独言 2003年4月〜12月


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2003/12/28(日)

●M1グランプリ観る。 惜しくも2位に終わった、 笑い飯の1回目のネタが異常に面白かった。 ネタでこれだけ笑ったのは久しぶりかも。 ビデオ録画しとけばよかったぁ。

お笑いネタですが、あのジャリズムが復活するらしい。 さらに、来年のM1に出場するらしいという噂も聞く。 楽しみ楽しみ。

2003/12/21(日)

●『妖精物語について − ファンタジーの世界』、 読了。 今回もちくま文庫版のときと同様、原書と見比べながら読んでたのと、一部ちくま文庫版とも見比べたり、 「妖精物語とは何か」の中で触れられている物語で、 手元にある分をいくらか読み返してしまうなどの脱線もあって、 思ってたより時間がかかってしまいました。 以前読んだ、ちくま文庫版と原書(英語力が乏しいのでこちらは部分的に読んだだけですが)で内容は知っているし、 先に『妖精物語について』はさっと読んでしまってから、 同じ日に買った『終わらざりし物語』の方を読もうと思ってたんですが、 読み始めてみれば、『妖精物語について』は流して読むことができない、 興味深く読み応えのあることを改めて感じ、じっくりと噛み締めながら読んでました。 『終わらざりし物語』は、予定より遅くなりましたがこれからじっくり楽しみたいと思っています (年末年始、読書時間がたくさん取れるといいのですが・・・)。

ところで、評論社版『妖精物語について』は装丁もとても綺麗な本でした (「も」、というのは、 内容もトールキンの文章ですから、綺麗な文章が幾つも見つかります)。 白地のカバーの表側は2重線の緑の枠があり、その真ん中には緑の木のデザイン、 タイトルなどの文字は上品な字体で赤字と黒字で添えられています。 裏側には赤線描の龍の絵が真ん中に置かれています。 このカバーの装画と挿絵は、故・堀内誠一さんのもので、 福音館書店から出版されていた旧版でも使われていたもののようです。 カバーを外すと、黄緑地(というより若草色というのでしょうか。けばけばしくはなく、 地味でもなく、ちょうどいい色調の黄緑色です)で、こちらは白線の枠の真ん中に、 白で、カバーと同じ木のデザイン。 これらの装丁は、 デザイン、絵、色使いなど、とても本書の内容に相応しいものですし(本書を読めば分かります)、 堀内誠一さんの素敵な絵を生かしており、シンプルですが外連味ない非常に良い装丁だと思います。 本書をめくると、川島進さんという方が装幀を担当されているとあります。 この方は、『フロドの旅』でも装幀をされていますが、こちらも、 故・寺島龍一さんの絵が生かされた、綺麗な装幀でした。 とてもセンスの良い仕事をされる方ですね。

まず装丁に触れてから、猪熊訳や内容について続けて書こうと思ったのですが、 装丁のことだけで既に、時間切れしました。 これらは、また後日の独言にでも。

装丁についての余談ですが、おもしろいサイトを見つけました。 ソウテイファンというサイトです。 本の装丁に興味のある方は覗いてみるといいですよ。

2003/12/19(金)

●本屋に立ち寄ると、先日の独言に書いた、 文庫版『指輪物語 追補編』が、 既に発売されており平積みになってました。 僕は、指輪物語はハードカバー版で追補編も含めて全巻揃えていて、 文庫版は持っていないにも関わらず、なぜだか遂、手が伸びてしまい買ってしまいました。 ハードカバー版と比べると、当たり前ですが、指輪物語本編への参照ページが文庫対応になっています。 またパラパラと眺めてみたところ、どれぐらいの数かは分かりませんが、 他にもハードカバー版から記述の改訂箇所はあるようで、 ハードカバー版訳出当時の原書英国版にあった系図の間違い(メアリドクの妻エステラの名前がない)や、 アラゴルンの死去年齢(年表で計算すると210歳なのに、190歳と書かれている)などの修正・補足や、 「赤龍館」さんの補完計画で指摘されている点の修正も幾つか見受けられました。

2003/12/12(金)

評論社サイトの新刊案内によれば、 文庫版『指輪物語 追補編』が今月発売されるそうです。 文庫版での読者には朗報ですね。

2003/12/11(木)

●『Unfinished Tales』の翻訳、 『終わらざりし物語』が発売されたので、 注文しておいた梅田の紀伊國屋に取りにいったら 『妖精物語について − ファンタジーの世界』も、 売ってたので一緒に購入。こちらは前もって注文はしておらず、 まだ出ていないと思い込んでいたので、入手は思いがけずで嬉しい。 妖精物語について、紀伊國屋の棚には一冊だけ目立たず置いてあったのであやうく見逃すところ。 後で立ち寄った、梅田の堂島アバンザにあるジュンク堂でも2冊ぐらいしか見かけなかったし、 あまり冊数が出まわってないのかな?

