▼小説【小さな天使が眠るとき】
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†第6章(あらすじ)
雪の舞い降るあの坂を
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サーシャをおぶって丘を下り始めるミサキ。
天候は吹雪へと変わる。
意識が薄れていくサーシャ。
凍えた坂道をミサキの足跡がたどたどしく続いていく。
「みんなでピクニックしたい」
なんとかサーシャの意識をつなごうとたずねたミサキへの答え。
そんなこと言っても、もうどうしようもないんだよ!
ミサキは揺らぎそうな心を立て直すべく、無心になろうと目を瞑る。
しかしそんな望みとは裏腹に、複雑な想いが去来する。
するとひととき吹雪が収まり、二人を包み込むかのように牡丹雪が舞い降りてくる。
その刹那……ミサキの心に溢れ出す幼い頃の家族の記憶。
不思議な感覚から醒めたミサキの前に踏切が姿を現す。
この向こうには、この子が歩いていく新しい道がある。
きっとその先には、この子の思い描くような本当の家族も待ってる。
ミサキは再びサーシャをしっかりとおぶり直し、身体の限界を超える力を振り絞って再び立ち上がる。
そして、死ぬために踏切の向こう側から飛び込んだ時と同じように、今度はこちら側から飛び込んだ。
生きるために。
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(あらすじ)
†第1章『絵を描く少女』
†第2章『壊れた家』
†第3章『裏切り』
†第4章『嘘の記憶』
†第5章『衝 動』
†第6章『雪の舞い降るあの坂を』
†第7章『哀しい再会』
†最終章『小さな天使が眠るとき』
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(C) Natural-Rain.