スペインのMCS患者
沈黙からの叫び
エバ・カバリエ(Eva Caballe)

情報源:Eva Caballe's Blog, NO FUN
SCREAMING FROM THE SILENCE
http://nofun-eva.blogspot.com:80/2009/10/mcs-screaming-from-silence.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma, Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年10月20日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/ngo/091019_Screaming_from_the_silence.html

この日本語訳が、オリジナルのSCREAMING FROM THE SILENC(沈黙からの叫び)の出版元アート・マガジン『Delirio(デリーリオ)』 のannexに掲載されましたのでご覧ください。(ここをクリック(pdf)09/11/13


 あることが好きになれない時、あることがあなたを煩わす時、あることがあなたの間違いを思い出させる時、そのことには構わないで、明日に延ばし、隅に押しやり、厚い沈黙で包み込むのが一番楽な方法です。このことは多種化学物質過敏症(MCS)の患者に当てはまります。社会は、私たちから煩わされないよう、うるさく警告されたりしないよう、私たちに沈黙を望みますが、そのことで、私たちが崖っぷちに毎日少しづつ近づいており、私たち、私たちの子どもたち、私たちの孫たちの全てが崖からが落ちてしまうであろうことに誰も気が付いていないのです。

 私たちは、私たちの健康、私たちの将来、そしてまだ生まれていない子どもたちの将来まで、国際経済に奪われています。それは、私たちを病気にし、有害製品に私たちをありがたくも暴露させてくれ、その後は私たちの運命を見捨ててしまい、誰も真実を知ることがないよう私たちを黙らせる、まさにその社会なのです。

 この悪循環をどのようにして断ち切ることができるのでしょうか? 彼らは私たちを沈黙の中で生きるよう強制しますが、その沈黙から離れる機会を誰かが私たちに与えてくれることが必要なのです。

 Delirio(訳注:スペインのオンライン・アート・マガジン)が私のために、”私たちがここにいる”、”私たちはMCS患者である”、今のままではますます体調が悪くなる”−と、全力をもって私が声を上げることができるようドアを開けてくれました。それは、”彼らは私たちを黙らせることはできない”、”これはほんの始まりであり、今すぐに行動を起こす必要がある”と叫ぶようドアを開けてくれました。

 Delirio は、『多種化学物質過敏症についての裸の真実(The naked truth about Multiple Chemical Sensitivity)(訳注1』をヌード写真を添えて出版することで、この沈黙を破る手助けをしてくれました。Delirio は、私たち困難な現実を告発するために、私の内面と外面を脱がせました。

 予期していなかったことですが、この記事は現在までに、9つの異なる言語で翻訳され発表され(訳注2)、世界中のいくつかの国で出版されました。そして、ドイツやノルウェーのようないくつかの国では、彼ら自身の状況を説明する序言を書いてくれました。

 沈黙からの私の最初の叫びは、MCSは存在する、私たちは放置されている、しかし誰も私たちを黙らせることはできないという世界中の患者全員の告発する叫びに変わりました。

 私たちの拡声器になってくれた Deliroに感謝します。


訳注1
スペインのMCS患者の魂の叫び 多種化学物質過敏症についての裸の真実/エバ・カバリエ(Eva Caballe)

訳注2
 現在、The naked truth about Multiple Chemical Sensitivity はスペイン語、英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、デンマーク語、ノルウェー語、日本語(当研究会訳)、カタルーニャ語の9カ国語で読むことができます。



化学物質問題市民研究会
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