#298 スマートフォンと遊ぶ(接続編)

2009/06/21

<前目次次>


 スマートフォンはそれ単独でもネットに繋いだりメールを送受信したりすることができて、なかなか使いでがあるのだが、様々な周辺機器と物理的に接続して使うと、更にいろいろなことができるようになる。

 まず本体の左側横には、USBのminiBコネクタがある。これにより、USB接続できる機器を様々接続することができる。適当な変換ケーブルを使えば、USBメモリを繋いでデータをやりとりすることが可能なほか、筆者の環境では、USB接続できる小型のSDカードアダプタを接続することもできた。これにより、たとえば他人のデジカメのデータなど、SDカードをちょっと拝借して、データをコピーさせてもらうことも可能である。

 また、USB接続できるキーボードを接続し、実際に文字入力することも可能である。アドエス自体もフルキーボードを持っているとは言え、さすがにその大きさ故に、パソコンのキーボードで入力するほどには高速な入力を行うことはできないのだが、外付けキーボードを接続することで、現在最も文字入力が早いデスクトップパソコンと遜色ない速度で文字入力が可能になる。私はこのアドエス用に折りたたみ式のミニキーボードを携帯して、長文の入力が必要な時に活用している。

 そのほか、USB接続でBluetooth・GPS・ワンセグなどを利用可能になる周辺機器も存在する。これらを使うことで、アドエスの可能性は更に大きくなる。

 ただしどんなUSB機器でも接続できるわけではなく、供給電圧の関係で認識できないデバイスも多々あるようで、筆者のmp3プレーヤ(USB接続)などは認識されなかった。一方、ポータブルHDDなどの場合は、給電用USBアダプタを使って別途コンセントから電力を供給することで、認識することは可能である。

 上記はアドエスを「主」とした接続だが、これとは別に「従」としてパソコンのUSBポートに繋ぐことも可能である。

 標準でサポートされている方法としては、ActiveSyncというものがある。これはUSB接続することにより、PCとアドエスとの間でファイルの交換ができたり、連絡先などのデータをパソコンのOutlookExpressと同期したりすることができるものである。ただし、これらのデータを同期するにはOutlookExpressの利用が前提になっているし、同期の設定を誤ると同期することでアドエスの方の連絡先のデータを全部消去してしまうこともあるので注意が必要である。

 これとは別に、WM5torageというツールを用いれば、USB接続ケーブルでPCに接続することで、アドエスに挿したmicroSDをドライブとして認識してくれる。ドライブとして認識するので、データのバックアップや直接編集が容易にできるなど、こちらの接続の方が使い勝手が良い。ただし、通信速度はそれほど速くないので、大量のデータをやりとりするなら、microSDを取り外して、前述の小型SDカードアダプタを使ってやった方が早い。また、内蔵メモリ内のファイルにはアクセスできないし、長時間接続していると電池の消耗が早いようである。(ActiveSyncの場合は設定により接続と同時に給電が可能になっている。)

 とまあ、PCとの接続にはそれぞれ一長一短あるのだが、最近はActiveSyncによる接続に新たな価値を見いだし、比較的よく使用している。というのは、ActiveSyncを繋いだPCがネットに繋がっていると、そのネットワークを使ったアドエスでもネットワーク接続が可能になるからである。この機能を「デスクトップパススルー」と言うらしいが、これによりネット接続すると、パケット通信や無線LAN通信よりも高速かつ安定したネット接続が可能になる。インターネット接続に関して特別な料金プランを選択していない私にとってはありがたい機能なので、近頃はこの機能を利用して、週間天気やTV番組情報をダウンロードしたり、タイムサーバに接続して内部時計の時刻あわせをするなど、結構便利に使っている。

 適宜PCなどと接続してデータを共有・取得することにより、携帯電話という常に持ち歩くデバイスでデータを参照・加工できるのは、スマートフォンならではの強力な利点であると思う。


<前目次次>