1998年5月の映画

タッチ Touch

米国 1996年 98分
監督・脚本 ポール・シュレーダー(「タクシードライバー」「愛のメモリー」の脚本)
原作 エルモア・レナード
音楽 デイヴ・グロール
脚本 リラ・カゼス、フィダ・アティーエ
出演 スキート・ウーリッチ(ジュヴナル)/ブリジット・フォンダ(リン・フォークナー)/クリストファー・ウォーケン(ビル・ヒル)/ジーナ・ガーション(デブラ・ルーザン)/トム・アーノルド(オーガスト・マレー)/ジャニーン・ガラファロ(キャシー・ワージントン)/ポール・マザースキー(アーティ)/ロリータ・ダヴィドヴィッチ(アントワネット)
メモ 1998.5.30(土曜)扇町ミュージアムスクエア
あらすじ
原作本の 
タッチと異なるのは、TV番組の司会者がデブラ・ルーザン(ジーナ・ガーション)に変わっているくらいです。
感想
キャスティング↑がすごい。スキート・ウーリッチのミステリアスな雰囲気がいい。レナードの話はプロットよりも、出てくる人達に魅力があるんやけど、その原作が生きてた。

本をちょうど半分読んだ所で見に行くという中途半端な状態やったので、オーガスト・マレー役にトム・アーノルド(「トゥルーライズ」)を当ててあるのに驚いた。そやけど、このクソ真面目な急進派でコチコチの宗教活動家は、本人にはこれっぽっちもユーモアがないのに喜劇的で、結構はまってた。

音楽もいい。クリストファー・ウォーケンの登場には毎回笑わせてもらいました。
シュレーダー監督はリンをフランク・キャプラ監督「オペラハット」のジーン・アーサーを思い浮かべながら脚本を書いたそうです。そうか・・・このリンの役はかなり難しい。

「この森で、天使はバスを降りた」っていい映画やと思う。そうやねんけど、真面目過ぎて息がつまりそうな所があって、真剣な話ながらも、コミカルな狂想曲仕立てで人を喰った明るさのこの映画の方が性(しょう)に合う。
おすすめ度:★★★★
戻る


13 サーティーン

米国 1997年 95分
監督 ギャビン・ワイルディング
脚本 エヴァン・タイラー
出演 マリオ・ヴァン・ピープルズ/アンドリュー・マッカーシー/ケヴィン・ディロン/ベン・ギャザラ(フランク「ロードハウス」)/ウィリアム・マクナマラ
メモ 1998.5.30(土曜)ビデオ
あらすじ
独身最後のバチェラー・パーティでの悪ふざけから、ドンドンどつぼへはまっていく話。
感想
密室劇。劇場未公開とは、もったいない。13人の中に麻薬の売人がひとり混ざっていた事から話がややこしくなり、また、失う物は何もなく反対に罪悪感を無くすことのできない湾岸戦争帰還兵を、その対極に置く脚本がよくできている。それぞれが必死にそれらしい「絵をかく」が、主人公が最後まで謎なのもミステリになっていました。
皮肉な結末が○。
おすすめ度:★★★★
戻る


XYZマーダーズ CRIMEWAVE

米国 1985年 86分
監督・脚本 サム・ライミ
脚本 ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
出演 ルイーズ・ラッサー/ポール・L・スミス/リード・バーニー/ジェリー・J・ウィルソン/ブルース・キャンベル
メモ 1998.5.27(木曜)ビデオ
あらすじ
電気椅子でフライ寸前の死刑囚がわめく。「犯人は僕じゃないんだあ!」
感想
「死霊のはらわた」に続くサム・ライミ監督2作目。脚本は、「ファーゴ」のコーエン兄弟。

