2015年7月の映画  戻る


人生スイッチ Relatos 
2014年 122分 アルゼンチン/スペイン
監督・脚本 ダミアン・ジフロン
撮影 ハビエル・フリア
音楽 ダスターボ・サンタオラヤ
キャスト ダリオ・グランディネッティ(音楽評論家サルガード)/リタ・コルテセ(料理人)/フリエタ・シルベルベルグ(ウェイトレス)/レオナルド・スバラーリャ(運転手ディエゴ)/リカルド・ダリン(ボンバー職人シモン「瞳の奥の秘密」) /オスカル・マルティネス(金持ちの父モーリシオ)/ディエゴ・べラスケス(検察官)/オスマルヌニェス(弁護士)/エリカ・リバス(花嫁ロミーナ)
メモ 2015.7.25(土) シネ・リーブル梅田
あらすじ
<第一話「おかえし」>飛行機が離陸する。中年の男が美女に話かける。「お仕事ですか?」「モデルなの」「美人のはずだ」「・・・あなたのお仕事は?」「音楽評論家です。」「あたしの初恋の人は作曲していたわ」・・・
<第二話「おもてなし」>豪雨の中レストランにやってきた中年の男。男は知らないがウエイトレスは気づく。親の仇だと。
<第三話「エンスト」>人里離れた砂漠のハイウェイを調子よく飛ばしている中年の男。前のおんぼろ車が邪魔して追い越させてくれない。やっと追い越せて中指を突き立てる。おんぼろ車に乗っていたのは下卑た中年男だった。
<第四話「ヒーローになるために」>爆弾を仕掛けビルを崩壊させるのが仕事の中年男。男の仕事をやり終えて娘の誕生日のケーキを買っていたら、駐禁でレッカー車に移動された。車を取り戻している内に渋滞に巻き込まれ、誕生日会には遅れハッピーバースディ♪は終わった後。
<第五話「愚息」>大金持ちの家に帰ってきた不肖の息子。泣きながら親に訴える。酔っ払って誰かを轢いたみたい。
<第六話「死が二人をわかつまで」>結婚式。激しく踊る新郎新婦と友達たち。両家の両親、来賓みんな楽しそうだ。そこで異質な髪の長い美女と新郎が話をしているのを目撃した新婦。目をすがめる。あのふたりはあやしい。
感想
全編復讐の話やねんけど、タガが外れてめちゃめちゃ。すごいわ。 野生! またみんなよ〜回る口やねん。日本の映画「バカヤロー!」をより過激に命知らずにしてある。
第一話「おかえし」はコンパクトにまとめられてあり、つかみにふさわしい。
第二話のふとった料理人の「世直し」のセリフ、第三話の「激突!」とはまた違ってとことんやる野獣。第四話の逆手にとった計画、第五話の悲劇の中の喜劇、そして悲劇。第六話の復讐の花嫁が鬼気迫る。
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サイレント・パートナー THE SILENT PARTNER
1978年 103分 カナダ/米国
監督 ダリル・デューク
原作 アンダース・ボデルソン
脚本 カーティス・ハンソン
撮影 イリー・ウィリアムズ
音楽 オスカー・ピーターソン
キャスト エリオット・グールド(銀行員マイルズ・カレン)/クリフトファー・プラマー(強盗犯ハリー・レイクル)/スザンナ・ヨーク(ジュリー)
メモ 2015.7.18(土) レンタルDVD
あらすじ
頃はクリスマスシーズン。デパートに併設した銀行の支店の出納係マイルズは、ひょんな事から銀行強盗を察知する。犯人は事もあろうに真っ赤な服を着て白いひげを生やしたサンタだ。今までお札は目の前を行き来するだけだったが、もしかして絶好のチャンスやないのと行員マイルズは強盗の上前を掠め取る。しかし強盗は黙っていなかった。強奪した金やのに「俺の金、俺の金」とマイルズに強く執着し追い詰め脅す。
感想
面白かった! この映画好み。
にっちもさっちもいかなくなってバンザイした銀行員のマイルズ(エリオット・グールド)が「金を渡すから銀行の支店に来い。」と強盗のハリー(クリストファー・プラマー)に告げる。ハリーがたまげる変装をしてやってくるクライマックスが絶品。ハリーさん、おみそれいたしました。
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予告犯
20158年 119分 日本
