「私か? 私は舞(まい)だ。
芝村(しばむら)をやっておる。
好きなように呼ぶがいい。
緊張するな。ただの同級生だ。
お前が私に敵意を持たぬ限り、我らと我は、お前に敵対はせぬ。」
「ふむ、どうやら我が一族の名はそれほど有名ではないと見える。」
舞は少しだけ笑った。
「まあよい。一人くらいはそのようなものが居てもよかろう。私のことを舞と呼ぶがいい。
芝村ではどの芝村か、分かるまい?
我が一族は、公平な一族だ。私は末姫として育てられたが、現実を見ろと言われてな。
ここに居る。
公平になるためには、色々な知識と経験が要る。そう思わぬか。」
[選択1-1]
(そうね。)
「そうだろうとも。私がこうしてお前と話していること、私は死ぬその日まで覚えようぞ。
覚えておけば、私も弱者のために何かをすることが出来よう。
なんだ、その目は。いっておくが、私は大変良い話をしたつもりだぞ。」
[選択1-2]
(違う。)
「そうか? だが、そうかも知れぬ。私は、その判断も出来ぬほど、未熟ということだ。
私は、もっと色々なものを見なければならぬ。」
※熊本城攻防戦のためには、誰か1人から聞ければOK。
※熊本城攻防戦のためには、もちろん警告すること。
[選択1-1]
(周りがみんな、君を悪く言っているよ。)
芝村に、評判悪いよと教えました。
「…放っておけばよかろう。
別に我らに直接害を与えぬ限り、なにを言わせても良いような気がするぞ。
だいたい、いちいちそういう人間を殺していたら、我らは世界の半分以上を滅ぼさねばならんではないか。
やってもいいが、後始末を考えると私はあまり世界を滅ぼすのは好きではないな。
どうせなら、猫の観察の方が良い。
そなたも、そう思わぬか?
…いや。
まさかと思うが、そなた世界の思想を統一化せねばならんと思っているのか?」
舞は、恐ろしいものを見るようにこちらを見ました。
「そうだとしたら、我ら芝村すら思い付かぬような、恐ろしいことをよく考える。
そなた、剛毅だな。
世界中が「我は芝村」と言うのは、はなばた生活しにくいと思うぞ。
一体誰が時計の電池を取り替えるのだ。
思うに人間にはすべからく得意不得意があると思うぞ。部屋の時計の電池を買いに行くのを誰もが面倒に思ったら電池業界はどうなる。」
舞は、かなり部屋の時計の電池にこだわっているようだ。
「うむ、忠告するが、今すぐ思想統一事業などやめよ。めいめい人が勝手なことを言うのはそう悪いことではない。
私はネズミが嫌いだが、猫はそれがないとさびしく思うであろう。そうであれば、自分の都合でなんでもしていいという訳ではない。
人も同じことだ。殺すのは簡単だが、いかなる我らして死者は蘇らせられぬ。
覆水盆に返らず。軽々しく力は使わぬが良い。」
なんだか良く分からないが、説教されました。
「話を聞いているのか? そなたのことだぞ。
だが…そなたの心遣い、嬉しく思う。
私のために進言したこと、嬉しかった。
礼を言う。」
[選択1-2]
(黙って無視。)
「?
変な奴だ。」
※熊本城攻防戦のためには、誰か1人から聞ければOK。
※【壬生屋/舞に服装のことを言われる】を聞いた時のみ
「…なにをしておるか、だと?
少し待つが良い。
待つと言うことは、肝要なことだ。
全てには自ずから時機がある…。
昼がくれば夜もくるように。昼の花火は優雅ではない。タイミングを選ぶことだ。
終ったぞ。
今、コンピュータにアクセスして軍法を変えた。これで壬生屋も、うるさいことは言われまい。少なくとも、数年はな。
理由? 別にない。
壬生屋のことは良く知らぬが、あの格好をするからには、意味があるのだろう。」
「…人は、色々な可能性があるな。
…いや。少し考え事をしていた。
人は、面白いと、私に戦いと生き方を教えた男が言っていた。
私も、そう思う。そなたを見ていたら、そう思った。」
[選択1]
(教えたお・と・こ?) / (哲学的だね。)
「[父だ。
…ちょっとまて。
なんだ、その安心したようなリアクションは。
ば、ばかもの! なにを想像する!
想像に私を出すなら私に許可を求めよ!」
芝村に怒られました。
「まったく。そなたは、普段なにを考えておるのだ…。
ま、まさか、そういうことばっかりではなかろうな。]
ふっ。しかし、まったく可能性というものは、そなたにも私にもいろいろあるものだ。
ひょっとしたら、私は、たくさん子供を抱いた料理好きの奥さんになるかもしれんし、そなたも単なるサラリーマンになるかもだぞ。」
[選択2-1]
(想像する。)
子供も、そなたとか、我らとか言うのかな…。
量産型芝村…?
それよりも、結婚する人は…。
「…。
なにか知らんが、たった今、私はそなたに不当な侮辱をされたような気がしたぞ。
今、変な想像をしたな。
変な想像をしたな! 馬鹿者! 馬鹿者!
想像に私を出すならまず私に許可を求めよ!
へんな想像は却下だ! 検閲させよ!
無茶苦茶もなにもあるか!」
大荒れしました。
[選択2-2]
(それはないな。特に君。)
「…。
私もそう思うが、なぜかそなたに指摘されると、無性に腹が立つな。
…。
…というか、私は怒った!
なんだその言い方は!
今でこそこうしておるが、そのうち、それはエプロンが似合うようになって、「幸せそうね。」と周りから言われぬなどと、どこをどうやってそなたがそれを決めるのだ! いかなる数学的理論からそれを導いているか、たった今言え!
