茫漠のヨルダン〜ジェラシュ
 
Jerash
 
 
ジェラシュ
 

 
ジェラシュ遺跡
 


  華麗なるローマ都市、ジェラシュ。8世紀の大地震で壊滅的な被害を受けたものの、女性的な印象を与える独特の雰囲気は今も健在です。  

       
 
凱旋門
年々増殖しているおみやげ屋エリアを抜けたところが遺跡の入口。凱旋門が出迎えてくれます。見てわかる通りパルミラの記念門にそっくり。ローマ中央集権の賜物ですね。
 
南門
ここからが有料エリア。貴重な木陰があり、みんなしばし休憩タイムに。修復したのか、凱旋門と比べるとなんだかハリボテっぽい造りをしていました。
 
フォーラム
しかし列柱が囲む円形のフォーラムはジェラシュ独自のものです。これを配置した都市計画はなかなか見事で、街全体に現代的なアクセントを与えています。
 

       
 
ゼウス神殿
ローマ遺跡の多くがそうであるように、ジェラシュも起源はギリシャ時代に遡ります。南門を入ってすぐ左にはオリュンポスの主神ゼウスに捧げられた神殿があります。
 
列柱通り
せっかく敷き詰めた石畳がデコボコとうねっていました。土木技術が足りなかったのではなく、すべて大地震のせいだそうです。液状化現象があったんでしょうね。
 
大聖堂
ひときわ立派な姿だったので正面から撮ってみました。シンメトリーの構成が安定感を醸し出しています。エフェソス遺跡の図書館にもどことなく似ています。
 

   
モニュメント
フォーラムの中央には炎をイメージしたモニュメントが建っています。この感覚もなんとなく現代的。オリンピックの聖火台に通じるものがありますね。私的にはなぜかベルリンを想像してしまいました。これが日本だと駅前のロータリーに「交通安全宣言都市」とかあるのがせいぜいですよね。なんかカッコ悪い。
     
風に揺れる
ジェラシュ七不思議。なんとアルテミス神殿の柱は恒常的にゆっくりと揺れているのです。地震に備えた究極の耐震構造というわけでもないんでしょうが、なぜ揺れているんだ? なぜ止まらないんだ? なぜ倒れないんだ? 謎は未だに解明されていないようです。あ、ずっと見ているとつられて眩暈がしてくる。
   

       
 
コリント式
列柱の先端には精緻を極めた美しい装飾が施されていました。肉眼ではちょっと遠いのでオペラグラスやズーム付きのカメラがあると良いですね。
 
群像
抜けるほど青い空に何本も並んで突き出す列柱。これもジェラシュを象徴する構図でしょう。ローマ遺跡の真髄は柱にあり、と思わせる眺めです。
 
芸術写真
アルテミス神殿の中で何気なく上を見上げたら、こんな構図になっていました。まるで狙ったようですが偶然です。神殿の作者は狙って造ったのかもしれませんが。
 

       
 
フィルター撮影
あまりに眩しいので遮光フィルターが要るなと思い、代替としてサングラスをレンズの前に当ててみました。ほらね、かえって自然な色合いになったでしょ。
 
モザイク
アルテミス神殿からの帰路、メインストリートを外れて教会跡の集まる小道を通ります。教会の床の一部には当時のモザイクが残っていました。
 
東西の大通り
南北のメインストリートと同様に東西の大通りにも列柱が並んでいました。屋根をかぶせたらまるでアーケードです。商店が軒を連ねていたのかと想像するのも楽しいですね。
 

 
街角の風景から
 


   
免税店
ジェラシュから北上すること1時間、山岳路に分け入りいよいよシリアとの国境へ。陸路での国境越えは初めてです。ボーダーコントロールは軍事上の理由から当然写真撮影禁止。で、ちょっと退屈していたところ免税店がありました。ワンフロアだけの小さなものですが、ブランドの化粧品やカメラをはじめとする電化製品、果ては子供のおもちゃまでと充実した品揃え。中東らしさは微塵もなく、これじゃまるで成田空港の出国ターミナルではないか。これだけの品物をどこからどうやって運び入れているのでしょう。図らずもヨルダンの中の「異国」を見ることができました。
 


 
茫漠のヨルダン
 

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