EcoWatch 2016年4月6日
フランスは健康リスクのために
除草剤グリホサートを禁止

ロレーヌ・チャウ

情報源:EcoWatch, April 6, 2016
France to Ban Glyphosate Weedkillers Due to Health Risks
By Lorraine Chow

http://ecowatch.com/2016/04/08/france-bans-glyphosate-tallow-amine/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2016年4月10日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/France/160408_EcoWatch_France_to_Ban_Glyphosate.html

 フランスは、ヒトの健康への認知されたリスクのために、ある補助剤(添加物)と混合したグリホサートを禁止しようとしている。この動きは、フランスの環境・持続可能開発・エネルギー大臣セゴレーヌ・ロワイヤルが禁止を求めてから二か月足らずで起きている。
 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、牛脂アミン補助剤と混合したグリホサートを含む除草剤の認可を撤回することを伝える書簡を今週、製造者に送付したと、副長官フランソワーズ・ウェーバーはロイターに述べた

 ウェーバーによれば、食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、欧州食品安全機関(EFSA)がグリホサート単体に比べて潜在的なリスクがより高いことを示唆した後にこの決定を下した。

 EcoWatch が以前に言及したように、牛脂アミン(tallow amine)はグリホサートのような除草剤の効果を促進するものであり、広く使用されているモンサント社の除草剤ラウンドアップの成分ひとつである。

 モンサントはフランスの禁止措置により影響を受ける会社のひとつであることをロイターに明言した。またヨーロッパにおけるグリホサートをめぐる論争は”政治的”であると付け加えた。この農業技術の巨人は彼らの旗艦製品であり、また世界中で使用されている除草剤グリホサートの安全性を長年主張してきた。

 ヨーロッパでは、最近数か月、グリホサートについて多くの議論がなされるようになった。それは、昨年11月に欧州食品安全機関(EFSA)が世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)によるグリホサートは「ヒトに対する発がん性がおそらくある」とする不名誉な分類を拒絶したことから全ては始まった。

 しかし、EcoWatch が言及したように、国際がん研究機関(IARC)とは異なり、イタリアを拠点とする欧州食品安全機関(EFSA)はグリホサート製剤ではなく、グリホサート単体だけを検証した。したがって、この除草剤の有害健康影響は、”他の成分又は’補助剤’”に関連しているかもしれなと EFSA 報告書は述べた。

EcoWatch, March 7, 2016France, Sweden, Italy and the Netherlands Rebel Against Relicensing of Monsanto's Glyphosate (フランス、スウェーデン、イタリア、及びオランダはモンサントのグリホサートの再認可に反対)

 先月、フランス、スウェーデン、イタリア、及びオランダの政府担当官は、欧州連合におけるグリホサートの再認可を承認するとする欧州員会の計画に健康と安全の観点から反対した。グリホサートの認可は本年6月に終わり、欧州委員会は新たに15年間の再認可を与えることを提案している。

 フランスは、がんへの関連のために、昨年6月に園芸センターでのラウンドアップの販売をすでに禁止した。 ロワイヤル大臣はそれ以来、EU 全土でのグリホサート除草剤の全面的禁止を主張している。


訳注:グリホサート関連記事


化学物質問題市民研究会
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