…。
ふっ、言えまい。私の勝ちだ。
芝村に敗北がありえないこと、よく肝に銘じておくがいい。
ふふふふふふ!」
※熊本城攻防戦のためには、もちろん警告すること。
「どうした?」
[選択1-1]
(もう、この女には深入りしまい。)
「…まあ、いい。
今までにも、こういうことはあった。
それだけの話だろう。」[イベント終了]
[選択1-2]
(舞に、また周囲が騒いでいると言う。)
「我らが、世界を征服するだと?
ふむ。その通りだ。
いずれ我々は、七つの世界のその全てを、ことごとくまで征服しよう。
どうした、その顔は。
当然のことを聞いてヘンな顔をするのは、あまり感心せんぞ。
我らは別に世界を手に入れようなどと一度も考えたことはないが、余人は勝手に我らを敵として考え、我らと戦う。
不思議なことに一部の人間は、我らがこうしゃべっておると、すぐ怒り出してな。
心の狭いことだ。
そしてそういう者と戦えば、我らが必ず勝つ。
そんなはずが、とか、こうに違いないなどと、固定観念に縛られた人間では我らに勝てぬ。
結果我らが勝つことを続ければ、最終的に残るは我らと、我らに近い者だけだ。
自動的に世界は我らのものとなろう。
完全で自明の理だ。そうは思わんか。」
[選択2-1]
(めちゃくちゃ言うなあ。)
「なんだと! 目茶苦茶なことを言っているのはそなた達の方だ! 我らは挑まれて戦い、戦うからには勝つゆえに努力を伸ばすだけだ!
…勝手に戦いを挑んで負けて恨み言を言う、どこぞの奴の味方をするな。
そなたは私の味方をすれば良いのだ。」
[選択2-2]
(まったくです。)
「そうだろうとも。
そなた、その納得を我らの敵になりそうな人間に教えてやるがよい。
そうすれば、我らも無用な戦いをせずにすむ。さらに良い話になるだろう。
不思議なことに、我らが親切にも、それを教えてやろうとすると、怒り出すのだ。
そなたならあるいは、いいやもしれん。
我らよりそなたのほうが、余人と話せそうだ。
必要ならそなたを我が一族の交渉役としよう。」
※熊本城攻防戦のためには、誰か1人から聞ければOK。
※熊本城攻防戦のためには、もちろん警告すること。
「なんだ、また余人がなにか言っているのか?」
[選択1-1]
(これで深入り決定。舞に忠告する。)
「そなたはいつも、周りのことを気にせよと私に教えてくれるがな。
…。
…そなた。
もう少し明るく生きたほうが良いぞ。
明るいという者は、喋り方や態度ではあるまい?
私が思うに、明るいというものは、自分を信頼することだ。
私を信じよ。必要なら世界の全てを敵に回して戦える女だ。
そなたの友は、そなたが誇るに足る。
少なくともその努力を怠ったことはない。
私が思うに、そなたの身体も、そなたに信頼されたがっていると思うぞ。
もう少し、無茶をさせよ。
信頼とは多少無理をさせるということだ。
…ふっ。
私がこう言うのは、おかしいか?
まあ、芝村とはすべからく明るいものだ。
我らは難しいことを言うが、暗くはない。
安心せよ。いずれ我らが世界を牛耳るように、そなたはそなたで、何かすることになろう。
自分に信頼が出来ねば、腕を磨けば良かろう。
私は、その点ぬかりないぞ。
自分に自信がある。…戦闘などの一部だが。
そのうちそれ以外も、ちゃんとしてみせる。
自分に信頼が出来ねば、腕を磨けば良かろう。
そなたと、そなたの友を信頼せよ。
他人がどう言おうと、この目で見たことだけが真実だろう。私は正しいぞ。」
[選択1-2]
(そこまでこの女の味方はしないぞ。)
「…。
いや、忠告するではなく、別れを言いに来たか?
