『沈黙からの叫び』(訳注2)、及び『化学物質過敏症で経験する変容』(訳注3)を”Delirio”に寄稿しました。そして今、私は次の記事に取り掛かっています。 それから私は、私の個人的生活と経験を通じて、MCSとともに暮らすということはどのようなことなのか、私達が被る完全な放置、そして人々はなぜ日常的に使用する全ての有毒製品について懸念しなくてはならないのかを人々に知ってもらうために、ある本を書きました。私は『失踪 化学物質過敏症よって破壊された人生」(Missing: A life broken by Multiple Chemical Sensitivity)』を書き上げ、昨年の10月にエル・ビエホ・トポ( El Viejo Topo)から出版されました。この本は、サルバドル・ロペス・アーナル(Salvador Lopez Arnal)がMCSについて私にインタビューした時に紹介され、そのインタビュー記事は私のネット上の友人たちのおかげで、英語、日本語、ドイツ語に翻訳されました(訳注4)。 『多種化学物質過敏症についての裸の真実』のおかげで、私は世界中の興味深い多くの人々にめぐり会いました。その中の一人、日本の化学物質問題市民研究会(CACP)のTakeshi Yasuma は私に、2009年10月に日本で開催する MCS 病名登録記念シンポジウムで紹介したいので、 MCS 患者とその支援者に向けたメッセージを書いてほしいと要請してきました。私のメッセージ(訳注5)はシンポジウムで読み上げられ、スクリーンに表示されました。 私の本が発表される2週間前の11月のある日、、私はラジオ3(スペインの国営放送)のカルネ・クルーダ(Carne Cruda生肉)と呼ばれるゴールデンアワーのカルチャー番組生放送で電話によるインタビューを受けました。25分間、私達は多種化学物質過敏症と私の本について話をしましたが、彼らは非常にショックを受けたので、MCS被害者の大変な状況を説明するために保健省と連絡を取ると私に約束しました。皆さんの多くがご存知のように、保健省長官が番組で(代理として私の夫デービッドの)インタビューを受け、私達の主張を聞くためにスペインのMCS関連団体に会うと約束しました(訳注6)。その会談は2010年2月4日に行われましたが(訳注7)、その結果は、MCSに関する合意文書を作るために科学委員会を設立するという政府の約束でした。 11月末に、私のブログ No Fun(何も楽しみはない)についての記事が新聞 Deia の若者向け特集ページに掲載されました。”毒の生活(Toxic Life)”と題するこの記事は、MCSについて及びMCSの認知のための国際的な取り組みへの関与について(私が提供した情報、私がやった翻訳、私が書いた記事、私の協力作業など)焦点を当てて私のブログのを徹底的に分析するものでした。 私はまた、すてきな Canary Report 2020年カレンダーに、世界中の他の14人の女性とともに参加しました。このアイディアは、”Delirio”で発表された私のヌード写真に触発されたものであり、スージー・コリンズによって率いられたびっくりするようなこのプロジェクトの一部を担ったことは私の誇りです。このカレンダーは購入することが可能で、全ての利益はエンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(訳注:アメリカの環境団体)に寄付されます。 2009年の末に、サルバドル・ロペス・アーナルは再び私をインタビューし、今回は私の本と私の経験について話をし、また本の結びの言葉を書いた私の夫デービッドにもインタビューしました。このインタビュー記事は、1月に雑誌 El Viejo Topo に掲載され、2月にはウェブ上でも発表されました。 2009年12月と2010年1月の間に、私の本の素敵な書評が発表されました。最初のものは、エンジェル・マルティネス・カステルのブログ Punts de Vista で紹介されましたが、彼はエコノミストであり、またカタルーニャの公衆健康保護団体Dempeus の代表でもあります。二番目のものは、ラファエル G. アルマザンのブログ Kabila で発表されましたが、彼は政治的権利及び人権を専門とするジャーナリストです。そして最後のものは、環境ジャーナリストで著述家であるミグエル・ジャラのウェブサイトで紹介されました。 1月末には、もうひとつの私のインタビュー記事がスペインで最も重要な新聞のひとつであるABCの健康特集ページに掲載されました。このインタビュー記事は私の本の表紙の写真を掲載した2ページのもので、私が本の中で述べたMCS及び私の経験に焦点を当てるものでしたが、また、MCS被害者の完全な放置についても目を向けました。彼らはMCS専門の免疫学者アーノルド博士によるMCSの記事も掲載しましたが、それはこの新聞のウェブサイトでも発表されました。 ”Radio Intercontinenta”のラジオ番組雑誌”El color de la tarde”は、ABCのインタビュー記事が発表された後にインタビューを申し込んできました。