2011年5月の映画  戻る


ブラック・スワン BLACK SWAN
2010年 米国 105分 FOX
監督 ダーレン・アロノフスキー(「ザ・ファイター」「レスラー」「レクイエム・フォー・ドリーム」「π」
原案 アンドレス・ハインツ
脚本 マーク・ヘイマン/アンドレス・ハインツ/ジョン・マクラフリン
撮影 マシュー・リバティーク
キャスト ナタリー・ポートマン(ニナ)/ヴァンサン・カッセル(トーマス)/ミラ・クニス(リリー)/バーバラ・ハーシー(ニナのママ)/ウィノナ・ライダー(元プリマ:ベス)
メモ 2011.5.25(水) 大阪駅ステーションシネマ
あらすじ
ニューヨークのバレエ団の踊り手ニナは、母親と二人暮らし。母親は元バレリーナだったが、ニナを身ごもるとともにバレエをあきらめ、今は娘に夢を託している。母娘は二人三脚で頑張ってきたバレエ一筋の生活。この尽くしてくれるが気性の激しい母親との生活は、共依存関係。ニナは居心地良くもあり、大人への成長をさまたげられてもいた。
 
そんな毎日に変化が訪れる。バレエ団はフレッシュなプリマを求め、ニナに白羽の矢が立った。演目は「白鳥の湖」。オデット(白鳥)とオディール(黒鳥)を一人で演じなければならない。可憐なオデットは、努力で舞うことができるが、問題は、黒鳥。純粋培養の白鳥は、このエロチックで性悪な女を演じるのに苦しむ。それはそれは、うみの苦しみ。
感想
とても美しく、残酷な物語。ニナ(ナタリー・ポートマン)が痛々しい。そやけどプライドのある、りっぱなプリマなん。
ホラーだな・・・。うちは、好き。 気に入った。「π」と似てるよ。でも、もっと判りやすく派手。
 
芸術って、人を感動させるものやけど、芸術家は内なる力に翻弄され、身を削ってるんやね。そういうさがをもった人たち。は、羨ましくもあり、えらく大変そうで羨ましくもなく。
 
エンドロールを見て驚く。ニナ(ナタリー・ポートマン)の母親が、バーバラ・ハーシー(「去年の夏」)やったなんて。時というのは恐ろしい・・・。
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わたしを離さないで never let me go
2010年 英国/米国 105分
監督 マーク・ロマネク(「ストーカー」)
原作 カズオ・イシグロ 『わたしを離さないで』(早川書房刊)
脚本 アレックス・ガーランド
撮影 アダム・キンメル
キャスト キャリー・マリガン(キャシー)/アンドリュー・ガーフィールド(トミー)/キーラ・ナイトレイ(ルース)/イゾベル・ミークル=スモール(キャシーの子供時代)/チャーリー・ロウ(トミーの子供時代)/エラ・パーネル(ルースの子供時代)/サリー・ホーキンス(ルーシー先生)/ナタリー・リシャール(マダム)/シャーロット・ランプリング(エミリ先生)
メモ 2011.5.20(金) TOHOシネマズなんば
あらすじ
1978年。英国の田園地帯にある寄宿学校ヘイルシャムで、子供達は育っていた。外界から隔絶されたこの場所で、詩を読み絵を描きスポーツをして毎日を過ごす。特別な子供たちのこの学校には、大きな使命と秘密があった。
感想
「日の名残り」でブッカー賞を受賞した、英国の作家カズオ・イシグロの作品「わたしを離さないで」の映画化。
難しい・・・。異色な作品。作家さんや監督さんは、小津安二郎監督、成瀬巳喜男監督の影響を受けてはるそうです。
(ねたばれあり)
 
 
 
人は、魚とか鳥とか豚さんの命をもらって生き延びているんやね。
運命を受け入れ、諦観した表情がいたい。
これは、「青春」を描いた映画やねんね。もしかしたら、人は青春の一瞬の輝きでのみ生きていて、後はその思い出の中で余生を過ごしているに過ぎないのかも知れない(と、作家が思っているように感じる)。
静謐でいい映画かもしれないとは思うんやけど。私には時間のない三人の「せつせつとした恋心」があまり伝わってこないところが少し悲しい。今はまだ、あまり合わない。
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阪急電車 片道15分の奇跡
2010年 日本 120分 東宝
監督 三宅喜重
脚本 岡田惠和
原作 有川浩
撮影 池田英孝
主題歌 aiko
出演 中谷美紀(翔子)/鈴木亮平 (新郎)/安めぐみ(新婦)/戸田恵梨香(ミサ)/小柳友(カツヤ)/相武紗季(ミサの幼なじみマユミ)/高橋努(マユミの兄)/有川浩(康江)/谷村美月(美帆)/勝地涼(圭一)/有村架純(悦子)/玉山鉄二(竜太)/宮本信子(時江)/芦田愛菜 (亜美)/高須瑠香
メモ 2011.5.14(土)
あらすじ
宝塚と西宮北口を結ぶ、阪急今津線。その列車に花嫁の白いドレスを着た女がひとりで乗っている。彼女は大層訳ありだった。
感想
有川浩原作「阪急電車」の映画化。
「阪急電車」といえば、香櫨園(こうろえん)、芦屋といった関西屈指の高級住宅地を擁する「お金持ちの住んでいる」ところを走っている電車というイメージ(さぼてんの)。舞台となる今津線は、2回しか乗ったことがない。関西学院大学(カンガク)の下見に行った時と、受験した時(で、沈没)。今津線も仁川(にかわ)、甲東園という高級住宅地があるん。上品なん。神戸の乗りもんやね。TVの対談でゆうてはったらしいけど、湊かなえさんの「阪神電車」、万城目学さんの「南海電車」も読んでみたい。
 
で、映画といえば、予告編を見て「南果歩さんが、主婦かぁ」 「勝地涼(カツチリョウ)が、ロッカー?!」とか「あうんかいな」と思ってたんやけど。文句言わんと見てみるもんやね。そうてみるもんです。面白いねん。かわいらしい。中谷美紀さんの刺客のエピソードは、大胆でゴージャスで、凛としていてすっとした。全編、「一歩踏み出す」「ちょっと勇気を出す」という話なん。
 
宮本信子さんの「あなたたち、私を怒らしたようね」 なんか、いっぺんゆーてみたいわ・・・。
残念ながら、東京の映画館は、「馴染み、うっすー」とかでガラガラとか聞いた。残念。
 
原作を読んだ時も思ったんやけど、玉山鉄二の「糸、月、ちっちゃい口」のお話は、新聞で読んだことがある。「関西の最近の電車の中での会話は、おばちゃんよりも女子高生が面白い」と言った内容だった。
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