「僕の名前は、狩谷 夏樹(かりや なつき)です!
足はこうだけど、みんなのお役に立てるよう、がんばります!」
[選択1-1]
(よろしく。)
「よろしくお願いします!
色々分からないことがあると思いますが、その時はご教授お願いします!
…って、足のことを尋ねませんね。
ははは、あんまり気にしないでいいですよ!
事故にあって足をやられたんです。
バリアフリーじゃないんで移動に苦労しそうですが、よかったら、教室移動などの時に移動を手伝ってください。
お願いします。」
[選択1-2]
(足のことを尋ねる。)
「ああ、事故でこうなっちゃってね…。
運が悪かったんですね…。
あ、気にしないでください!
バリアフリーじゃないんで移動に苦労してますけど、それ以外は困ってませんから。
それにしても、戦争というのは嫌ですよね。
最近、病院もリハビリ施設も、どんどん不親切になって…。」
「君は、親切だね。
…僕を、見下しているだろう。」
[選択1-1]
(笑う)
「…ふ…ははは。
まいったな、迫真の演技のつもりだったんだけど。」(以下※に続く)
[選択1-2]
(なに言ってるんだか…。)
「…。
…なんてね。」(以下※に続く)
※
「…時々ね、悪い人の真似をしたくなるんだよ。
甘え、だろうけどね。
幸福そうな人を見ると困らせたくなる…。
…すまない」
「そう言えば、最近、ヒーローを見たって言う人がいてね。舞を舞っていたそうだよ。それ変態だろうと言ったら、いやヒーローだって。
誰が言ったと思う?
それが、ヨーコさんなのさ。ははは。
いつもの奴だよ。
またありもしないことを…。
あれがバカってものだろうね、ハハハ。
まあ、僕にとっては同じだけどね…。
変態なら、踊るだけなら害はないだろうし、ヒーローなら、人類の危機とやらを救ってもらう。居なければ、まあそれでもいい。
…そんなヒーローより、本物のヒーローの方が見たいけどね。
絢爛舞踏だよ。勲章の。
あれ、世界でも4人しか受章してないんだろう。300機撃墜だって?
どこをどうやれば取れるんだか…。」
「ここだけの話…少しはね、戦争もいいなと思っているんだよ。
確かに、社会福祉関係の予算は削られる一方だけど、反面どこも人手不足だからね。
女性や僕たちの様な人間にとっては、社会進出の役に立っているから。
正直、僕が戦車部隊に配属されたのは、人手不足以外のなにものでもないよ。
戦争状態でなかったら、さすがに…ね。
逆に言えば、戦争がなければ僕と君は、会うこともなかったわけだ。
ふっ、ふふふ。
でも僕と君が出会わなくてもいいから、僕は足が普通の方がよかったよ。
ははは。」
「幻獣共生派はね、平等な世界を目指しているんだよ。
おかしいね。それだったら、今の政府だって同じことを建前にしているのに…。
ふっ、まあ結局は方法論の違いだろうけどね。
愉快な話さ。
平等な社会って奴は…、
僕から言わせれば、怪しいものでね。
一言で言えば平等でも、実際は差がある。
機会が平等なのか、それとも待遇が平等なのかで、ヒドイ違いがある。
機会が平等な社会では、僕は、みんなと一緒になにか出来る。ただし、その分、苦労する。
機会…チャンスはチャンスでしかない。
この足でチャンスが平等って言われても、困る…。その前に学校全部をバリアフリーにしてくれ、だ。
待遇が平等なら、みんな僕に合わせざるをえなくなる。…僕の足を直せない以上は。
君は僕と同じになってくれる?
みんな、僕にあわせて足を使ったら禁止…、愉快な話だね。みんな納得するかな?
機会が平等でも、待遇が平等でも、結局はどうしようもなく、平等でない人間が出る。
真に平等な世界は生まれる訳がない…。
それなのに、なんでみんな、何を馬鹿なことをしているんだろうねぇ。
…他人事ながら、哀れみを感じるよ。」
「足がこうなってから、色々なことが分かるようになったよ。
人間がどれだけ偽善ぶっているか。
親戚は信用ならないし、結局、両親が死んでからこっち、金が全てと言うのもね。
そして、友人や恋人と言うものは結局、力関係が同じ程度の間柄でなければ成立しないってことが分かったよ。
僕はもう、釣り合わないってさ。
友人も恋人も、離れる一方さ。」
[選択1]
(それで離れるなんて…本当の友人とは違う。) / (それは…君に問題があるんじゃない?)
