2004年6月の映画  戻る


東京原発

2002年 日本 110分 ザナドゥー
監督・脚本 山川元(「卓球温泉」「黄昏流星群・同窓会星団」)
撮影 北澤弘之
助監督 宮城仙雅
音楽 崎谷健次郎
出演 役所広司(天馬東京都知事)/吉田日出子(泉環境局長)/段田安則(津田副知事)/平田満(笹岡産業労働局長)/田山涼成(佐伯政策報道室長)/菅原大吉(石川都市計画局長)/岸部一徳(大野財務局長)/綾田俊樹(榎本教授)/徳井優(及川特別秘書)益岡徹(松岡原子力安全委員)/塩見三省(ドライバー)
メモ 2004.6.25 動物園前シネフェスタ
あらすじ
露出度の多いマスコミ受けのいい東京都知事(役所広司)が都の幹部6人を会議室に集めて宣言したのは、財政破綻を回避するウルトラ秘策であった。それは、東京に原発を誘致する!というメガトン級のアイデア。反対する幹部連中に「遠いど田舎に原発を造るから送電線で環境破壊するわ、送られてくる間に大事な電気がなくなるわ、するんだ。東京都民が湯水のように使っている電気を自分とこで造るのが何故悪い。東京も海に面しているしな。だいたい原発は絶対安全なんだろう?」というどなたさんも反論できないまっとうなご意見。排水される温水を使って東京全体コジェネをするという壮大な計画であった。原発誘致場所はと言えば都庁前の西新宿公園。。。。
感想
こわい、そしておかしい、ブラックユーモア満載。
都の幹部たちが軽いの、気の小さいの、暗いの、真面目なのと各種とりそろえて楽しめる。石原都知事もこんな計画をぶち上げたら少しは見直してあげてもいいかな。
 
原発で生産される危険な核廃棄物が処理できない、増える一方・・・という話から岸部一徳(大野財務局長)が、
「ロケットに乗せて宇宙にうちあげたらえーやん」と言うと
すかさず、平田満(笹岡産業労働局長)が
「(日本の)宇宙開発事業団のロケットで、ですか?」
 
なんてブラックなんだ。ああ、情けない。
 
どーーーっと原発のデータが並べられ消化しきれへんけど、要するに原発は人類とは共存できないという事なんだな。
ひとつ:日本には55基の原子力発電所がある。
ふたつ:原子力発電は全電力の30%を占めているというが、それは原発がフル稼働するしかないため。火力、水力発電の発電量をおさえて原発を使っている。
みっつ:阪神淡路大震災クラスの大地震に耐ええる原発はない。
よっつ:中部電力の浜岡原発でチェルノブイリ級の事故があった場合、汚染地域は大阪、東京を軽々と含む。
いつつ:ウランは後70年しかもたないので、原発で出来たプルトニウムを再利用するプルサーマルが進められているが、プルトニウムは自然界にはない恐ろしい放射性物質であること。半減期などというものは存在しない。何百万年たっても危険なだけ。
むっつ:再処理施設というのは、死の灰を無害にするわけではなく地中深く埋めるだけ。
ななつ:日本は原発に固執して代替エネルギー開発に世界の中でも大きく遅れをとっている。(ここでも戦艦大和建造と同じく一度たてた方針を撤回できない国民性が・・・・)
おそろしすぎて脳が考えるのを拒否しだします〜。「年金問題」やら「イラク問題」やらはぶっとびます〜。15、6年前かな〜六ヶ所村施設の建設に会社もたずさわっていて地下水が漏れこんだらどうするかってのが大問題だったみたいな覚えが・・・。水と化学反応起こすのか。解決・・・したのかな(不安)。 核廃棄物に事があったら、日本どころか地球規模の滅亡が〜〜。頼みの綱の学者様ときたら推進派はノー天気男、反対派はただの傍観者・・・
といったお話です。
 
「フェッセンデンの宇宙」のフェッセンデンか神かが一人の物理学者の耳に天使と悪魔の言葉をささやいたら、地球にきのこ雲がふたつあがって。懲りただろうてと思ったら、雨後のたけのこのようににょきにょきと原発やらミサイルがおったって。毒液を地球の体内に貯めこんでという有様なんじゃなかろか。
おすすめ度★★★★1/2
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花嫁はギャングスター −チョボク・マヌラ(組織暴力団の女房)

2001年 韓国 110分 
監督 チョ・ジンギュ
脚本 カン・ヒョジン/キム・ムンソン
撮影 チョン・ジョミョン 
出演 シン・ウンギョン(花嫁ウンジン)/パク・サンミョン(花婿スイル「反則王」)/アン・ジェモ(パダ)/シム・ウォンチョル(右腕マジンガー)/キム・イングォン(ヨンマン)/チェ・ウンジュ(セリ)/イ・ウンギョン(ウンジンの姉)
メモ 2004.6.13 心斎橋ビッグSTEPパラダイススクエア
あらすじ
ヤクザのクールな組長・ウンジンはウェポン=シザーナイフを手に敵をバッタバッタとなぎ倒す凄腕。たったひとつのウィークポイントは姉。幼い頃生き別れになった姉を探しあてたが、姉は末期がんで余命幾ばくもない。願いは「かわいい妹の花嫁姿を見ること。」。あんさん何ゆーてまんねんという大胆な願い事であった。
感想
痛快!
「花嫁姿」は本人望んじゃいない、(姉以外は)まわりも望んじゃいない出きるとも思っちゃいない大変な願い事だったのである。凄すぎる笑顔のせいか凶暴なせいか見合いをしてもX。チッとばかりに「結婚がこんなに大変だなんて・・・・」とウンジンが言うシーン、、、ワロタ。命令された手下が探し出して来た犠牲者は小役人のスイル。連続36回見合いに敗退しているトンチンカン男。もう誰でもえーわいの組長・ウンジンは直ぐに式をあげる。手もふれさせない結婚生活だったが、姉が「かわいい妹の赤ちゃんがみたい」といーだすにあたって(おねえちゃんよー、どこまでわがままなんだー(笑))、レイプをしだすのであった、夫に。。
おすすめ度★★★★1/2
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下妻物語  ヤンキーvsロリータ