スピード感あふれるブラックコメディ。もはや新古典といってもいいかも。パロディ満載と思うんやけど、
「私は殺される」のシーンだけわかりました(エッヘン)。
殺し屋2人組が、キラーマン(キラーパーソン?)が天職で「人をヒイヒイ怖がらすのが、好きで好きで」というノリ、いい。
おすすめ度:★★★★1/2
戻る


ロードハウス 孤独の街 ROAD HOUSE

米国 1989年 114分
監督 ローディ・ヘリントン
出演 パトリック・スウェイジ/ケリー・リンチ/サム・エリオット/ベン・ギャラザ/マーシカル・ティーグ
メモ 1998.5.26(火曜)ビデオ
感想
一年ほど前に、大阪TVで放送されていて見逃してしまった作品。その時に「ミズーリーの酒場に引き抜かれた流れ者の用心棒が、町のボスと闘う」という紹介文を読んで、てっきり西部劇と思い込んでた。映画がはじまったら、いきなりディスコで驚きました。でもって、内容はというと・・・やっぱり西部劇(笑)。
パトリック・スウェイジ、外見クールでホットなハートかっこいい。「ハートブルー」で、キアヌ・リーブスよりもスウェイジに注目した人は必見。

「ER」のドクター・スーザンのお姉ちゃんクロエが酒場で歌ってはりました。エリック・クラプトンのなんとかって曲も演奏されていた・・そうです。
おすすめ度:★★★★
戻る


スペース・トラッカー

米国 1997年 97分
監督 S・ゴードン(「死霊のしたたり」)
スクリーミング・マッド・ジョージ
出演 デニス・ホッパー(ジョン・キャニオン)/スティーブン・ドーフ/デビ・メイザー(「シーズ・ソー・ラヴリー」)
メモ 1998.5.24(水曜)ビデオ
あらすじ
宇宙のトラック野郎(スペース・トラッカー)ジョン・キャニオンが愛船ベティで地球へ運搬するいわくありげな荷物の中身は、殺人ウォリアーだった!
感想
めっちゃおもしろい(^_^)。テレビサイズに左右が切られているのが残念。赤い目が三つでとぼけた顔の殺人ウォリアー(ロボット)は、スイッチを切ったら急に固まって「ぼんさんが屁をこいた。」みたい。

最新SFX満載、おバカ度満点の映画なんやけど、極めつけは海賊船の船長。
大けがをして、まず左足が義足。軍帽脱いだら左頭が透明カプセル。黒めがねをとったら左目が義眼。服を脱いだら左側がサイボーグ状態。ここまで来たら当然思いはこう飛ぶ 「アソコはどうなってるわけ?」・・・・笑える。これからモーター・ボートのセルみたら思い出しそ。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」のトム・サヴィーニ「セックス・マシーン」とええ勝負やね。

「シーズ・ソー・ラヴリー」でハリー・ディーン・スタントンのつれあい役だったデビ・メイザー、モテモテ役。注目の役者さんです。
おすすめ度:★★★★1/2
戻る


エイリアン4 ALIEN4

米国 1997年 107分
監督 ジャン=ピエール・ジュネ
脚本 ジョス・ウェドン
出演 シガニー・ウィーバー(リプリー)/ウィノナ・ライダー(コール)/ロン・パールマン(ジョーナー)/ドミニク・ピノン(ブライエス)/ブラッド・ダーリフ(ゲディマン)/マイケル・ウィンコット(エルジン)
メモ 1998.5.23(土曜)千日前セントラル
あらすじ
「デリカテッセン」のジャン=ピエール・ジュネが放つエイリアン4作目。「エイリアン3」で溶鉱炉に落ちていったリプリーが再生。
感想
「評判イマイチ」と親切に教えてあげたのに(^_^;)、「やっぱり押さえときたい」さぼてん男におつき合いして、ちびさぼてんがお誕生会におよばれしている間隙をぬって観てきました。

1作目に戻ったような作りです。B級度が増したようにも思う。<水中シーン>がよかったし、三作目よりも上。怪物はもはやエイリアンではない。ゴルゴ13のように非感情が持ち味やったのに。リプリーが再生したら、黒い爪で「なんでマニュキアしてんの」と思ったけど、さぼてん男は「ザ・フライやん」と思ったらしい。

「エイリアン5」では、ロボットにプログラミングしたのは誰か?の謎が解き明かされるのでしょうか?「クソみたいな所」と表現されていた地球はどんなでしょうか?