まあいい。分かった。
今までよくやってくれた。
私も甘えすぎたな。許せ。
これからは、そなたを我らの争いに巻き込むことはよそう。
短い間だったが、嬉しかった。
我らは友人が少ないからな。
これからは普通に暮らすがいい。」
※この選択肢を選ぶと舞→PCの友情値が0にリセットされる
「我らを悪く言う「ただの人間」に、なにが出来る…。
我らもただの人間だが。人は、ただの人間であることに異議を唱え、そこから抜けようとあがく瞬間からただの人間であることをやめるのだ。
私は、随分前に「ただの人間」をやめたぞ。
泣き言も、自分が小さい事を悲しむのもやめた。それよりは隠れて努力することにした。
努力は恥だが、悲しむよりはいい。
ただの人間である事を悲しむよりも、世界を敵に回して戦うための実力を磨くほうがいい。
どんな人間よりも、我らは恥をしのんでいる。
必要なら我らの信じる事を、万難を排して行うためだ。
そこで既存の勢力と戦いが起きるなら…、
その結果、世界は、我らに征服されるのだ。
いずれ征服される我が国民を、なぜ将来の元首が傷つけなければならんのだ。
逆だろう。我らが我が国民を守るのだ。
我らは弱者と我が国民を守る義務がある。
それが我らの約束。
それが自分を信じることを他人に押し付ける代価として我らが払うものだ。
○○。
他人の言葉よりも己の心を信じて、善意で私と接した者、失敗を恐れぬ者よ。
それが、勇気と誇り。そなたは勇気。
必要ならば人のために火に飛び込む決意。
必要ならば世界を敵に回す善意。
力の大小ではない。我らが我らたる理由。
胸を張れ。我らは誇り。誇りこそ我ら。
どの法を守るも我が決め、誰の許しも乞わぬ。
私の主は私のみ。文句があるなら、戦おう。
それが私の生き方だ。そなたもそう生きよ。
そなたは、私の隣が似合うと思うぞ。
ただの人間より、芝村の友として生きよ。」
※熊本城攻防戦のためには…実は必須ではないっぽい。
このレベルのみ「警告」じゃない人もいますが…まあ、許して。
※熊本城攻防戦に必須ではない。
「…我らの民が安らかに出来るよう、行動をする必要がある…そうは思わんか?」
[選択1]
(なにをしようか。) / (要するにみんなを助けたいのね。)
「[助けるのではない。別に彼らに許可を得て行うわけではないからな。
そう言われたら、彼らも嫌な顔をしよう。
恩着せがましいことはやめるがいい。
善人面は似合わぬ。悪党の真似をするのもな。
我らの行動は我らが決め、我らが行う。
それでよかろう。]
…。
当面、食糧がいる。50もあれば良かろう。
これだけあれば、自然休戦期の5月中旬まで、食糧難で悩まされることはない。
作戦会議をして…炊き出しの決定をする必要があるな。
これだけ行えば、体の弱い者が栄養失調で、死ぬことは避けられる。
これに加えて、戦闘に勝ちまくる必要があるな。戦術の数々を研究するのはもちろん、能力を鍛えねばならん。兵器の調達もだ。
戦いに勝てば、その分友軍の負担が減る。
死傷者が減る。この小隊だけでなく、熊本、ひいては日本全体がな。
熊本百個の小隊の、その中のさらに二人が、戦況をひっくり返すのは、中々大変だぞ。
だがまあ、不可能ではない。
私には、そなたが居る。
そなたに私が居るように。
単純に考えれば確率は倍だ。二人だからな。
…それはともかく。
まずは役割分担を決めよう。
そなたは、どちらを行う?」
[選択2]
(食糧調達と炊き出しの会議決定。) / (戦術研究と訓練。)
「分かった。では残りの片方を私が担当しよう。
お互い、可能な限り早く目標を達成しよう。
…我らが好き勝手するためにな。」
※熊本城攻防戦に必須ではない。
「たった一週間かそこらの速成訓練をさせた学生を、戦場に送り出す…。
この国の先行きは暗いな。
だが、少しだけ安心してよいこともある。
この国には、我らが居る。…そうだな?
そうであれば、我らの働き次第で、どうにかなるかも知れぬ。
少なくとも、この部隊の人間は死なずにすませる方法もあろう。我らの働き次第でな。
ということは、後は努力の問題だ。
努力が足りれば、どうにかなろう。
足りなければ、それだけだ。」
「大昔の話だ。
私は、父に聞いたことがある。
我らは、なぜ他と違うのですかと。
我らは、なぜ存在するのでしょうかと。
父は、…父が言っていた。
人類という種族には、人類が危機に陥った時、種族本能として決戦存在を出すと。
アリが栄養によって兵隊アリや働きアリに分化するように、ワニが水温によってオス、メスを分けるように。
我ら人類も、危機が迫るその時に、本当にもうどうしようもないその時に、人は自ら、一代限りの決戦存在を生むと。
ただの人間から現われて、人間を守る、人類の守護者。人類の敵のことごとくを滅ぼす、人類の最強、"ヒーロー"。
我らは、ただ単に"ヒーロー"と呼んでいる。
他に適当で宗教的でない存在を、我らは知らぬからだ。
主義も主張もなく、別に特別な力を持つわけでもない。だが、間違いなく最強。
間違いなく人類の命運を決める存在。
善も悪もなく、ただ人類の存続のために、己の意志と意図を全て無視して戦う絶対存在。
人類で、ただ数人。世界で、ただ数人。
一代につき数人だけが、種としての人類の総意として出現する。決戦存在として。
それが、あまりにも強すぎるゆえに、人は、その存在を説明するのに、神秘的な力を使う。
運命とか、神とか、死を告げる舞踏とかな。
父は言った。
理由があって結果がある。もし、この地に"ヒーロー"が出るとすれば、それは我らの近くだと。
それだけが我らの存在理由だと。
…ふっ。案外、そなたかも知れぬぞ。
ヒーローは、性別も年齢も無視して出るそうだ。」
※熊本城攻防戦に必須ではない。
[PCが009で食糧を選択していた時]
「とりあえず、私の能力をあげた。
技能訓練は、まあ要らないだろう。
私は天才を持っているから、それで全ての技能の代わりをできるからな。
そなたの方は、どうだ、急ぐがいい。まず衣食住を確保せねば、どんな能力も、十分に発揮できぬからな。
…戦術の研究では、どうだろう、92mmライフルとその弾倉を沢山持って、横に幅跳びしながら、狙う-連射は?