2004年 日本 102分 東宝
監督・脚本 中島哲也
原作 嶽本野ばら
出演 深田恭子(竜ヶ崎桃子)/土屋アンナ(白百合いちご)/宮迫博之(桃子の父)/篠原涼子(桃子の母)/樹木希林(桃子の祖母)/阿部サダヲ(一角獣の竜二)/岡田義徳(BABY,THE STARS SHINE BRIGHTの社長)/小池栄子(レディースの亜樹美さん)/生瀬勝久(パチンコ屋店長)/荒川良々(八百屋)/本田博太郎/矢沢心(ミコさん)
メモ 2004.6.10 心斎橋シネマ・ドゥ
あらすじ
竜ヶ崎桃子、小学1年生の時に母は父を見限り別の男の元に走る。医者と再婚して桃子を迎えに来た母に「お父さんと暮らします。」と宣言する桃子。「なんでー」と問う母に「(ダメおやじは)面白そうだから。」 そして母に「エステにかよっていっぱいいっぱいお金をつかって整形なんかもしてきれいになって、たかの友梨ビューティコンテストで優勝してください。」と告げる。だって「面白そうだから。」・・・・・うーーー、クールだぜ。
白百合いちご、育ちのいいいじめられっ子が突如ヤンキーに目覚める。茨城レディース舗爾威帝劉(ぽにーている)で走って走って「しばくぞっ、ごらあー」が口癖。・・・・うーーー、かわいい。
感想
日本映画ひさびさのヒット!(さぼてんの中で)   ノリのいい
外見砂糖菓子のように甘くて内面鋼(はがね)のようにクールな桃子と、外見コワモテで内面情にもろくさみしがり屋で心が熱いいちごの女の子物語。ふたりとも自分の美意識に殉じ真っ直ぐに生きている。同世代のロリータやヤンキーよりも、もっともっと上の世代に受ける映画だと思う。ちょいノスタルジック入っているしな。この役の土屋アンナって、なんかちょっとあほでいいな。
おすすめ度★★★★★
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スクール・オブ・ロック School of Rock

2003年 アメリカ 110分 
監督 リチャード・リンクレイター(「恋人までの距離(ディスタンス)」「テープ」)
脚本 マイク・ホワイト
音楽コンサルタント ジム・オルーク
出演 ジャック・ブラック(デューイ・フィン)/ジョーン・キューザック(マリンズ校長)/マイク・ホワイト(ネッド・シュニーブリー)/サラ・シルヴァーマン(パティ)
メモ 2004.6.3 OS劇場
あらすじ
デューイは全情熱をロックに捧げている。パンクとヘビメタをめちゃめちゃ愛している。ところがこの思いが空回りして観客に伝わらないのよ、、、ダイブしても誰も受けとめちゃくれない。ひとり浮いているからバンドのメンバーからははずされるワ、家賃が払えなくて部屋を追い出されそうだワ。。そこにふって沸いた儲け話。友達に化けてお堅い私立学校の臨時教員になって、軽く金儲け。ちょろい。
感想
ロッカーがでぶちんねぇ。どうかなあ。ジャンヌダルクのドラムとキ−ボードはどうよ、、、。まあドラマーはいいけど、ギターリストがデブって・・・・・
といったさぼてんの思い込みを粉砕する映画だった。デューイは歌って踊って楽器もこなすデブだ。ロックは特別な人の特別な音楽ではなぃっという内容で親しみやすい。不思議なもんでだんだんかっこよく見えてくるの(・・)。
 
デューイの絶叫の激しさと子供たちのクールさの対比がいい。ロックって魂の叫びだぜ、いきざまだぜぇぇぇーーーって可笑しいけど人間味あふれている。ロック物にちょっと自虐的な面白い映画多いね。「ステイル・クレージー」とか「スパイナルタップ」とか。  小学校6年の時の卒業演奏でクラス担任が熱心で色々な楽器を使ったことがある。その時鉄琴を演奏した女の子がいつもはおてんばで、家もそう裕福ではなくピアノもした事がなかったのに、才能あったんだろうね。みるみるうまくなってね。それで独奏もして。本人も驚いていた。目覚めて親にマリンバ習いたいと言ったらやっぱりお金が無くてあかんと言われたらしく。。。そういう事思い出した。
 
デューイ役のジャック・ブラックって方は「エネミー・オブ・アメリカ」でウィル・スミスを追う方のコンピュータ・プログラマー役だった人かな。ある意味あれもかっこいい役だった。
おすすめ度★★★★1/2
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