「izure」という小説投稿アプリがありまして。
元々は「初恋シグナル」 のノベライズが配信されているというお知らせを見て入れてみた訳ですが。
……インターフェイスに戸惑いっ放しで割と混乱しています。今時のスマホアプリはこういう方向なんだろうか、と逆方向に感心はしたのですけれど。
上のような事情なので、アプリインストールして、投稿されているものの中から該当の作品を探そうとした、訳ですけど、…検索をさせてもらえない訳です。
起動してホーム画面に誰かの投稿作品のタイトルらしきものがある。で、そこから、別の人や別の作品に移動する方法が既に判らない。
使い方ヘルプらしきものは「投稿の仕方」しかなくて、読者側のナビゲーションについて説明がない。いやいやいや。投稿サイトって投稿して終わりじゃなかろう、読まれないと意味なくない?
でおろおろしているうちに、下から上スワイプで別の人の別の作品が出て来ることに気づく。次々下から上スワイプすれば作品は切り替わる、けど、逆に言うと1作品1スワイプが必要ってことで、リストとか一覧表って概念が探せない。
ようやく、カード形式で一覧出来るらしき画面を見つけたものの、そのインターフェイスだと表紙の写真だけでタイトルも作者名も出ない。しかも最初の40件か50件くらいで表示が止まってしまいそれ以上の作品が探せない。まさか現在それしか投稿されてない訳じゃないよないくら何でも。とゆーかそっちでも結局「初恋シグナル」ノベライズはやっぱり見つけられない。
投稿側見てみると、ジャンルを選択出来るようになってる。1作品1スワイプのインターフェイスだともちろんジャンル表記もある。けど、じゃあ恋愛小説見たいとかSF読みたい、みたいに思ってもそもそもジャンルで絞り込むことすら出来ない。何のためのジャンル? 他サービスの流儀に則ってジャンルの所をタッチするとタグで絞り込みみたいなことが出来るのかなと期待して裏切られました。
あとも1つ。現在、アプリリリース記念でizure大賞っていうのが募集されている。応募方法は作品概要に「izure大賞応募」って記載して作品投稿すること、……なんですけど……
自分が審査員の立場だとしたら、そもそも文字検索出来ないこのインターフェイスで、作品概要に「izure大賞応募」って記載のある作品を探す方法が存在してないように見える訳ですよ…。作品を個別に開いて、いちいち概要を読まないとならないんだぞ。1000件投稿があったらそれをシーケンシャルに1000回全部やれと…どういうことそれ。審査員さんの手首に過酷過ぎませんか…(笑)。
作品毎の「シェア」で作品毎URLが取れるので、書き手さんの中には、そのURLを使ってついったとかで自分の作品を宣伝してる人はいる。…読み手が作品を探す手段がアプリの外側にしか用意されていないというインターフェイスは……潔い、のか? SNSから流入や拡散こそが作品の価値、っていう判断なんだろうか。……そうなのかなあ。
個人的には違和感があるけど、今時のスマホアプリ世代ってそういうものなのか? という感覚もちょっとある。特に、使ってないけどtik tokって「検索して探す」メディアじゃない感じが、外から見てると、ひしひしと感じる。出て来るものをザッピングする感覚の楽しみ方なんだろうなぁと。
なんかこー、一周回って昭和のテレビみたいだなと(笑)。自分で好きな番組を選んで見るんじゃなくて、チャンネルザッピングして映ってるものを適当に眺めて時間を潰す。izureで行なう読書もそういう楽しみ方をさせたい…のだろうか。これまで数多登場した小説投稿サービスとは違う何かを目指してるってことでいいのかな…?
趣味でモノ書いてる1人としてこのアプリに投稿したいかっつーと全く意欲が沸かないですね…w ただ、検索ってシステム的にすんげー負荷のかかるものだというのは、昔ケータイ向け着メロサイトとか作ってたブログラマな自分は身に染みて判るので、「やりたくない!」みたいな気持ちがあるとすれば、それは理解出来るのですけど(とある会社に入社した直後に与えられた仕事が、着メロサイトの検索最適化でした、それまで結果出すのに3秒以上かかってたのをSQL全面刷新で1秒以下に縮めたりとかそういうの。ケータイは1秒がシビアな世界ですからねぃ)。
でもな。特に「izure大賞」絡みは疑問よね。これ、このキーワード入っていて「いいね」数が多いものから候補になるって説明だけど、だとしたら誰かに「いいね」つけて貰う=読者を獲得する、ってのが必要最低限の条件じゃありませんこと…? なのに読者側から探して貰う手段がありませんのよこのアプリ。ついったや顔本や、外部SNSで宣伝させて連携前提なのかしらんんん? …だとしても、そういうSNSの拡散や流入って作品自体の価値とは別のものだと思うのですけれどもねん…。それってSNSフォロワー多い人が勝つ世界じゃない? いい作品を作る人じゃなくて。それでもいいの? そういうコンテストなの?
まあそれはそれとして。
スマホアプリのこれからの形ってこうなるんだろうか、ということを逆に感じさせるモノではありました。ついに「検索」すらも消える世界が来ているのだろうか、と。
あ、で、結局、ノベライズ作品は1作品1スワイプのインターフェイスの方で、ひたすらスワイプし続けて見つけることは出来ました。一応ね。でも配信されている話数もまだ少なくて、本文読む時間より作品に辿り着くまでにスワイプし続ける方が時間がかかっちゃうような有様なので、すっごくめげてます(笑)。手首に悪いよ(笑)。favary様の公式ついったで更新告知はしてるようなのですが、せめて作品個別のシェアURLを更新されるたびに貼ったらいいのにね。これから更新されるたびにスワイプして探す作業を強いられるのかと思うと……作品の良し悪し以前の問題だよなぁ。
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