「…黙れ。
僕が…僕が何をしたって言うんだ。
はっ…誰か、いないものかな。
僕を、殺してくれる人が。
死んだ方が、ずっといい。
…こんな世界に、なんの意味があるんだ…。」
「…。
すまない。君がイイ奴だということは、分かっているんだ。
…分かっているんだよ。
痛いくらいに…。
…でも、君がそのイイ奴と言うことが、僕を苦しめるんだ…。」
「…自分の痛くもない足をペンで刺しながら、思うときがあるんだよ。
…血の玉を見ながらね。
僕だけが、なぜこんなことになったのか…。
周りの人間は、なんで健康なのか…。
…思えばね、幻獣は僕の味方なんだよ。
いや、そうに違いない。
僕のために…幻獣は戦っているのさ。
みんなを、僕と同じ境遇にするために…。」
「…フフフ。
…思えばね、幻獣は僕の味方なんだよ。
いや、そうに違いない。
僕のために…幻獣は戦っているのさ。
みんなを、僕と同じ境遇にするために…。」
「やあ、元気かい?
最近ね、心が、すがすがしいんだよ。
…今まで、色々嫌な話をして、すまなかった。
もう…大丈夫だよ。
…昨日、すばらしい経験をしたんだ。
心が、洗われたよ。
僕にもすごいことが出来ると、嬉しくて誇らしくてしょうがなかった。
ククク。
ははは。
もう、誰にも僕の悪口は言わせない…。
癒すことは誰にも出来ないが、傷つけることは出来るんだよ。
…簡単だよ。まったく簡単に平等になれる。
ククク、僕はこの力で、全てを平等にするよ。
みんな、みんなを僕に合わせる。
理想的な平等社会の誕生なわけだ…。」
「…悩む必要なんか、最初からなかったんだよ。
そう、行動しないとね。
悩んだら、駄目だ。
ククク…。
僕は、不幸じゃない。
…みんな不幸になれば、そういうことだ。
ははは。
…いつか君も、僕の…真の友達にしてあげるよ。
…なに? なにか、不満?
そんなことないよね、友達だから。
僕は、君だけを信じているんだ。
まだ真の友達とは言えないが、なに、すぐだよ。
…すぐに、そうなる…。
ククク…。」
「遠坂って馬鹿な奴がいてね。
ちょっとばかり…能力を教えてやったら得意になってね。
まったく…ぼっちゃんという奴はなにが駄目って、ぼっちゃんだからねぇ。
ククク。」
「芝村って、僕らのことを虫みたいに見てるんじゃないかな。
…ほら、自分を特別視する奴はそうだろ?」
※狩谷はレベル1のみ。代わりに新井木にレベル2〜4が存在する。
「やぁ。どうしたんだい。」
狩谷に、加藤をなぐったことを抗議しますか?
[選択1-1]
(別の話題。)
「それにしても最近、君のことをよく聞くよ。
加藤も、僕なんかを相手にせず、君と遊べばいいのにな。フフッ。」
[選択1-2]
(抗議する。)
「…。
………。
言っておくが、僕はおせっかいを焼いてくれなんて頼んでない。
それを身体で教えてやったまでだ。
…なんだい、その目は。
僕の足はこうなんだよ。
その僕をなぐろうなんていうのかい?
…。
…それに…、
いや、なんでもない。
そんなに悔しいなら、君もせいぜい彼女を僕に近づけないことだ。
僕もせいせいする。」
狩谷は、精霊の光を見ながら笑った。
「万物の精霊と契約を結んだか。
…光輝を背負うか。
…ふっ、面白くなってきた。」
「最低の幻獣より、人間の方がよっぽど人間に対してひどいことをしていると思わないかい?
…いや、なんでもない。」