1998年3月の映画

ホワイトハンター ブラックハート White Hunter,Black Heart

米国 1990年 113分
監督 クリント・イーストウッド
原作・脚本 ピーター・ビアテル
出演 クリント・イーストウッド(ジョン)/ジェフ・ファーエイ
メモ 1998.3.29(日曜)ビデオ
あらすじ
映画監督のジョンは、アフリカにロケにきたが、映画作りはそっちのけで”象狩り”にいそしむ毎日であった。
感想
アフリカ大陸での”象狩り”というロマンに取り憑かれた監督が、そのためにアフリカを舞台とした映画を撮ろうともくろみ、夢からさめたように「アクション」と映画を取り始めるまでの長い長い出来事。
「白鯨」「黄金」等”取り憑かれた男達”をとり続けたジョン・ヒューストン監督がモデルの映画ということです。そして、またエイハブ船長のように、ジョン・ヒューストン自身も野性的で豪快で”取り憑かれた男達”のひとり。その時にロケしていた映画は、ハンフリー・ボガード、キャサリン・ヘッブバーンの「アフリカの女王」。”血が騒ぐ”というのが、みごとに映像化されてました。

映画監督が覚えられないので、時々川本三郎編の「映画監督ベスト101」をひろい読みしています。このなかの川本さん自身が書かれているジョン・ヒューストン監督の話は名文だと思う。画家ロートレックの伝記映画「赤い風車」(ムーラン・ルージュ)もヒューストン監督作品だと初めて知りました。
さぼてんの未見の大作映画「アスファルト・ジャングル」(ジョン・ヒューストン監督)への期待が高まる。(BSでしないかなあ)
おすすめ度:★★★★1/2
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ハードコアの夜 HARDCORE

米国 1979年 105分
監督・脚本 ポール・シュレーダー
撮影 マイケル・チャップマン
音楽 ジャック・ニッチェ
出演 ジョージ・C・スコット/ディック・サージェント/イーラー・デイビス
メモ 1998.3.28(土曜)TV録画
あらすじ
ジェイクは、小さな町で家具工場を経営していた。敬虔なカルビン派キリスト教徒であり、教会のツアーに10代のひとり娘を送り出す。しかし、娘は大都会LAで失踪する。
感想
ポール・シュレーダー監督の作品をTVで放映していたので、もうすぐ「タッチ」も公開されるしという軽い気持ちで見たのですが・・・
独特の雰囲気を持った、痛々しい話です。異色作。「自分を大切にしてほしい」という思いは、少女には陳腐にしか聞こえない言葉なのでしょうか。「自分の親は引き戻しにきてくれなかった」というもう1人に少女の気持ちが、痛い。
おすすめ度:★★★★
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百貨店大百科 RIENS DU TOUT

仏 1992年 98分
監督・脚本 セドリック・クラピッシュ
撮影 ドミニク・コラン
美術 フランソワ・ルノー=ラバルト
出演 ファブリス・ルキーニ(ルプチ社長)/ジャン=ピエール・ダルッサン(楽器売場のドレミ)/ピエール=オリヴィエ・モルナス(アルバイターのロジェ)/ナタリー・リシャール(ディスプレー担当のクレール「パリでかくれんぼ」)
メモ 1998.3.26(木曜)第七芸術劇場
あらすじ
パリの名門百貨店<レ・グランド・ギャラリー>は、倒産寸前。株主会から新社長ルプチが就任し改革に乗り出す。一年で黒字にしないと、閉店、従業員は解雇の運命。
感想
百貨店の種々雑多、の商品と同じく、人間たちも実に個性豊か。個性豊かすぎて変人寸前の人もいる。
吹き抜けになった店内を、新社長が見渡しているシーンが、すごくおもしろい。楽器売場のドレミはギターを弾きながら、「これは、売らない。俺が弾く。気に入っている。そっちの安いギターにしな」と客に応対している。全編この調子で、じんわりおもしろい。明るい。ベタベタしていない。こうなんというか、人との距離のとり方というのを感じました。(なかなか、感想をUPできなかった理由。うまく書けない)