妖精物語について − ファンタジーの世界』は、 5/10の独言で書いたように、 1973年に福音館書店から出版された 『ファンタジーの世界 − 妖精物語について』(猪熊葉子訳)の、出版社を評論社に移しての復刊なのですが、 そのままの復刊ではなく、改訳・増補も行われていて、 評論社版では、福音館版では省かれていたLeaf by Niggleの翻訳「ニグルの木の葉」も収録されている他、 原著 Tree and Leaf の1988年版で追加された、 詩 Mythopoeia(訳題「神話の創造」)及びクリストファーによる序文も訳され収録されていました。 「ニグルの木の葉」は、 既に『トールキン小品集』に収録されているので、 今回の出版でも省かれるかなとも思ってたのですが、 原著初版出版時のトールキンの意図通り、「木」と「葉」の象徴を用いることができる点と、 「準創造」に触れられている点とで、結びつけることができる2つの作品、 エッセイ「On Fairy-Stories」(本書での訳題は「妖精物語とは何か」)と、 物語 「ニグルの木の葉」が、めでたく一緒に収録されるようになりました。

2003/07/24(木)

●2ヶ月ぶり。もっとマメに書こうと思ってたんだけどなぁ。 amazon.co.jpから、トールキン関連の洋書、 『The Road Goes Ever On』 が届いた。 半年ほど前にも一度注文していて、そのときは在庫切れで入手できなかったのだが、 最近増刷されたみたい。 この本は、指輪物語などの作中詩歌に Donald Swann という人が曲をつけた楽譜集で、 The Road Goes Ever On や Bilbo's Last Songなどを音楽で味わえる趣向になっている。 自分でピアノなどで演奏できる人は特に楽しめる本だろうが、僕のように演奏できなくても、 掲載全曲が演奏されたCDがついているので耳で楽しむことができる。 エルフ語詩のトールキン自身による解説と自筆のエルフ文字も掲載されているので、 資料的価値も高いようである。 A3サイズ100ページ弱のハードカバー本で、 黒地に銀でトールキン自筆のテングワールが描かれた装丁がかっこいい (表表紙にテングワールで書かれているのは、指輪物語でガラドリエルが歌ったエルフ語詩 Namárië で、 裏表紙は、エルフ語詩 A Elbereth Gilthoniel)。

2003/05/27(火)

トールキンと中つ国の世界(仮題)に、 原書房 『トールキンによる『指輪物語』の図像世界』のエラー指摘というページを作った。

2003/05/11(日)

●ちくま文庫『妖精物語の国へ』今日やっと全部読了。 原書と見比べたり、新版 シルマリルの方も読んだりしてたから、時間かかってしまった。 昨日の独言でも書いたように、猪熊さん訳の『妖精物語について』は全文を読む機会はまだ一度も無く、 他書での引用などで部分的に読んだ範囲内の話しなのですが、 同じ箇所でも杉山さんの訳より読んでぐっときたので、 猪熊さんの訳の方が自分には合いそうだなぁ・・・ 全文同志を比べた公平な比較ではないので、 猪熊訳全文読んだ後は、また違う感想を持つかもしれませんが。

2003/05/10(土)

●『新版 シルマリルの物語』が遂に発売。 わが田舎街から、大都会梅田まで片道1時間強の遠征して、 事前に電話で入荷を確めていた、ジュンク堂へ買いに行く。 遠征しなくても、アマゾンなどのネット書店で注文してもよかったのだが、 直接買いに行けばすぐ読めるし、他に田舎では買えない、買い物もあったので (本一冊を買いに行くだけというのもなんなんで、 若干無理矢理気味に作った買い物なんですが...)。 帰りに紀伊国屋に寄ったら、こちらも既に入荷してました。

ちなみに、旧版からの主な改訂点はこちらに書いておきました。

帰りの電車で序文あたりを読んでいたら、 新版で新たに収録されたトールキンの書簡の訳注に、思いがけない嬉しい情報が。 5/8の独言で書いた、 ちくま文庫『妖精物語の国へ』の登場でてっきりもう再版はなくなったんだろうなと思っていた、 福音館書店『ファンタジーの世界 妖精物語について』(猪熊葉子訳)が なんと「近く評論社から復刊される予定」だそうです。 私は、猪熊さん訳の「妖精物語について」は読んだことがなく、 かねてから読みたいと思っていたのですが、 地元の図書館には置いてなくて、古本でも見つけることができなかったので、 新刊で読めるようになるのは非常に嬉しい。 現在、原書と比べながらぼちぼち読んでいる、ちくま文庫版と翻訳読み比べが出来るなぁ。

