#300 スマートフォンと遊ぶ(補遺編)

2009/08/28

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 というわけで、アドエスも利用開始から1年が経過したので、今回は総括として、これまで書いてきたことの補足やその後の進展、書ききれなかった細かいことについて書くことにしたい。

 移行編で触れた電話帳の移植は、その後電話帳のデータをCSVにインポート・エクスポートできるソフトを見つけたので、簡単なPerlのスクリプトを書いて、既存の住所録のデータ変換してマージし「連絡先」に反映することに成功した。ここの住所データに入れた情報は、Google Mobile Mapを使って簡単に場所検索できるし、逆にGoogle Mobile Mapで検索した施設・店舗の情報を簡単に連絡帳に登録したりできる。

 設定編のところに書いたデータの入力については、QWERTYキーボードも確かに使いやすいのだが、テンキーでの所謂ポケベル打ちも覚え始めた。考えてみれば、日本語のひらがなを入力する際は、ほとんどの文字は子音と母音の組み合わせなので2回文字を押さなければならないわけなので、QWERTY方式に比べて著しく打鍵数が増えるわけでもない。

 更にctrlswapminiというソフトを使って設定ファイルを書き換えると、ひらがなやローマ字や数字はもちろん、記号や文字列の操作(カット・コピー・ペースト)までテンキーで入力できるようになった。これにより、例えば予定表への入力や短いメールなどは、ほとんどQWERTYキーボードに頼らなくても、そこそこの速度で入力できるようになった。もちろん、大量のテキスト入力が必要な時は、接続編で紹介した折りたたみキーボードを接続して、パソコン並みの速度で入力している。

 保存編を書いた時には、2GbyteのmicroSDにデータを吟味して入れていたが、その後8GbyteのmicroSDHCを購入し、ドライバをインストールしてアドエスで使えるようにした。容量が大きくなったことで、辞書データや動画データなども保存できるようになり、アドエス一つあれば済んでしまうシーンというのがますます増えた。

 その他、通勤編で紹介したNextTrainのほかにデスクトップ画面(Today画面)に表示しているソフトとして、CPUの負荷率を常時表示してくれるCPUMonitorMiniや、TODAY画面に表示されたフォームにキーワードを入力して検索とするだけで、ネットに接続して登録した検索サイトを開いて検索結果を表示してくれるQuicTodayや、「予定表」や「仕事」に書かれた内容のうち、直近のものを表示してくれるTodayAgenda、指定された場所でのその日の日の出日の入り、月の出月の入りの時刻やおよその月齢を表示してくれるSun'n'Moonなどのソフトを導入している。最近ではToday画面上での細かい操作を指だけでできるよう、右手親指の爪の一部を尖らせるなど、自分自身までアドエス用にカスタマイズしていたりする。

 以上、10回にも渡り、スマートフォンとしてのアドエスの導入から活用について書き連ねてきてたが、改めて思うのは、スマートフォンというのは育ててナンボという機械だなと思う。買ってきたままではなかなか使い勝手が悪かったり、機能が乏しかったりで、なかなか手に馴染まないところもあるが、情報を集めて、必要なソフトをインストールしたり、細かい設定をいじることによって、どんどんと自分好みの環境に近づいてくる。そして、そうやって手間隙をかけることそのものに喜びを感じられるような人には、かけた手間隙に見合う便利さや楽しみを与えてくれる機械だと思う。これから先まだまだより高機能で便利な機械が登場してくるとは思うが、今しばらくは、この育て甲斐のある機械を愛用していくことになるのだと思う。


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