ブルース・ウィリスの「薔薇の素顔」の中で「本の数を数えている人」のブラッド・ダーリフ、今回のマッドサイエンティスト気色悪くてよかった。
おすすめ度:★★★1/2
戻る


ジャッキー・ブラウン

米国 1997年 156分
監督・脚本 クェンティン・タランティーノ
出演 パム・グリア(「エスケープフロムLA」「マーズ・アタック」)/サミュエル・L・ジャクソン/ロバート・デ・ニーロ/ロバート・フォースター/ブリジット・フォンダ/マイケル・キートン
メモ 1998.5.19(火曜)CS
あらすじ
原作本の 
ラム・パンチどおりです(^^)。
感想
よかった! 期待度中くらいで見に行ったのですが、満足、満足。 エルモア・レナードを4作品しか読んでいない私が言うのもなんですが、この映画は「ラム・パンチ」を読んでから観るのがお薦め。本を読んでイマイチだった人は、映画をみても楽しめません(断言)。そういう映画です。相乗効果の結果、私の中で映画は本を上回ったよ。

まるで本から抜け出してきたように、どの人もはまり役でしたねえ。うまい、デ・ニーロ、ブリジット・フォンダ。オーディル役は、タランティーノではなく、サミュエル・L・ジャクソンでほんまよかった(ホッ)。ジャッキーは本を読んで”一番何を考えているのかわからない人”だったのですが、パム・グリア見事に肉付けしてました。堂々とした姿(胸か?)に感動しました。足フェチの方々へ、足きれいよ。

サミュエル・L・ジャクソン扮するオーディルが保釈金融業者のマックスをモールで見かけると、だんだん目端の利く悪ガキの顔になっていく様子で「子供の頃もワルやったんや」とか、TVの上のメラニーの写真で「ティーンエージャーの頃からアッチの男、コッチの男やってんなあ」とかわかる。

でも、隣の席の若い女の人は、退屈そうやったなあ。のびをしたり、顔を叩いたりと睡魔と闘ってはりました。まあ、若く美しい男女が出てくるわけやなし、パム・グリアとロバート・フォースターの二人のお顔が大写しになって、さぼてんなんか「しみじみええなあ」とうっとりしても、「おじさんおばさんが、なんかゆうてはる」ってな感じやろねえ。
空いてると思いこんで、フラフラ行ったら結構混んでいて8割くらいの入りでした。最終日やもんね。サントラかお。ちょこっとだけ、トニー・カーチスも出てた(笑)。
おすすめ度:★★★★1/2
戻る


蒼い記憶 THE UNDERHERT

米国 1994年 99分
監督 スティーブン・ソダーバーグ(「セックスと嘘とビデオテープ」)
撮影 エリオット・ディビス
音楽 クリフ・マルチネス
出演 ピーター・ギャラガー/アリソン・エリオット/ウィリアム・フィッチナー/エリザベス・シュー
メモ 1998.5.19(火曜)CS
あらすじ
ギャンブル狂で故郷を出奔したマイケルが戻ってきた。別れた妻レイチェルとやり直そうとする。
感想
パッとしない。これ、深層心理の話なんかあ? ”抽象的”というより”中途半端”。
理解しようと何度もチラシを読み返してみる。「”頭”で見る映画でもなければ、美しい映像を堪能するがごとく”目”で観る映画でもない。(目をつぶってた方がいい?(-_-))心の奥底で感じとらえなければ、大部分を見失うという新たな試みによるソダーバーグからの挑戦状。」とか。挑戦は受けてたたれへんなあ。マイケルはどういう深層心理に支配されていたわけ? >>> 一日遅れでわかった!(情けない)そやから深層心理モンはいややねん。 挑戦を受けてたつぞ!(えばるナ)
 