猪熊葉子さんは、オックスフォード大学留学中に、 トールキン教授本人の指導を受けたことがあるそうで、 同じ場所で同じ空気を吸い直接言葉を聞いたという、 トールキンファンからすると非常に羨ましい方だったりします。 そういうエピソードを持った方の、On Fairy-Stories翻訳というだけでも、是非読んでみたいし、 実際、良訳であるという話しも聞くので、新訳が読めるようになったとはいえ、 このまま幻の訳になってしまったら残念だと思っていた矢先でした。 電車の中で復刊の文字を見かけたときは喜びで、電車の中だというのに思わずニヤニヤしてしまい、 あわてて顔を取り繕いました。心の中ではニヤニヤしたままでしたが。

また、クリストファー氏の序文の訳注には、 『Unfinished Tales』の翻訳が、 河出書房新社から近く出版される予定であることも書いてありました。 この件は、河出書房サイドからの正式発表はまだのようですが、 ネット上では情報が何ヶ月も前から流れていて、 僕も知っていたので驚きはなかったのですが、 こうして活字で見ると改めて、UT邦訳への期待が膨らみます。

●今日の「ぼくの魔法使い」は、 探偵物語好き以外を置いてけぼりにしかねないぐらいの、 探偵物語リスペクト。工藤ちゃんも宮藤ちゃんも最高。 探偵に依頼するのが岸田今日子で、傷だらけの天使までしちゃってるし。 土曜9時で、こういうネタ許した、スタッフにも乾杯。 視聴率はイマイチという話しも聞きますが、気にせず突っ走ってください。

2003/05/08(木)

● 『妖精物語の国へ』を購入。 有名なファンタジー論 "妖精物語について"(On Fairy-Storie)と、 詩の"神話を創る"(Mythopoeia)、 劇詩の"ビュルフトエルムの息子ビュルフトノスの帰還" (The Homecoming of Beorhtoth Beorhthelm's Son) のトールキン作品三編と、 クリストファー・トールキンによる序文("1988年版の序")が収録されている。

『妖精物語の国へ』は『Tree and Leaf』の邦訳だが、 Leaf by Niggle は収録されていない。 この作品は評論社の『トールキン小品集』に"ニグルの木の葉"という邦題で訳出されている。 Tree and Leaf初版出版の際のトールキンの意図通り、"妖精物語について"と、 "ニグルの木の葉"は一緒に収録されているのがベストだと思うのだが、 多分、翻訳権の関係で無理だったのだろう。 "妖精物語について"は以前、 猪熊葉子さんの訳で、 福音館より出版されていたのだが絶版になっていて、 入手が難しくなっていた為(残念ながら、僕は読んだことがない)、 再刊が望まれていた。 猪熊葉子さん訳ではなく新訳という形になったが、 今回の出版で入手しやすい形で日本語で読めるようになったことは喜ばしい。

他の2編は初訳。これまで日本語では、 『J.R.R.トールキン 或る伝記』などで概要や一部分が紹介されていただけなので、 翻訳でも読めるようになったのは喜ばしい。

2003/04/19(土)

03/10の独言で注目していると書いた、 宮藤官九朗脚本のドラマ「ぼくの魔法使い」の第1回、 期待を裏切らず面白かった。 リアルタイムで見ながら録画もしていたのだが、 最近調子が悪かったビデオがついに壊れてしまったようで、 ちゃんと録画できてなかったのが残念。

2003/04/18(金)

●微妙な鬱は微妙に改善の方向へ。

●『新版 シルマリルの物語』の出版情報が、 評論社公式サイトの近刊予告に載ってました。 内容紹介の他に、表紙画像が見れて、 評論社から出ている画集『トールキンズワールド―中つ国を描く』(原書は、『TOLKIEN'S WORLD Paintings of Middle-earth』)にも掲載されている、 ロジャー・ガーランド(Roger Garland)の描くウルモが使われているのが分ります。 また、 LotR映画日本語版公式サイトにある原作用の掲示板に、評論社からの情報として、 『新版 シルマリルの物語』は5/10あるいは、5中旬頃に発売予定という書き込みがありました。

2003/04/15(火)

●ここ暫く、微妙に鬱で、やらなきゃいけないこと、やろうと決めていたことが、 どうも滞りがちである。こんなことじゃ駄目だなぁ。

●某所の情報によると、『シルマリルの物語』の改訂版発売は5月下旬にさらに延期されたらしいです。


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