2012年4月の映画  戻る


捜査官X 武侠
2012年 香港 115分
監督 ピーター・チャン(「君さえいれば/金枝玉葉」「月夜の願い」)
脚本 オーブリー・ラム
撮影 ジェイク・ポロック/ライ・イウファイ
美術 イー・チュンマン
キャスト ドニー・イェン(ジンシー 紙職人)/金城武(捜査官シュウ)/ジミー・ウォング/タン・ウェイ(「ラスト、コーション」)
メモ 2012.4.30(月)大阪ステーションシネマ
あらすじ
静かな山村に見知らぬ男ふたりがやってくる。悪い奴らは、両替屋で強盗を働くが、偶然居合わせた紙職人がなんだかやっつけた事になってしまう。強盗は札付きのお尋ね者やったんで、紙職人は村を救った英雄だ。紙職人は、実直そうでおとなしく、「ただわけもわからず必死で犯人の腰にしがみついていただけ」と捜査官(金城武)に話す。
感想
大阪アジアン映画祭のクロージング作品。日曜日の夕方からの上映で見に行けなかった映画が、やっと見れた。
が、、、、ウチにはこの映画を語る資格は、ほとんど無いように思う。
ミステリというよりは、格闘技の映画であった。ドニー・イェンとジミー・ウォングのタイマンが見所とか。
終始「そっとしといたりいや」という思いがよぎる。金城くんはちょっと「スリーピー・ホロウ」のジョニー・デップみたいやねんけど、ジョニデとは違い「情と法」のふたつに気持ちが揺れ苦しみ、結果分身まで現れる始末。ミステリやったりカンフーやったり脳内映像が現れたりの盛りだくさんの内容やねん。
激流、静かな川、水桶と水が強弱使われていて、そんなこんなの映像がとても凝ってる。しっとりしている(アジアンだぁ)。
お薦め度★★★1/2戻る

ドライヴ DRIVE
カンヌ映画祭監督賞
2011年 米国 100分
監督 ニコラス・ウィンディング・レフン
原作 ジェイムズ・サリス
脚本 ホセイン・アミニ
撮影 ニュートン・トーマス・サイジェル
キャスト ライアン・ゴズリング(ドライバー「きみに読む物語」 「ステイ」 「ラースと、その彼女」 )/キャリー・マリガン(隣人アイリーン「わたしを離さないで」)/ブライアン・クランストン(ドライバーの相棒・シャノン)/アルバート・ブルックス(元映画のプロデューサー・バーニー・ローズ)/クリスティナ・ヘンドリックス(ストリッパー・ブランチ)/ロン・パールマン(アルバートの相棒・ニーノ)/オスカー・アイザック(アイリーンの夫・スタンダード)
メモ 2012.4.20(金)梅田ブルク7
あらすじ
どこからかふらっとやって来て、この街に住み着いた”ドライバー”は、小さな自動車修理工場に勤めている。仕事があれば映画のスタントマンをし、夜は犯罪者の「逃がし屋」家業をしている凄腕の運転手。
ある日、マンションの隣人(キャリー・マリガン)が、車のエンストで困っている姿にやれやれと手を貸し、小さな息子と親しくなる。一緒にテレビを見たり、ドライブをしたりの平和で心やすらぐ日々は、彼女の夫が刑務所から出てくる事で唐突に終わる。
感想
監督さん、会心の出来と思う。警察から逃げ隠れする導入部が、いい。
”ドライバー”は、寡黙で物静かやねんけど、罠にはめられたと知った瞬間、過去の封印が放たれ反撃に転じる。100分間目を離せない。無駄がない。
 
せつない話でもあってね。「シェーン」みたいなん。
お薦め度★★★★1/2戻る

真夜中の刑事 Police Python 357
1976年 仏 118分
監督・脚本 アラン・コルノー
脚本 ダニエル・ブーランジェ
撮影 エチエンヌ・ベッケル
キャスト イヴ・モンタン(マルク・フェロー)/フランソワ・ペリエ(ガネイ署長)/シモーヌ・シニョレ(テレーズ(署長の妻))/ステファニア・サンドレッリ(シルビア)/マチュー・カリエール(メナール刑事)
メモ 2012.4.7(土)レンタルDVD
あらすじ
孤高の刑事マルク・フェローは、一匹狼の捜査をしながら成果をあげていた。そんな女っ気なしの男が、ある日突然恋に陥る。それからの彼女シルビアとの日々は楽しかったが、謎めいたファム・ファタールには男の影がちらほら。そして女が殺される。すべての証拠は自分マルクを指していた。
感想
恋人も夫婦も男女のどろどろした複雑な人間心理が、美しく、そしてその割り切れない男女関係がごくあたりまえの日常のように描かれていて、これはフランス映画。
「大時計」(未見)、「追いつめられて('87)」系の映画。渋い男のイヴ・モンタンが、泣きそうになりながら、逃げまわる合間に犯人を探し、最後は破れかぶれの手段に出る。
あの、あの体型のシモーヌ・シニョレの女らしいしぐさに感嘆する。傑物だ。イヴ・モンタンとシモーヌ・シニョレがご夫婦やったと、今知ったしだい。お恥ずかしい。
 
中年男女のうろうろした人生に対し、若いメナール刑事が、良き家庭を築ずいていて対象的なのがいいな。この人も中年になると迷うんやろうか。
お気に入り度★★★★1/2戻る

TIME/タイム IN TIME
2011年 米国 107分
監督・脚本 アンドリュー・ニコル(「ガタカ」)
撮影 ロジャー・ディーキンス
キャスト ジャスティン・ティンバーレイク(ウィル・サラス)/アマンダ・サイフリッド(シルビア・ワイス「マンマ・ミーア!」)/キリアン・マーフィ(レイモンド・レオン 追っ手)/ヴィンセント・カーシーザー(フィリップ・ワイス シルビアの父)/オリビア・ワイルド(レイチェル・サラス ウィルの母)/アレックス・ペティファー(フォーティス)/ジョニー・ガレッキ(ボーエル)/マット・ボマー(ヘンリー・ハミルトン)
メモ 2012.4.5(木)大阪ステーションシネマ
あらすじ
世界は時間に支配されていた。通貨の代わりに時間が取引されている。25歳からは年をとらず、金持ちイコール時間持ちは永遠の生を楽しんでいる。金持ちと貧乏人にも公平に訪れるはずだった死が、金持ちには訪れない。持たざる貧乏人は、日々働きチャージした時間で、家賃、光熱費、食料、バス代を払い、かつかつの毎日だ。 日々死の恐怖と隣合わせ。スラムゾーンのウィルは、変人で人生に飽きた金持ちハミルトン(マット・ボマー)から大きな時間を押し付けられる。この幸運に戸惑うウィルは、アクシデントで愛する母を亡くし、世の仕組みにいきどおり自暴自棄となる。一方、幸運だったはずなのに悪運を呼び、「時間を奪った者」として時間監視局員のレオン(キリアン・マーフィー)から追われるハメとなる。
感想
個性的な映画だと思う。「格差社会への警鐘」 「ガタカを超えない」など賛否両論やけど、「マンマ・ミーア!」では、メリル・ストリープの金髪娘ソフィ役やったアマンダ・サイフリッドが赤毛になっててねえ、追っ手と時間に追われて走る姿がいい。 敵役も個性的なルックスの人たちが、近未来を具現してた。「ガタカ」の静に対して、ボニーとクライドみたいな「動」の映画。時間を吸い上げる所は、ちょっと吸血鬼映画みたいでもある。
お薦め度★★★1/2戻る