この森で、天使はバスを降りたのアリソン・エリオットきれいです。「あなたが寝てる間に」でずっと寝ていた「サンダーバード」のスコットに似ているピーター・ギャラガー、アルビノ・アリゲーターそのまんまのウィリアム・フィッチナー出演。
おすすめ度:★★★1/2
戻る


スターシップ・トゥルーパーズ

米国 1997年 128分
監督 ポール・バーホーベン
クリーチャー視覚効果 フィル・ティペット
原作 ロバート・A・ハインライン「宇宙の戦士」
撮影 ヨスト・ヴァカーノ
出演 キャスパー・ヴァン・ディーン(ジョニー・リコ)/ディナ・メイヤー(ディズ)/デニース・リチャーズ(カルメン)/ジェイク・ビジー(エース)/ニール・パトリック・ハリス(カール・ジェンキンズ)/マイケル・アイアンサイド(ラズチャック)/クランシー・ブラウン(ズィム軍曹)
メモ 1998.5.17(日曜)南街シネマ
あらすじ
未来世界、地球連邦は宇宙に進出し、互いの種の存続をかけてアラクニド(バグズ)と敵対関係にあった。地球では一般民と市民に選別され、市民権を得るためには兵役につかなくてはならない。ブエノスアイレスで高校を卒業したリコは、宇宙海軍のパイロットをめざしている恋人のため軍に志願した。
感想
ジョニー・リコ、カルメンの主役おふたりのお顔といい全体にアメコミのノリ。 戦闘シーン迫力あり。明るい所でウジャウジャするバグズ軍団(虫)は壮観、いや壮絶。確かに「アルゴ探検隊の大冒険」の骸骨軍団の、刺しては引きの動きがウォリアー・バグの動きと似ているような気がする。戦争はアホやけど、戦うシーンは撮りたいという感じの映画です。
でも、いちばん驚いたのはシャワーシーン。ほう。ああいうシーンは初めて見た。防衛大が門戸開放したときに、女子用の施設を作るのに税金をたくさん使うとか書かれていたのを思い出す。決して不要だといっている訳ではありません。こういう考え方もあるのかとおどろいたのです。

「トータル・リコール」の 
マイケル・アイアンサイドといい、ズィム軍曹(「ショーシャンクの空に」の恐い刑務官)といいおじさん達も若者の中でなかなかの奮闘。エースはあの人の息子でした(^^)。さぼてん男曰く「”あの歯”やろ」(うちではこれで通じる)「ビッグ・ウェンズデー」からもうそんなにたつのか。ああまためまいが・・・

S「そやけど、なんでバグズに知能がないって思ってたんかなあ。隕石爆弾放つんやろ? エイリアンみたいに闘争本能と種の存続だけやと考えてたんかな?」S男「エイリアンが隕石爆弾放つと思うかあ? バーホーベン監督やろ? 「トータル・リコール」では気圧が低くなったらシュワルツネッガーのメン玉がぼよーんと飛び出してきて、気圧が戻ったらメン玉が元にもどるんやで。「うっそー」やで。深く考えたらあかんねん。」
おすすめ度:★★★★
戻る