十分に距離をとれば左右移動だけで敵を射界に入れられるし、敵はそうでなくなる。
試してみる価値はあると思うが。」
[PCが009で戦術と訓練を選択していた時]
「食糧調達の方は、やっておいた。
ハンガーの物資を見れば増えているはずだ。
あとは、炊き出しの決定もしておいたから、当面、食糧問題はなかろう。
後は実戦だな。
そちらは、そなたに任せよう。
芝村の任せるは、ただのまかせるではないぞ。」
「…我らは、もともと、記憶力だけは良かった。
種族的にな。そういう家系だった。
そういう人間同士がたまたま偶然結婚を繰り返していた。その結果だ。
そしてそのうち、別のことを考えるようになった。
この力を、何かに使おうと。
我らは全てを覚えた。目に入るもの全て。耳に聞こえるもの全て。そして伝え始めた。
別に意味もなく、理由もなく。
そのうちに、別のことが言えるようになった。
我らは、この惑星の記憶だと。
我らは覚えている。
人がなんで、なにをしてきたかを。
良いことも、悪いことも、その全てを。
私の父は、言っていた。
そなたを守るためには、ヒーローがいると。
娘を守るには、竜を狩る者がいると。
そして、未来を知る奴は我らの親族を説得し、我らは、知っているだけを、やめた。
…理由があるから、結果がある。
そして我らは幸か不幸か、人類の全てを知っている。細かい個人の人生はともかく、な。
言い方を変えれば、
"ヒーロー"の理由、あるいはその原因を、我らは全て記憶しているわけだ。
決定的なものが何か、それは分からないが、我らは知っている。"ヒーロー"の条件を。
それは実際、何の意味もないかも知れぬ。
だが、何もせぬよりはいい。
父の好きな言葉だ。
だが、何もせぬよりはいい。
いずれ現れる、ヒーローの手助けをしよう。
我らの知識を、教えよう。人類が積み重ね、何代にも渡って磨き上げた力と技の数々を。
我らに近づくということは、戦闘本能が強いか、あるいは極端に弱い人間なら出来る。なにが敵で、敵でないか、それを見分けるのは、強い生物と、弱すぎる生物なら出来る。
そなたは、本質的に強いのだろう。
我らの仕種は、敵に見えるようになっているからな。これを擬態と見破るのは、強いか、弱すぎる証拠だ。
だが、それまでなら、例がなかったわけではない。
この世界に本来ないアポロニア・ワールドタイムゲートの力を体現する来須。
のぞみ…そんな名前の風渡る女。
あるいは、最近消滅したウスタリ・ワールドタイムゲートを潜ってきた血筋のヨーコ。
それに、青とか、OVERSとか言う存在。
これらは、いずれも我らに接触してきた。
いまそなたが接触してきたように。
だが、いずれも私は、確信が持てなかった。
"ヒーロー"は、本来特殊な力を持たないからだ。ヒーローは、力に宿る存在ではない。
本当に強いということは、力があるということではない。坂上の授業で習ったように。
本来のヒーローは、その学習能力にこそある。
どれだけ負けても戦闘を継続し、問題を学習し、また戦う。
最強なわけだ。負けなくなるまで成長するのだから。それも能力が上がるわけではない。
動きが、変わるのだ。
動きが。
形なきゆえに記録に残らないこの動きが、ヒーローの根幹だ。
人間ならば誰もがこの能力を持っている。
だが、中にはこの能力を異常に発達させた者がいる。我らや、あるいは、ヒーローだ。
そなたは、ヒーローの資質があるようだ。
戦場に行き、敵を狩れ。目標は、三百だ。
三百の首をとったとき、そなたはヒーローになる。その臭いをかいで、竜は、人類の敵は現われるだろう。
人に決戦存在があるように。幻獣にもまた、決戦存在が存在する。人と、幻獣と、いずれが勝つか、それが勝負だ。」
「…そなたがヒーローだと、私は嬉しいな。
別に誰がヒーローでも、それで人類が救われるのなら、それはそれでいいが。だが…、
やはり、そなたがヒーローの方が良い。
これは、私の趣味だ。ふふっ。
我らは思う。人が人を許せるように、あるいは幻獣ともうまくやれるやも知れぬ。
だが、そのためには、我らが勝たねばな。」
※熊本城攻防戦に必須ではない。
「…壬生屋の祖先は、元々この地にあるセントラル・ワールドタイムゲートを守る墓守りだ。
滅び行く故郷より流され、封じられ、かつて世界の中心が存在したこの地を、代々守ってきた。かつて滅んだ、共和国の残骸と共に。
本人達も忘れているだろうが、我らは知っている。
…我らは世界の記憶。人が今迄なにをして、これからなにをするかを覚える。
ただそれだけの血筋。あの男が来るまでは。
ここには、色々なものが流されてくる。
あの男…我が父は、竜を追ってこの地に来たと言っていた。
そなたも、竜を追って風を渡る者だな。
そうだとしたら、私が今そなたと話すのも、忌々しい火の国の宝剣が定めた計画だろう。
ただゆっくりと衰亡する運命だった我らは、あの男により、今一度戦う気になった。
傍観者ではなく、改変者として。
万民のため泣くのではなく、万民のために戦うと。
運命を否定して、歴史を決定する剣に反逆する。それが我らの、世界の決定だ。
…○○。
我らと来るがいい。
仲間と竜が殺し合う運命を変えよう」
※熊本城攻防戦に必須ではない。
「幻獣を狩れ。三百の首を狩れば、そんなことが出来るのは、もう、人の決戦存在"ヒーロー"しかない。
そして決戦存在たるそなたを狙って、幻獣の決戦存在たる竜が現われよう。
光が強ければ闇もまた濃くなるが道理。
その時、竜を助けることが出来るか、どうか、それが勝負だ」
「私は、父よりたくさんの話を聞かされてきた。
真実のような話もあれば、嘘のような話もある。
今は、思う。
あの話は、みなが真実だったのだろうと。」
[選択1-1]
(ヒーローって?)
