■名古屋本線、特急列車のバラエティー(1977年から30年間の動き)

19.11.06更新

名鉄の指定席特急(含む一部指定席)を扱った当展示室は碧電開業時から公開していますが、その後、「北アルプス」の廃止、8500系の会津鉄道譲渡、8800系の引退、2000系、2200系のデビューなどの話題がありました。2007.8に古くなった記述を修正しましたが、このページについては更新を打ち止めとし、以降のできごとについては機会を改めます。

(注) 拡大画像はJava Scriptを使用しています。セキュリティーの設定次第では正常に動作しないことがあります。

三河線直通特急
7700系8連特急豊田市・碧南行き

7700系は白帯化前から特急車両であったことは忘れてはなりません。サボが黄色地ではないため、一般特急かと思われましたが、右上に小さく書かれた行き先から座席指定「碧南・豊田市」と判断しました。

写真:山崎俊様

白帯の77+P4
白帯同士の7700系+7000系による特急

1982年に登場した白帯車。7700系は全車2連化の上、白帯車となりました。中にはパノラマカー4連を併結して6連で快走する列車もありました。

5500系も座席特急に
77.3改正以降も5500系の「座席特急」は健在。

パノラマカーのような展望車の前に他の形式が併結されるのは名鉄ならではでした。この当時でも「いくらでも見られる」ものではなく、友人共々「あっ!」と声を上げてカメラを向けたことを覚えています。

1000系4×2全特特急
1000系4連×2による全車特別車特急

7000系の白帯車が登場した1982年当時、通勤輸送で混雑する列車は4×2の8連でした。1000系に変わったあとも2本併結がありました。
 しかし、2007.6.29ダイヤ改正以降、全車特別車の1000系は廃車が始まりました。

デビュー間もない頃の2200系
デビュー当時は平日の朝1往復のみしか見られなかった2200系

2005.1.29ダイヤ改正では5500系や8800系が姿を消し、三河地方では新型車の恩恵が薄いという寂しいものとなりました。同改正でデビューした2200系は当初平日の朝1往復のみ本線東部へ姿を見せていました。

1600系6連初詣特急
正月ダイヤで豊川稲荷特急に使用される1600系6連

8800系2本併結であった西尾線からの直通列車285レは05.1.29の改正で1600系6連になりました。多客時には空港快速特急や豊川初詣特急で6連が見られました。

●7700系8連の撮影年について

撮影日が不明であった7700系8連の特急ですが、山崎さんに調べてもらったところ、あいにく山崎さんのアルバムにも記載がないそうです。しかし、前後の写真がいずれも1980年であることから、同年の撮影と思われることと、ナポレオンの絵入り サボは当時犬山モンキーパークで開催されていた「フランス博」に因んだものではないかとのコメントをいただきました。

2階級指定席特急
8800系パノラマDX+7000系白帯

パノラマデラックス、8800系は当初神宮前以東の名古屋本線では通常見られませんでした。最初の初詣ダイヤのとき、7000系指定席仕様車と組んで豊橋や豊川稲荷まで乗り入れました。恰好の写材でしたが、撮っている人をあまり見かけませんでした。

キハ8000系8連
稲穂が色づく「日本のデンマーク」を快走するキハ8000系

キハ8000系は平日と休日でダイヤが異なりましたが、6連から8連で早朝、豊橋まで1往復していました。通勤列車のため、連日「座席券」を押さえて毎日通勤に利用した方も多いと聞きます。

キハ8500系も碧海へ
北アルプスの前にアルバイトで東岡崎まで往復したキハ8500系

キハ8000系の後継車、キハ8500系も一時期ではありましたが、東岡崎まで乗り入れ、碧海エリアに足跡を残しています。キハ8000系が8連で壮観であったのに対し、3連では拍子抜けでした。

5300系+1000系
一部指定席特急の一般席車として運用される5300系

JR東海道線の快速、新快速の充実により、名鉄は新岐阜−豊橋の特急を指定席と自由席の混結としました。当初は2本の併結で、非貫通となるため、車掌業務の不都合が生じました。中には指定席4両、自由席2両の列車があり、自由席はすし詰めだったと言います。

白帯P4+DX2
8800系を後ろに従えた7000系白帯車

1本の列車ですが、DXにはデラックス料金(500円)が適用され、白帯車とは差別化が図られていました。それぞれの乗車率はどうだったのでしょうか。

ブルーライナー
1000系ブルーライナー+1000系標準色の8連

今は思い出となったブルーライナー塗装の1000系です。名鉄創業100周年記念事業で登場しました。青い名鉄特急には驚かされましたが、この10年後には再び青い名鉄特急が登場することになります。

●座席券売りの駅員さん

名鉄の特急は原則として指定席車(現「特別車」)が連結されています。かつては支線でも乱発され、「なまず」などの旧型車からパノラマカーやキハ8000系まで種別上は同格であったわけです。その「特急」が指定席列車に限られるようになったのは1977.3のダイヤ改正のことです。
 当時の名鉄では「指定」という2文字が省略され、案内放送でも「今度の5番線は新岐阜行きの座席特急でございます。座席券はお一人様200円です。ホームの係員からお求め下さい。」という具合でした。「座席特急」などというと座席のない特急でもあるのか?と思わせる、考えてみれば妙な通称ですが、指定席と言っても一部の混雑列車を除いて号車指定の座席定員制というのが実体でしたので、「座席指定」という呼称には遠慮があった(?)のかも知れません。
 特急の到着が近づくと、知立駅のホームではかばんを前にぶら下げた年輩の駅員さんが「とっきゅ〜う。新岐阜行きのとっきゅ〜う。」と「座席券」を売り歩く姿が見られましたが、日中は全く売れない列車も少なくなく、子供心にいつも「かわいそうなおじさんだな。」と思っていました。

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