私は健康状態が悪く対応できませんでしたが、その代わりにデービッドがインタビューを受けることに同意しました。そのインタビューはMCSと私の本に関するものでした。 また1月末に、”鉱山のカナリヤ”という題名で El Observador 誌にひとつの記事が発表されました。私の本に触発されたこの記事は、MCS、毒、私の本、そしてレイチェル・カーソンの沈黙の春についてのものでした。この記事はある生態学者によって書かれたものですが、それは、MCSの人々からの警告を知ることが出来る非常に闘志盛んで励みになる記事でした。この記事は私の本の一節をもって終わっていますが、その結びの言葉は、”多分、そのように多くの有毒製品が私達を従順(羊)にしてしまった”でした。 2月に、私の本は Radio Euskadi で文学ラジオ番組の中で述べられたので、同ラジオの他の番組”La noche despierta”が私の本とMCSについて話すための電話インタビューを申し込んできました。私の体調が悪くこのインタビューを受けることは出来ませんでしたが、彼らは私の本に非常にショックを受けたので、夫のデービッドがインタビューを受けることに同意しました。Radio Euskadi のデービッドとのインタビューは 30分間続き、非常に深い内容で感性の高いものでした。彼らはMCSについて、いかに政府は私達を助けるために何もしなか、そしていかに私達は社会的サービスからの支援なしに生きることは出来ないか−について話をしました。そのジャーナリストは非常に如才ない人で、インタビューは進みました。私は前もってベッドで録音したもので、ひとつの質問に答えました。 3月に、私の本は二つの公共図書館、ナバーラ公共図書館とアリカンテ大学図書館の蔵書に加えられました。両方の図書館ではMCSについての本は初めてだったので、このことについてとてもわくわくしました。 3月にはまた、デービドのインタビュー記事が、スペインで非常に重要な新聞 La Vanguardia の有名な欄”La Contra”に掲載されました。彼らは私とのインタビューを望んでいたのですが、体調が悪くて私が応じることは出来なかったのです。このインタビューはMCSと私達の経験に関するものであり、大成功でした。そのために他のラジオ番組がデービッドにインタビューを申し込んできました。 ラジオ3のインタビューを受けたその日に、インタビューにショックを受けたのでMCSの認知向上に役立つ短編映画を作ろうと決心したスペインの映画会社が私にコンタクトしてきました。彼は、たとえ内容はフィクションであっても出来る限り現実的で正確なものにしたいとして、私の助けを求めてきました。MCSについてのこの短編映画は Los Pajaros de la Mina(鉱山の鳥)という題名で3月から撮影がはじまりました。それは、スペインでは初めての短編映画なので、多くの期待、話題、そしてプレスの関心となっています。 Terra Verda(グリーン・アース)と呼ばれる全国TV番組が、家庭における有毒物質についての番組に参加するよう要請してきました。私の体調が悪いので、彼らは私の家に来ることは出来ませんでしたが、彼らはデービッドがビデオ・カメラで私のインタビューを記録することに同意しました。彼らはまた、MCSのために私達が家で行った変更(改造)について示してほしいと頼んできましたので、私達はこれら全ての情報を示す第二のビデオを撮りました。この番組は3月末に放映されるでしょう。そのときには私のブログ No Funで私達が家で撮影した両方のビデの全てとともに、この番組を紹介します。 これが、この一年に満たない間に起きたことの全てです!私は特に健康状態が悪くなっていて、このようなこと全てをできるなどとは想像することもできなかったので、このことについて非常に興奮しています。もちろん、デービッドや私の家族全て、そして世界中の友人達の助けなくして、私はこのことを実現することはできませんでした。 この記事は、The Canary ReportとCSN−化学物質過敏症ネットワークで発表されました。 訳注1 多種化学物質過敏症についての裸の真実(The naked truth about Multiple Chemical Sensitivity) 訳注2 沈黙からの叫び(Screaming from the Silence) 訳注3 化学物質過敏症で経験する変容(Metamorphosis inside Multiple Chemical Sensitivity) 訳注4 エバ・カバリエ(EVA CABALLE)とのインタビュー 化学物質過敏症と彼女が出版した本について 訳注5 病名登録記念シンポジウムに向けて スペインの化学物質過敏症患者からのメッセージ エバ・カバリエさん 訳注6 NO FUN エバのブログ 2010年1月25日 プレスリリース:スペイン保健省 多種化学物質過敏症に取り組む団体と会う予定 訳注7 NO FUN エバのブログ 2010年2月5日プレスリリース:スペイン保健省と多種化学物質過敏症団体との会合が2010年2月4日に行われた |