「我らが、まだ幼かった時代。
まだ幼くて、人々のために涙する以外に知らなかった時代。
まだ我らが世界の記憶でしかなかった頃。
深紅の布を腕に巻いた、ヒーローがいた。
我らが、テンダーと呼ぶ男だ。
それはただの男だったが、剣を取った。
恋人が殺されたとか、妻が死んだとか、理由は色々言われたが、真実は違う。
ただ、人類の敵が気に入らなかっただけだ。
別に正義感が強かったわけではない。
だが、どうにも我慢できなかった。
ただ、弱者が死ぬのが我慢できなかった。
そして剣をとった。何度も負けたが、その度に立ち上がった。そして学んだ。
自分がなぜ、負けたかを。
そして、負けない為にはどうするかを考えた。
人に教わるのではなく、自分で考えた。
男には信念があった。自分が、最後だと。
自分の後ろには、他に民を守るは何もないと。
実際そうだったかどうか分からぬ。
だが、男は信じた。血を流し、戦うその中で。叫びながら、剣を握ってそう信じた。
言った言葉はただ一つ、弱者のために。
我らの祖先は彼を見て、ヒーローがなんであるかを学んだ。ヒーローは、血からも、魔法からも、科学からも生まれぬ。
ヒーローは、違う。
ヒーローは、ただの人間から生まれるのだ。
ヒーローは、ただの人間が、自分自身の力と意志で、血を吐きながら人を守る為に人でない何かに生まれ変わったものだ。」[選択2へ]
[選択1-2]
(何か、話して。)
「一人の人生に疲れた女が居た。
いいことなど、生まれて一度もない女だ。
それはただの女だったが、だが、ある日、困っている人に手を差し伸べた。
一人助けたら、次の人も助けを待っていた。
次を助ければ、次が出た。
適当なところで折り合いをつけて、やめればいいのに、文句と運命を呪いながら、ハイヒールのかかとを折って、髪振り乱し、歯をくいしばりながら他人のために走り、そして戦った。
持った武器は、ただのシャーペンだった。
だが、我らの祖先は思った。
そやつはもはや、ただの女ではない。
ヒーローだと。
人生に疲れてもいなければ、迷いもない、その暇もない。
本来人間が居るべきポジションに戻った、誰もがその勝利を願う人の中の人。
人間の本懐たりえるヒーローだと。
必要となれば、人は、ペン一本で、刺し、切り、罠を突破し、図を書き、そしてエンジンを爆発させることが出来る。
核戦争を阻止し、化け物どもを倒し、名前も知らぬ子供のために、走る事が出来るのだ。」
[選択2-1]
(…それでその人は、どうなったの?)
「…立派に戦って、そして死んだ。
人類を守り、我ら人類はその結果、生きている。
皆は忘れたが、我らは知っている。
世界は、何人もの名のなきヒーロー達によって、いつも最後の一線を潜り抜けて来たと。
次は、我らの番だ。
我らは、ヒーローではないかも知れん。
その代役も果たせぬかもしれぬ。
だが、最悪でも時間稼ぎにはなろう。
本物が現われるその時まで、人を守って戦おう。別に人々のためではない。
我らは、人に甘えるのは好かぬ。それだけだ。
誇りこそ我ら。我らこそ誇り。
借りは必ず返す。我らは決めたのだ。
あの男の手を取ったその時に。
泣くのはやめた。戦おうと。」
[選択2-2]
(いい話だなぁ。)
「そうだな。
私もそう思う。
父より、まるで見て来たように何度も聞かされた、ありえない話。
今は、分かる。あれは、あったのだ。」
舞は、こちらを見て、笑った。
「私は信じる。そなたを知る今は、そう言える。
そして思う。彼らのように、彼女たちのようになろうと。」
※熊本城攻防戦に必須ではない。軍楽+2Lv Up。
「そなた、声がよいな。」
[選択1-1]
(前から言われてたのよ。)
「そうだろうな。」(以下※に続く)
[選択1-2]
(そんなことない。)
「そうか? ではそなたの勘違いだろう。
私の耳は確かだぞ。」(以下※に続く)
※
「一つ、本格的に歌の練習をしてみたらどうだ。
そなたなら、絶技を使えるやも知れぬ。
絶技がなにか、だと?
おとぎ話だ。
ヒーローが持つ、学習能力、言い方を変えれば、適応能力を普通の人間が説明するのに使う架空の存在だ。
ふふっ、なにを真面目な顔をしている。
今のは、一流の冗談だぞ。
あまり面白くなかったか。
まあ、我らは冗談が下手だからな。
そんな物を練習する暇はなかった…。
代りにそなたに会えたと思えば、いいか。
普通に育てば、そなたとは会えなかったろう。
猫とも触れる機会はなかったが、それもこのためと思えば、許せる。
軍楽や軍隊歌の一つや二つなら、そなたも歌えよう?
そなたが戦うその時に歌を歌えば、人は、ただそれだけで心を揺さぶられよう。
歌はただの歌だが、重要なのは聞き手の心だ。」
「○○。
…ただの人間が、我らに勝てるか?」
[選択1-1]
(こっちは努力してるからね…。)
「ばか。
そういう時は、いや、勝てないと格好良いことを言うがいい。
まったく普段の努力は、そのためであろう? ふふっ。」(以下※に続く)
[選択1-2]
(いや、勝てない。)
「そうだ。」(以下※に続く)
※
「もう一つ聞こう。
強いものは、どうあるべきだ。」
[選択2]
(弱者を守ろう。) / (自由の代価を払おう。)
「そうだ。人の守り手たるは我ら。
万難を排し、人を守って戦うは我ら。
誰の許可も要らぬ。我らが決めた。
世界は、我らの好き勝手により守られよう。
それが世界の選択だ。」
[選択3]
(それで、次はなにするの?) / (腕がなる。)
「…敵に逃げられては困るな。
敵戦力が、残る。
戦いは、敵を全滅させるのが理想だ。
…そこで、敵を追い込んで、これを撃破する。
包囲戦だ。逃げられなくして敵と戦う。
成功すれば、敵の戦力を大きくくじけよう。
…具体的には熊本市の全敵幻獣を一点に集め、これを我らが撃滅する。
幸い、熊本中心部には戦場向きの場所がある。
…なんだ、知らないのか?
