[PC女性]
「わたくし、壬生屋 未央(みぶや みお)と申します。
わたくし、異性の方が少し苦手なので、その…ほっとしました。
今後ともよろしくお願いします。」
[PC男性]
「わたくし、壬生屋 未央(みぶや みお)と申します。
ふつつかものですが、どうぞ、よしなにお願いいたします。
わたくし、あまり殿方と話しませんから…。
変な喋り方になってなければ、よろしいのですけど。
…申し訳ありません。家が、古い道場ゆえ。
…。
…ああ…ええと…話が…続きませんね。
…困りました。」
「わたくし、根が不器用ゆえに、剣以外で戦うことは、苦手です。
真っ先に突っ込み、斬る。
それだけしか、芸はありませんから。
…なんとか長生きして、編み物の一つでも覚えたいと思っていますが、今の状況では望み薄でしょうね…。」
「…人と仲良くすると、いいことがありますね。
…いえ、この頃、わたくしはたくさんの人達から助けられているなあと思って…。
いろいろ、学びました。
ここに来なかったら、こうして笑っている自分も、貴方と話す自分もなかったでしょう。
色々な人と仲良くして、戦闘準備、戦闘…。
わたくし、このごろ、昔の哀しいことを考えるひまもありません。
色々なひとの影響を受けて提案や技が使えるようになる度、自分が昔と変わってしまったことを思います。…悪い意味じゃなくて…。
こうしているのが楽しくなって来ました。」
「…かびの生えた、話をします。
壬生屋の家…、
いえ、壬生の血は代々あしきゆめ…幻獣と戦う運命。血が呼び合う宿命。
幻獣が歴史に現れる1700年代より前、この国が勃興したその時より、幻獣と戦い、またこの国をあやかしより守りたるは私。
たかが20年、ただ一人の男によって組織されたあの一族。科学と火力で幻獣と戦う新参の芝村一族とは、格が違います。
衰え、私ひとりとなったとは言え、まだ武門として、戦う力がなくなったわけではありません。
とは言え、すでに神々と話す技も、万物の精霊を使役する力もなく、ただ剣の技に生きるのみ。
…祖父は、幻獣は、人の心に住む闇だと、そう申しておりました。
幻獣を倒すは、純粋なる心か、さもなくば、己の心を滅ぼすまでに強くなるか、二つに一つと。
…あなたには、古い宿命を感じます。
あなたは、失われた精霊を使う上古の御技を使うために、年老いた壬生の血に変わり、生まれたのかも知れません。」
「神も、人も、それどころか、自分達すら信用しない人々が居ます。神々をあざわらい、我らに祈れという、傲慢で強い族…賊。
急速に勃興し、幻獣と戦う、その一点でのみ行動し、燎原の灯のように勢力を広げ、この国の隅々まで威令を広める者達。
ウォードレス…
人型戦車…
そしてN.E.P.…。
この世界のものではない科学をもたらし、この世界の神秘を暴こうとするもの。
幻獣と戦いながら、幻獣派をかくまう。
彼らは、何を望んでいるのでしょう。
日本に、壬生の血に万物の精霊を使う力がないことを確認すると、遠くイタリヤから末裔を招き、ここに置く。
何をさせるでもなく、ただそこに置く。
いえ、ここに集められたこと自体に意味が…?
…昔日の力もなく、万物の精霊を使うことも、神々との会話もできない。
…わたくしには、わかりません。
わたくしが知ることはここまでです。
あとは、あなたがおやりなさい。
真実を、探しなさい。」
「…わたくし、和を乱すような方は好きではありません。
…え、いえ…あなたじゃなくて、芝村さん…ですよ?」
「わたくし、芝村さんのことはあまり好きになれません。あの無神経で堂々とした態度、なんて倣岸で破廉恥な。
この間など、私を見て、「ふむ、そなたの服をともかく言う者がいるが、気にせずによいぞ。私が許そう。」ですって…。
何様のつもりなのでしょうか!」
「…芝村のくさいにおいが、移ってませんか。
力と権力に魅せられた者は、腐敗しますよ。」
「…あなたから、邪悪な気配がします。
必要なら世界を敵に回す、邪悪な気配が。
身分相応という言葉を知りなさい。
こんな学校に居る落第生の学兵が、なにを世界の王のような目をするのです。
行き過ぎた自信は身を滅ぼしますよ!」
「わたくし、16になってしまいました。
少女と言うには、もう…無理があるかも。
ずいぶんと歳をとったような気がします。」
[選択1]
(そう?) / (それ言ったら20代はどうなるの?)
