#293 スマートフォンと遊ぶ(移行編)

2009/01/27

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 というわけで、久しぶりに持つ携帯電話であるが、まずは電話帳や予定表などの、基本的なデータを移行するところから始めたい。

 電話帳のデータそのものは、かつて個人の携帯電話を持っていたころの電話帳を脈々と継ぎ足し編集しながら今も持っている。かつてはこれら電話帳のデータも電話の製造メーカーごとにてんでばらばらだったのだが、最近では比較的統一されたものになり、外部メモリーカードにバックアップを取ることも可能になっている。

 このように統一された電話番号データを赤外線通信という便利な方法で転送することができるような機能も、最近の携帯電話にはあたりまえについている。この機能はW-ZERO3には長らくついていなかったのであるが、私の買ったアドエスからはようやくこの機能がついた。

 ということで、以前の携帯電話からアドエスに電話帳の転送を試みる。赤外線転送は便利なようだが、一人でやろうと思うと結構骨が折れる。赤外線の通信部分が、携帯電話の方が天頂部にあるのに対し、アドエスの方は本体の裏面中央部に位置する。そのため、手を離した状態で両方を近づけるのが難しく、両方の手で支えながら通信をしなくてはならない。

 通信するためには、携帯電話の方からデータを送信の準備をしなくてはならないが、全データを一度に送ろうとすると、パスワードの入力を求められたりするなど、いちいち面倒臭い。片方の手でアドエスを固定しながら、片方の手で携帯電話を操作し、どうにかこうにか全データを送信することができた。

 アドエスの電話帳は正確には「連絡先」という名前がついていて、中身を見ると、電話番号やメールアドレスのほか、住所や勤務先や部署名から、果ては秘書や配偶者や子供の名前まで入れる欄があるのだが、そんなデータはほとんど使わない。

 その割に、グループによるサブセットの表示には対応していないようで、携帯電話の方で15ぐらいのグループに分類していたアドレス帳は、アドエスに移すと読み仮名順にずらっと並ぶことになる。

 なんとかその辺のデータがうまく入らないかどうか、何回か赤外線転送を試みたのであるが、恐ろしいことに、アドエスの電話帳は携帯電話から全データを転送しても、上書きせずに追加していくようで、気がつくと、同じデータが3つずつ入った「連絡先」ができあがってしまった。しかもこの電話帳をデータを全消去する方法がマニュアルにも書かれていない。

 電話帳の移行には、上記のような赤外線による転送のほかに、ファイルから変換して導入するフリーソフトもあるらしい。携帯電話からバックアップを取った電話帳データはVCard形式という多レコード保存型のテキストファイルになっているようである。もちろん人間が直接編集するには骨が折れるが、中身を見ればわかる形式になっているので、ちょっとした置換などを施すことはできる。

 そんなわけで、電話帳を移行するツールと電話帳データを本体にコピーし、早速実行してみる。こちらの方は既存の電話帳を上書きしてくれるので、三重登録されたみっともない電話帳も綺麗になった。とりあえずはこんなところで、そのうちに既存の住所録等を変換して、まともな「連絡先」データベースとして使えるようにしたいところである。

 その他「予定表」などのデータも移行の必要があるが、こちらの方は大して件数もないので、入力の練習も兼ねて一つずつ新たに入力してもさほどの手間ではない。なんとか電話機としての必要なデータを入れたところで、いよいよ本格的な利用のための設定を始める。


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