博物館の隣、プールのそば…そうだ。
熊本城だ。
どうせ天守閣は再建されたレプリカだ。
今更どうなっても、許されよう。
それに城は元々戦うためにつくられたのだ。
もっとも、今回は逆。攻めるために使うのだがな。」
[選択4-1]
(幻獣が集まる価値をどうやって作る?)
「これから作る。
幻獣達がどうしても来なければならない、価値をな。」(以下☆に続く)
[選択4-2]
(必要な政治工作は?)
「もう、やった。
発言力と金塊を結構使ったが、数日中に命令が下ろう。」(以下☆に続く)
☆
「ただの人間が出来ないからといって、芝村まで出来ないと思ってもらっては困る。
我らはただの人間から生まれたが、逆から言えばそれだけだ。
それにしても、そなたもずいぶん芝村だな。
その表情、似合うぞ。」
[選択1]
(オリジナル…ねぇ。) / (愉快な嘘だね。)
「…幻獣共生派は、それでも動く。
間違いなくな。奴等とて、幻獣が何で、何故そこにあるのか知るものではない。
ひょっとしたら、幻獣自身も、自分がなんであるか、分かってないのかも知れぬ。
だから、戦闘は起きるだろう。
準備をするか。○○。
言い出したのは我らだ。
当然、一番つらいところは、我らが行うぞ。
今のうちに装備を交換しておけ」
※熊本城攻防戦に必須ではない。
「私の父も、そなたのように星空を見ていた。
どこの場所でなにをしていても、絶対に似合わぬ男だった。
そこにあるのは、違和感。
なにをしても場違いな、そんな男だった。
地上に落ちた、本来は星々を旅する男。
そんな感じだった。」
[選択1-1]
(似てる?)
「…一番して欲しくない質問をするところは。」(以下に※続く)
[選択1-2]
(好きだったんだ。)
「…たわけ。
私が、好き?
そんなことを言えば、きっと私は、生きながら芝村の地獄に落ちよう。父は、私をからかい、いじめるのが趣味だったから。
お前はそうかも知れぬが、我はお前を好かぬ…とか言ってな。
私が悲しむのを趣味にしていた…ッ!」(以下に※続く)
※
「指揮を執れば一流、あらゆる知識に秀で、数多の記憶と、過去を持つ。
未来を予測させれば、必ず当たった。
この世界にないことすら、知る男。
忌々しいほどふてぶてしく、どんな状況にあっても、己の腕を信じて疑わぬ男。
我ら一族は、結局奴がほんの20年ほどで作ったようなものだ。
ウォードレス、クローン、多目的結晶。
士魂号、精霊手、そしてN.E.P.…。
全て奴が持ち込んだものだ。
どこからどう持ち込んだか、私にも分からぬ。奴は別世界から来たと言うが、子供でもそういうことは信じまい。
…父としては、最低の男だったがな。
すぐ姿を消して、不意に戻っては、また姿を消す。そんな男だった。
…そなたは、そうなるな。
そうであるならば、そなたに娘が出来たとき、不幸だ。
…いいな。
娘は、…それは不幸なのだぞ」
「…。
私は決めたぞ。
○○。
私は、そなたをカダヤにする!」
[選択1-1]
(カダヤって何?)
「え?
……………。
まあ、なんだ、保護者のようなものだ。
……………。
もういい。この話は終わりだ。
だ、黙れ、しつこいぞ!
いいから、そなたはカダヤだ!
いいな!」
[選択1-2]
(カダヤよりコロッケがいいなぁ。)
「……………。
私が………、
…勇気を出して言ったのに……。
…そなたのそういう所、嫌いだっ。
否、大嫌いだ!
黙れ、だれがそんなことで泣くか!
おろかものめ!」
舞は、走って行った。
「…いいか、そなたは私のカダヤだ。
カダヤらしくせよ」
[選択1]
(らしくって?) / (カダヤってなんですか。)
「いいから。へ、ヘンなほうを見るな。
いいな、これは絶対だぞ。
とくに女はいかん。女は」
[選択2-1]
(君も?)
「…。
…やっぱり私もだ。
いや、私の手ならいい!
私の指はきれいだと、昔、父も言っていた。
それがいい、私の手だけ見ていろ。
他は…自信がないから駄目だ。
いいな! 絶対だぞ!」
[選択2-2]
(なんで?)
「理由だと?
ばか。
ばか。黙れ! ばかをばかと言って何が悪い! ばかばか!
…しらん。いいから私からつかず離れずしていろ。」
[選択2-3]
(分かった。)
「…それでいい…。
それから、そなたを狙う者が居ると聞く。
私から離れるな。いいな。
…ゼ、ゼッタイだぞ。」
舞「なんだ。」
[選択1]
(カダヤってどういう意味?) / (そろそろカダヤって…。)
舞「…知らん。
そ、それより装備の話だが。
…そう、なんだ、」
[選択2-1]
(恋人。)
(以下※へ続く)
[選択2-2]
(たわけ) / (親父) / (にんじん) / (チビ) / (バカ) / (弱虫) / (子供?)