パンフに書いてあった有名なジョーク「フランスはいい国だ。  これでフランス人がいなかったら、どんなにすばらしいだろう。」というような自己主張の強い人々が「和の精神」をどう作り上げていくかというストーリー。それでも、キャンプや、マラソンに参加しなくても、パンジージャンプをしなくても、だれひとり「協調性がない!」とは言わない。最後は「私は私/あなたはあなた/ひとりぽっちは嫌い/私は1人じゃない」の大合唱♪。そして最後は、やっぱり皮肉な大人のフランス映画。

新社長ルプチは、エリック・ロメールの「木と市長と文化会館」に出ていた人とありますが、何の役だったのかな? エコロジー派の学校のセンセだったかな?
おすすめ度:★★★★
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阿片戦争 鴉片戦争 THE OPIUM WAR

中国 1997年 154分
監督 シェ・チン(「芙蓉鎮」)
撮影 ホウ・ヨン
出演 スー・ミン(道光皇帝)/パオ・クオアン(林則徐)/ラン・ション(貿易商)
メモ 1998.3.26(木曜)シネ・ヌーヴォ梅田
あらすじ
1838年、100年前からのアヘン密輸入により、清国は深く病んでいた。人々はアヘンに溺れ腐敗し、国家財政の4分の3の銀が国外へ流出している事態。道光帝は、林則徐(リン・ツォーシュイ)をアヘン撲滅のために、唯一の貿易港広州に派遣した。一方、英国では、ヴィクトリア女王が島国イギリスにとって、貿易は死活問題、広大な市場中国を他国に奪われてはならぬとの決意を持っていた。

感想 今日の感想は、いつもにまして(嘘)マジ。
数年前に、時の英国メイジャー首相が晩餐会の席で、「天安門事件の民主化弾圧」を言われたおり、中国李鵬首相は、「英国の植民地主義はどうだったのか(あんたにいわれたない)」と切り替えされたと新聞に載ってたのを思い出します。阿片戦争の100年後、日本もまた香港を占領しました。

英国は、議会という民主的な手続きにのっとって、帝国主義的侵略(清国への開戦)を決定したんですね。まじめな映画です。そして、丁寧に冷静につくられています。
映画の中で、英国の軍人が「清国の料理はすばらしい。しかし、料理の才を砲台づくりに生かしていたら、我々の方が和睦を求めただろう。」というシーンがあります。(「英国は粗食」という事を、昔から自ら知ったはったんですね。ピューリタンの国なのかあ) 清国は、”中華思想”の国であり、「負けるはずがない」という思いから、「敵を知り己をしれば百戦危うからず」という教訓をいかせませんでした。

ハズレた話ではありますが、林則徐をみていると、高級官僚の超エリート意識についても色々考えてしまいました。最近、高級官僚の制度は「旧態依然とした科挙制度」とかいわれ、エリート意識というのは、悪い意味に使われています。
でも、本来はそうじゃないはず。企業というのは、その存続、利潤追求が使命であり、50年100年先の広い視野を持った活動はできにくい。たぶん、それができるのは、行政だけだとワタシは思う。(とはいえ、行政主導の行き過ぎは考えもんではあります。)
お上はあてにせーへんとは思っています。が、薄給、重責、風当たりの強さから「やってらんない」と思われるかもしれませんが、「ワシがやらずに誰がする」の気概でエリを正してほしいと願っています。そして、さぼてんが末永く映画やミステリに浸れる国であってほしい。(これって、「国のために何をするか」ではなく、「国は私に何をしてくれるの」の姿勢でしょうか(^^))
おすすめ度:★★★★
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Z アカデミー外国語賞 カンヌ映画祭審査委員賞

仏=アルジェリア 1969年 127分
監督・脚本 コンスタンチン・コスタ=ガヴラス(「ミュージックボックス」)
撮影 ラウール・クタール
音楽 ミキス・テオドラキス
出演 イブ・モンタン/イレーネ・パパス/ジャン・ルイ・トランティニャン(カンヌ映画祭主演男優賞)/ジャック・ペラン
メモ 1998.3.25(水曜)ビデオ
あらすじ
某王国で、反体制政治家が自動車事故にあう。事故なのか、暗殺なのか、新聞記者(ジャック・ペラン)の協力を得て、判事(ジャン・ルイ・トランティニャン)は真相をひとつひとつ暴いていく。
感想
寝そべって見始めたのですが、最後は正座して見ていました。
実際の左翼政治家暗殺事件を元につくられているそうです。ギリシャでは上映中止。

