Books on Icons

主なイコン関係出版物
(書籍として刊行されたもののみ。雑誌・論文等は収録していない)
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Recommended Publications
推薦書
 
ヴィクトル・ラザレフ(Лазарев В.Н.)の死後に G.Vzdornov (Вздорнов Г.И.)の監修のもと出版され、彼の研究の到着点を知ることの出来るものとして以下を強く薦める。図版の選択、印刷ともに素晴らしい。 New:ラザレフの単行本に未収録であったロシア語論文(1953−71年)などを英語に翻訳してまとめたもの(他にフランス語やイタリア語で発表されたものも含まれる)。やや高額である。
Studies in Early Russian Art
English, Italian, French (2000)
by Viktor Lazarev
Лазарев В.Н.
初期ロシア美術研究
ヴィクトル・ラザレフ

250ポンド(約50000円)ほど
17世紀末までのロシア美術の総説としてM.V.アルパトフ(Алпатов М.В.)による以下のものを推奨する。イコン、フレスコ、教会建築などの歴史が、豊富な図版とともに紹介されている。 M.V.アルパトフによるイコンの図版集としては以下がある。タルコフスキーの映画「サクリファイス」の中で主人公に贈られるのは、この本のスウェーデン語版である。 自らもイコン画家である Egon Sendler による古典的名著として名高いのが、 彼の近年の著作として以下がある。 近年出版され、小型の入門書でありながらイコンの全体像を偏りなく知ることのでき、且つ豊富な図版を備えたものとして、以下を推薦する。 ドイツにおけるイコン研究の第一人者オナッシュによるものでは以下のものが英語版で入手可能。テーマごとの編集になっており、様々な図版も豊富で理解しやすい。強く推薦する。 彼の1967年の著作に以下がある。 彼の近著としては以下がある。 同じくドイツのゲルハルトによるもので英語版も出版されたものに、 他にドイツ語圏ではフィッシャーによるものに、 レオニード・ウスペンスキーにより神学的な視点で著された良書として以下がある。現在英語版が入手可能である。 92年に仏マルチニエール社から再版され、図版も多く備えた解説書として以下がある。グルジア、バルカン半島地域のイコンなどの総説を含み興味深い。ロシアイコンのパート(アルパトフによる)は一般的な紹介にとどまっている。1984年に濱田靖子氏による日本語訳が「イコン大系」のタイトルで国際文化出版社より出版されている。2000年に発刊されたイタリア語改訂版では、ロシアイコンのパートの著者がEngelina Smirnovaに変更された。2001年にはフランス語改訂版も出版されている。 レバノン生まれの新進気鋭のビザンチン美術研究家であるジバウィの著書として、以下のものが英語版で入手可能。 英語圏から出版されたイコンに関する総論で比較的良く引用されるものに、以下のものがある。 ヴィクトル・ラザレフによる壁画及びモザイクについて特に記された書として以下がある。下記の通りフランス語版が2000年に再出版されている。 New: 上記の書籍がイタリア語版およびフランス語版として G.Vzdornov の監修のもと2000年に再出版された。鮮明なカラー図版を多く含み、また参考文献リストも一新されており、興味がある方にとっては必携書となる。 New: 近年ロシア本国で刊行されたやや大型の図版集として以下がある。 A Series of the Schools of Russian Icons (Aurora art publishers)
オーロラ出版(サンクトペテルブルグ)のイコンシリーズ 主要な4つの学派(ノブゴロド派プスコフ派トヴェーリ派モスクワ派)を偏りなく概観するための画集として最適のシリーズ(解説はやや貧弱)と言える。図版の選択も適切である、サイズも大きく、さらに主要な作品については拡大図版も添えられている。惜しむらくは、カラー図版の印刷の質が高くないということだ。特にシリーズの後半はロシア(旧ソ連)の悪化した経済事情も関係しているのか、発色、紙質等にかなりの問題があると言える。(現時点ではこのシリーズは入手がやや困難)
 
近年、そのオーロラ出版がイギリスの Parkstone 出版と共同で出版したものに、以下のものがある。 もちろん、こちらは印刷に付いては申し分ない。

A Series of the Schools of Russian Icons (Moscow Iskusstvo publishers)
イスクストヴォ出版(モスクワ)のイコンシリーズ

モスクワのイスクストヴォ出版より刊行されたヤロスラーヴリ派を含む主要な学派のシリーズ。解説がロシア語と英語で併記されている。(ネット古書店で入手が比較的容易)

