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離婚の基礎知識 10

離婚原因-性格の不一致

 調停や本裁判で離婚を争っている場合、「性格の不一致」は証明されたようなものです。それはこういうことです。すなわちお互いの考え方が異なるから裁判になっているわけですから、夫婦間の考え方に違いがあること=「性格の不一致」は、裁判をしていることで、証明されていると言えるからです。
 ただ、それだけでは、離婚は認められません。「性格の不一致」が、民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するためには、次のような要件が必要です。「性格の不一致」が認められるというだけで離婚が認められるケースは少なく、そういう場合は別居が始まるのが通例であり、要は、別居期間がどれくらいになれば、離婚が認められるかという問題に還元されるケースが多いです。
 それでは別居期間は何年くらいあれば認められるのでしょうか。インターネット上は5年と説明する文献が多いようですが、私の実務経験ですと、2年間くらい別居していれば、離婚を認める裁判官が多いといえます。なぜなら2年間も、夫婦の接触がないケースで、やり直しを命じても、通常復縁は難しいからです。ですから、私は、「性格の不一致」+別居期間2年が、離婚を認める基準だと説明することが多いです。

婚姻関係破綻後の不倫と慰謝料請求

 有名な判例として,「婚姻関係がすでに破綻している場合には,不倫をしても,家庭生活の平穏を違法に侵害したことにはならない」として,慰謝料請求を否定した最高裁判所があります(最高裁判所平成8年3月26日の判決)。
 ここでは「婚姻関係が破綻しているか」どうかが焦点となります。婚姻関係が破綻したと言えるためには,相当程度の期間別居していたことが必要、あるいは別居していなくとも双方が離婚の意思を有し離婚条件を具体的に詰めているような状態にあることが必要でしょう。単に夫婦関係が冷えているとか、寝室を別にしている程度では婚姻破綻とは言えません。この裁判例は,別居して3ヶ月目には早くも不倫を始めており,果たして別居期間3ヶ月で夫婦関係が破綻していると言えるかは疑問との批判があります。
 不倫相手から「夫婦関係はとっくの昔に夫婦関係は破綻している。安心して付き合って欲しい」と不倫に誘われた場合でも、そう信じることに過失がある場合には、慰謝料支払い義務が生じるので注意が必要です。単に男の言葉を信じただけではダメでしょうね。そういうわけで,ここを読まれた方は,最高裁判所の判決を自分に都合良く鵜呑みにされないようお気を付け下さい。

別居と離婚-自宅のカギを変えられてしまった

 「不在時勝手に入られるのは怖い、気持ちが悪い。」「勝手に出ていったのだから、勝手に入らないで。」方や「自宅は名義も自分名義。俺の家だ。」等々、話し合いにならない事件を今やっています。相手方がパトカーを呼んで警察沙汰になることもよくあります。理屈の上では、離婚していない以上本来自宅に立ち入る権利はあるわけですが、離婚紛争中は、相手方が神経過敏になっており、一度出ていくと、なかなか自由に立ち入れないのが実情です。
 その解決策は、通常弁護士同士が間に入って、双方が連絡しあって、相手方の了解の下に立ち入ると。そうしないと、本丸の離婚事件の解決が極端に遅くなってしまいます。

子供に会わせないと離婚しないと言う夫

 夫は子供と面会させろと、しつこく要求してきます。夫が面会交流に固執する理由は、子供に頻繁に会いたいからです。離婚してしまうと、調停中より、会いにくくなるのではないかと心配するのです。
 そこで、私は調停委員に、夫が申立てた面会交流の実施には全面的に協力するから、離婚調停をスムーズに進行させて欲しいと進言しました。面会交流をスムーズに進行させて、調停3回目辺りから、離婚調停を本格化させる作戦でした。
 夫が面会交流に固執する事件では、まず安定的に面会交流を実施させていかないと、夫はなかなか離婚の話しに乗って来ません。夫は子供に会えないのなら離婚の話しもしたくないというようになります。そうすると、離婚調停はさっぱり動かなくなります。
 面会交流調停が不調になると審判に移行します。しかし裁判官は、「今後は相手方を不安にさせる不用意なことはしないよう」にと夫を注意するだけで、今後も面会交流は続行させます。なぜなら父親は離婚しても一生父親であり、子に虐待でもしない限り、父親は子供にとって唯一の父親だから、今後も子供を父親に会わせる必要があると考えるからです。
 ですから、面会交流を順調にこなすようにしないと、本丸の離婚事件はなかなか前進しないのです。


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離婚-目次

離婚の基礎知識 1

弁護士をつけた方がいい場合
離婚事件の最重要ポイント
最近の離婚の傾向
離婚の基礎知識 2
調停委員とは
離婚原因-性格の不一致別居
離婚事件を得意とする弁護士
離婚の基礎知識 3
養育費・婚姻費用
調停手続きのやり方
面接交渉とは
離婚の基礎知識 4
有責配偶者からの離婚請求
親権者の決定基準
財産分与
不倫と慰謝料請求  
離婚の基礎知識 5
婚姻費用と住宅ローン/光熱費/携帯電話代/生活保護費
学資保険と養育費
示談交渉・調停・本裁判の関係

離婚の基礎知識 6

離婚に関する男女感
子供の引渡し
離婚の基礎知識 7
離婚原因-概説
養育費-各論
離婚の基礎知識 8
養育費・婚姻費用に関するQ&A集
離婚の基礎知識 9
協議離婚・調停・裁判
婚姻費用と住宅ローン
面会交流その2
離婚の基礎知識 10
性格の不一致
破綻後の不倫と慰謝料
別居したら、鍵を変えられてしまった。
面会交流させないと離婚しないと言う夫

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