ラテン系のような音楽が、しょっぱなから不穏な空気を感じさせます。サスペンス映画としても、とても良くできています。
衆人環視の中の事故でありながら、みんなが異様な興奮状態にあり、事件をよく見ていないというのが恐い。そして、暴力をふるうのになんら躊躇のない人々が恐い。
おすすめ度:★★★★1/2
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古井戸 <老井> 1987年東京国際映画祭グランプリ

中国 1987年 130分
監督 ウー・ティエンミン
出演 チャン・イーモウ/リャン・ユイチン/ルー・リーピン
メモ 1998.3.24(火曜)ビデオ
あらすじ
夏には10キロもの道を水くみに通い、冬はつもった雪を村人総出であつめている<水の出ない村 老井>では、先祖代々次々と井戸を掘り続けていた。
感想
こないだ、ビデオ屋サンにいって監督別の棚をながめてたらねぇ、「えっ、え〜」(●_●)。「テラコッタ・ウォリア」を見たときに「主演のチャン・イーモウって名前、聞いたことあるなあ、だれだっけ?」と思ってはいたのですが・・・「紅いコーリャン」の監督さんとは・・・。あーほんまにアホやねんから。「紅夢」「秋菊の物語」も見てるのに。いきあたりばったり、漫然と見てるからやねぇ。ハァ。まあ広く浅くがスタンスやから・・広く浅くか。
という反省のもとに借りてきたのがこの映画。
骨太な映画でした。先祖そして子孫へと続く長い流れの中で、現在の自分をとらえている姿が、遠くまで山々が連らなる風景の中に静かに融和していました。お薦め。
おすすめ度:★★★★
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ひとりぼっちの狩人たち 1995年ベルリン映画祭グランプリ

仏 1995年 117分
監督 ベルトラン・タビルニエ
出演 マリー・ジラン/オリビエ・シトリュック
メモ 1998.3.20(金曜)ビデオ
あらすじ
ナタリーは18才、女優を夢見ている。そのために、コネのありそな中年男達と知り合い、こまめに資料を手帳に整理している。渡米してブティックを開く夢をみている恋人は、その手帳に目をつけ金のありそうな中年男を襲いはじめる。原題は「餌、誘惑」 実話を元に映画化
感想
昨年の11月に、録画しておいたビデオを観ていたところ『トルーマン・カポーティの「冷血」を思い出すようなシーンがあって、もうすぐラストだろうという所で、「最後はどうなんねんやろ」と思っていたら突然画面が真っ青に・・・さぼてんの顔も真っ青に・・・録画時間まちがって、途中で切れてしまいました。』ということがあり、中途半端のままだったので、レンタルして再見することに。
無軌道な若者達が、短絡的に犯行にはしり、罪悪感のかけらもないというストーリー。稚拙な犯罪。忘れがたいラストでした。
主役のマリー・ジランは、現代的でかわいく幼稚な女の子を好演しています。あの手帳を見ていると、哀れです。
おすすめ度:★★★1/2
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鞄を持った女

伊 1961年 122分
監督・脚本 バレリオ・ズルーニ
撮影 ティノ・サントーニ
出演 クラウディア・カルディナーレ(アイーダ)/ルチアーナ・アンジェディロ/ジャック・ペラン(ロレンツォ)
メモ 1998.3.16(月曜)WOWOW
あらすじ
愛する夫を失い、その後男運が悪いのか、男の好みが悪いのか次々と男に捨てられるアイーダ。アイーダを置き去りにしたマルチェロの弟ロレンツォは、彼女に献身的に尽くす。しかし、彼はまだ16才だった。
感想
ロレンツォ役のジャック・ペラン? お顔を見てる内に思い出してきました。「ニュー・シネマ・パラダイス」の大人になって映画監督になったトト。
C.C(クラウディア・カルディナーレ)は、たくましい腕、腰、そして幼さの残る顔、最近こういう女優さんは、流行らないのかなあ。残念です。

夜の浜辺でのラブシーン、美しい。純な心情が切々と伝わってきます。16才ではどうしょうもないんです。こういう思い出のある人は、せつない。
おすすめ度:★★★1/2
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悪魔のシスター SISTERS