[「恋人」以外を選択、2回目まで]
舞「違う。」
[「恋人」以外を選択、3回目・4回目]
舞「違う、もっと…別のものだ。」
[「恋人」以外を選択、5回目・6回目。PC側の答え方が「わかった。じゃあ●●だ。」になっている。]
舞「違う! 違う! お前はつくづく鈍い奴だな。」
○○「君に言われると思わなかったな。」
舞「たわけ。」
[「恋人」以外を選択、7回目、つまり最後。PC側の答え方「じゃあね、●●」]
舞「…もういい。」
[この後「恋人」のみの選択肢が出て選択すると※へ続く]
※
○○「…。」
舞は、下を向いた。
[選択3]
(ほんとに?) / (…え? え? もう一度。)
舞「黙れ…。」
[選択4]
(恋人かぁ。) / (…カダヤって恋人って意味なの?)
舞「うるさいと言っているっ。」
[選択5]
(そうかやっぱり。) / (恋人ねぇ。)
舞「うるさいうるさい、うるさい!
…。
…私は、己の若さを呪っていたところだ。
…あんなこと言うんじゃなかった。
…私は一生お前に言われるに違いない。
死ぬまでずっとだ。」
[選択6]
(いいじゃないか。) / (こっちはうれしいけどね。)
舞「…私は不機嫌だ。」
[選択7]
(なんで好きになった?) / (カダヤってどこの言葉?)
舞「そういうことを聞くお前は嫌いだ。
…。」
[選択8]
(まあいいか、今は恋人というので満足だし。) / (カダヤかぁ。)
舞「黙れ! …いいか、もしその言葉を他人に聞かれてみろ。
その腕と足を叩き折ってやるからな。
それから人前で抱きつくな、なれなれしくするな。…私は、お前以外に…変な顔を見せる訳にはいかぬ。
…。」
[選択9]
(それ以外は?) / (他に注文をどうぞ、お姫様。)
舞「…ない。」
[選択10]
(恋人か…。) / (カダヤか…。)
舞「確認するように言うな!
………………。」
○○「………………。」
「…そなたは猫が好きか?」
[選択1]
(好き。) / (嫌い。)
「[私も好きだ。
一度も飼うことを許されなかったがな。
いや、飼うのは良かったが、父は、すぐ猫は殺すと言っていた。
守りきれぬような存在を、飼うなと。
それでも…、]
私は好きだ。
…ふわふわしていて、…よい。
なんだその顔は。
今、似合ってないなどと思ったな!
怒った!
…ばかもの…私とて似合わぬと思っている…。
だが、にゃーとか、尻尾を立てて歩いているのを、猫に責めても仕方あるまい…。
お門違いもいいところだ。だいたい…
かわいくするな、とか。猫に言うのは、控えめに見ても私には似合わぬ。
笑うな。…そなたのそういう所、嫌いだ。
……………。
もういい。」
舞は、猫と見詰め合っている。
ブータ「ニャー。」
舞「…。」
[選択1]
(実は、かわいいもの好きか…。) / (猫、恐がっているよ。抱いたら。)
舞「ギクっ。
…な、なぬを、いやなにを訳の分からないことを…大体、いつからそこに居た!
へ、変なことを言う…。
……………。(笑顔)
………。(怒り顔)
…。(照れ顔)
…だ、黙れ、いや、そなたは何も言ってないが、心で何か考えたろう。
それは、勘違いだ…。
私の家には、ぬいぐるみなど一つもないぞ。
…許されなかったし。
…だいたい、私は目つきが悪いので猫に嫌われる…。」
[選択2]
(歩き去る猫の尻尾を掴まえて、協力させる。) / (かわいいなぁ。)
[素知らぬ顔で歩き去ろうとしたブータを、友達だろうと言って、尻尾を掴まえました。
ブータ「…ナウー。」
○○「後で猫カンあげるから。」(人物によって言い方変化。↓※に別記)
ブータ「…。」
ブータは、おとなしくなりました。
○○「はい。」
舞「…ば、ばかもの、
猫が嫌がっているではないか!」
ブータ「(猫カン…)」
舞「あ…う…。
…。
さ、触る…だと。」
ブータ「ニャ。」
舞「………。
一生に、一度の決断だ。
…私は、私は…、
触る!
……。」
[べしぃぃぃっ!]
ブータ「ニャァァ!」
ブータは、逃げました。
舞「…。
ふっ、これも我らの呪われた生き方だろう。
なんだ、なぜそこで笑う。
…いいんだ。猫が暮らし良い世界であれば、別に、触れなくても。なんでも思い通りになるからと言って、それをするのではいかぬ。
力持つ者が、許されぬこともある。
それは真に好きな者を好きと言うことだ。
抱きしめることだ。
だから、何故そこで笑う!
いかに慈悲深い私でも本気で怒るぞ!
もう一度? も、もういい!
…もういい…私は、猫が怒るのは好かぬ…。]
だ、だいたいだ。
この間私がそなたに猫の話をしたのは、そなたがそなたが絶対、口が堅いと思ったからだぞ…。
こ、こんな、こんな所を見られたら…、
外を歩け…
…なんだっ、その目はっ。
ば、ばかもの。普通こういう時は頭を抱えるとか、怒るとか、笑うとかだろう!
