茫漠のヨルダン〜ペトラ(シーク)
 
Petra(Siq)
 
 
ペトラ(シーク)
 

  ヨルダン観光の最大のハイライト、ペトラ。高い物価、まとわりつく客引き、うだるような湿気と強烈な陽射し。それらを割り引いても、わざわざ行く価値が充分にあります。少なくとも丸一日は滞在したいものです。  

 
モーベンピック・ホテル
 


       
 
吹き抜け
建物中央には最上階まで吹き抜けになったロビーが。中東に多いこの造り、開放感たっぷりです。ペトラへの入口にほど近い立地もオススメです。
 
バーベキュー
ディナーはプールサイドのテラスでバーベキュー。この地域には珍しく海老がふんだんに出回っていました。日本人の団体が来たのでサービスしてくれたのかな。
 
朝食バイキング
朝食はプールを望むレストランで。基本的に洋風のバイキングメニューですが、中東っぽいエスニック料理もちらほら。果物が充実していたな。
 

 
シーク
 


  入場口を入ると、まずワジ(涸れ川)に沿った下り坂が1kmほど続きます。体力温存のため、この区間は馬を利用するのも一興。それぞれの馬には「マラドーナ」「マドンナ」「インディジョーンズ」といったベタな名前がつけられており、だからといって特に速いわけではありませんが、なかなか快適な乗り心地です。  

       
 
下り坂
入口から1kmあまり続くシークは基本的に下り坂です。岩山の奥に隠された遺跡というイメージから、山道を登るものだとばかり思い込んでいたので、これは意外でした。
 
開けゴマ
馬を降りると、いよいよ両側を岩に囲まれた狭い道「シーク」の入口です。あまりに狭いので、このロータリーで行き止まりなのかと迷ってしまった。
 
観光ロバ
中には人ひとり通るのがやっとというところもある狭い道。当然、車なんかには頼れない。そこで歩き疲れた人のためにはロバが用意されています。
 

   
河道跡
シークはかつて川の通り道でした。軟らかいところはすべて水に削られてしまい、硬い岩だけが残ったのです。だから地面も岩。まるで造ったように凹凸もなく、舗装路のようで快適に歩けます。ときどき砂で滑りやすくなっていて、転ぶと痛いけど。
   
挟まれる
道幅の一番狭いところは数10cmしかなく、本当にからだを横にしてすり抜けるしかありません。道幅の広いところでも見上げると先は意外なほど狭くなっていたりして、動き出したらどうしようとか、ついアドベンチャー映画的なことを考えてしまいます。
   

   
瑪瑙のような
道の両側には不思議な模様をした岩が延々と続きます。岩石というより磨かれた瑪瑙(めのう)みたいで、切り取ったらこのまま売れるんじゃないかと思うほどです。両脇の岩には削って造られた水道の跡が。これにより遺跡の奥深くまで水を引いていました。それでは当時、人はどこを歩いていたんでしょう。
   

   
奇岩鑑賞
岩肌のほか特に見るものがないにもかかわらず、次から次へと予想外の奇岩が登場してくるので全然飽きません。肌色やピンクの縞模様がいかにも彫刻の素材になりそうで、小学校の図工の時間を思い出します。化石がないか探しちゃったりして。
   
命の痕跡
1kmあまりに渡るシークの中で、ほぼ唯一見つけた植物。岩壁から堂々と一本の木が生えていました。日当たりは問題ないとしても、水分はどこから得ているのでしょう。雨が降ることは期待できないし、草ひとつないことを思えば地下水もなさそうだし。
   

   
振り返ると
歩くこと10数分。来た道を振り返るとなかなかに雄大な景色が拡がっていました。人間の大きさと比べると自然がいかに偉大かを改めて思い知らされます。と感慨にふけりながら後ろ向きで歩いていると、突然、背後で歓声が。何が起こったんだ?
   
お待ちかね
シークの終わりは突然やってきます。緩やかなカーブを曲がると、急に眩しく輝くエル・ハズネが前方に姿を現わします。絵葉書や観光写真で有名なこのアングルですが、太陽の角度によるのでしょう、行きと帰りでは色合いがかなり違って見えました。
   


 
茫漠のヨルダン
 

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