恋の力学

仏 1995年 87分
監督 フィナ・トレス
撮影 リカルド・アロノヴィッチ
出演 アリアドナ・ヒル(アナ・メンドガ)/アリエル・ドンバール(セレスト)/イヴリーヌ・ディディ(アルカーニ・ベトン)/リュイス・オマール(イタロ・メディチ監督)/フレデリック・ロンボワ(アルマン)
メモ 1998.5.14(木曜)BS録画
あらすじ
オペラ歌手への夢をあきらめきれず、結婚式から逃げだしたアナは、ウエディングドレスのままベネズエラからパリへ着く。
感想
よかった。びっくりするぐらい。
ファンタジーというか、シュールな映像が凝っていた。サルサやシャンソンの音楽も華やか。映画全体の色づかいが並ではない。ああいうセンスはどうやったら身につくんかなあ。
パリが舞台のフランス映画ってわけのわからんのもあるけど、これは「キュートでしゃれた」映画。

セレストは、やっぱりシンデレラのいじわる姉さんか(笑)
おすすめ度:★★★★1/2
戻る


恋愛小説ができるまで LA DISCRETE ベネチア映画祭最優秀批評家賞

仏 1990年 95分
監督・脚本 クリスチャン・バンサン(セザンヌ賞新人監督賞・脚本賞)
脚本 ジャン・ピエール・ロンサン
出演 ジュディット・アンリ(セザンヌ賞新人女優賞)/ファブリス・ルキーニ(アントワーヌ、ジャン・ギャバン賞「百貨店大百科」)/モーリス・ガレル
メモ 1998.5.10(日曜)TV録画
あらすじ
アントワーヌは3年越しの恋人に裏切られ、一方的に別れを告げられる。彼女に復讐したい女に復讐したいアントワーヌに、書店主は「女を誘惑し、あげくに捨てさる」恋愛ゲームを日記風の小説に仕立ててはどうかとそそのかす。
感想
「むつかしい」と何度もため息のでる映画だった。難解。「恋の都パリのチャーミングな恋愛映画」って嘘つけ〜。結構残酷な話だったぞ。
主人公はおしゃべりで、ものごっつセリフが多いんやけど、「幸せの条件は知性じゃない。無知なんだ」と語ったのがテーマかと思う。「真実を知らない方が幸せ」って事か。
おすすめ度:★★★
戻る


八つ墓村

日本 1996年
監督 市川崑
出演 豊川悦司/浅野ゆう子/岸田今日子/吉田日出子/高橋和也/宅麻伸/喜多嶋舞/他てんこもり
メモ 1998.5.8(金曜)ビデオ
あらすじ
この映画ではじめてこのストーリーを知る人って、どのくらいいたはんのかなあと思うくらい有名な横溝正史原作の映画化。400年前村人に惨殺された尼子の落ち武者のたたりじゃ〜ってストーリー。
感想
感想書こうかやめようか迷ったんやけど、日本映画が少ないからにぎやかしに・・・ってメチャ失礼やー(^^)。
だいたい、この話に金田一耕助を最初から登場させるってのに、無理があんねん。全然活躍せーへんねんから。ロマンス仕立ての怨霊もんの話で出番がないねん。・・と書きながら考えてたんやけど、犯罪を未然に防ぐって「悪魔の手毬唄」だけかもしれへん。「あ、しまった!」と言って犯人お亡くなりの展開が多いような気がする。金田一耕助ってほんまに名探偵なんやろか・・・って考察は置いといて。
犯人の告白は2時間サスペンスドラマ風。おどろおどろしくない展開。巨匠市川崑監督のみるべきシーンは、どこから捜してきたかと思う50年前の日本の風景か。
とはいえ、岸田今日子の双子のお竹さんとお梅さんは不気味でお気に入り。豊川悦司は、代々の金田一耕助の中では片岡鶴太郎と並ぶくらい個性的でいい。郵便局のおかみの吉田日出子とかもええ味やし薄幸な春代もよかってんけど、演技の点でちょっとなあ、なんとかしてって感じの人もいて落差の激しい映画。映像の雰囲気なかなかええ感じやんと思ってたら、ああ学芸会かあとシラっとなったり疲れた。
おすすめ度:★★★
戻る