壬生屋はこちらの言うことを聞いてない。
「このまま歳をとってしまったら、わたくし困ります。」
[選択2]
(いや、あの。) / (具体的にどう困るんだ?)
壬生屋はこちらの言うことを聞いてない。
「とくに、もう半年もしないうちに、絶対、たくさん、競争相手…じゃない、…ええと、その、いろいろ困るんです。
特に長女で、一人娘で、道場育ちで、少し世間はずれで奥手でパイロットで、かわいいと思って貰えるといいなぁ、なんて…
そんな甘いことを考えている女なんて、若さで押し切るしかありません。
ええもう、絶対それしかありません。
私の祖母も、その奥義で成功しました。
剣術の真剣勝負における極意は先手必勝、相手が恐れおののくまで突撃しかありません。
わたくしの未熟さから考えて手はありません。
…とにかく、それは全然関係ありませんが、わたくし、あと1年も戦争が続いたら、行き遅れになってしまいます。
その時はわたくしを貰ってくださいましね。
約束ですよ。○○は、壬生屋 未央を貰い受けて、ずっと大切にすると。
…。(笑顔)
…。(普通顔?)
…。(うつむきモード)
…ええと、なんちゃって。
う、うそです。いくら浅はかなわたくしでも、そこまで軽率な行動は…行動は…。
…自爆です。」
「…。」
壬生屋は、黒い髪が膨らむほど怒っている。
「…お・う・ら・み・し・ま・す・からね。
呪いの木にある、あなたの藁人形に五寸釘が刺さって首がとれかかっていても、
それは我が不肖がおこした始末とお覚悟なさい。
…あやまるまで、…許しませんっ。
ちなみに、わたくしの怒りは時間と共に二乗で比例しますから、
最善の結果は速攻であやまる以外にありませんからね。」
「その人の感情や態度によって幸福、不機嫌などの状態が決まるんですよ。
幸福な人間は、提案を受け入れやすくて、不機嫌はその逆なんです。
これは提案やもっているアイテムによって変わりますから。よく人を観察して、だれかを不快にしないように注意してくださいね。」
「…私の兄は幻獣に手足をもぎとられて、綺麗に飾ってありました。
…幻獣は、敵です。
そして人と幻獣は絶対に相容れないでしょう。」
「最近、戦いが楽しくなっていませんか。
いえ、ただ、あなたの戦いぶりを見てそう思っただけです。
…。
私の身体の奥底で、あなたを見るたびに、震えるものがあります。
綺麗と思う心と、恐ろしいと思う心が。
…。
昔、壬生の一族で、あなたのようなひとがいました。
強すぎるゆえに力を求め、強すぎるゆえに敵をつくる。そんな方でした。
その強さはもはや人でなく、鬼とも神とも言い、いつも戦うとき、笑っていたといいます。
ただ一人で、世界を敵に廻すと…。
…結局、私の祖先にして、その方の許婚が、その方を殺害し、世を平穏に戻しました。
その方とその方を殺した許婚の末裔が、我ら。
限界のない武が行き着く先は、どこにも…、この世のどこにもありませんからね。
…どうか遠くに行かないでくださいまし。
わたくし達の近くで、人として生をまっとうなさいまし。それが人の分というものです。」
「雰囲気が、変わりましたね。
私には見えませんが、万物の精霊…直接その力を使えぬ彼らに成り代わり、おそらくはその手となることを契約したのでしょう。
…遠くに、行かれましたね。
誰もたどり着かない所に。
…士魂号であれば、万物の精霊を使うことが出来ましょう。
あなたのその力は…、
…それは、
この国にとっては、喜ぶことでしょう。
でも、あなたのクラスメイトとしては、少し、…哀しく思います。
その力を持つということは、この惑星の代理として、人として生きるを捨てたこと。
あなたに、もう二度と平穏は来ないでしょう。
それが、万物の精霊を使う手の宿命。
戦い終われば、次の世界へ渡る運命。
光あれば闇あるように、あなたが居るからには、最強の幻獣が居るはずです。
それは、あなたと同じ力を持つはず。
お探しなさい。最強の幻獣を」
「…死にたくないと、醜く私が泣き叫べば…
それでも、私を許してくれますか。」
[選択1]
(許す。) / (待ってろ! すぐ行く!)
「…痛いから…醜いのではなくて…
あなたが…他の人と仲良く歩くかもしれないから、死にたくないのでしょうね。
…。
…死にたく…ありません…。
…死にたく…あり…
…いや…いや…っ。
…。」