RECCYCLING News, 2021年2月5日
新たな分析が、カナダ・アメリカの プラスチック輸出合意はバーゼル条約違反であることを示す 情報源:RECYCLING News, February 5, 2021 New analysis shows Canada and U.S. plastics export deal violates Basel Convention https://www.recyclingproductnews.com/article/35779/new-analysis-shows- canada-and-us-plastics-export-deal-violates-basel-convention 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2021年2月9日 このページへのリンク: 210205_RECYCLING_New_analysis_shows_Canada_and_US_ plastics_export_deal_violates_Basel_Convention.html 国際環境法センター(CIEL)によって発表された新しい法的分析(訳注1)は、バーゼル条約の下でのカナダの法的義務とカナダ政府が米国と署名した合意(訳注2)との間の主要な矛盾を浮き彫りにしている。 この合意により、有害廃棄物から人間の健康と環境を保護することを目的とした世界的な条約であるバーゼル条約の下で合意した透明性と説明責任なしに、カナダ政府はプラスチック廃棄物の取引を継続することができる。 ”政府は、プラスチック汚染に取り組み、世界の海洋プラスチック憲章(Oceans Plastic Charter)(訳注3)を主導し、プラスチック廃棄物に対処するバーゼル条約の最近の改正(訳注4)を承認し、一部の必須ではない使い捨てプラスチックの禁止を提案することを表明した”と、デビッド・スズキ財団のケベックおよびナダ大西洋州(Atlantic Canada 訳注:カナダの州のうち大西洋に面している 4州の総称)の局長サバー・カーンは述べた。”カナダの廃棄物輸出の取り組みがバーゼル条約の要件に準拠していることを確認し、有害なプラスチック廃棄物が地球環境に侵入するための裏口の経路を提供しないようにする必要がある”。 バーゼル条約の最近の改正で、汚れておらず、選別されており、汚染されておらず、混合されていないプラスチック廃棄物の輸出が許可されている。それ以外のプラスチック廃棄物の輸出には、強化された管理が求められている。しかし、米国はバーゼル条約を批准しておらず、プラスチック廃棄物の輸出を規制していないため、環境団体は、米国に輸出された汚染されたカナダの廃棄物が環境管理なしに他の国に出荷される可能性があること−バーゼル条約が防止するように設計されたまさにそのシナリオのタイプ−を懸念している。 環境保護団体はまた、政府に対し、約束どおり、必須ではない使い捨てプラスチック製品の禁止を実施し、カナダのプラスチック汚染に対処するためのさらなる措置を進めるよう求めている。 ”カナダ人は年間 300万トンのプラスチック廃棄物を捨てている”とカナダの環境保護団体 Environmental Defence (環境防衛)のプラスチック・プログラム・マネージャーであるカレン・ヴィルジは述べている。 ”政府は、プラスチック廃棄物をその発生源で緊急に対処する必要がある。カナダ環境気候変動省が、プラスチックが環境に害を及ぼしていると結論付けた科学的評価案を発表してから 1年以上が経過した。規制を待つ時間が長いほど、より多くのプラスチックが環境に侵入する”。 カナダをバーゼル条約に基づく法的義務に準拠させ、プラスチック廃棄物の汚染を減らすために、環境団体らは、政府に次のことを求めている。
訳注1:国際環境法センターによって発表された新しい法的分析
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