ストレンジャー(謎のストレンジャー)THE STRANGER

米国 1946年 95分
監督・脚本 オーソン・ウェルズ
脚本 アンソニー・ベイラー/ジョン・ヒューストン
出演 エドワード・G・ロビンソン(「飾り窓の女」)/オーソン・ウェルズ/ロレッタ・ヤング(「気まぐれ天使」)
メモ 1998.5.7(木曜)CS録画
あらすじ
ナチスの戦争犯罪人フランツ・キンドラは、戦後アメリカに潜り込み名前を変え高校の教師として暮らしている。しかし、ナチ残党狩りの執拗な手がせまっていた。
感想
4月に一度見たのですが、感じた事をうまく言葉にできませんでした。先日「プレミア日本版」でポランスキー監督が語っていた言葉を読みナットク。「白黒映画にはカラーにはない魔術がある」。
オーソン・ウェルズ監督は「審判」とかとても評価が高く、私もすごい映画だなあと思うのですが、比べてこの映画はとてもシンプルです。
フランツ・キンドラが”時計狂”という設定が古い映画ながら新鮮です。緻密で効率的かつ”高い所から人やモノ、時をあやつりたい男”という性癖がそれだけですんなり理解できる。ラストの時計台のシーン、何度も何度も見返しました。
ヒッチコック監督の「疑惑の影」の影響を受けて作った映画といわれているそうです。脚本にジョン・ヒューストンの名前あり。
おすすめ度:★★★★
戻る


マウス・オブ・マッドネス IN THE MOUTH OF MADNESS

米国 1994年 96分
監督 ジョン・カーペンター
出演 サム・ニール/ユルゲン・プロホノフ/チャールトン・ヘストン
メモ 1998.5.5(火曜)ビデオ
あらすじ
スティーブン・キングよりも絶大な人気を持つホラー小説家サター・ケーンが失踪する。フリーの保険調査員トレントは出版社から彼を見つけ新しい作品「マウス・オブ・マッドネス」を手に入れるよう依頼される。
感想
「SFホラー界の巨匠ジョン・カーペンターの大作」「1994年東京国際ファンタスティック映画祭で話題を呼んだ。」「観客を虚構の世界へ引き込んでいく”サイコパス”と呼ばれる手法を取り入れた新感覚映画」というチラシを3年前に切り抜いて、スクラップしてあった映画。
う〜ん、ホラー映画を語る□(しかく)はまったくないから。と、逃げをうったりして(笑)
現実か夢か幻か、主人公さえ実在しているのか想像なのか、さっぱりわけわからん映画やった。3回みたんやけど、そういう映画やねんね。わかろうとするより、一場面一場面楽しむモノかもしれぬ。
悪夢からハッとさめたら、そこはまた悪夢やった1シーンとか、黄泉の国から逃げるイザナギのようなシーンとか確かに傑作。
そやけど、「アレ」は「THE THING(物体X)」の「アレ」の使い回しと思わへん?
おすすめ度:★★★1/2
戻る


私は殺される SORRY,WRONG NUMBER

米国 1948年 
監督 アナトール・リトヴァク
原作・脚本 ルシル・フレッチャー
出演 バーバラ・スタンウィック(「教授と美女」)/バート・ランカスター
メモ 1998.5.4(月曜)WOWOW録画
あらすじ
製薬会社の副社長の妻は、混戦電話で偶然「今夜11時15分に例の女を殺す計画」を聞いてしまう。警察に通報するが、ヒステリーととりあってもらえない。あと1時間15分の内に、なんとか彼女を救わなくては。
感想
古典ミステリ映画大好きやねんけど、その中でも最も観たかった作品。というのは、原作を米語の授業で学んだから。中学からずっと苦痛だった英語の授業で、唯一楽しかった1年でした。その授業で学んだもうひとつのテキストは、配管工に飼われているトムという人間の言葉(英語)をしゃべる猫が、大統領選に出るという話でした。これもとても面白かった。
原題の「SORRY,WRONG NUMBER」は、「番号違いです。」という意味。原作と映画はちょっと違っていましたが、堪能しました。私は
「深夜の告白」よりも、こちらのバーバラ・スタンウィックの方が好きです。
おすすめ度:★★★★
戻る


