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本論文は、2001年春からの約1年半を中心とする、日本、欧州3ヵ国、のべ10地域への実地踏査、300名以上の産官学民関係者との接触および、その他の地域を含む資料・文献分析にもとづく成果である。21世紀の地域の持続的成長のために、そして、より自由で民主的な参加の制度の存立のために、独自の政策科学的アプローチを追求し、地域の価値となる政策提言を目指すものである。
調査研究の過程で、たくさんの方々にお世話になった。まず私自身もその一員であるINS(岩手ネットワークシステム)の方々に感謝を贈りたい。佐藤利雄氏、小山康文氏の温かいご指導と励ましがなければ、今回の成果はなかっただろう。多くの方のお名前を上げたいが、余りにもたくさんの数に上るため、お2人を代表としてお許しいただきたい。
石川県では奇遇にも、知己であった鈴木良次教授と再会することができ、心温まる歓待と激励をいただいた。15年前に先生とお会いしなければ、N.ウィーナーの『発明』を読んで、科学者の視点からの技術移転論に興味を抱くこともなかったかもしれない。鈴木先生と初めてお会いした当時は、まさに今日に至る産学連携の動向が、徐々に動き始めた頃だった。結果的にみれば、本論文はこの15年間の過程を辿るものとなった。
大学院での指導教官である岡本義行教授には、際限なく発散しつづけて取り留めのない研究過程に、辛抱強くお付き合いいただいた。岡本先生の大らかな励ましなしに本論文はまとまりえなかった。ヨーロッパへの文部科学省科研費研究プロジェクト調査へ同行する機会をいただいたことが、本研究のテーマへ私を導く契機となった。原田誠司、小門裕幸、山本健兒の各先生には、各国各地域の地域経済の違い、企業家精神の違い、制度の違いについて多大な示唆をいただいた。相田利雄先生には中小企業の重要さを、増田正人先生には国際貿易のなかでのグローバルな政治構造を、絵所秀紀先生には政策ツールとしての経済学の可能性を、また岡本先生からは組織の経済学という刺激的な分野について、手ほどきをいただいた。諏訪康雄先生、堀川三郎先生、日本大学大学院のマイルズ・ドッド先生には、悩み苦しんでいる時に的確なヒントをいただいた。また時を同じくして学位論文に取り組む2人の友人、アナ・コロヴィック、松本敦則の両氏とは、日本と欧米の地域について議論し、苦しみや喜びを分かち合い、良い刺激を与え合った。これらの方々の肩の上に乗って本論文があることを、ここに記しておきたい。
2003年1月田柳恵美子
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