米 1973年 92分
監督・脚本 ブライアン・デ・パルマ
音楽 バーナード・ハーマン
撮影 グレゴリー・サンドー
出演 マーゴット・キダー/ウィリアム・フィンリー/チャールズ・ダーニング
メモ 1998.3.15(日曜)ビデオ
あらすじ
デ・パルマ監督日本デビュー作。双子の話。
感想
悪趣味〜なオープニングタイトル。品のない、あざと〜いストーリー。どっかで観たよ〜な気がする映像。サスペンスなのか、おとぼけなのか判別不能の内容。でも、なんか、結構おもしろいの。

「スーパーマン」のマーゴット・キダー主演でした。ケーキ屋の店員さんがオリンピア・デュカキスに似てました。(まさかねぇ)
おすすめ度:★★★1/2
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アルビノ・アリゲーター ALBINO ALLIGATOR

米 1996年 97分
監督 ケビン・スペイシー初監督作品
脚本 クリスチャン・フォルテ
撮影 マーク・プラマー
出演 マット・ディロン(ドヴァ)/フェイ・ダナウェイ(ジャネット)/ゲイリー・シニーズ(マイロ)/ウィリアム・フィッチナー(ロウ)/スキート・ウーリッチ(ダニー)/ジョー・モンテーニャ(ブラウニング)/ヴィゴ・モーテンセン(ギイ)
メモ 1998.3.14(土曜)シネマアルゴ梅田
あらすじ
ニューオリンズで3人の強盗は、事務所に侵入した途端警報機が鳴りだし逃走する。途中で別の事件で張り込んでいた警官をひき殺し、後を追ってきた覆面パトカーに衝突。車を捨て、負傷した仲間をかついで地下の古いバーに逃げ込む。そこには客が3人とバーの経営者と従業員がいた。警察に包囲され5人の人質と立てこもる4時間。
感想
ゴメン、NOBODYさん。先に観てしまいました。
ケビン・スペイシーのあのねちこい・・もとい、緻密な演出で、計算されつくした舞台劇のような映画です。「ブレーキ・ダウン」でも使われていた「In Sequence(順を折って撮影する方法)」だったそうです。監督や個性派俳優たちの気迫がつたわってくるような画面でした。ただ、「手に汗にぎるすごい緊迫感」が全編あったとまでは、言えないかな。

「BSファン」に「映画としての魅力に欠ける。折角の映画なのだから」と書かれていましたが、そうやねえ、私は舞台劇はほとんどみないので、こういう映画があっていいと思います。好きです。批評にこう書かれるというのは、監督の意図が成功しているからと思う。

モンテーニャ扮するブラウニング捜査官のTVインタビューでの、放送禁止用語連発には笑った。どの俳優さんも熱演。フェイ・ダナウェイは若返りはりましたね。
特に印象に残ったのは、そげたような強烈なルックスのウィリアム・フィッチナー。「ストレンジ・デイズ」のあの警官役か。思いだした。そして「スクリーム」にも出演していたスキート・ウーリッチ。ほとんどセリフはないのです。ハンサムガイでありながら影のあるミステリアスな容姿で、「タッチ」も期待しています。
おすすめ度:★★★★
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隣の女

仏 1981年 106分
監督・脚本 フランソワ・トリュフォー
撮影 ウィリアム・リュプチャンスキー
出演 ジェラール・ドパルデュー/ファニー・アルダン
メモ 1998.3.12(木曜)WOWOW録画
あらすじ
姿を消した元恋人が、8年後、偶然隣の家に越してくる。
感想
ミステリアスな題がいい。 再燃する恋に身を焦がすというよくある話なんやけど、逸品。
”恋わずらい”というのは、どういう科学反応なんでしょうか? 2人のそれぞれのパートナーはとてもよくできた”いい人”達なのです。 なのに何故? はかりしれないものがあります。
隣の女の人が、昔の恋人の子供とそっくりな子を自分と同じ黒髪にして絵を描いているところは、実に恐い。この女の人の中で、なにかが毀れてきている。
繊細で男を狂わせる女に、ファニー・アルダンは向いてるのかな。 「日曜日が待ち遠しい!」の元気な女の人は似合っていたと思うけど。う〜ん、もともとアンディ・マクダウェルとかファニー・アルダンのようなタイプのルックスは好みではないからか。
おすすめ度:★★★★
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ホワイト・バッジ 1992年東京国際映画祭グランプリ