…そ、そなたの反応、ヘンすぎるぞっ。
…。」
[※猫カン・特殊セリフ]
ののみ「猫カンあげるから、ちょっとだけ。」
加藤「なぁ、しばらくガマンしたら猫カンやるわ。」
来須「…猫カンをやる。しばらく動くな。」
岩田「フフフ、あとで猫カンをあげましょう。」
石津「…猫カン…あげる。…だから、いい?」
ヨーコ「あとで猫カン、あげますデス。プリーズ。」
中村「あとで猫カン、たらふくやるけん。」
「…ち、近寄るな。ヘンなのが移ったら、どうする。
まったく…。
危険だ。うかつだった。そんなことも気付かないとは…というか、罠だ。
父め、何も教えず、この状況を地獄で笑っているに違いない。昔からそうだ。
娘で遊ぶとは…許さん、許さんぞ。
…こっちの話だ。
人は難しいのだ…自分のことすらも分からないときもある。
…そこで考えるな、ばか。
そなた、本物のばかだな。
ばかばか。黙れ。ばかをばかと言ってなにが悪い。」
「…ち、近寄るな。ヘンなのが移ったら、どうする。まったく…。」
「なんだ。」
舞に手紙を渡しました。
「は、なんだ?
え?
……………………………………………………
……………………………………………………
………………………………………………!!
こ、ここここれは…。」
舞は、手紙を読んで、こちらを見ると、突然手紙を隠してあらぬ方を見た。
「…わ、分かった。
あ、あの。
…いや、なんでもない。」
「ま、間違いだ、私に、こ、こんなものが来るなど…間違いに違いない。
そ、そお、間違いだ…。
…いかん、心臓が、心臓が…。」
「そ、そのなんだ。
…人に好かれるというのは、嬉しいものだな。」
「…ふむ。昔、我らがこの国に流れついた時、我らにこの国の生き方を教えた人々は、桜が咲いたと宴会し、動物と話していたと言うぞ。
大きな木に敬意を払い、会話するとき、天空を共通の友人として話題にしていたとか。
きっとお前は、その高貴な人々の末裔だろう。
感謝を。まったく我ら一族が今存在するのは、そなたのような者達が、異形異能の我らを国の客人として許し、住まわせたからだ。
…なんだ、ああ、猫と話していたろうが。
少なくとも、我らには真似が出来ぬ。
偉大な才能だ。」
舞「なんだ、その光は?
…驚かないのか、だと?
我が一族は芝村だ。
…いや。…ふむ。私が見たものが真実だ。
真実がそうなっている以上、知らなかったと、驚いてもわめいても、仕方あるまい。
お前に光る知り合いがあったのは知らなかったが、まあそういうこともあるだろう。
…それが我らの考え方だ」
○○(…偉大な人だ…というより変な人だ…。)
舞「なんだ? そなたの知り合いではないのか?
そやつら、私には人の形をしてお前を慕っているように見えるが。」
「別に戦う気の無い者も、家を追い出され、家族を殺されたら、銃を取る。
…幻獣も我々も、どちらかが滅びるまでは、戦いを収めることはできないだろう。
私の父は、違うことを言っていたがな。
強いということは…本当に強いということは、殺す殺されるということではないと。
…私には、良く分からない。
そなたが殺されたら、私は敵を許さないだろうということしか分からない。
それともあの男は、全てが幸せになる強さがあると、言いたかったのか…。
それが「もっとも新しい伝説」なのか…。」
「…。
そなたは、我らには見えぬものが見えるようだ。
別に隠さずともよいぞ。我らは別に我らに害がない限り全てを認めるものだ。
神秘だろうと、そうでなかろうと、我らにはどうでもよい。役に立つか、害をなすか、それが全てだ。
だから我らは、そなたが我らの敵とならぬ限り、そなたの全てを受け入れよう。
幽霊だろうと、科学だろうと、どうでも良い。
…この地に流れ着いた我が父を迎え入れた者達もそのような者達だった。
父の髪の色や、瞳、あるいはウォードレスを見ても驚かず、我らを里に迎え入れた。
我らはこうして、この地に根付いたのだ。
知っておるか。我らの名字は、我らを迎え入れた者達が住んでいた地名なのだ。
…我らは、受けた恩義を忘れておらぬ。
そなたの力、私には意味が分からぬ。
だが、ここにそなたが居るのはきっと世界がそう選んだからだろう。
必要なら手を貸そう。
かつて我らがそうされたように。
そしてその異能の力、万民のために使ってくれると嬉しい。
…どうした?
私は至極もっともなことを言っているような気がするが。」
「異能たるは恥ずかしいことではない。
異能に生まれついたことには意味があるのだろう。
…意味がなければ、作れば良いだけの話だ。
結局、我らの言うことはどこまで行っても正しい。
もう少し、我らのように考えることだ。
我らの祖先はかつて桜が咲いたと宴会をするそなたらの祖先にひどく驚いたが…、
そのうち、一緒に宴会をすることを覚えたぞ。
思うに、種族や、年齢や、世界の違いは、大した違いではないのであろう。我らは以前と大きく変わった。だが、それでよい。
人は変わるのだ。人が世代を重ねるのは、きっと今までにない何かに変わるためだと思う。
そうなれば、そなたの力は普通になろう。
単にそなたは時代を先取りしただけだ。
だから胸を張るが良い。
それが私の考えだ。普段は私に嫌がらせする父も、この時ばかりは私を誉めたぞ。
だからそなたも、胸を張るが良い。」
「…。」
舞に頬を引っ張られました。
かなり本気です。
[選択1]
(言い訳する。) / (痛いよと言う。)
「…。」
聞こえていないようです。
[選択2]
(あやまる。) / (痛いよと言う。)
「…知るか。
この胸に原因不明の怒りの炎が荒れ狂っている。
だいたいなんで、私はそなた程度にこんなバカみたいなことをしているんだ…。
まったく…。」
[選択3]
(だからあやまる。) / (痛いよと言う。)
舞は思いっきり頬を引っ張って、怪獣のような足音を立てて歩いていきました。