Monographs
モノグラフ

近年発行されたルブリョーフのモノグラフとして以下を特に推薦する。

同じ著者による評伝では以下がある。
Das heilige Handwerk, Leben und Werk des Ikonenmalers Andrej Rubljow
German (1991)
by Valerij Sergejew
神聖なる手工業、イコン画家アンドレイ・ルブリョーフの生涯と作品
ヴァレリ・セルゲイエフ著
最近ロシア国内で発刊されたルブリョーフのモノグラフでは、ブリュソヴァによる2冊がある。1995年のものはウラジーミルのウスペンスキー聖堂の「最後の審判」のカラー写真などを多く含むが印刷の質は悪い。また、2002年のポポフのものは、図版中心のやや大きめの70ページほどの画集。 ヴィクトル・ラザレフによるものでは以下がある、 アルパトフによるものでは以下があり、1981年に邦訳が出版されている。残念ながら邦訳ではウスペンスキー聖堂(ウラジーミル)の「最後の審判」の豊富なカラー図版が割愛されている。
Andrej Rublev. Okolo 1370 - 1430
Russian (1972), Japanese(1981)
by M.V. Alpatov
Алпатов М.В.
アンドレイ・ルブリョーフ
M.V.アルパトフ

(ネット古書店で入手が可能)
ドイツ語版では以下がある、 アンドレイ・ルブリョーフの「三位一体」について、特に論じたアンソロジーとしては ヴィクトル・ラザレフによるフェオファン・ル・グレのモノグラフとして以下がある。 フェオファン・ル・グレのモノグラフではその他にM.V.アルパトフによる以下のものがる。 フェオファン・ル・グレのモノグラフではさらに G.Vzdornov (Вздорнов Г.И.)による以下のものがある。 New: 近年発刊されたフェオファン・ル・グレのやや大型の70ページほどの画集として以下がある。 ディオニシのモノグラフとして以下がある。特に2000年に発刊された後者はDanilova の "frescoes of the St.Pherapont Monastery"、Lazarev の "Moscow School of Icon-Painting" が露英併記され、また鮮明な50枚に及ぶ図版を含んでいる。 New: 近年発刊されたディオニシのやや大型の70ページほどの画集として以下がある。 Books on Metal Icons  cf.(link)
メタルイコン


Books on icons published in Japanese including translation
(This part is only in Japanese)
日本で発行されたイコン関係図書(現在も入手可能と思われるもの)

現時点で日本語での一番まとまった(東方正教会関係の)画集かつ解説書として、以下のものがある。

New: 新潮社の雑誌「芸術新潮」2003年12月号は、鐸木道剛氏監修による「ロシア・イコンへの旅」と題する特集であった。 最近発行されたものに写真家南川氏による以下のものがある。 高橋保行司祭によるものでは以下のイコン三部作がある。正教徒しての見解が前面にでているために、慣れない者には若干読みにくいかも知れない。 その他にも以下のものが出版されている。 翻訳書として比較的入手しやすいものに以下の6点がある。 富田知佐子氏によるルブリョーフの三位一体についての章を含む一冊に以下がある。 現在では入手困難で重要なものには以下がある。 ロシア正教の歴史について簡潔に書かれた入門書として以下を推薦する。最後のものはやや専門的。 New: ポール・ルメルルの翻訳書「ビザンチン美術」(1964年)が絶版になって以来、日本語で書かれたビザンティン美術の手頃な入門書がなかったが Phaidon 社の美術叢書の中の一冊として以下が翻訳出版された。 日本語での出版物のより詳しい情報は、中西裕一氏による『東方正教文献目録』と題するサイトを参照してください。

 どなたにも推薦できるもの
  扱う内容がやや特殊であるもの
    読者が限られるもの
    手元になく、判断ができないもの
上記の判断は、ロシアイコンについて興味を持ち始めた人(正教徒でないと仮定しています)がイコン関連書を読むさいの参考にと示したもので、その書籍の本質的な価値を必ずしも反映していない可能性があります。言うまでもなく、これは私的な区分けであり、各人の目的によっては大きく変わりうるものです。

本ページの表記は、ロシア語、フランス語、英語、ドイツ語、日本語が混在しています。ロシア語に付いてはキリル文字がShift_JISによる日本語と同時に表示困難な為、一部アルファベットに置き換えられています。フランス語に付いてもアクサン等が、同様の理由により省かれています。読みにくいかと思われますが、ご容赦を。 (キリル文字のアルファベットへの変換については、例えば研究社リーダーズ英和辞典第2版2877ページを参照のこと)


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1 May 2004