韓国 1992年 125分
監督 チョン・ジョン
出演 アン・ソンギ/イ・ギョンヨン
メモ 1998.3.11(水曜)BS録画
あらすじ
ベトナム戦争に出兵した帰還兵は、10年後も後遺症にさいなまれていた。
感想
「韓国の人もベトナム戦争に志願してたんやね」というと、昨年の夏、韓国にいって戦争博物館を観てきたさぼてん男が「朝鮮戦争で国が無くなるところやった韓国は、アメリカに助けられ大恩を感じていて、ベトナム戦争にも出兵してた。」という。そうやったんか。

戦友会とかで「昔はなぐられた上官だったけれど、今はなつかしい」とか話をされている方達もおられますね。一方で、長い間苦しんでいる人もいる。その違いはなんだろう。
体験がちがうのか、個人の資質なのか、家族のいる自国を死守するのか他国の戦争かという違いなんでしょうか?
それとも、日常と非日常がくっきりはっきりしているから? つまり異常な体験をした人はごく一部であり、国に帰ってからそれを共有できないという孤独から? 
・・・・冷静に分析している映画では、ないな。
おすすめ度:「ディア・ハンター」のポスターも写っていました。★★★★
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夢中人(ゆめなかびと) DREAM LOVERS

香港 1986年 90分
監督 トニー・ホウ
原作 チュイ・カンチェン
出演 チョウ・ユンファ/チェー・ヤン/ブリジット・リン
メモ 1998.3.10(火曜)TV録画
あらすじ
秦王朝時代に悲しい別れをした夫婦の魂は何度も出会い、そして悲しい別れをくり返していく。
感想
悲恋。
運命に強く引き寄せられ、また、別れが訪れる。「今を二人で生きたい」と切望しながらも一瞬の出会いを胸に、魂の再生を信じて別々に生きていくのが、悲しい。

おすすめ度:★★★★
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ラブetc. Love etc.

仏 1996年 100分
監督 マリオン・ヴェルヌー
原作 ジュリアン・バーンズ(「ここだけの話」)
出演 シャルロット・ゲンズブール(マリー)/イヴァン・アタル(ブノワ)/シャルル・ベルリング(ピエール)
メモ 1998.3.9(月曜)扇町ミュージアムスクエア
あらすじ
マリーは、恋人募集欄(ラブetc.)で知り合ったブノワと結婚をする。しかしブノワの幼い頃からの親友ピエールがマリーに恋してしまうという異常事態が発生する。
感想
「ええやんなあ。いつまでも二人の男に想われて」というのが、見に行った単純な2人の感想。
ブノワが、内気で女性にオクテな男の人には、さぼてんにはみえんというのが、ちょっとのめり込めなかった一因かな。”いい男”の方なんです。シャルロットにそんなに2人が惚れるかあという所もある。題材はとてもいいんだけど。そういうわけでちょっと残念。
見所は、舞台装置。2人の家といい、花束といい、服といい色彩がおシャレ。音楽もグッド。

おすすめ度:★★1/2
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フエイス/オフ FACE/OFF

米国 1997年 138分
監督 ジョン・ウー
脚本 マイク・ワーヴ/マイケル・コラーリー
出演 ジョン・トラボルタ(ショーン・アーチャー)/ニコラス・ケイジ(キャスター・トロイ)/ジョアン・アレン(イブ)/アレッサンドロ・ニボーロ(ポラックス・トロイ)/ジーナ・ガーション(サシャ)/ニック・カサベテス(ディートリッヒ)
メモ 1998.3.7(土曜)東映パラス
あらすじ
6年前、5歳の息子を雇われテロリスト・キャスターに殺害されたFBI捜査官ショーンは捜査の鬼と化していた。
感想
「使ってください」といわんばかりに、タイミング良く拳銃が次々に手に入り打ちまくる展開。中国の爆竹のように、火花とびちりーの映像が派手でした。
「なあなあにせーへん?」という鏡のシーンや、「時計仕掛けのオレンジ」を思い出させる「虹の彼方に♪」が鳴っている中での銃撃戦とかが、バッチリ記憶に焼き付けられたよ。(^^)
さぼてん男はペキンパー監督の「戦争のはらわた」「わらの犬」も思い出させると言ってます。