絶対×絶命

米国 1997年 
監督 シュレーダー
出演 アンディ・ガルシア/マイケル・キートン/マルシア・ゲイ・ハーデン
メモ 1998.5.2(土曜)厚生年金会館大ホール 試写会
あらすじ
刑事(アンディ・ガルシア)は、9才の白血病の息子のため骨髄提供者(ドナー)を密かに調査する。たったひとり見つかったドナーは、殺人犯(マイケル・キートン)だった。
NOBODYさんの書かれていた「ジレンマ」に似てるみたい。
感想
思わず誉めてやりたいくらい生に執着するマイケル・キートン。怪演。よみがえった「パシフィック・ハイツ」
浅黒いせいか闇に潜む姿がなじむアンディ・ガルシア。アクションシーンも盛り沢山。
と、それはまあよかってんけど、「うじゃうじゃゆーてんと、はよ足撃て、足!」と叫びそうな数場面。なんか緊張感のない病院スタッフ。ひとりの子供を救うために大人がバタバタ倒れる展開にイライライライラしてたんやけど、ラストのマイケル・キートンで全て許す!(^^)
おすすめ度:★★★1/2
戻る


シーズ・ソー・ラヴリー She's So Lovely カンヌ映画祭主演男優賞・高等技術院賞

米国 1996年 118分
監督 ニック・カサベテス
撮影 ティエリー・アルボガスト
出演 ショーン・ペン(エディ)/ロビン・ライト・ペン(モーリーン)/ジョン・トラボルタ(ジョーイ)/ハリー・ディーン・スタントン(ショーティ)/デビ・メイザー(ジョージー)/ジーナ・ローランズ
メモ 1998.5.2(土曜)梅田ガーデンシネマ
あらすじ
女房を巡っての騒動で精神病院に収容されたエディが退院する。女房のモーリーンのお腹の中にいた子供はすでに9才になり新しいパパもいた。
感想
いやあ、ストーリーといい音楽といい映像といい役者といい・・・ほんま・・・まいりました。
「愛だの恋だのというわけのわからないあやふやな」ものが、わけのわからんなりにさぼてんが「そうやねんなあ」と、深くうなずいてしまう形で映像化されている。

途中で不覚にもぽろりとこぼれたさぼてんの涙は、どこへ?・・・やられました。
満足度:映画館ガラガラ★★★★★
戻る


ボディ・バンク

米国 1996年 118分
監督 M・アプテッド(「ネル」)
出演 ヒュー・グラント/ジーン・ハックマン/サラ・ジェシカ・パーカー/デビット・モース
メモ 1998.5.1(金曜)ビデオ
あらすじ
将来を嘱望されている若い医師ガイは、緊急治療室にかつぎ込まれたホームレスの死亡原因を探ろうとするが、正体不明の者達に阻まれる。
感想
中学校で潮干狩りに行った時、先生から「膝から上の深さに入ってはいけない。」と注意を受けました。その時に「先生、それは波が来たときの深さですか?ひいた時の深さですか?」と聞いたヤツがいて、体育会系の先生だったもんで(相手みていえよ)「アホ!」と一喝されていました。
何が言いたかったかとゆうと、是か非かという一線を引くというのはたとえ「潮干狩りのルール」といえども個人により解釈の幅があると言う事。わけのわからんたとえやね。「多くの人を救うために多少の犠牲はやむを得ない」の多少というのに大きな幅がある。
ただ、個人的には家族を救うためなら「悪魔に魂を売る」事もしかねないと思う。
ジーン・ハックマンの孫娘が、不自由のない子供という設定は映画としてよかった。
おすすめ度:★★★★
戻る