オーディオ日記 第49章 終わりの始まり(その14)2020年5月29日


TOP Audio Topics DIARY PROFILE LINK 掲示板

振動板素材妄想編:瓢箪から駒が出るか?

デジタルトランスポートを追いかけながらも、スピーカー周りのセッティングは極めて大事大事なので疎かにすることは出来ない。まして異なるユニット構成で二種類の4wayを組んでいるので日々の切磋琢磨無くして究極のマイベストサウンド?に至ることなど叶わぬであろうと精進(単なる暇つぶし)を続けている。

さてそんな日々の中で、このところ セラミックドームユニット (Accuton C51)の音が徐々に練れてきたようにも感じている。振動板自体は硬質セラミックという素材なのでこれがエージングされてきたということは考え難いのであるが、確かに音の出方に変化がある。測定してみても僅かではあるがその差が読み取れる。もしかしたらではあるが、振動板周囲のエッジ部分のエージングによる効果なのかも? 導入当初は800~1250Hz辺りのレスポンスが弱くてクロスオーバー周波数を想定(800~1000Hz位)ほどには下げられなかったのだが、この辺りのレスポンスが改善されつつあるようなのだ。同時に高域方向にも2.5KHz以上に少し盛り上がりが見られたのだがそれも影を潜めつつある。導入当初は少々やんちゃな部分もあったのだが音のチャーミングさをそのままに大分素直になってきたと云えるのかもしれない。

既に導入して一年と数ヶ月経過しているユニットなので、これはそこそこには鳴らし続けていることの効果なのだろうか。一般論的にはスピーカーユニットはこの程度では経年変化的な劣化はしないので、まぁ良い方向だろうと考えよう。この変化を受けて中高域用として現在は250Hzほど下げて当初の目論みに近い1000~4000Hzを受け持たせているのだが、僅か250Hzと云うなかれこれが案外とイケてる感じである。特に送り出し側となる最近のSymphonic-MPD(V1.0.3)は本当に繊細で素敵な高域方向の表現をしてくれるので、これに良くマッチしているのではないかと思う。4KHz以上はScanspeakの ベリリゥムツィータ に担当させているが、やはり中高域、高域この二つのユニットの溶け合いと音のマッチングが重要で如何にして透明で漂うような感触を出せるか、ということに腐心してきた。それが少しづつではあるが望む方向に沿うようになってきたのかもと思う。

スピーカーユニットの振動板の素材が音に与える影響は間違いなく確かなものであるが、出てきた音でその性格をちゃんと把握し判断する事はまた難しくもある。古くからあるペーパーコーンの音の良さは決して否定できないし、現代的なスピーカーシステムに搭載されている新しい複合的な振動板素材にも目を(耳を?)見張るものがある。超高価なダイヤモンド振動板ユニットの音の良さはやはり比類がないといつ聴いてもそう納得させられてしまう。価格を度外視できれば是非とも使いたいのだが、、、

次点で考えればベリリゥムか。かっての日本オーディオ全盛の時にはヤマハやパイオニアなどベリリゥムのユニットを積極的に使っていたこともあったが、今はFocalやScanspeakなど限られたメーカーがユニットを供給している時代となってしまった。スピーカーシステムとして搭載されているのはFocal、MagicoやTAD、Paradigmなどが代表的か。

Paradigm と云えば、ミッドレンジユニットにもベリリゥム振動板を搭載している点が非常にユニークで、このサイズの振動板がベリリゥムで作れることに驚く。浅学にしてParadigmの当該スピーカーを未だ聴く機会には恵まれていないので(コロナ禍の収束に合わせて)是非一聴したいとも考えている。また併せての妄想であるが、Scanspeakあたりでベリリゥム搭載のミッドレンジユニット(口径50mm~120mm位で良いので)を作ってくれぬものかと考えてしまう。まぁあまりそれに固執してせっかく良い感じとなってきた我が家のセラミックドームが臍を曲げてしまっても大いに困る訳だが。

ベリリゥム+セラミックの現状の組み合わせを決して否定するものではないが、やはりベリリゥム+ベリリゥムで試してみたいな~と広がる妄想を押し留める事はできない。これならば Accutonのダイヤモンド +ダイヤモンドという構成(こちらはもう価格的には当方には非現実的なので)に対する夢想も断念できるかもしれない、、、

現状の4way構成のクロスオーバー周波数は冒頭述べたようなセラミックドームの変化に合わせて若干見直しを行って、 FPS をMid Lowに使う構成では400Hz、1000Hz、4000Hzとして試している。全体として案外と纏まりが良く実のところかなり気に入ってしまっている。

さて、そこで次の課題となるのはSony SUP-T11というホーンドライバーを使う場合のクロスオーバー周波数設定である。こちらは 従来1600Hz 、時に1400HzというところでMid Highのセラミックドームと繋いでいるのだが、これをFPS構成と同じ様に1000Hzまで下げたら一体どういう音になるか?

ホーンの口径 が40cmとやや小さいのでFPSと同じ400Hzからスタートとすることは無理。頑張って500~1000Hzであろう。だが、4インチダイヤフラムを持つこのドライバーをこんな周波数レンジで使って良いのか? まず疑問が頭をもたげる。確かに非常識かも、、、だが、音楽を形成する非常に重要な周波数帯域は実はそれほど高いところまでではなく、仮説ではあるが音の実体感や密度感は1000Hzくらいまでが左右するのではないか? 実際、人間の耳には1000Hzのサイン波は随分と高い音にも聴こえる。FPSの構成で好結果が出たからと云って「柳の下に泥鰌は二匹いない」といういのが世の常。だがしかし、やってみねば結果は判らない。現状ベリリウムのミッドレンジをユニット単体での購入はできないのだし、Accutonのダイヤモンドも無理。となれば駄目元でやるだけやってみようじゃないか!

SONY SUP-T11とAccuton C51-6-286:
Sony SUP-T11 Accuton C51-6-286


                 4wayFPS構成の設定備忘録(2020年5月27日更新)設定値
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
FPS
2030M3P1R
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+7) 90 (0) 93 (+3) 93 (+3)
定格値
DF-65の
出力設定
dB -1.8 +1.2 +1.2 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -5.0 -6.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -3.0 -3.0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 86.2 82.2 79.2 80.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

400
400

1000
1000

2800
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -0.0 +18.0 +28.5 +32.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない


                 4way SUP-T11構成の設定備忘録(2020年5月27日更新)設定値
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -11.0* -2.0 +4.0
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -5.0 -3.0 -6.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 86.2 84.0 79.0 80.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1000
1000

2800
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-24 24-24 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm 0.0 -36.0 +28.5 +32.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

next index back top