アクションだけではなく、皮肉な展開も面白かった。堅物エリートの親たちよりも、ワルのキャスターの方がショーンのグレかけ娘の気持ちに近かったり。ジーナ・ガーションは、お顔(フェイス)に惚れていたのね。

刑務所に面会にやって来たトラボルタ(中身はキャスター)が「下品な言葉を使っちゃいけなかったな。」とかいうくだり、神経を逆なでする”おもいっきりやなヤツー”やったね。
しかし、キャスターは弟思いで根あかなヤツでもありました。トラボルタ? もちろんやさしそうでしたよ、たれ目が。(若い頃より今の方が好き)
ディートリッヒ役のニック・カサベテスはとても大きい人だった!
−−−いっしょに暮らして(?)違いを感じへんのかなあ?(なんの?) そういうもん? 2カ月うんぬんが伏線なのかしらん?−−−
おすすめ度:★★★★1/2
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ロザンナのために

米国 1997年 98分
監督 ポール・ウェイランド(「Mr.ビーン」)
脚本 ソール・タートルトブ
音楽 トレバー・ジョーンズ(「ラスト・オブ・モヒカン」)
出演 ジャン・レノ/マーセデス・ルール(存在感のある俳優さんです「フィッシャー・キング」)/ポリー・ウォーカー
メモ 1998.3.6(金曜)梅田OS劇場
あらすじ
舞台は一応イタリアの小さな村。心臓病でいつ発作が起こるかわからないロザンナの願いは、娘のそばにねむること。しかし村の墓地にはあと3人分しか空きがない。愛する妻のために娘の横のスペースを死守すべく夫マルチェロは、村人に長生きしてもらおうと商売そっちのけで奔走している毎日だった。
感想
予告編みた? 全然違うから。
絵になる男、笑える男ジャン・レノの純愛物かあとあんまり食指は動かなかったのですが、ジャン・レノファンからお誘いがあったのでフラフラと見に行ってきました。そしたら、思っていたのと違った。

愛する妻には生きていてほしい。だけど「先に逝った娘のそばでねむりたい」という妻の願いをかなえるためは、スペースがある内でないといけない。というジレンマに頭ぐちゃぐちゃになったジャン・レノ奮闘物語。極端に、極端に走るブラコメ
突き抜けたストーリーには、爽快感さえあり。これは、大人の映画。大人の純愛物語。
おすすめ度:パンフ売り切れ(涙)★★★★
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テラコッタ・ウォリア 秦俑(しんよう) 古今大戦秦俑情

香港=中国 1989年 103分
監督 チン・シュウタン
出演 チャン・イーモウ/コン・リー
メモ 1998.3.3(火曜ひなまつり)CS録画
あらすじ
秦の始皇帝の時代、帝は”不老不死の秘薬”を手に入れるため徐福を蓬莱(日本)に遣わす。その時に選ばれた美女のひとり・冬児と武将・蒙天放は互いに強く惹かれあう。
感想
全編、目を見開きっぱなし! こりまくりの映像、あれよあれよと展開するストーリー。まいってしまった。
個人的には、前半の、いや第1話かな、悲恋物語が好みです。コン・リーめちゃかわいい。
でも、第1話ではお尻がもぞもぞして落ち着かない男の人も、第2話の冒険活劇で楽しめますね。馬で疾走するシーンが何度もでてきて、とてもかっこいい 。しびれてしまった。

大阪城築城400年祭の時に、中国兵馬俑(へいばよう)から何体か展示されていて、実物を見ました。武将像は、猛々しい(たけだけしい)というより、雄々しくみえました。 たち姿がとても立派でした。
おすすめ度:★★★★1/2
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離れの客とお母さん

韓国 1961年 103分
監督 シン・サンオク
出演 チェ・ウニ/キム・ジンギュ/ド・グンボン
メモ 1998.3.1(日曜)NHK教育 アジア映画劇場
あらすじ
若き未亡人とその家の離れに下宿した画家との、淡く切ない恋を未亡人の幼子の視点から描く韓国映画史上の名作(1997年韓国映画祭チラシから抜粋)
感想
しっとりとした情感あふれる映画でした。とてもクラシックな題材ですが、ところどころ笑える所もあって、すばらしい構成の映画ではないでしょうか。
どういう選択になるのかと思っていたのですが、余韻の残るラストでした。

おすすめ度:★★★★
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