監督 中村義洋(「フィッシュストーリー」「アヒルと鴨のコインロッカー」
原作 筒井哲也 『予告犯』(集英社)
脚本 林民夫
撮影 相馬大輔
編集 松竹利郎
出演 生田斗真(奥田宏明(ゲイツ))/鈴木亮平(葛西智彦(カンサイ))/濱田岳(木村浩一(ノビタ))/荒川良々(寺原慎一(メタボ))/福山康平(ヒョロ)/戸田恵梨香(刑事・吉野絵里香)
メモ 2015.7.11(土) TOHOシネマズ梅田
あらすじ
新聞紙をかぶった男がネットに現れ悪へ罰を与えることを予告する。予告通り制裁は行われ世間は大騒ぎとなる。
これは天誅なのかテロなのか。
予告と制裁はさらに続き世は犯人を「シンブンシ」とよぶ。警察も手をこまねいてはいない。警視庁サイバー犯罪対策課が「シンブンシ」を追う。
感想
コミック「予告犯」の映画化
記憶がアルツやねんけど、原作通りで緊張感がありコンパクトにまとまっている。男が女に変わったりもしていない。逃げるゲイツと追う吉野刑事の長いシーンもよかった。
吉野刑事(戸田恵梨香)のぴりぴりした姿もいいねんけど、メタボ(荒川良々)とノビタ(メガネ)(濱田岳)は原作と若干異なる役者さんのはずやのに、うまい。特に濱田岳さん。「フィッシュストーリー」や「アヒルと鴨のコインロッカー」も見ているはずやねんけど、こんな目の動きやささいな表情の変化ができる人とは思ってなかった。おみそれいたしました。
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チャイルド44 森に消えた子どもたち CHILD44
2015年 137分 米国
監督 ダニエル・エスピノーサ
原作 トム・ロブ・スミス「チャイルド44」
脚本 リチャード・プライス
撮影 オリヴァー・ウッド
音楽 ヨン・エクストランド
キャスト トム・ハーディ(レオ・デミドフ)/ファレス・ファレス(レオの同僚アレクセイ)/ノオミ・ラパス(レオの妻ライーサ・デミドワ)/ジョエル・キナマン(レオのライバル・ワシーリー)ワシーリー)/ニコライ・リー・コス(教師イワン「「真夜中のゆりかご」)/パディ・コンシダイン(出張する男ウラジミール「ボーン・アルティメイタム(記者)」「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと(お父さん)」 )/ジェイソン・クラーク(獣医ブロツキー「猿の惑星:新世紀(ライジング)」)/ヴァンサン・カッセル(クズミン少佐)/チャールズ・ダンス(レオの後任の上司)
メモ 2015.7.4(土) 大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
ソ連が農業国から工業国への転換のための大混乱で起こったウクライナ地方の大飢饉の時に助けられ養父母に育てられたレオは、第二次大戦ベルリン陥落の英雄となり1953年には秘密警察MGBで反共を狩っていた。そんな日戦友で同僚のアレクセイの息子が死体で発見される。レオの名づけ子だ。切り傷があるが、「楽園に犯罪は存在しない」スターリン主義のため事故と処理される。レオが調べると同じような子供の事故が起こっていた。
感想
トム・ロブ・スミス「チャイルド44」の映画化。たぶん 「市民X−チカチーロ−」と同じ題材。
粛清の嵐のスターリン独裁政権下、何も口にできない重苦しい息の詰まるような駆け引きの日常が描かれていた。はしょってあっても原作にかなり忠実なんやけど何しろ137分やから、本を読んでいる方がわかりやすいと思う。
「ミレニアム」のノオミ・ラパスがレオの妻なんはどうかな、もっと可憐で美人じゃと思ってたんやけど、あれだけドロンコにならなあかんからきれいなだけやと無理やね。映画は肉弾戦です。
豪華競演で最後にチャールズ・ダンスまで表れたのにびっくり。最近見た「特捜部Q−檻の中の女」のカール(ニコライ・リー・コス)が教師のイワンで、アサド(ファレス・ファレス)がレオの同僚アレクセイやった。本は映画につながり、映画と映画はつながるんやね。
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